題名:箱庭の街T 登場隊員:屋敷の主(NPC)・狼面の男・羽付ヴェールの少年・従者・地味な従者(中央区ジンディッセ) 屋敷の主【入室】 (2008/05/05 (月) 23:01) ◆ 屋敷の主 :(今日は新月。館では、恒例の仮面舞踏会が催されていた。装飾のついた仮面と優雅な衣装で身分を隠した紳士淑女が好きに語らい、食事をし、形式にとらわれない自由な舞いに興じている。そんな様子を、街から屋敷へ入る門の受付で満足げに見つめている男が、この館の主。ファルゼン・スェラその人だった。褐色がかった肌色の顔を、左半分だけ覆う仮面の出来損ないのようなもので隠し、上背のある身体は新月にあわせて闇色の夜会服で包んでいる。格好だけならそれなりの身分に見えるが、給仕にならんで小さな椅子に納まっているので、どうも威厳がなかった。客を笑顔で迎え入れたあと、オリーブ色の髪を掻きながら、隣の給仕の娘へ親しげに話しかけた)ねえ、ミランダ。僕はやはり、ああいう清楚な感じの女性がいいと思うんだよね。(給仕の娘はつんと前を向いたまま、冷酷に言い放つ。「ご主人様、先日は”胸が大きくて情熱的な女性が理想だ”と仰っていたと記憶しておりますが」) あれ、そうだったっけなあ。ああ、そう言えば聞いたかい?三番通りのパン屋のミネッタが、僕を捨てて結婚してしまうんだそうだよ… 2008/05/05 (月) 23:22 狼面の男【入室】 (2008/05/05 (月) 23:35) ◆ 屋敷の主 :(「捨てたも何も、ご主人様がミネッタさんとお付き合いした事なんて一秒たりと無かったはずですが」二十歳位の給仕の娘が、その倍の歳ほどである主人へ平然とそんな口を聞く。それでもお互い分別はあるようで、新しい客が来ればさっと立ち上がり、主人のほうは穏やかな笑顔を浮かべ、給仕は面を下げた。)―――ああ、ギルバート様、ご無沙汰しております。勿論ですとも、次か、その次かは運命の女神に問うしかありませんけれど、貴方の望むものがあれば、必ずご連絡差し上げます。――おや、仮面はお持ちですか?…これは失礼。では、楽しんできてくださいませ、”名も知れぬ紳士”よ。良い夜を――(そうして顔を隠した貴族が去っていけば、また、くるりと娘に向き直った)…君は実に冷たいなあ。ああ、もしかして嫉妬かな。  「寝ぼけていらっしゃるのなら水をかけて差し上げますが」 2008/05/05 (月) 23:38 ◆ 狼面の男 :(――怪異な男であった。顔の上半分を狼の意匠に彩られた仮面で覆う巨漢である。縦に大きく、横にもがっしりとした体つきをしていて、とても舞踏などたしなんでいるようには見えないし、紳士的な体格とも言いがたい。その体の大きさだけで既に存分目立っている男だったが、着込んでいる衣装がまた目を引いた。下半身は真っ青な原色のレザースラックスに覆われ、上半身は目の覚めるような鮮やかな赤色に染め上げられた長衣を羽織る。長衣は滑らかに照明の光を跳ね返す天鵞絨で織られているようだ。ビロード、ではない。この男が着ているそれはどうしても「天鵞絨」である。赤と青のけばけばしい原色に彩られたその服装はいっそ滑稽なほどに強烈な色合いだが、不思議と男の巨大な体を包んでいる限り、それはとても似つかわしく……もってこいの取り合わせであるように見えた。ありとあらゆる意味で、おかしな男、としか言いようのない風貌の、男である。それが会場の中央でステップを踏み、誰と手を合わせるでもなく――舞っていた) 2008/05/05 (月) 23:43 ◆ 屋敷の主 :(だらだらと雑談している主人と給仕の下へ、屋敷の中から給仕の青年がひとりやって来た。主人と目が合うなり、戸惑ったような表情を浮かべて口を開く。「…その、ファルゼン様、あの………ええと……なんだか…おかしな人が………」そう、目線で示すのは独りで踊る派手な色の塊だった)…………意図的に視界に入れないようにしていた、というのは、やっぱり駄目かな。駄目だよね。  「仮装大会と勘違いしていらっしゃるのではありませんか。思い切り浮いていますが」  なんだろうなあ…誰が受付したのかなあ………一応挨拶したほうがいいよねえ…(関わりたくないとそっぽを向いた給仕の娘に苦い顔をして、主は渋々立ち上がる。ほかの客たちへ笑顔で挨拶をしながら、その、異様な風体の男へと近付いて行き)――やあ、今晩は。楽しんでいらっしゃいますか?(音楽に乗り、相手のステップに合わせてするりと近寄ると、そう声をかける。浮かべた笑顔は、どこからどう見ても本物だった。) 2008/05/05 (月) 23:59 ◆ 狼面の男 :(奇怪な男が刻むステップはしかし、その異様な風体とは裏腹にしっかりとしたもので、格好さえこれでなければ問題のないものだったろう。丈の長い天鵞絨の裾を思う様翻して我が物顔でターンし、時に軽い跳躍さえ見せながら、しかしそれを他の参加者に触れさせるような無粋はしない。そんな挙措までもが妙で、しかし間違いなく目を引いていた。だが、それは音楽のリズムを乱すことなく近づいてきた主人に対してだけは違って)――――。(ばさりと音を立てて長衣が跳ねた。滑らかな光沢を放つ天鵞絨が、まるで主の視界を覆うように思い切り良く跳ねる。その裾を引き連れるように高い跳躍からターンした男は、靴底を床へ勢いよく叩き付けてかつん――という小気味良い音を甲高く響かせ、主と顔を突き合せるような体勢で着地していた。おそろしく無礼な行いではあるが、着地した男が取った姿勢は慇懃な礼のかたちである) 2008/05/06 (火) 00:14 ◆ 屋敷の主 :(奇妙な格好の男に近付く人間はそれまでいなかったらしい。周りの人間が見守る中で、言葉を無視される形になっていた主人はといえば、平気な顔をしてステップを踏んでいた。流石に眼前に大きく広がったヴェルヴェットには、一瞬驚いたようだったが。さっと片手を上げて背後の何かへ視線を投げ、直ぐに前の男へ笑顔を戻して、両手を打ち鳴らした)―――ご覧になられたでしょう、皆様、この極楽鳥のごとき舞い手に拍手を!(静まり返った邸内に、ようやく音楽と喝采が戻る。それが一通り納まって、元通りの喧騒に戻った頃に)はは、長い事ここに居ますけれど、貴方のような舞い手は初めて観ました。その動きは自己流ですか?――ああ、シェリル、私にシャンパンを。貴方は? 2008/05/06 (火) 00:33 ◆ 狼面の男 :(目前の主が背後に向けたジェスチャーを見ると、こちらは狼面からのぞく口元をわずかに残念そうな形に歪めたが、それはすぐににやり、とした笑みに戻った。服装のけばけばしさに隠れていたが、肌の色は褐色に染まっていてますます野人の風体である。祭の主人としてのスタンスを崩さない相手からの問いかけには軽く首を振って)俺は下戸でね。――いや、賢明な判断だよ。こちらとしちゃ、少しばかり残念な判断だったがね。「そのつもり」でやったンだが(くすくすと笑いながら、目前の相手には恐らく通じるであろう言葉を無礼な調子で飛ばす褐色の巨躯である。狼面の向こう側の表情は隠されて見えないが、さぞかし楽しげに顔を歪ませていることだろう)自己流…じゃないな、師事したもんだ。まあ、パーティーのために学んだ動きじゃあないがね。 2008/05/06 (火) 00:44 羽付ヴェールの少年【入室】 (2008/05/06 (火) 00:49) ◆ 屋敷の主 :(相変わらず穏やかな笑みを浮かべ、シェリルと呼ばれた給仕からシャンパンを受け取る。彼女に何事か耳打ちして、すぐに戻ってきた娘の盆には、レモンを浮かべた透明な液体がタンブラーに満ちて乗っていた。それを、相手へ差し出し)どうぞ。はは、ただの水ですが。(相手が受け取ってくれれば、こちらの杯を軽く掲げてみせるだろう。飾らない口調の相手につられて)ん?残念…何がだい?(庶民口調で聞き返した瞬間に、まだ背後にいた給仕に脇腹を突かれ、呻いて、男へ苦笑いを向けた)そうなんだ…いや、そうなんですか。とても勇壮で見ごたえがありましたよ。中々こういった迫力のある舞いをする人はいないですから。ほら、あちらの方は熱心に貴方を見ているでしょう。――貴方を屋敷に招いて、一曲披露してもらおうという算段をしているのですよ。 2008/05/06 (火) 00:58 ◆ 羽付ヴェールの少年 :(ゆら、ゆら、ゆらり。ゆっくりと受付を通り抜ける小さな影は幾らかの影の前を通って、目深に眼を隠すヴェールから飛び出た装飾つきの羽根を弄ぶ。通りがかりに呼びつけた人達はちゃんとついてきているのか後ろも確認せず、男とも女ともつかない黒調の服の裾を靡かせた。似たような形で袖のないものもあるにはあったものの、他に必要の目があったため、備えは多いに越したことはないと常々実感しつつ、)ごきげんよう。――ああ、もう、宴もこんな時間で…(それよりももっと、時間の余裕は持ったほうが良いものらしい。扉を少し大きめに開いて、それから後ろへと視線を送り、)面白いものがあるといいねえ。ね?(問うような、謳うような声で呟いて、闇から浮き出た色鮮やかな世界へと潜り込む。屋敷の主を先ず探しそうとして、視線は慌しくはなくとも落ち着いてもいなかった。) 2008/05/06 (火) 01:00 従者【入室】 (2008/05/06 (火) 01:07) ◆ 従者 :(ほんの数時間前に護衛の任務を割り当てられた際に、二つ返事で承った所までは順調だった。そうして、入館手続き概要の書類を読んでみるが、手近な非番の衛兵達に教鞭を頼っても不明瞭な箇所が少なくなく、あてに困って最後の手段で満月館に直接訪ねると、予想とは裏腹に容易に貸し出して貰えた。本来の訪問目的とは、文書の説明であったのだが。渡されたタイプは種々雑多にあったものの、判断には及ばず一番上に重ねてあったものを借り受けてここに居る。館の使用人の手を散々煩わせて着込んだ服は、早速侵蝕させて頂いて構造だけを記憶した。給金に不足はないだろうと踏んで、後で新品を返却しようと思う。それにしても、着込んで袖となる部分を二の腕付近まで詰めた衣装を着込む事など初めてであったし、首に巻き付いているスタビライザーか放熱板じみた風体の布状装備が微妙な前傾姿勢を強いている。頭に付けたイミテーションフラワーのリボンが夜にも関わらず本当に光合成しているのは、やはり普段とは違う形態で活動せざるを得ないことへのリカバーによるものだろう。要の仮面もその場で受け取った安っぽい汎用的なものだった。揺れ動く羽根を目印にここまで追尾しては来れたが、この日の行動指針指示は何一つ受けていない。) 2008/05/06 (火) 01:07 ◆ 狼面の男 :(差し出されたタンブラーは素直に受け取ると、相手の手にあわせてこちらも軽く掲げて乾杯の形を取る。気配を変える事無く穏やかで波立たない目前の男に鼻で息をして小さく笑うと、ほんの僅かに砕けた調子の言葉を聞いて頷き)ああ、まあいいや。躾に厳しいお家柄で大変そうだなァ(本来ならば身分に天地の開きがあるはずの給仕に小突かれて居住まいを正す相手の苦笑に、こちらも苦笑いを返してそんな感想。続けられた賞賛の言葉にはよしてくれ、と言わんばかりにひらひらと掌を舞わせて否定の意を表し)お大尽様の見世物をやる気はないし、見世物になれるほど面白くも美しくもないやな。俺は俺が楽しそうだと思ったことをやってるだけでね……俺の本気の舞いが見たいなら、鎧を着込んで戦場にでも付いて来いと言ってやりな。 2008/05/06 (火) 01:10 地味な従者【入室】 (2008/05/06 (火) 01:11) ◆ 地味な従者 :(ジンディッセは面倒だ。というのが、要塞に行って一日歩き回っての感想だった。更にはこういった仕事が急遽加わって・・・まあ、事件が起こったから手伝いに来いと言われるよりは断然マシだと思うのだが、やはり面倒であった。借り物の飾り気のない仮面をつけた男は、小さな人の呼びかけに溜息交じりだった。もう一人より先に人々や物間を抜けるのは、そうしたほうが彼も少しは通りやすいかと思うからで。)護衛を、などと言うのなら、あまり遊んでくれるなよ・・・(前を歩く人と同じ黒色をした長い衣装の袖の具合を確かめながら――実際にはその裏に仕込んだ紙切れを確かめながら、小さく声を投げる。服だけは借り物ではなくて、光の当たり方で透かすように模様が見える庶民にしては上等の服だったが・・色の所為で地味だ。この男の見た目に目だった色が見えるのは、歩く時に翻る裾から青の裏地が覗くときだけ。・・・・・・見える羽を追いつつ、また溜息が一つ漏れた。) 2008/05/06 (火) 01:15 ◆ 屋敷の主 :   (狼面の人と主人が会話をしているのを困った顔で受け付けの娘が見つめていた。原因は先ほど入って行った一団で、主人に相談しようにも声が届かない。そのうち別の客の対応に追われて目を離し―――早速、給仕の不安は的中するだろう。どう隠しても見るからに幼い、ヴェールの子と頭に花を生けた子へ、肥満体をきらびやかな衣装に押し込んだ中年男の手が伸びる。「やあ、なんて可愛らしい子らだ。君たち、舞踏会は始めてかい?」 仮面からはみ出た顔の半分に、健全でない笑顔をはりつかせて、だ。) 2008/05/06 (火) 01:18 ◆ 従者 :(他の人間とは比重の大きく異なる一人の男が前に踏み出たのに対応して、ヴェールの主を遮り、その男の手をこちらから握った。)お初にお目にかかります。恐れ入りますがこちら、この場に相応しくない粗相も多々齎してしまうかと。その場合、なんなりと処分をお下しなされますよう平に御願い致します。(平坦な声だった。) 2008/05/06 (火) 01:25 ◆ 屋敷の主 :(そういった事態を収める為に要るはずの主はといえば、目の前の不思議な人に興味深深だったようで。嬉しそうに杯を傾けると、男の言葉に笑顔を深くした)いやあ、全くですよ。どちらが主かわかったものじゃあありませんね(そう冗談を返してから、小さく頷いた)そうですか、きっと残念がりますよ。ああ、やはり戦士でしたか。道理で雄雄しい姿のはずだ。…おや、では…どうしてあんな舞いを?私はてっきり、貴方もだれかに登用してもらうために、いらっしゃったのかと思っていたのですが 2008/05/06 (火) 01:25 ◆ 羽付ヴェールの少年 :坊や、すまないねぇ…護衛を頼んだくせに服の手配まで意識が回ってなかったよ…。次までには君用の正装も織らせるけれど、宴は楽しんでお帰りね。(黒い小さな従者へと語りかけたのは、扉を開いた後の事だった。彼らに護衛の任を頼んだのはまさしくこの人で、1人はもう何度か顔を付きあわせている人だったから横柄な少年は何も考えずに引っ張りまわしたものの、この小柄な方の人だなんて本当に声もよく知らないようなそんな関係だった。見た目が良いほうが眼を引くので、半ば好みの選局というかなんというか。害をくれてきそうな輩だけでも油断させられたら問題はない訳で、この面子も彼なりの意味はあったが、傍からしたらそれはどうだったのだろう。)まあ、坊やったらなんて事を…  月と、闇。一緒に連れて歩いたら少し冒険してみたくありませんこと?(従者二人の頭へ視線を遣って、忠告めいた言葉に少し笑った。彼は着飾ればそれは映えるだろうに、どうせならば他のものだって用意をさせたのだが、多分それらは護衛には向かない動きを制限するものでしかなかったのだろう。残念というか、惜しい。)君だってそんな仏頂面でパーティーを楽しめるのかい?周りが不審がるからやめておくれよ……  おや、お眼に書かれて光栄で御座います。(大きな影に体ごと隠されながら、前を行った少年の後ろから遅れて胸元を押さえた礼を落とす。大丈夫ですよ、と、中年の手を取った黒服の少年の頭を猫のように撫でてやって、)恐れ入りますが、この新参者めに今日の目玉を教えていただけませんか、 2008/05/06 (火) 01:28 ◆ 地味な従者 :(視界不良なので前髪を手櫛で後ろに流し、そして聞えてきた声に仮面の下で盛大に眉を寄せた。流石早いな、と賛辞ではなく皮肉を飲み込み、この仕事を請けてしまったことの後悔を始めていた。)冒険して何かあったら、(言葉はそこで切れる。声をかけてきた男あたりに聞えてしまいそうな距離になったからで、先に動いた少年とは違い、こちらは横に控えるようにして頭を下げる。ノリノリで文官としての仕事をする気らしい護衛対象の袖を引っ張りたい気分だったが、それも抑えて・・・こちらは本当に、年恰好もあり、ただの従者の体をとっていた。顔を上げれば、“主人”である人の言葉に合わせるように、申し訳なさそうな笑みを少し。) 2008/05/06 (火) 01:32 ◆ 狼面の男 :ま、俺みたいな一般市民としちゃあ上のほうで澄ましてるようなお貴族様よりはよっぽど好感が持てるがね。親しみやすいのはいいことさ(手に持ったタンブラーをゆるゆると揺らして透明な液体が震えるのを見、照明の光をすかして僅かに煌めくさまを楽しげに眺めながらの返答である。周りの様子も気にしない風に己へと言葉を投げかける姿に少々の苦笑を漏らしながら、続く言葉にはまた首を振る)遊び場で遊ぶのが何か不思議かね。ここは楽しむ場で、遊ぶ場所だろう。欲得や利益を考えてちゃあ、本気で遊べやしない。本気で遊べなきゃ、楽しくもないだろ。遊びってのは、下心がないからいいのさ……あんなのはダメだな。(周りから聞こえてきたあまり愉快でない声のほうに目を向けてそう紡ぎ……その表情が、ぴたりと固まった。仮面の奥に隠れて顔色は伺えないが、小首を傾げて怪訝そうに見る先は中年男と三人連れの姿だ)――あいつら……あいつら、だよな。何してるンだ。 2008/05/06 (火) 01:37 ◆ 屋敷の主 :   (肥満体は少年の手を握って、そのまま離さなかった。にこにこと笑いながら小さな手を撫で回している。そうして「堅苦しい挨拶はなしにしようではないか、何せ今日は宴なのだからねえ。目玉、と言えば、ほら、あの狼男の道化師のような格好をご覧。先ほどまでどたどた踊っていたんだが、舞いなら君達のような可愛らしい子のほうがずっといいね」  言って、少年二人の後ろに控えた従者らしき青年を一瞥、顎でよそへ行け、という仕草をした。かなりホンモノのそっちの趣味らしい。「さて、二人ともあちらでゆっくり話をしないかね。奥に柔らかいソファがあるんだよ。何か食べるかい?お菓子や甘い酒もある」と、一方の手は握ったまま、もう一方の手でヴェールの少年の肩を抱き寄せようとした。) 2008/05/06 (火) 01:40 ◆ 地味な従者 :(きな臭い噂はあれど、此処は主人が良心的であるから普通に参加する分には、あまり心配しなくてもいい――という話を聞いたのが、遠い昔のように思える。今日会ったばかりの要塞の人を嘘吐きと言うつもりもないが、情報はしっかり流して欲しいものである。・・・まあ、要塞クラッシャーとまで呼ばれた部隊の人間である。多分トラブルを引くのはそういう運命なのだと開き直るしかあるまい。男の仕草に乾いた感情を抱きつつ―――こちらはあくまで、文官の付き添いだ。そちらに合わせるしかないので、対応は後出しになる。主人へと首を傾げて見せ、命令を窺う。彼も『何処かへ行っていろ』というなら自分は離れているし、必要なら暗示でも何でも用いる、というのは、此処に入る前に告げたことだ。・・・仕事に集中しているので、男は件の狼の方には視線を送らなかった。) 2008/05/06 (火) 01:47 ◆ 従者 :(しばらく巨漢の撫で回していた青白い掌が僅かに手首から傾ぐと、“ぎじゅ”と、明らかに腱や軟骨に異常を来たしたと思わせる音が響いた。典雅な音楽に掻き消されたはずのそれは、骨伝導の働きによって、恐らく男の聴覚にのみ一際大きく聞こえ響いたた事だろう。迂闊に手を離そうものなら、ありえない方向に捻くれて曲がった手先がそこに露わになる筈だ。)…申し訳ありません。お怪我は、ありませんか?(従者の表情こそ、普段のままではある。) 2008/05/06 (火) 01:49 ◆ 屋敷の主 :はは、そうですか。まあ、私は商人ですからね。一般市民です。こういう話し方だと肩が凝ってしょうがない(杯を空にして近くの給仕を呼び寄せ、何かを告げる。そうしてまた狼の人へ向き直り、すこし困ったような笑顔を浮かべた)耳が痛いですねえ。確かに、そうです。皆が皆、そう思っていればいいのだけれど――…ん?…ああ、困ったな…悪い癖だ。…おや、あの子たちはお知り合いですか。(尋ねつつ右の遠くのほうへ視線を投げ、指先でなにやら合図を送る。そのあとに、4人のいる所へ向けて歩き出した。あくまで場を乱さず、優雅に、だ。)―――やあ、今晩は!楽しんでいらっしゃいますか。(そう、お決まりの挨拶を彼らへと投げよう。どうも今日は、珍客が多い日だ) 2008/05/06 (火) 01:53 ◆ 羽付ヴェールの少年 :何かあったら?―――君が主役になる番だねぇ。(早い話、仕事だ、と。当たり前のようなよどみのない声で言い切って、あまり外には向けない皮肉を込めた満面の笑みを送る。――文官としても当然仕事ではあるが、一つだけ誤解がある。貴族の集まりということは、それだけ人脈の作れる場に相違ないのだ。仕事には違いなくとも、待機付きの文官としての仕事は本当に後から――こんな晴やかなものより、もう少し暗い淀んだ世界からやってくるので、今のところの仕事というと、)ふふ、恐れ入ります。私だなんて矮小なものの踊り、ただの遊びのように御座いますので貴方様を楽しませるだけの器はとてもとても…しかし狼、ですか――――ああ、(言って、少し固まった。知ったにおいというにはまだ慣れていないものの、忘れるわけもないものだった。今日のところははりねずみではなくて狼らしいが、どのみち遠目からして物騒この上ない人の姿へと向けて、)――ああ、お父様もお先にいらっしゃっていたのですね。これは失礼…父が呼んでおりますので、何か雑用でもあらせられるのでしょう…坊や、さ、名残惜しいのは分かりますが急ぎましょう。(父親、と、狼の男を屈託のない笑みで言い張り、耳を掠めた嫌な音さえもその笑みで聞かないふりをした。中年から顔を背けた瞬間に、それは大層顔を歪め、動きだけは場を乱さない穏やかなもののまま、大層歪んだ顔に流石に汗が伝う。隣にいた人の手は、もう、見るのも怖い。)ちょ、ちょっと、坊や、何が起きたんですか今!今救護班を探してくるからそれまで我慢おし―――それと…ああ、父上お久しぶりで御座います。(従者に囁いて、そう、狼へと頷いた。) 2008/05/06 (火) 02:01 ◆ 狼面の男 :社交、人脈、コネクション。大事にするのはいいが、勿体無いね。せっかく楽しくバカをやれる遊び場があるのに、そこに至って仕事のことばかり考えているようじゃあさ(そう言った政治的な問題に関しては最初から毛ほども興味のない男は、この会場で談笑している大多数の人間が腹の内に抱えているのであろう目論見を一蹴するようにそう紡いで。知り合いかと問われれば一瞬だけどう答えたものか迷うように宙を見たが、聞こえた言葉にああん、と素っ頓狂な声を一つ飛ばし)――全く、見た目に気を使うのはいいがね、あまり先方をお待たせするもんじゃないぞ。コレが俺だからいいようなものの、なァ?(父親、などと言い張られればこちらのほうは仮面の奥で苦虫を噛み潰したような苦い笑いを浮かべた。口元に手を当てて表情を隠すようにしているのは、たいそう複雑な形に歪んだそれを悟られないためだろうか……いちおう、相手の意図は汲み取って相槌だけはあわせたけれど)で、なんだか面白いことになってしまっているようだがね。こりゃあ――あんたのご趣味かな。(言って、見るも無残な形にひしゃげてしまった従者の手をちらと見遣ると、その視線を中年の太りきった顔へ向けた。仮面の奥からでも温度差が解るほど、その視線は冷えていて) 2008/05/06 (火) 02:07 ◆ 従者 :(丁度、悶着の折の時機悪く、屋敷の主と見られる人間が近づいてきたが、それを認めると緩慢な動作で屋敷の主の視界から、ひしゃげた手を背に回して隠蔽した。その上でやや後退し、屋敷の主のへの相対をヴェールの主人に任せる。彼の慌て様に比べてこちらの雰囲気は相も変わらず落ち着き払っていて、返事の一言も返さなかった。) 2008/05/06 (火) 02:09 ◆ 地味な従者 :(仕事だ、と告げられて嬉しいわけもないが、また眉を顰めるのすら面倒だった。―――自分と同じ立場にある少年の、淡々とえぐいやり方は意識しているものかどうか、計り知れないところがあった。彼の肩に手を置き、こちらへと誘導しようとしながら「失礼します」と呟き会釈する。騒がしい中ですらよく通る声である。遅い助けの挨拶に振り向き、また礼をして・・・主人が『父上』と呼んだ人が誰だか、心当たりがないわけでは無く――相手が声を発すればそれは確信に変わる。しかし、助けには結構遠かった。)・・・・・・。これはこれは、旦那様もこちらにいらっしゃったのですか・・(出来ればこれ以上事態を大きくせず、幻覚だとかそういう方向で納めて欲しかったのだが。冷え冷えとした視線は自分に向けられたものではないが、歴戦の傭兵のものとなれば格別だ。)これは精霊のようなものでして・・ええ、旦那様のご趣味で。旦那様も人が悪い、そのような悪戯など、なさらずともよろしいでは御座いませんか。(手首が酷いことになっている少年のことを、他よりは・・知っているのだろうか。そんな人は、当人が落ち着き払っていることもあり事態をどうにかすることを先決にした。睨まれている男の方に、こちらはにこりと、また申し訳なさそうに笑いかけて。今のが相手にダメージとなっていれば良いが。) 2008/05/06 (火) 02:13 ◆ 屋敷の主 :うん、ちょっと…違うかな。ここは遊び場だ。彼らのね……は?父親?(4人のもとへ行く間、狼の人へそう返した。中年の体がびくりと跳ねたのと、主が能天気な声で挨拶をしたのとは同時だったろう。油汗を流しながら少年の手に視線を落とす肥満体の男に倣い、一緒にその箇所を見て、主も青ざめた。少年の手と、狼のひとと、従者の落ち着き払った様子と。常に平和で安全な中で生きてきた貴族の肥満男には、刺激が強すぎたろう。ぶるぶると震え出し、口が叫びの形をとったところで )アンゼルム、5番!ニーナを呼べ!(小さな声で命じた館の主の声に応じ、ふっと背の高い男が現われ、光のような速さで中年の口にハンカチを詰め込んだ。くぐもった悲鳴が更に手で覆われ、すぐ途切れる。ショックのあまり気絶したようだ。弛緩した巨体を、アンゼルムと呼ばれた男が軽々と支え)「…どうもご気分が優れないようです。奥で休んでいただいた方が宜しいかと」  …そうだね。頼む。(主は額に手を当てながら白々しく応じ、去っていくふたつの背に手を振って、何からどうしたものかと、とりあえず手が大変な事になっている少年の前に膝をついた)本当に申し訳ない、皆さんも。…少年、大丈夫…ではないだろうね。とりあえず、怪我を見せてはくれまいか。私はファルゼン、この館の主だ。この度の責任は全て私にある… 2008/05/06 (火) 02:19 ◆ 従者 :細事です。旦那様がお気に留めなさる事ではありません。そもそもこれは、こちらの不用意な判断の遅れで生じた事故でした。卑賤な身分の無理な願いとは存じておりますが、先程の無辜の貴族様には何卒、慈悲と寛大に満ちた処遇を、平に御願い申し上げます。(淡々と言葉を綴りながら、隠したはずの手を再度前に戻し、その歪んだ手は屋敷の主人の眼前で小さな闇に呑みこまれた。そこに明けが戻ると手首から先は完全に失われているが、血や肉片を始めとするものは遮断されている。一礼を行って、従者のその場の存在感のようなものは収縮した。) 2008/05/06 (火) 02:27 ◆ 羽付ヴェールの少年 :…貴方、まさか騒ぎを起こす気ではないでしょうね。あんまりこんな会合は好まないと思ったけれど、行くなら行くで一言教えておくれよ……君がなんとあのお方に自己紹介したか分からないから、取り敢えず身内になってもらうよ?…それと、応急処置とかは出来ますか?(遠目からでも派手だった男は近付いてもやはり眼に鮮やかだった。他も色は鮮やかなものの、彼のような色はなかなかお眼にかかれない。攻撃的な色の男へこそこそものを囁いてから、酷い有様の従者の手を示して溜息を洩らす。違う意味で、賑わったというか、色々と肝が冷えた。)…あーあ、もう、ここでならあの事件の話もつかめると思ったんですけれどねぇ…、…あーあ。―――ファルゼン様、お騒がせのほど深く非礼致します…やあやあ、しかし流石華の館、この賑わいぶりは貴方様の人望あってのもので御座いますね、(運ばれていく男。やたらと冷静な従者二人。なんでいるのかも良く分からない男。それと、館の主。どれから片付けたらよいものかと頭を悩ませるべきなんだろうが、そんな時間的余裕もなくて、すべて素っ飛ばして少し蒼い顔のまま恭しく男へと礼を垂れた。普段のくせで、言葉は年からは外れたものになってしまったけれど、今欲しい情報もそれなりにあるのでそこまで構ってもいられない。先日からいなくなった、麻薬売りの女の足取りくらいは掴みたくて、焦っていたかもしれないが。)坊や、…ほら、冒険ぽくなってきたねぇ。ふふ、次は蛇が出るかしら。それとも鬼、かな。(そう、灰色の頭の人へと囁き、諦めにちかい声で肩を竦ませながら。) 2008/05/06 (火) 02:28 ◆ 地味な従者 :(こんなフォローを続けさせられていたら息切れしそうだ。先の言葉には一応暗示を入れておいたが、効いたかどうか定かでは無い。目を覚ましたときにどうにかなっていないと良いのだが。・・・手際の良い人々を眺めつつ、もう一度頭を下げた。)申し訳御座いません、私の不手際です。(館の方か、自分の方か、主人に詫びの言葉を入れてから、同僚である少年の手元を見下ろす。)主人に気に入られて連れて来たのですが、これはまだ見習いでして、このような場になれておりません故・・ご容赦くださいませ――(こういうものなのだ、とまた言外に言って、更に深く頭を下げる。・・・今月下げる予定回数の半分は使った心地だ。)もう鬼は勘弁だ・・・・(聞えてきた囁きに、その体勢のまま低い声で、げんなりとした調子だった。) 2008/05/06 (火) 02:32 ◆ 狼面の男 :これもまた、あんた等にとっては楽しいゲームみたいなもん…でもあるのかね。まったく、解らない世界ってのは有るもんだ(苦笑しながら軽く肩を竦めて主人が言い置いていった言葉にそう感想を述べた。明らかにこういう事が初めてではない手際の良さで昏倒した巨体を運んでいく人々の足並みを眺めながら、小さく口笛など吹いたりする姿は不謹慎にも映るだろうが…その視線が、少年の元へと向かえば問い詰めるような言葉ににやりと笑って)起こす気だったよ。そりゃあもう、お祭り騒ぎにするつもりでいたけどなァ。これはこれで楽しいから良いや。処置のほうはそうだな、いや……必要ないんじゃないか。(道化一歩手前の、しかし男が着ていると何故か調和しているようにも見える不思議な格好でひらりと裾を舞わせると、僅かに膝を曲げて少年と視線の高さをあわせて囁くような小声でそう紡いだ。ちらりと従者のほうに目を向ければ手首から先はすでに別の姿に豹変しているから、まあ大丈夫なのだろう。妙に楽しげな表情でくすりと笑顔を浮かべながら再び膝を伸ばして立つ姿は、主人と従者と少年が三者三様に恐縮するその場にあって場違いもはなはだしいものであったろうか) 2008/05/06 (火) 02:38 ◆ 屋敷の主 :いや、君、とても些細なこととは思えないよ。ニーナはまだ、…え、っ、と………あ、あれ?(花をつけた少年の手を見ていて、眼前で起きた現象に言葉を失った。やや遅れて救急箱を抱えてやってきた娘が、そんな主とちぐはぐな4人の様子を不思議そうに眺めている。)……ええと、………ああ、済まないね、何だか、応急処置はいらないようだ……(自分に言い聞かせるように娘へと告げて彼女を下がらせ、礼をするヴェールの少年を困ったように見上げて、笑みと共に首を傾げた。次にもう1人の青年のほうへ顔を向け、手を振って、疲れたような動作で腰を上げる。辺りを見回して、他の客が声の届かない範囲にいるのを確認し、)……久々に…何だか色々驚いたよ。君達、あれかな、待機部隊の人なのじゃないかい?町の人間でも、要塞の人でも、出入りの商人でもないし、狼の貴方は見たままの戦士だ。――いや、この宴でそれを聞くのはルール違反かな。(オリーブ色の髪を掻きながら言う。それから、狼の人へちらりと視線を投げて)その通り。彼らにとっては、何もかもが暇潰しだ。 2008/05/06 (火) 02:46 ◆ 羽付ヴェールの少年 :鬼が嫌なら、狼ですかね。前門も後門もこの道には光なきものよ、と――しかし坊やは頑張るねぇ。これからは二人連れて歩きましょうか、あの綺麗ぶった連中が眼を丸くして名を覚えてくれるよ…、きゃははっ(本当に苦労性な人だと、灰色の男を横目で見てから他に悟られない程度の声量で笑った。取り敢えず、彼の言葉の御蔭でもう1人の従者の方は大丈夫(と信じたい)のようだが、)アウシュビッツ…いえ、父様、せめて、ですよ、せめて移動直後は止めてくださいませんこと?御祭りは、誰が起こしたか分からないようにするからみんな盛り上がるんです…これじゃ針のムシロじゃないか。(こら、と、足を曲げた男の頭を叩いてやろうかと思ったが、主の前ともあって親を慕う温和な笑みへと摩り替えた。少し付き合いが長くなれば、笑っているときほどこの人の心は汚いものなんだと分かるものかもしれないが、それほどの仲もまだいないことだったし、あえて暴露する必要もない。ヴェールでまた眼を隠した後は狼の隣に従い、運ばれた中年の記憶を如何に奪うか小汚い計算に思索を重ねて、)……嵐だねぇ……普段もこう有意義なバカをしてくれてたら俺の仕事も倍位になるんですけれど。ニーアがまた死にますね。――あくまでも、我等はゲームの歯車としての参加です。周りの皆様が警戒なさったら、折角の宴も台無しでしょう…放し飼いの番犬いがいる部屋には入りにくいものでしょうから。――ああ、そうだ。坊や、傷は平気そうだけれど…君らは踊れるのかい?(主に貼り付けた笑みのまま告げたあと、くるりと後ろの従者に、今更の質問を吐いた。別にもう、踊ろうにもえらいことになってしまっているのだが。) 2008/05/06 (火) 02:55 ◆ 地味な従者 :(もう“旦那様”が変わり者なのは本人が十二分に説明して、実演してくれたのだろうから補足はしない。この場を取り仕切る主人の正答にも曖昧な笑みを返し――自分でもどういった一行だと思わないでもないが、このような場だから、いざとなれば子供の遊びだと言ってしまえば通用するだろうことを祈っていた。なんにせよ即興の演技は全てにおいて付け焼刃過ぎる。もうかなり苦しい。)・・・精霊は、宴が好きなものです。気紛れな主人に誘われてしまえば、どのような遊びも断りを入れることができません。(許しを請うように、ファルゼンにそんな言葉。意訳すれば、文官に言われれば仕事はせざるを得ない、というところか。好い加減指示が欲しいと思い、嬉しくない笑顔をくれた主人を見遣りながら・・・その中で聞えてきた言葉には、まさか踊る気かと憂いて緩く首を振った。) 2008/05/06 (火) 03:04 ◆ 従者 :(これからはもう、あまり自分の出る幕は無かろうと踏んで、意識を輪の外へ向けていた。内側にいたヴェールの主人の問いにのみ答える。)踊るとの事ですが。皆様のお気に召されるであろう価値観に則るとして、取り得ることが可能な選択肢は極めて狭い範囲に限定されます。命令であるのならば拒否の意思はありませんが、こちらの評価に繋がる事を鑑みて総瞰すると、控えさせて頂こうと考えます。 2008/05/06 (火) 03:11 ◆ 狼面の男 :はァん。……そうか、それならいっその事ひと暴れしたほうが、彼らにとってもいい余興だったのかも知れんなァ。惜しかった(今さら因縁を付けて暴れる気にもならないので、主人の返事にはそんな言葉を返してまた一つ、小さく肩を竦めるジェスチャーを飛ばした。面の眉間を指先で押さえるようにして位置を直す仕草を見せながら、表面上は温和なかたちの表情を浮かべる少年の言葉にくつりと笑ってやり)今となっちゃあ暴れる理由もないからな、理由が出来ない限りは大人しくしてるさ。ま、何か丁度良い「理由」があったらその時は呼んでくれ。盛大に暴れてやるからさ(力が必要な時は呼べ、という程度の意味の言葉ではあるが、紡がれた言葉は物騒極まりないそんなもの。少年を苛立たせて楽しんでいるような風にすら見える男は、飄々とした動作でするりと四人の間から体を少し離して)さて、俺のほうはもうやることはやったから、後はそっちで仲良くやったらいいンじゃあないかね。俺はそろそろ戻るつもりだが(右手を宙に差し上げてひらり、ひらりと木の葉のようにひらめかせ、僅かに弛緩したようなやる気のない声音でそう紡ぐ男だった) 2008/05/06 (火) 03:14 ◆ 屋敷の主 :ああ、いや、違うんです。貴方がた……ええと、待機部隊の方々には是非とも参加していただきたくて、ご挨拶に伺おうと思っていたのですよ。ですから、はは、嬉しい誤算という感じですね。いや、面倒に巻き込んでしまった事は、本当に申し訳ないのですが。―――いや、あの、暴力だけは勘弁してください。貴方がたに暴れられたら、押さえようがありませんよ…(どうやら狼の人が主人で、ヴェールの少年が息子で、あと二人が従者という設定らしい。何のつもりかは知らないけれど、そういうお遊びに付き合うのも主の仕事だろうか。せめて衣服を統一してくれればいいのにとこっそり溜息をつき、青年の言葉に心を込めて何度も頷いた。)……お仕事も大変ですねえ…………あ、何か踊るのでしたら、曲を用意させましょうか。せめてものお詫びですから。(そうして、花をつけた少年へと驚いたような視線を落とす。)…君は難しい言葉を使うのだね。まあ、怪我の様子を診ても、普通は踊ったりはしないほうがいい状態だと、私も思うのだけれど………(そうして、狼のひとへまた視線を戻した。)おや、そうですか。今度街で会うことがあったら、名前を教えてくださいね。 2008/05/06 (火) 03:20 ◆ 羽付ヴェールの少年 :(気まぐれな主人らしい人は、それは此方の横暴ということかと灰色の人へと文句をつけかけていたが、内輪で揉めても仕方ない話なので敢えて口を噤んだ。まあ今の今まで指示の一つも出さずに彼の困った姿を見て楽しんでいたのだから仕方ない。食べ物の一つでも、負傷した従者へと持って行ってやろうかと考えるが彼はまずものを食べる種族かすら知らなくて、困る。自分の家を探せば確かに異種族亜種族多種多様なものがいたものの、彼のようなものには眼が肥えていないためにまだ知識が浅いと思い知った。返って来た、その少年の言葉にも薄く笑みを湛えて、)心への点火は、魂の燃焼によらねばならぬ、だよ。坊や。人を楽しませるものではなくて、君が楽しめるものをしなさい。価値観だなんてそれから付随するものであって、命令から出来た評価は下の下でしかないものだろう。(気にしなくても、と思うが、確かに積極的に中央を陣取って舞いだすような面子でもないのは初見でだって分かる一行だ。自分とて、見る限りでは自分が男役として踊るには少し小柄すぎて、踊りの動き云々はさておき遠目からしたら女にぶら下がっているように見えることだろう。取り敢えず、今見える範囲ではやましいものはなさそうだから本来の仕事に映るのはやめておくとして、)その格好で言わないでおくれ、その格好で…暴れるならもう、証拠も跡形なくしてくれれば、ね。(ああ、もう。遊ぶのは好きでも遊ばれるのは困ると、不機嫌そうな、疲れた顔で男へとひらりと手をふって――父親、と読んだことを思い出した。もう作り話はとっくの昔にばれているだろうから、気付いた時のショックも少ないが、)…いいえ、お気遣いの言葉有難う存じ上げますが、父様も戻られるそうなので…。今宵は貴方様にお近づきになれただけで身に余る光栄でありますし、曲はまた、次の貴婦人のためにとっておかれては。(フォロー役が1人だと大変だなあ、と一度灰色を見やったが、この主も相当に大変そうだ。もう少し聞きたい話も山ほどはあるが、こんな印象で顔を覚えられても堪らない。次は違う顔を用意する必要があると、舌を打つ音を噛み殺した。) 2008/05/06 (火) 03:28 ◆ 地味な従者 :私が連れてこられたのは、それを抑えるためでもありますので、どうぞご心配なく・・・(物騒に聞える男の言葉をどうにかこうにか好意的に解釈して・・・本当に祭で遊びまわる精霊のようだと考える。笑える方向にセーブしてもらえれば本当にありがたいのだが、どちらにせよ胃をいためるのは副隊長や此処にはいない文官だ。結果的にそうなった、というようなことを口にして、)その点に関しても、ご容赦を頂きたく・・・(自分はもう出来る限り参加したくないのだが、という言葉を表に出すことはなく、意思を汲んでくれたらしい人に頷きを返すように頭を下げる。実際、自分の疲労がピークに近い。やはりこの面子では無理があったと思う。軽い調子の狼の姿にも頭を下げるだけして、まず見送ろうか。) 2008/05/06 (火) 03:32 ◆ 狼面の男 :ははは、まあその辺は安心してくれ。たいした怪我はしない程度に力は抜いておくから、騒ぎにはなっても怪我人は出ないよ。せいぜい机が壊れるくらいだ(まるでシャレになっていない返答をからからと笑いながら主人に返すものだからタチが悪いとしか言い様がない。かつん、と音を立てて靴底で床を軽く叩くとさらにもう一歩後方へ下がり、手に持ったままだったタンブラーの中でくゆる水を一息に煽ると手近な使用人に預けて)前にも言ったろ、俺は俺がやりたいようにしか動かないんだってさ。お前たちに迷惑がかかったら悪いとは思うが、さりとてこのやり方を変えることもないだろうなァ(明らかに不機嫌そうな少年をさらに疲労させるような言葉を紡ぐと、そこできびすを返した。ばさり、と天鵞絨の光沢を照明にひらめかせて門へ歩み進めると、なんともいえない表情を浮かべた受付の人間にくすりと笑いかけて。見送る従者と少年と主人には、背中を向けたままでひらり、と手を振って別れの挨拶とし。門を出たところですぐさま狼の仮面を引っぺがすと、横一文字に走った鼻の上の傷を撫でた) 2008/05/06 (火) 03:45 狼面の男【退室】 (2008/05/06 (火) 03:45) ◆ 屋敷の主 :(ヴェールの少年が従者役の少年へと言う言葉に、知らず笑顔を浮かべた。しかしまあ、こんなものの言い方をする少年のことだから、そういった楽しみ方をするのは難しいのではないかと思う。三者三様の表情を浮かべた人々を見回し、ちょっと残念そうな顔で頷いて)そうですか。では次の機会を、楽しみにしておりますね。どうかお気をつけて。特に今日は、夜道は物騒ですから。――貴方も、お休みなさい。だから、暴れるのが駄目なんですって!(そう、とんでもない発言をした狼の人の背中へ手を振った。) 2008/05/06 (火) 03:52 ◆ 地味な従者 :(馴染みの傭兵の、間違いなくいつもどおりの言葉に首を横に振り続けていた。それは十分だ。と。―――こうして考える限り、この文官についてこなくてもなんらか、自分の部隊は揉め事は起こすだろうから・・もう次は引篭っていたいところだ。・・・逆に、誰か止める者がいなくては大変なことになるのも、そうかもしれないが。自分はその役回り、辞退したいところ。)大変なご迷惑をおかけしました。今宵のことは、精霊の作り出した幻と思っていただきますように。(結局、最初に声をかけてきた相手に仕方なくとった口調もそのままで。顔につけている仮面よりもこちらが煩わしい。何処の地方だったか忘れたが、詩人たちが結びの言葉に使う言葉を引き出して終らせ、「行こう」と二人の少年を促し、本日何度目か、頭を下げて立ち去る。外に出て、)貴族ごっこは楽しかったか、文官殿・・・(新月にも関わらずどっと疲れた人は、本当の貴族である人にそんな口をきいて、『貴方の設定はフィノパレスの要塞命令並に難がある』だとか、帰り道に散々文句を言ったらしい。) 2008/05/06 (火) 03:56 地味な従者【退室】 (2008/05/06 (火) 03:57) ◆ 従者 :(ヴェールの主の言う言葉は、こちらには極めて難解な哲学的問いに聞こえる。)御言葉ですが、観測者が何らかの判断を下す時には、脳の中で量子効果が働いて常に結果の重ね合わせ状態が生じています。こちらの宇宙ではこの選択を採択しましたが、別の宇宙の自分が魂の燃焼を行っているでしょう。次元全体を考慮すれば選択というものはダイスの一面に過ぎず、それならばこちらの世界の目的に沿った行動を採るべきです。 2008/05/06 (火) 03:58 ◆ 羽付ヴェールの少年 :主の仰られた、この場の目的は、客はこの場において幸せを享受することだと思ったんだけれどねぇ――魚は河に住んでいるけれど、河の大きな相は見えないというよ。観測するものの色を見る、形を見る、とても大切なことだ…君が「そういう存在」として此処に居るならば、別に特に言わないさ。それでも、自分を映す鏡を持ち合わせていなければ、意味がない。見えていないものこそ、気をつけないといけないよ坊や。……まあ、試論はさておき、面白い意見が聞けて嬉しいよ。別の宇宙だなんて初めて聞いた言葉さ、君はもしかしたらそちらの学があるのかな?(目的はともかく、まあ、彼の状態としては踊るだなんてアクティブな選択肢は確かに相応しくないものだから、口で闘っても結果は同じ、こちらの負けなのだが。幸せを享受という意味では、傍らの人達はみんな苦労の顔をしていることだし、その理論も危うい。貼り付けた笑顔だけは鍛えたもので、さして身じろぎもしなかったが、けらけらと子供のように肩を震わして、それから、)貴方も、遊びすぎないで下さい。(少しは自分に遊びすぎの自覚もあった人は、去った男へと険しい顔で呟いた。手綱を握れるものはいないと、確かにあの文官も居たけれど、)また後ほど、先ほどのお方への謝罪に参ります…どうか、我等の立ち去った後は優しい悪夢でありますように。(各々帰り出した兵士には追いつくのが遅くて、促されてから動き出す。深々と頭を垂れてお辞儀を落とし、まだ壊れていないと信じている少年の腕を服の上から引っ張って、)ごきげんよう。ああ、そうだ…できれば、面白い商品が入ったら遣いを寄越しますのでどうぞご繁盛のほどを…(流石にもう青年はついてきてくれないだろう。他に護衛をやってくれそうな心当たりもなく、遣いを出すしか手段がなくなった。怒る人には、「わざとです」やら「それはいいから疲れたからおぶれ」だとか普段の横柄な人へ戻って、途中少年の手当てに使えそうなものはないか街へ立ち寄るように命じただろう。中年の男の記憶をいじりにいくのは、それからにしておこうと、今は少し溜息を吐いて。) 2008/05/06 (火) 04:06 羽付ヴェールの少年【退室】 (2008/05/06 (火) 04:06) ◆ 従者 :鏡に映すという間接法を行う以前に、確率さえ違えど全ての世界はここに確かに存在しています。(河の喩えに乗るとするならば、要するに、流れを流量と大観で把握するか、それとも水分子の集合として計測するかの違いなのだろうか。物質に加え時間や空間すらも基本単位は個として成り立ち、色と形はそれに付随する要素の、更に副次的な重なりによって生まれるものだと考えていた。この世界では、それは成り立っていない前提なのだろうか。まだ、分らない事だらけだ。ヴェールの主の言い付けるままに家路をくっついて行ったが、手当ての類は曖昧に拒否し続けていたという。) 2008/05/06 (火) 04:18 従者【退室】 (2008/05/06 (火) 04:19) ◆ 屋敷の主 :(少年ふたりの会話を興味深そうに聞いていて、花を着けた子のほうには)――君は……なんだろうな、私の友達ととても気が合いそうだ。今度機会があったら紹介するよ。(相手が聞いているかいないか解らないので、独り言のように言った。そうしてこちらもまた子供らしくない口を聞くヴェールの少年へ)ははは、あの方に謝罪はやめておいた方がいいですよ。きっと、今晩のことなんて覚えていないと思いますから。え?ああ、オークションならば、市民の方が半月の晩にやっていますから、そちらをご利用ください。きっと面白いものがあるはずですよ。(わざとだか本気でぼけているのか、ヴェールの少年の言葉に多少ずれた返答をして、去っていくひとたちを門のところまで見送った。今日はまだ終わっていないのに、どっと疲れた気がする。ふと視線を感じ、人垣の向こうでこちらを見てニヤニヤしている友人の姿を見つけると、更に疲れが増す。彼へぶつける恨み言を考えながら、まだ続く宴の輪へと混ざっていった) 2008/05/06 (火) 04:22 屋敷の主【退室】 (2008/05/06 (火) 04:22) HIGHLAND FORTRESS 峠の要塞(閉鎖しました) http://h-f.sakura.ne.jp/kariken/index.html BACTERISM MATRIX http://bacterism.matrix.jp/ PCキャラページ http://tryx-quad.sakura.ne.jp/zond.html