題名:箱庭の街]-U 登場隊員:ヒモト人風の男(NPC)・ゾンド(中央区ジンディッセ) ヒモト人風の男【入室】 (2008/07/12 (土) 23:51) ◇ ヒモト人風の男 :(そこは、里で一番大きな酒場だった。明日はだいたいの者が休息の日とあって、この時間でも店内はほぼ満席。店員を呼ぶ酔っ払いたちの声も衰えていなかった。薄い壁一枚隔てたテラスには、どちらかといえば静かに呑みたい人間たちが集まっているようで、こちらも人は多いが中ほどの騒ぎはない。その席のうち一番外側の、通りに面した円卓に、男がひとりで座っていた。肌は黄褐色、髪も目も、月明かりでは漆黒に見える。やや扁平な顔立ちに、小柄な体を仕立ての良い服に包んだその男は、町のものならば知らない人間はほとんど居ないだろう。大商家ミリアルド家の要たるひとりであった。男は頬杖をつき、物憂げな視線を通りを行き交う人々へ投げている) 2008/07/13 (日) 00:01 ゾンド【入室】 (2008/07/13 (日) 00:13) ◆ ゾンド :(酒場の対向。テラス席の向かい路地にあたる暗がりから、それから見れば左右にばかり進む数多の人々を何の障害物も考慮に入れていないかのような一定の速度で直角にすり抜け、最短の距離で円卓に近づく何かがあった。開けっ放しのテラス席外縁まで来ると、丁度その位置で立ち止まる。それは、明らかに一人の男の方を注視しているようだ。) 2008/07/13 (日) 00:13 ◇ ヒモト人風の男 :(透徹した合理主義で実力主義の男。里の人間はだれもが彼の熾烈な性格を知っていたので、独りで杯を傾ける彼に声をかけもしない。だからこそ、その少年が彼の席へ向かったのに目をむき、首を傾げた。気にならないのは、本人だけだろう。――男は、静かに現われた小さな影に視線を向け、ゆっくりと体を起こした。)来ないものかと思っていたが。…ああ、遅い時間に呼び出してすまんな。こう見えて忙しいんだ。(そう、薄い笑みを浮かべながら肩をすくめ、顎で向かいの椅子を示した) 2008/07/13 (日) 00:22 ◆ ゾンド :(少年もまた、円卓を占める男の仕草を真似るように顎を傾けた。見掛け上にはその動きはとても良く似ていて、意識と無意識の行動という点のみが僅かな違いに過ぎない。)この街の条例にはまだ、こちらの予備知識とそれを補填できる調べがそれぞれ不十分。セサロ様に御迷惑が及ばない保証は、我々には判断できかねます。 2008/07/13 (日) 00:31 ◇ ヒモト人風の男 :俺はお前と同じく、この街の人間ではないからな。迷惑などかかりようもない(両手を広げながら、ちらちらと奇異なものを見る視線を送ってくる周囲の客を見回した。すぐに興味を失い、少年へと顔を向けて)例の事件で、日常的に馬鹿をやる変人どももなりをひそめている。まあ、お前を攫ってどうこうなどというのも無理な話だろうがな。さて―……(手の一振りで給仕を呼びつけ、葡萄酒を注文する。おまえは、と目線で尋ねつつ)…本題に入ろう。お前を我がミリアルド家の頭脳として引き入れたいというのは変わらんのだが、残念な事に首を縦に振ってくれない。おまけに正規軍は副業を禁止している。(口調はすっかり商人のそれとなっていた。小ばかにしたような笑みも消え去っている) そこで、だ。俺の相談役になってはもらえないか。勿論、いまのまま軍に在籍してくれて構わん。我々は、武器研究の資料のすべてを定期的に郵送する。お前は何か気付く事があれば、それに返信をする。無論、報酬は用意する。表立っては送れないがな。 2008/07/13 (日) 00:48 ◆ ゾンド :あなた個人がそうであっても、あなたの擁する組織には少なくない影響を与えかねません。(外縁に来た給仕には布のナフキンを一枚だけと、頼んだ。給仕の後を付いて、セサロの向かいに着席した。)……まず第一の返信について。報酬とあなたがたが呼ぶ、上位の重要性に置かれているらしいポイントは、時期によって部隊の所属する要塞宛てへ納付して下さい。内容も、まず会計役へ向かう貨幣や書類としてではなく、直接的な物資物品として要塞の備品を調達する担当の者に。…証拠を残さない為には、順当な経緯を経てくれる消耗品でなければなりません。…しかし、一つだけこちらに、問題が。 2008/07/13 (日) 01:04 ◇ ヒモト人風の男 :(少年の答えに細い目を見開き、それからにやりと笑った。それが答えの代わりで、その件については終わりとしておこう)…頑として、報酬はいらん、か。お前あてでなく要塞にあててもいいが、考えても見ろ、我々が軍へものを送る理由をどう説明する。なんらかの裏がある賄賂にしか見えないと思うが。……そうだな、我々には運輸網があるのは知っているか?街にうちの店舗があれば、そこが駅だと考えて良い。そこに、何か届けさせよう。嗜好品だのなんだの、そうかさばらないものをな。それをお前が受け取り、自分のために使おうが隊員に渡そうが、それは俺の知るところではない。………それで、問題とはなんだ。文字が読めないとは言わないでくれよ。 2008/07/13 (日) 01:21 ◆ ゾンド :わかりました。…お言葉に甘えます………。問題とは、それに似たケースです。(セサロの促しに、給仕に渡された布ナフキンを広げる。葡萄酒の注がれたグラスへ真っ白な人差し指を入れ、浸した。戻した指は布ナフキンを用いて自分で拭いたように周囲には見えただろう、その光景が他の客どう受け取られるかについて、この生き物は全く無頓着だった。正面から眺められる者には、瓶に貼られたラベルの文字を筆記で複写しているようだが、月明りの下でもなお目立つ白い布地の上には、ジグザグであったり、まるで筆を触るのに慣れていない幼児の書いたような無様な"文字"だった。)…この通りです。公用文字の習熟にはまだ、筆記の面のみについて、とても。 2008/07/13 (日) 01:41 ◇ ヒモト人風の男 :(少年の行動を面白そうに見守っていたが、次第にその顔に苦渋の皺が刻まれ始める。仕舞いには、苦虫を噛み潰したような顔でこめかみを押さえ)……読めないことはない。…参ったな、重要機密に関わる事だ、代筆を頼めとも言え…………ああ、…いや、しかしな……(暫く考えた後、葡萄酒の文字と少年の顔を交互に見て口を開いた。その顔には、自分が口にするものがあまり良い案ではないと書いてある。)待機部隊の傭兵に、あれがいるだろう。ディアヴォルという、無駄に背の高い。あれになら、代筆を頼んでもいい。馬鹿だから内容はわからんだろうしな。…………だが、俺の記憶の限りでは、あれの筆記はお前と同レベルだ。若い分、お前の成長に期待したい。ああ、書き取りの教本を贈ろう。あとは練習用の黒板と白墨か。(最後の提案は馬鹿にしたのではなく、心からの言葉だった。言いながら、横の空いた椅子においていた包みをテーブルへ上げる。それを、少年へと押しやった)とりあえず、暫くはそれで練習してくれ。(中身は、地味だが使い勝手に特化したペンとインクと最高級の羊皮紙、蝋印のひとそろえが入っていた。通常より大きめの印は機密文書用のもので、不可視の呪紋が刻まれている。たとえ途中で盗み見られても、鍵となる何かがないかぎり、誰にも読み取れない。)…うちの運送屋に頼めば、輸送費は必要ない。くそ…伝達精霊も用意して置けばよかったな 2008/07/13 (日) 02:08 ◆ ゾンド :…挙げられた方は、既知の人物です。適する状況であれば、その傭兵にも協力を仰ぎます。彼が承諾すればという仮定の上ですが。(こちらにやって来た包みの表面を不思議そうに眺めて、指先で二、三擦ると、席に座したまま会釈をする。)ありがとうございます…報酬ではなく先行投資として、受け取ります。…この筆記用具の設計図や、原材料などの資料はありますか?消耗した分量はなるべく、我々自身で調達と補充を行いたいです。 2008/07/13 (日) 02:24 ゾンド【入室】 (2008/07/13 (日) 02:27) ◇ ヒモト人風の男 :そうか。あれには死ぬほど貸しがある。嫌とは言わ…言うかもな。だが、やるだろうよ。断る理由もない。(そうして、少年の彼らしい物言いに苦笑した。ペンもインクも腐るほど渡せるが、気にするだろう。渡した筆記具を一度引き寄せ、束になった紙の一番上にインクをつけたペンを走らせる。ペンは羽根で代用できるだろう。使える鳥の名と、どの部位をどうやって使うかを図入りで書き上げ、あとは解る範囲で材料や品物を扱っていそうな店を記しておいた。自分に聞くより、こういったものを作っている店員に聞いたほうが良いと補足して)そうだ、出来れば研究内容は外に漏らさないで欲しい。…それとだ。いいのか?このままでは、お前の手間が増えるだけで、そうメリットはないように思うが 2008/07/13 (日) 02:35 ◆ ゾンド :ならば、彼への依頼の際にはこちらから何らかの謝礼を用意するとします。我々にとっての、自分の成果を自分の組織へ償却する権利は、取り引きの対象になり得ますか?…当然ながら、あなたへ直接繋がる可能性を含む情報は、それと判断できないよう慎重に加工を施すと約束します。元より、ゼロにどれほどのデメリットを課しても、自然数を含む数列には決して成り得ません。膨大な-を何かの実数に掛けなければならないのならば、±0が、それに最も適任です。 2008/07/13 (日) 02:51 ◇ ヒモト人風の男 :そうか、まあ、好きにすればいいと思うがな。お前が得たものをどうしようと、構わん…しかしまあ…(そこで、呆れたように言葉を切った。顎を撫でつつ、首をかしげ)欲がないものだと思ってな。俺には理解できないし納得できないだけで、俺とお前との間に限定して見れば、取引は成立している。………数式のようだな、お前のものの考え方は。欲や感情が挟まるところがない。皆がそうであれば、この世界はもう少し解りやすかったのだろうが、…まあ、それはそれで生き辛いか。 2008/07/13 (日) 03:05 ◆ ゾンド :…生き方と欲について、我々の持つ主観を述べさせて欲しい。…あなたがたは、内面の指向性を加速させる要素として"欲"を選んだ生き物。我々はそれとは別の分野に、適時ではあるが生存への欲求を振幅させている。"欲"を利用するあなたがたの生き方は、まるで円錐のように見える。単一の方向にのみ突出した気質に。周囲から見れば重心も先端も自ら雄弁に主張している。あなたが外敵に打ち勝つには事実上、威力で優る他に道は無く、人間である以上は時間という抗い難い限度が設けられている。そして、あなたの主力たりうる構造が一度崩れ去れば、最早二度とそれは立ち上がる事はできない。…今回の契約は、我々が今の我々を保てる限り、履行を守り続けるよう努力します。…ありがとうございました。それでは、また。(さほど大きくも重くもない包みにも関わらず、円卓の上から慎重に持ち上げて、両手で腹の前に抱くように抱えた。訪れた時と寸分狂わぬ軌道で戻り、薄暗がりの路地の中へ消えてゆく。) 2008/07/13 (日) 03:24 ゾンド【退室】 (2008/07/13 (日) 03:25) ◇ ヒモト人風の男 :生存への欲求、か。中々興味深い表現を使うな。それについて、暇があればもう少し聞かせてくれ。……はは、正直、金などどうでもいいと言っても、信じてくれんだろうがな。俺はただ、見ていきたいだけだ。この世界がどうなるのかをな。言うとおり、俺の限界が、多くてもあと60年足らずというのだけが、ただ一つ確実に知りうる未来なのだがな。(そうして、少年が立ち上がるのと一緒に腰を上げた。対等な商売相手と接するように、胸に手を当てて)お前との出会いを、ケイケロスの神に感謝しよう。きっと悪いようにはしない、頼んだ。(背を向けた少年へ静かに頭を下げる。まだぐだぐだと居残っていた客らがその姿にぎょっと目をむいたが、本人はあいかわらずどこ吹く風で、勘定を済ますとその場を後にした。夜が明けて太陽が真上に来る頃に、ヴォルセット邸の少年へといくつかの包みが届けられるだろう。中身は先の言葉の通り、子供向けの文字の教本などだ) 2008/07/13 (日) 03:43 ヒモト人風の男【退室】 (2008/07/13 (日) 03:43) HIGHLAND FORTRESS 峠の要塞(閉鎖しました) http://h-f.sakura.ne.jp/kariken/index.html BACTERISM MATRIX http://bacterism.matrix.jp/ PCキャラページ http://tryx-quad.sakura.ne.jp/zond.html