題名:暴食どもの宴 登場隊員:リオ・セレス・黒紫色のスライム状の生物(NPC)・ミナ・ゾンド(ケッペンバウム要塞) リオ【入室】 (2008/08/07 (木) 22:33) ◆ リオ :(空は嘆き地を濡らす。雨の中、警邏の一行は夜の市を歩いていた。そのうちの騎馬を連れた小柄な少女は、ランタン代わりの光を纏わせた剣を手に、一行に寄り添うようにして随っていた。――雨。それは彼女にとって空からの恵み。立ち込める暗雲は闇を呼ぶ)……光、闇なくては生きられぬ。(ぼそりと言った声は、雨音に掻き消されてもおかしくはなかった。防雨の外套を着て、目深に被ったフードから溢れた白金が濡れて、頬に張り付いている。ちらりと覗く灰青には、どこか物憂げな色を宿していた。) 2008/08/07 (木) 22:40 ◆ リオ :(落ち着かない様子で、ベルトにぶら下げている角笛に手が伸びた。そっと撫でながら、報告書にあった化け物のことが脳裏を過る。それ、が、自然を侵すならば、慈悲を注いでもいられない。だが、しかし、――考えるのをやめて、すっと眼を頭上に向けた。矢張り。音なく舞い降りてきた鷲が、肩へ止まり、耳元に思念を囁く。『翼が重い。――主よ、無理はなされるな。主に何かあれば、』)……何も無い。アルスヴィド、そして皆が居るからな。『……俺じゃぁ、不満ってぇのか……?』(馬はふん、と鼻を鳴らして首を振り、鷲に抗議する。鷲はその彼を見遣ったが、肯定も否定もせぬまま飛び上がった。雨を切りながら小さくなっていく姿は、じきに見えなくなる。少女は空を、あいまいな微笑を浮かべて見上げた) 2008/08/07 (木) 22:51 セレス【入室】 (2008/08/07 (木) 22:54) ◆ セレス :(雨のお陰で少しは涼しくなったとは言え、まだ蒸す夏の夜にそぐわぬ長い黒のローブ姿は、警邏を行う一団の一番後ろにいた。雨除けのフードを目深に被って、雫に打たれても消えぬ白い火を連れて。)・・・こんな所で出てこられたら、本当に笑えないな。(ぽつりと、前を見たまま声を漏らした。こんな天気でも此処は活気があるし、人が多い。この前よりも動きづらいかも知れない。ただ、自分は他の人よりも件の“実験体”について知っているはずだから、そう弱気でもいられないのだが。) 2008/08/07 (木) 22:58 ◆ リオ :……雨で声が届かぬかもしれぬ。非常事態が起こってもおかしくはないのに……空の気まぐれには気が滅入る…(やや独り言のようにぼんやりと言い、馬の体にいっそう身を寄せた。いつだって動じない冷静な温もりは、矢張り緊張を解きほぐしてくれるもので。一瞬眼を閉じて、もう一度開くと、知人の顔を見た)――ハウレス、は、例のあれと戦ったのだったな。……あれは、なんなのだ…災いか。(問うように、確認するように、) 2008/08/07 (木) 23:06 ◆ セレス :(横で聞えてきた声に顔を上げて、ついでのようにフードも押し上げた。懐から笛を出して見せ、持っているか、と目で確認してから)災い、と言えば、確かにそうだろうな。・・・アルケミストの作った物だと聞いたが。(そこまでは、他の耳にも入っているだろう情報。一間置いて、連なる店の灯りに視線を向けて、呟く。)私からすれば――我々を脅かすのなら、ただ、敵だ。 2008/08/07 (木) 23:11 黒紫色のスライム状の生物【入室】 (2008/08/07 (木) 23:14) ◆ リオ :――ああ、大丈夫だよ、角笛がある。(ベルトに長い紐で吊り下げた角笛を、ほら、と見せて)……また厄介なものを作っていただいたものだ。(外見にそぐわない疲れたような溜息をつき、何気なく手の剣をくるりと廻しながら)…その通りだな。民を傷つけるなら、……私も、手を貸さぬわけにはいかない。(しかし、まだその瞳は物憂げなまま、周囲にちらりと灰青の眼をはしらせた) 2008/08/07 (木) 23:16 ◆ セレス :(頷いて、首にかけた笛を元の場所へしまい込む。この男は魔法があるから、遠くに物を知らせるならそれを使う。一応、形だけでもと笛と剣は持ったのだが、使うときが来るかは不明だ。)便利さとこういったものは、紙一重なのかな、やはり。(こちらも溜息交じり。相手ほどではないが、外見の若さに似合わぬ疲れっぷりで応じた。)この前はそんなに酷くなかったが・・・もし部隊にも被害が出るようであれば、容赦などする理由がない。(市民は勿論、隊や、要塞の仲間たちもそうだ。怪我をして帰ってきたなどと聞いたら、捕縛などと生温いことは言っていられないだろう。) 2008/08/07 (木) 23:20 ◇ 黒紫色のスライム状の生物 :(イキモノが、何故魔法を使えるのか―――それには各定説がある。 色々な説がある中で、一番有力なのは――「大気中に「エーテル」と呼ばれる物質が充満していて、それが魔力の源になっている」という説だ。 それを裏付けるであろうモノが――そこにいた。 聞いたことのあるものならば、嫌でも記憶を蘇らされるであろう金切り声――「tekeli li?」(仕事は何だ?)との泣き声を上げて。 セレスたちが通る通り。 その中の、微量な空中に漂う魔力を食べ、増殖する悪夢が、そこにあった。 今のサイズは犬程度なのだろう。 裏路地の、人目につかない通りで、静かに、動向を見守る――悪夢の鐘を鳴らすために) 2008/08/07 (木) 23:20 ◆ リオ :時に弊害を生むのにね。……ヒトの創造力は、計り知れないが……(しかしそれは、報告書にあった得体の知れないもののように、突然牙を剥くことになるのだろう)ああ、そうだな。…どうか、何事も起こらないで欲しいのだが――しかし、私も手を貸す。それが我が役目。(己を決起させるごとく、剣をなおいっそう硬く握りしめる。そして警邏の一行は、道を行き裏路地に向う。角を廻って、) 2008/08/07 (木) 23:29 ◆ セレス :(目の前の少女は、多分異種だと思うのだが――やはり少女の姿をした人が剣を握るのは、なんとも言えない気分になる。)何か起こったとしても、元の状態に戻すのが仕事だ。それで金だって貰ってるんだから、(天気も気持ちも明るくない。憂鬱さを拭う為の軽口を叩いて、人の後ろへと続いて行った。フードがある所為もあるが、前に人がいるので前方は見えない。通り過ぎた場所に見落としがないかを確認するのが仕事だった。) 2008/08/07 (木) 23:34 ◇ 黒紫色のスライム状の生物 :(二人が近付けば、漂う魔力の量も、さらに増える。 それに比例するように、増殖のスピードもさらに速くなるだろう。 サイズは――ヒト。 悪夢の幕が、上がろうとしている。 「tekeli li?」(仕事は何だ?)「tekeli li?」(仕事は何だ?)リズムを刻むような音が、裏路地に木霊するだろう。 悪夢は――今、羽を広げようとしていた。 魔術師の二人には――トラウマに残るには十分すぎるほどの。 魔素――魔法を食らい増殖する、悪夢の生物が、ここに完全な産声を上げたのだから。 開幕を告げる天候は――魔術師の二人を哀れむような、涙雨だった。 ――始まる。 死へのロンドが、骸骨のちりばめられた、血塗られたダンスホールで) 2008/08/07 (木) 23:42 ミナ【入室】 (2008/08/07 (木) 23:46) ゾンド【入室】 (2008/08/07 (木) 23:46) ◆ ゾンド :(裏路地に入った騎馬と後衛歩兵の位置から見るならば、スライム状の何者かを通過する直線を引き、その更に奥。水を吸って顔の表面に貼り付いてしまっている一部の毛髪を整えようともせず、まるで最初からそこに置いてあったかのよう空気を纏う物体が居る。それでも、その足回りに僅かな泥が付着はしていたのだが。警戒を最大限に強め、路地裏の奥、大きく注視を嫌忌する今話題の物体の更に先を覗って、在るのにようやく気付けるぐらいの存在感しか放っていない。何にせよ、その強い保護色と水滴が地を打つ雑音に隠された者は直立したまま何の主張も行わず、ただ事態の推移のみを観察している。) 2008/08/07 (木) 23:49 ◆ リオ :――、ん、(ぴくりと反応して、顔を、上げた。裏路地の闇。剣を掲げて、いっそう眼を凝らす。聞こえる。妙な、音、妙な、こえ。それは馬も同じらしく、両耳を立てて聞き耳を立てていた。蹄で、かっ、と地を鳴らし、『………リー、まずい。そこから離れてろ』動物の五感は、時に冴え渡る。明らかにみょうなものを感じ取って、頭で少女を小突いた。)ああ、確かに、聞こえる。あれが……?(声を駆けて、とっ、と後ろに飛んで避けた。騎馬が、少女をかばうように立って) 2008/08/07 (木) 23:51 ◆ ミナ :セレスの兄やー、リベリオンさーん、…あれ、しょうねーん、どこいった、(洩れるだけのような低い声で、雨をうっとおしそうに見上げていた。下を見ることの方が余程多かったけれど、それはそれで下のほうの仲間に気付いてももらえずに寂しいものもあって―――竜の、上からそんな事を考えていた。目線だけは獣のようにぐるっと大きく動くが、雨の視界の悪さはそう優しいものでもない。ゆるゆると下降を始めようとして、下で感じた魔力の気配の変動に大きく眉を吊り上げる。両手に剣の柄をとり、刃の頭を覗かせて何時でも引き抜けるようしながら、影で見えなくなったゾンドを追いかけ、先に見つけたのがいやな紫だった。淀んだそれを一瞥して気色悪いものでも見た様に顔をしかめ) 2008/08/07 (木) 23:54 ◆ セレス :(記憶にある声が聞えた。気づいたのは動物たちがざわめくのと同時で、舌打ちより先に、詠唱が口をつく。)壁となれ、鏡となれ、合わさり囲え!(この前と同じように、符を放って結界を作り上げる。身を守る為のものではなく、敵の進行を阻み拘束するための小さな結界だ。)あれだ。この前と同じ・・・市民の避難を優先、後は追い詰める―――(ローブを開き、左手に符を握る。――耳にある魔石がちっと焦げるような、嫌な音を立てるのを聞いた。) 2008/08/07 (木) 23:56 ◇ 黒紫色のスライム状の生物 :(「tekeli li?」(仕事は何だ?)「tekeli li♪」(仕事は何だ?) 魔力による結界を見た、このイキモノは、いきなりそれに体当たりを始めた。 すると――結界が、薄く、すぐに消えそうなレベルにまで薄くなるのが分かるだろうか。 そして、それに反比例するように――そのイキモノは、サイズをさらに、2.5mくらいまで体を肥大化させる。 魔力を食べたのだ。 サイズが大きくなると、その上半分は――ヒトそのものの上半身の姿を取った。 顔に当たる部分には――ヒトのものと変わらない、目玉が一つ。 脳は、ヒトのものと変わらず、後頭部に当たるであろうそこに、まがまがしき形状を持って、姿を現していた。 そして――そのものは、攻撃を開始した。 「――I expect ――death!」(我は死を――望む!) その言葉と同時に放たれたのは――広域破壊魔術。 宮廷魔術師のそれとほぼ変わりない無い威力のそれが、地上に居る2人を巻き込むように放たれる。 黒い、柱のようなものが並び、波のように――押し寄せる。 触れただけで――消し飛びかねない) 2008/08/08 (金) 00:05 ◆ リオ :…… まさかこれほど早く――(老体を酷使することになろうとは、と馬に届くか届かないかの声量で呟く。『……ババァだからな』むっとしたが、今は言い合いをしている場合ではない。気を取り直すと、ただ、『争いは嫌いなんだろ』と、皮肉るように馬の呟きだけが返ってきて)……そうも言ってられないよ。(周囲に人が居るのか居ないのか、少しこの暗がりの中では分かりかねた。だが、ソプラノの通る声を張り上げて、)民よ、ここから離れてくれ!出来るだけ、早く――(剣を斜めに構える。――だが、あれがまだ何ものかわからぬ以上、下手に出ては状況を悪化させることになる。どうする、悩みながら、その――気持ち悪い眼を見た)げっ……た、耐えられん、ルース!『うるせぇ、耐えろババァ!がんばれ!』(ばかにされたのか応援されたのかよくわからない思念を受けつつ、冷や汗をかきながら――魔術の波、あれは魔を食うのだ。この二人が、魔術の徒だからこそ、あれは肥大する。剣を収め、馬に飛び乗った。冷静な馬は、それを受けて、駆ける。柱を避けんと) 2008/08/08 (金) 00:10 ◆ ミナ :エスラス――幻術第一陣、炎舞。それと、(乗っかっている竜の頭を叩いて、)要塞に帰還して市民の避難先確保の要請しといてくれんか、(踏みつけて飛んだ。まだ足元は随分下に見えるものだけれど、竜が下りるにはあんまりにも路地は窮屈だ。身内の逃げ場がなくなってしまいそうな其処には竜は座らせず、飛ばしたまま声を上げて、)それ終わったら市民避難救助要員連れてきてな。以上、GO。(足を蹴っ飛ばして合図する。粗雑に追い出された竜はギ、と短く啼いて――意思がどうあってかも分からない魔術の波に向け炎を吐き捨てて飛び去った。それを目で見るより早く野暮ったいローブを脱ぎ捨て、随分大規模なそれを舌打ちで見送り、)…再生だけじゃないんか、あれは。(猫のように床を蹴りつけながら、靴のガードを外しステップを踏む。頭何個かでかい生物を見上げ、)…ありゃ、脳を潰せばいーのかよ、セレス。(届きそうにもない位置の頭を見上げ、視線を向けないまま尋ねつつ、) 2008/08/08 (金) 00:12 ◆ ゾンド :なるほど、彼の敵意の表明を確認した。(上空から急行して来た何かは、水に煙る空気のせいで姿を明瞭には覗えなかった。正面で嬉しそうに飛び跳ねる彼を見詰めて、口の奥に人差し指の第一関節までを挿し入れ、とても浅く―人間であれば舌の中ほどぐらいの箇所を撫でた。取り出した指先は紫色に肥大していて、すぐさま壊死したように裂けた。無感動に赤黒いだけのただの肉片を眺めると、自分の足元にある、裏路地特有の不潔な水溜りに零れ落とした。) 2008/08/08 (金) 00:16 ◆ セレス :っ――(最悪のパターンだった。最も当たりたくない敵が現われたらしい。自分の結界が喰われる感覚もさることながら、その変貌の早さに驚かざるを得ない。前の黒い塊はここまで厄介ではなかった。)――、―――!(早口で呪文を紡ぎ、結界を更に展開。最低限の魔力で、味方と街を守るための壁を幾重にも打ちたて、魔法の脅威が去ったところで一気に分解し、魔力を地に従わせる。かなりの荒業となるがそれ以外の手はない。)脳だかなんだか知らないが、それに該当する部位の破壊!手はそれだけだ!(報告書にあるとおり。魔法で焼ききることが叶わないなら、直接攻撃するしかないのだろう。) 2008/08/08 (金) 00:19 ◇ 黒紫色のスライム状の生物 :(吐かれた炎に触れ、黒い柱の一つが崩落する。 しかし、そのほかの柱は、結界に阻まれるも、5枚ほど軽々と吹き飛ばし、最後の一枚のところで止まり、町に被害を及ぼす事は無かった。 悪夢――まさに、それ以外に無かった。 破れた結界の破片。 地に従うその魔力を吸い上げんと、更なる行動を、液体は開始する。 「――I fall――Sing――All」(――滅びを――歌え――全て) 魔法の詠唱と共に放たれるすばやき刃。 それは――8枚もの枚数を生み出され、一気に上空へと舞い上がる。 すばやいスピードで一気に上空へ上がったと思えば――この場に居る4人に、全て2枚ずつ降り注ぐだろう。 上空から――焼きはらわんとするために。 体は一回り小さくなっている。 しかし、地に伏した魔力を食する事で、回復を行っているようだ。 破壊と再生が、同時に行われる) 2008/08/08 (金) 00:29 ◆ ミナ :りょーかい、(整備された床敷きをかびすましく踏みつける靴刀が、飛び散るガレキを蹴り飛ばして駆ける。体勢はなるたけ低く取って、)人工物の魔力生命体っつーなら魔力保存の限界量もあるかもしれんが…その前に街がなくなるかもしれねぇしな、(どうすっかね、と、聞こえてないだろう口の中で返して、引き抜いた刃の切っ先を上体だけ具現化したそれに向け、)心臓のが近そうな気がすんが…まさか脳みその位置まで形変わるとかのオチはやめてくれよ、(関節があるなら少しは動きを封じられるか、少しは頭の位置が低くなってくれるのだろうか。あまり期待はしていない顔で右の刃の切っ先を向けたまま突きの体制をとった。そのまま、届く限り近い高さに全体重で剣を刺し締めて、刃を立てた状態で左の剣を引き構え、)後ろ――防御任せた!(上から来る数撃へ、吼えるように告げた。魔力を吸収する本能のあるものの攻撃なら、もしかすれば本体を離れてもその魔力のほうに惹かれて少しは威力も収まるだろうかと、そんな戯言を期待して、引っさげた剣を横ぶりに左から右へ、肩までかかる一閃を抜いた。) 2008/08/08 (金) 00:35 ◆ リオ :ぐにゃぐにゃ気持ち悪い、眼はもっと気持ち悪い……!!(情け無いことを口走りつつも、剣を素早く引き抜いた。魔は効かぬ、しかし飛んでくる刃は防がなければならない。剣に邪を払う光を纏わせ、それが飛んでくればひゅっ、と風を切る音と共に薙ぎ払う。今――己に出来ることを考える、一瞬。眼だ。あの気持ち悪い眼、あれを狙う。剣に纏った光を消す。そうなればそれはただの銀の剣だ。馬の手綱を引き、それに近づく。ただ目玉を狙い――剣の切っ先で、突く!) 2008/08/08 (金) 00:43 ◆ ゾンド :(正確にこちらを目掛けて飛来する刃。それが近づくにつれて、横幅は本来柱程もあるものだった。圧迫するような黒い柱をぼんやりと見上げて、人差し指の欠けた左腕を掲げる、そうして回避行動にも移らずに直撃を貰い、レンガを積んで造られている壁に小さな飛沫音が叩きつけられた。二本の軌道の軸先がこちらの腕の中心にあった事で、周囲の建造物に被害は出ていないはずだ。砕け散った腕の組織は水溜りの内の彼らに援護として与える、低い塩分濃度と高温多湿を備えた増殖に理想的な環境の中で育ちながら、この方々は石畳の隙間を縫いつつ迫ってゆく。) 2008/08/08 (金) 00:45 ◆ セレス :(舌打ちして、一歩二歩と退く。魔力が体力と同義である自分は分が悪すぎる。これ以上吸われれば街も同僚たちも危ないが、何より自分が危ない。真っ先に死ぬのは九割以上の率で自分だ。)吹け!笛の音は安らぎに非ず!(右手を上へと翳す動作で風を生み、精確な狙いで放つ。狙うのは敵そのものではなく、それが作り出した刃。自分が出来るのは援護ぐらいだと考え、なるべく動かずに、魔力を使わない行動を選ぶ。)・・・力不足だな、(次に袖から符を引き抜き、空へと放つ。パン!と弾ける音と、閃光。援軍へと位置を知らせる魔法だった。) 2008/08/08 (金) 00:50 ◇ 黒紫色のスライム状の生物 :(魔力の刃を、各々が自らのやり方で打ち落とす。 一つは当たったようだが、町には被害を出さないですんでいる。 まず、真っ先に飛んできたのは、ミナの袈裟切りだった。 水を切るような感触の無さと同時に、剣には何も付く事は無いだろう。 切り傷は、綺麗に残ってはいるが、体の一部を破壊されたに過ぎない。 元が液体なのだ。 液体に戻り、体の一部に再び戻って行ったに過ぎなかった。 次に飛んできた、リオの突き――「It ―be ――blocked」(阻まれよ) この声と共に、魔法の障壁が具現化する。 魔法の壁に阻まれた突きは、コンクリートを付いたような鈍い感触でさえぎられ、その威力を失うだろう。 後ろへ攻撃をかけるしか――なさそうだ。 後ろから―― 更なる攻撃。 この悪夢は、攻撃の手を緩める事はなさそうだ。 「All ―――disappear――From the world――」(みな消える――この世から) 高度な詠唱が、立て続けに行われている。 この隙。 これを逃せば、命の保障はあるまい。 ――この魔物は――何がために――生まれたのか――それは――神のみぞ――知る) 2008/08/08 (金) 01:04 ◆ ミナ :…リベリオン…、おま、前衛だったんか、(状況からすれば何を場違いなことを、これまた怒られそうなひょうひょうとした音で紡いだ。馬の背丈を差し引いて、一瞬横に並んだ怯えがちな影を一瞥した。が、どうも待ってくれないらしい生物に、横ぶりの刃を引き抜ききる前に止め、)今すげぇ音したぞ、後ろ生きてるか!――っと、詠唱するとこだった…、やべ、(なんだか後ろでいやな音がした気がするが、振り返る前に何か形を持たない不確定物が足の隙間を塗っていく。これまた見慣れない不可思議なそれだが、敵のものだとしても踏みつけてどうなるものでもなさそうなので、突き刺した刃を鋭い刃の生えた靴で蹴り飛ばしつつ引き抜き、)…ち、(大した手ごたえのない刃を一旦引き戻して、やはり上かと嫌そうに目をすぼめた。何か使えそうなものを視界の悪い世界で探したが、)――ち、(結局飛んでくるのは障害ばかりのようで諦めた。壊れたガレキや細々とした攻撃にもいちいち構ってられず、少し大きく裂いた切り傷に焦点をあて飛んで、)言いたい事があんなら共通語教えて貰ってからこいや、(もう一度大振りに傷に刃を重ね、それにキックエッジアーツの靴先で蹴りつけた。一瞬でも踏みとどまれればそのまま右手に刃を迷いもなく叩きつけ、) 2008/08/08 (金) 01:10 ◆ リオ :(阻まれた。軽く舌打ちしたのち、一時剣を鞘に戻して。馬が駿足で後退すると、憎憎しげに呟く)――…まずいな。『てめぇ怪我したらどうすんだよ!俺が鷲野郎に殺されんだろ!』……しかし、魔術は効かん……(それはミナへと返すことばか。笛と、魔術が弾ける音を聞いた――大丈夫――救いは来る。必ず、来る。己に暗示をかけるよう頷いて、馬が尻尾を振って少女の体を軽く打った)『………あいつ、――……ほら剣抜けよ、回り込むぞ!』(その馬の思念は、いつだって退くことは出来るのだと――根拠のない、思いを沸かせた。仕方がない、今出来ることは少ないのだ。私はあれを傷つけることは出来ぬかもしれない。だが、その気を逸らすことは可能だろう。騎馬は高らかに地を蹄で打ち、飛ぶように異形の背後に駆けた。 )――っ、(剣を抜き払い、声なく、その、首――……首、らしきところを、一閃、払い、裂かんと) 2008/08/08 (金) 01:17 ◆ ゾンド :(地を吸う液体の目前まで迫っていた泡立つぬるま湯の契機となったのは、目の前で獲物を待つのに堪え切れなかったという純粋に利己的な理由だった。跳ねるように巻き上げられた汚濁は、よく動く生物だけを器用に避けて、こちらの方が食うのに簡単そうだというだけの浅い判断で、鈍重なスライムの表面を隙間無く覆う。取り付いた部分に浮いている筋肉や脂肪を短時間で浸食、表面で劇症型の爛れを引き起こし、産出する抗原の役割を担う発赤毒素が免疫システムを狂わせる。内部に流れ込んだ溶血性の連鎖球菌によって体液までが破壊され、まだ生きている筈の生物の体内は、じきに死亡時の環境と同じ状態になるだろう。肉である部分を見境無く壊死させ、獲物には土産に毒素を提供する病原菌は、どこに脳があるのかなどそんなものはまるでお構い無しだ。彼らは食って殖えているだけの、何者でもない何かでしかない。) 2008/08/08 (金) 01:21 ◆ セレス :(こういう状況が一番嫌だった。我が身の無力を痛感して、見守るだけの時間が何よりも嫌いだ。援護の魔法も無駄どころか敵の糧となるなら、飛ばさないほうがましに思える。)・・・・・・(思考に介入するように、右手から痛みが上ってきた。体から微量に抜けては敵に奪われている魔力の分らしい。更に舌打ちを重ね、二歩進んで退いた分を埋める。増援はまだ来ない。――魔術師は無言のままに剣を引き抜き、歩みを進めた。迂闊に進めば敵に取り込まれるだろう間合いへと。前衛として動いている人たちの攻撃が効かなければ、次は彼女たちの指示で囮でもなんでも、動く気でいた。) 2008/08/08 (金) 01:26 ◆ ミナ :―――(声を失った。後ろから払いぬかれた刃は、スライムの正面、騎馬の少女の向かいに居た人にも目に見えるものだった。が、度肝を抜かれたのは諸共切られるかもしれない現状よりも、足場で行われ始めた悪夢にだった。)…なんさ、これは……、…?(空笑いも出ないで唖然と化け物を喰らう捕食者を、吐き気を催しているような怪訝な顔で見据えてから、)た、ぶ、ん…からだが変えられるもんだから、ちょっとでも動くもんがあったら其処潰しとけ!中枢の可能性があるかもしれん、(水に近いもので、かつ体の具現化が可能な生物なのだとしたら、したからの捕食に対して核ともなるべき――脳と呼んでいるものを守ろうと体の構成に変化が現われるかもしれない。スライムと一緒に食われるのはごめんだと傷口をまた蹴り飛ばしてタタンとバックステップで下がる。セレスの隣にまで一度下がり、)今、結界とか張れそ?あの変なのの正体はよお解らんが…体腐ってるみたいに見えるし、最後っぺに何かしてくるかもしれんから、魔力余裕あったら周囲にも頼みたいんよ、(そう囁いてまた地を蹴った。頭の中ではあの赤いものに触れずにどうあのスライムを切るかが問題になっていたが、床からくるものより一番侵食の遅い頭へ横一閃の刃を撫ぜた。) 2008/08/08 (金) 01:37 ◇ 黒紫色のスライム状の生物 :(「Di――gyaaaaaa!」(死n――――) 詠唱が完成する刹那、ゾンドの放った生物が、スライムの体を侵食し始める。 体が、ぼろぼろ・・・と壊死を始めたのだ。 それと同時に――魔力を吸い取ろうと、方々へ触手を伸ばし、崩壊と再生のバランスを取らんと狙った。 そして――それとほぼ同時に――二つの斬撃が、さらに追い討ちをかける。 後頭部の脳に、傷をつけ、さらに重く傷を重ねるように。 後者の方のダメージは浅いものだった。 しかし、前者のダメージは、相当大きいようだ。 自らの体の魔素が、傷から漏れ出し始める。 少しでは有るが、それを自らが取り込み――そこからまた取り込み――悪循環が今のところ続いている。 体を維持しているのは、魔力の取り込みが、出る量よりも勝っているからだ。 最後の足掻きが――行われていた。 「Die! DieDieDieDieDie!」(死ね! 死ね死ね死ね死ね死ね!) 魔力の刃が、四方八方へと打ち出される。 体の表面の細胞へも。 自らが最後の刃とならんと、体を極限まで削っての攻撃だった。 ――この魔物は――何がために――生まれたのか――それは――神のみぞ――知る――しかし――それは――希望――) 2008/08/08 (金) 01:38 ◆ リオ :……煩いぞ――…黙っていろ、夜は静かにしなさいと親御さんに言われなかったのか!(僅かに怒気を含ませたソプラノで、諭すように言った。しかし、それは言われなかったに違いないだろう。騎馬が後退する。剣を斜に構え、飛んでくる刃には――再び、剣に光を纏わせる。しかしその光は、ただ纏うだけでなく、魔力の限り――周囲に霧散しながら、広がる。障壁の如き、光の壁だ。そして真横に一閃した。当たれば刃を落とすことになろう。しかし、あまり魔を纏うことは、出来ない。一閃した後に魔力を封じ込めると、あたりにはまた――夜が広がるのみ。) 2008/08/08 (金) 01:48 ◆ ゾンド :(刃で吹き散らされた醜い破片は消し炭となってしまうが、体内に深く喰い込んだ彼らが、傷のついた最後の栄養源を察知するのは時間の問題だろう。やがて黄褐色の膿が積層し、残る餌ごと包み込む。)あなたの望み通りのものなのだけれど。無数の彼らも、秒に数万単位で死んでいる。不服であれば、これから我々も努力を続けたいと思う。(呟くような声量が漏れた位置は、最初に一つきりの人影が現れた箇所からそう距離は離れていない。) 2008/08/08 (金) 01:52 ◆ セレス :(ミナの声を受けて符がばら撒かれた。魔術師が吐いた息で壁へと――攻撃を弾き返す質を持つ障壁へと姿を変えた。幾つも飛ばされる刃を防ぐ為に、リオの作り出した壁に重ねる。)右を掲げ、敵を横たえる祈りを。痛みは我に平伏し、苦しみは我に届かず、嘆きは我が滅ぼす。―――痛みは敵と踊り、苦しみは敵と歌い、嘆きは敵と朽ちよ!(歌われる唄でより強固に固まり、魔力を削ぎ落とされぬようにと整えられていく。弱ってもがいている敵は、魔力を吸う前に弾かれるだろう。攻撃を全て本体へと返還する、強力な詠唱だった。)我、姫の盾とならん。バーニルトの御名を借り、月の鏡を成せ!(敵に餌を与えるような下手をしないために、魔力には最大限、自分の制御を付加した。盗られそうになった場所からは何の躊躇もなしに引き下げるだろう。) 2008/08/08 (金) 01:55 ◆ ミナ :っ、―――ガ、ッ、あ…(鈍い悲鳴を喉から絞って吐き出した。動きの停止が止まるまでずっと、脳を深々と抉る刃を持ち続けて、逃げるような時間なんて元より与えられていなかった。奪われた魔力と全身を裂く刃にゆがめた顔は、オッドアイの紅の鮮やかさを増して、また元に戻る。くぐもった声だけはまだ後を引いたけれど、彼が身を削って身の丈よりも小さくなる最期に、脳のあるだろう真上から床に向けて刃の先を突き立てた。元々炎中心の魔術の使い手は、使ったところで身を守るような術など持ち合わせていなかった。刃はそのまま床を串刺しにするようにして残ったけれど、敵の生死に関わらず持ち手はそのまま手が離れ、そのまま転がる形で硬い床に召される。1人人数が足りないが、声の数は足りていた。)その、赤い、変な…膿みてぇのは、どうなるんさ。数万死んで、餌がなくなればもういなくなるんか…?(危惧した色でそう声の方に。もしもあの悪魔がそのまま生きているなら、スライムよりも怖いものだった。) 2008/08/08 (金) 02:00 ◇ 黒紫色のスライム状の生物 :(4人の攻撃によって、ほぼ姿を残すことなく消滅する悪夢。 しかし――死ぬ間際、またしても言い残す言葉があるだろう。「We do not meet in ... nether world without dying」(我らは死なず・・・黄泉の国で会わん) ――消滅する刹那、悪夢が、この言葉に隠した意味は、まだ分かるはずも無い。 しかし、悪夢の片鱗を片付けたのは確かだ。 悪夢の閉幕の鐘がなる。 その音は――甘く、甘露なものだろうか。 4人の体に、魔力が満ち、そして――器の広がりを感じる。 それは、生命力の強化を意味するだろう。 ――駆けつけた兵士が見たものは――すでに終わった、悪夢の残骸だった。――この魔物は――何がために――生まれたのか――それは――神のみぞ――知る――しかし――それは――希望――を生む――母体――穢れは――はらわれ――清らかな――中で――眠る) 2008/08/08 (金) 02:08 ◆ ゾンド :彼らの初期設定だけれど、生存を維持させる担当に就く、細胞分裂の限界量の基準となるテロメアを殆ど持たせてあげていない。栄養源がそこにあるのなら、死亡する数を上回って殖えることができけれど、自分で栄養を摂る事ができず、子孫を残すことも適わなければ、そこで一つの種が絶滅するだけのこと。ただ、周囲の大気中や水滴中に居る別の病原菌の培地になるかもしれない。このまま何も変化が起こらないまま、その子の生命活動が集束したなら、高熱で長時間の焼却殺菌処理をして欲しい。 2008/08/08 (金) 02:08 ◆ リオ :――死は誰にでも平等だ。(消滅を確認すると、剣を手にしたまま手綱を引っ張った。負傷した者の名前を呼ぼうとして、知らぬことに気付いて――、)ルース、若者のもとへ、『……あいよ』(ミナの傍に馬が駆け寄ると、飛び降りて、ああと小さく声を上げた)………癒す。痛みを、解く。大丈夫……(剣の切っ先を上に向け、祈るように眼を閉じた。白い、霧のような光を生み出しながら、ミナの傷を、包み込んでゆく。痛みを和らげながら、消しながら――魔力が満ちている今なら、全てとは言わずとも癒せそうだ)我、光に生きるものなり――光よ。我に力を。(囁くように、呟きながら、夜を光は照らし続けた) 2008/08/08 (金) 02:17 ◆ セレス :(監視塔の鐘が聞えた。何が留めになったかは判らないが、殆ど液体に見える敵ももう動かず、闇は静寂を取り戻した。その中で聞えるのは仲間の会話だけで、)無茶をしすぎだろう、馬鹿。(まずミナにそう呼びかけたところで、男の右手から剣が落ちた。拾おうとしたのだが、指先すら動かず・・・仕方がなく左で拾った。鞘に戻すことが出来ずに彷徨わせたまま、周囲の確認を行う。)ゾンドは、ああ、無事だな・・リベリオンも。(どうやら被害が出ているのは竜騎士だけらしい。回復魔法は不得手なのでリオに任せ、こちらは喉まで来た吐気を堪えて口を噤む。魔力の循環が上手くいっていないらしく、上弦の時と同じような感覚が体にあった。)―――例の、アルケミストの物だ。(ぐっと飲み込んで、駆けつけた兵士に状況説明の声を。) 2008/08/08 (金) 02:21 ◆ ゾンド :(ようやく現場に駆け付けた兵士達の顔色は、腐塊を見るなり瞬く間に蒼白となった。殆ど半泣きの形相で、対処に当たった別部隊の兵士を遠巻きにしながら「早く消毒してくれ」と何度も喚いていた。聞き慣れないアルケミストとやらのスライムよりも、この街に長く居る者に備わりやすいある分野の知識が、彼らの心に決して軽くないストレスを与えている。) 2008/08/08 (金) 02:23 ◆ ミナ :ええーと…、(ゆっくり身を起こし、回転の悪い頭を必死に揺り動かしてみた。数少ない把握事項を脳内で反芻する。テロメアあたりはもう異国というか全く違う次元の単語と認識され、意味を聞くこともしなかった。無表情で暫く考えこみ、出た結論といえば、)燃やしておけばとりあえず安心って事でいいんさ?(一番最後の焼却に着眼して、そう、再び声の主へ尋ねた。全身に魔力の戻る――奪われるのも不思議だが戻ってくるのも奇妙な――感覚に見舞われながら、ぱっくり裂けた二の腕をもう片手で支えつつ、)セレスの兄やぁ、手伝ってぇー、(都合のいいときだけ甘い声でねだって、先程化け物が居坐っていた石畳を地味に炎であぶった。大して懐かしくないはずなのに、有難いと指先のものへそんな事を感じつつ、)はは…疲れとんだろ、平気さ、平気…。俺半分精霊だから、精霊術とか、体が吃驚して喧嘩しちまうわ、(ケケラと痛い喉で笑って、四つんばいで落ちている一対の剣を拾う。痛みとかの感覚も随分だったが、まだ緊張の糸がほぐれていない間は色々良いほうだろう。)馬鹿じゃないもん。しかし…ぼっちゃんはあかんな、折角要塞の無罪はれたのに結局要塞に嫌われちまう、(そう言葉を洩らして、地味に地面を燃やす。駆けつけてきた兵士への対応はセレスに押付け、上空で旋回している竜を手招いて呼び、)みんな歩けるんか…?おおい、少年、平気かー?(報告だのなんだの要塞でまた調書でも書かされるだろうかとげんなりした顔で下りてきた竜の鼻先に挨拶をした。唇を離して、いやそうな顔の彼の鼻をデコピンで弾き飛ばし、) 2008/08/08 (金) 02:28 ◇ 黒紫色のスライム状の生物 :(駆けつけたアルケミストが、破片の解析を行う。 そのあいだ、負傷者達に対し、つぎつぎと医者達が手当てを行っていくだろう。 兵士達は、セレスの説明を聞いて戦々恐々としつつも、焼却されたそれを綺麗に掃除している。 元の平穏が、戻りつつある―― ――悪夢の数は、あと6。 蛇が出るか鬼が出るか――それは分かったものではない。 ―――恐怖の幕は――下ろされたのだ。 今は、ゆっくりと休むとしよう。 残りの悪魔は、牙を研ぎ続くのだろうから) 2008/08/08 (金) 02:33 黒紫色のスライム状の生物【退室】 (2008/08/08 (金) 02:33) ◆ セレス :全部私に任せても良いんだぞ。(甘やかすような言葉を、この場に於いては大真面目に言い、握ったままの剣を振るってミナの火を助けるように、白い火で今日の功労者に追い討ちをかけた。遠くで見ていた人は何が起こったのかも理解がいかないものだから、ゾンドやミナが何を話しているのだかも当然理解できなかった。とりあえず、左手だけの不便な動きでローブを捲り上げて部隊腕章を示し、要塞の人だろう兵士に身分証明をした。)要塞待機部隊、本隊所属の兵士だが。そちらのアルケミストの所属を聞かせてもらいたい――(文官やらが危惧していた内容を現実のものとしない為に、分析官の身分を明らかにしておきたかった。) 2008/08/08 (金) 02:38 ◆ ゾンド :そう。燃やしておけば、高い確率で安心。(じいっと無表情で左の二の腕から先を綺麗に失っていたままの姿で立ちっ放しで居ては、まるで事件の怪我によるショックで呆けていたようにも見えたのだろう。手当ての為に急ぎ駆け付けた一人の兵士が大声で何事かを怒鳴りながら包帯を分厚く全力で巻き始め、増援に着いた同僚の一人との見事な連携により、大の大人の力を使って有無を言わさぬ手際の良さで担架に搭載し、風のように走り去ってしまった。) 2008/08/08 (金) 02:42 ゾンド【退室】 (2008/08/08 (金) 02:42) ◆ リオ :……、(そのようすを確認すると、剣を鞘に収めた。言われてみれば、どっと疲れが押し寄せるように、心身を襲ってきた。それはそうだろう、久しぶりに、魔力を開放しすぎたせいだ。馬に体を寄せて、体重をかける。馬は動じずにそれを受け止めて、『乗れよ。』と。)――…あー………駄目だ。またインに説教されてしまう……『俺も一緒に受けてやるよ……さっさと乗れ、』……(深い深い溜息をついて、その背に飛び乗った。駆けつけてきた者の相手は、こちらもセレスに任せる。どうも慣れそうにないから――…) 2008/08/08 (金) 02:43 ◆ ミナ :(炎で一通り残骸らしいものを燃やして、強いめまいに首を傾いだ。魔力も戻っていたし、傷の深さは解っていないがそう命に関わるようなものとも思っていない。痛覚の働いていない幸せな状態で、でろ、とわき腹を探った手が血に塗れていた。うすらぼけた視界で、アルケミストの後ろ側に少年の姿を見て、)『安心おしよ。赤薔薇様からのお墨付きさ…取り合えず信用してよさそうだよ。』(仕事のときの背丈ではなく、何時もの小柄なままだった。大丈夫かいと無機質な声で尋ねたそれは、焦点の合わない子供を抱き上げて溜息をついた。運ばれていく少年の姿にも覚えがあったので、どうやら後で医務室で出逢うことになるだろう。報告から何から色々要塞の者は迫ってくるだろうから――怪我をしているのでと適当な理由をつけて、セレスごと一旦要塞に戻らせようと少年の声がするだろう。相変わらずさっさと決めてはさっさと進む鳥の翼は、竜騎士の血にまみれて見られたものではなかったけれど、それからはまあどうにか運びきり、お説教の始まりだったとかそう聞く。) 2008/08/08 (金) 02:47 ミナ【退室】 (2008/08/08 (金) 02:47) ◆ セレス :うちの負傷者は、あ、(一番先に事情を伝えなければならなかった人は速やかに連行されていた。しまった、と思いつつも、口が半開きになっただけで・・)・・・・リベリオン、医療班の助けが必要か、と。(言った時には既に横を通過され、医師が動き出していた。戦闘員である本人の判断を聞くよりも問診して診た方が早いと考えたのだろう。)ああ、ちょっと待て、なんともない・・大丈夫だと、(この男に関しても同じで、『さっさと剣をしまってこっちへ来い』と腕を引かれる。視界の隅に見えた文官の姿に声をかける前にそちらへと動かされ――流石はプロと言うべきか、彼らはすぐに魔術師の異常を見抜いたらしい。怒鳴り声と共、有無を言わさず強制退場となった。報告書を書きに行くには、暫く時間がかかりそうだった。) 2008/08/08 (金) 02:52 セレス【退室】 (2008/08/08 (金) 02:52) ◆ リオ :『帰って、寝てろ。………鷲野郎に、みつからねぇようにな、……げっ?!』(滅多に動じない馬が、蹄を鳴らして後退した。もうひとつの鳥の翼が頭上から聞こえたのだ。今もっとも出会いたくない奴、それが)『はえぇよ!』『……赦さん。お前がついていながら何だこれは。主が力を失っているではないか、』(鷲がフードの頭にとび載ったが、もう反応する気力さえない様子のその人は、馬の頭に体を寄せてしんでいた。しんだように瞳を閉じていた)『仕方ねぇだろ…妙なのが出たんだよ』『言い訳無用!』(寝ていた。セレスの声は、届いていないようで――馬は、内心うんざりとしながら、駆ける。まあ、落ちねぇだろ、と、さんざん鷲から罵倒の声を浴びつつ、要塞へと戻る――) 2008/08/08 (金) 02:54 リオ【退室】 (2008/08/08 (金) 02:54) HIGHLAND FORTRESS 峠の要塞(閉鎖しました) http://h-f.sakura.ne.jp/kariken/index.html BACTERISM MATRIX http://bacterism.matrix.jp/ PCキャラページ http://tryx-quad.sakura.ne.jp/zond.html