題名:それがわからないのだ 登場隊員:ソル・ゾンド(ケッペンバウム要塞) ソル【入室】 (2008/08/28 (木) 21:53) ◆ ソル :(ごつ、ごつ、ごつ、と、比較的、ゆっくりと階段を上がる。構造上、2階分もある階段を登っていくと、3階のところに開けた待機所があるらしい。まだまだ、担当の時間には早いが、待機所へ行くのが目的で、これだけや早くやってきた。だた、本当は、もう少し早く上の階に着いている予定だったのだが、想像以上に狭い階段に、中々たどり着けないでいた)…俺より、大柄な連中は…どうやって、登ったやら……(ため息がちに、明かりののぞいてきた、上方を見遣る。ちょうど、10時の鐘が鳴った。耳を塞ぎつつ、登り続ける) 2008/08/28 (木) 22:02 ◆ ソル :(扉の隙間から、いくつも光が漏れていた。登りつめた階段の、その終着点の前に立ち、中から聞こえる、他愛もない前任者たちの会話を聞きながら、ノックをした。合図が返ってきてから、その扉を押し開ける)こんばんわ。――いや、遅刻では、ないよ。俺は、0時の担当だ(さっき、きちんと鐘が鳴っただろう、と、部屋に中の彼らに告げて、役目を終えて要塞へ帰る彼らに道を空ける。二人組の彼らが、自分たちの装備を確認して、待機所を出て行くのを見守っていて)…いいや、1人だ。もう1人は、後から来ると思う(訊ねられたことに、曖昧に微笑んで、返す。ばたん、と、扉が閉まった) 2008/08/28 (木) 22:10 ◆ ソル :(塔の中腹の待機所は、中々に、狭い。不自由な狭さではないが、今まで任務についてきた者たちが置いていった、様々なもののおかげで、待機所というよりも、ちょっとした、秘密基地だった。要塞から支給されているサーベルを外し、物であふれているテーブルに立てかける。監視塔の任務は二人組なのに、何故か三脚ある椅子に腰掛けて)…2時間、何をしているかな(単に、早く行こうと思っただけで、特別な目的はもっていなかった。椅子に深く沈んで、目を閉じる。閉じられた窓が、風邪で音を立てていて、ここにも隙間があることを、示していた) 2008/08/28 (木) 22:24 ゾンド【入室】 (2008/08/28 (木) 22:30) ◆ ゾンド :(長年の磨耗からか、想定外に風通しの良くなってしまった建て付けの扉が、やけに慎重な開き方をした。行儀悪く肩口から押し込んで開けたらしく、まず半身を滑り込ませて余裕を作り、胸の前に抱えていた木の小箱を床に置いてから、改めて自分の体を進入させた。扉を閉め、小箱を持ち直して方向転換をして後に、漸く先達の姿を把握したらしい。それからも挨拶も敬礼も何も無く、慣性で緩やかに前後する扉を背にして、その場で立ち竦んでいる。もとより、足の踏み場も無い空間ではあるのだが。) 2008/08/28 (木) 22:32 ◆ ソル :(部屋の明かりは、前のものたちが点けていったのか、それよりももっと前のものたちが点けていったのか、天井から吊るされたランプが一つきりだった。自然の火は、弱々しくも、安定している。その火が作り出す影の中で、じっと眠ったような体勢でいて、ふと、静か過ぎるほどの音で、扉が開いたのを知った。薄く目を開け、首を扉へ向けると、任務のもう1人なのか、少年だ立ち尽くしていて)…やあ、…ゾンド?(荷を持ち、扉のすぐ側に立ったままの彼に、声をかけた)…どうしたんだ? 2008/08/28 (木) 22:41 ◆ ゾンド :(その扉の周囲だけが、時間の流れが淀んだかの速度で、無言の応答を返す。両の手が塞がっている故か、それは上官への敬礼と形容するよりは、ヒモトの文献によく記される風習によく似ている。顔を上げると、それはまず天井のランプを見遣ったが、それには長く興味を示さなかった。すぐに暗色の床を俯瞰すると、身を屈めて小箱を床に置く、簡素な四方の木箱は、蓋を取り除かれても、それの内容物は何一つ無かった。)…任務と、聞いたから。与えられたと呼ぶ方が、より正確に近づく表現? 2008/08/28 (木) 22:56 ◆ ソル :(不思議な動作は、いつか、どこか見覚えがあるものだったが、瞬時に思い出すことはなかった。なんとなしに、挨拶の一種と受け取って、椅子にもたれた背を正し、彼の動作と同じくらい、ゆっくりと首肯した)じゃあ、俺と監視の任務が一緒なのは、ゾンドなんだな。ごめんな、先にきて…(言い、床に屈んだ彼を見遣る。少年の影と、元々の部屋の明るさで、彼が置いた箱が何なのかは、判別ができない) 2008/08/28 (木) 23:04 ◆ ゾンド :本来の任務として過分な下準備に感け、定刻に到着しなかった非は、我々に回帰せねばならない。あなたに謝罪をする理由は存在しない。あなたからその謝罪を与えられても、どう受け取るべきか、我々には解らない。(扉付近に屈んで最寄りの暗がりに手を伸ばし、落っこちていた何某かの小物を一つ、指先で摘み取った。薄汚れて光沢の鈍くなった細く小さな棒状の物体を小箱に入れて、蓋の開いたままの小箱を脇に抱えて直立する。少しの距離を前進してテーブルの側まで寄り付くと、とりとめない間隔で放置されていた幾つもの雑貨を取り上げて、小箱の中へと、一つ一つとその在り処を移し変えていた。) 2008/08/28 (木) 23:23 ◆ ソル :うん?いや、非も何も…俺たちは、早くに着き過ぎているくらいだよ。まあ、そういう風にいうのであれば――俺も、間違ったことを、口にしたのかな(薄っすら苦笑いに似た表情を浮かべ、僅かに首を傾がせた。何か、拾い上げて立ち上がり、今度はテーブルで、散らかっていたものを箱に詰めていく様子を眺めて)…誰かに、ここの掃除でも、頼まれたのか。手伝おうか?(椅子の背に手を置き、軋ませながら、立ち上がる。吊られたランプに頭をぶつけないように避け、少年の横から、箱の中を覗く) 2008/08/28 (木) 23:41 ◆ ゾンド :これは不遜な希望かも知れないけれど…なるべくならば、我々を混乱へ誘導しないで欲しい。あなたがた人間が間違っていれば、我々は何を信頼すれば良いのか分らなくなる。基礎が、組めなくなってしまう。(立ち上がる振動でテーブルが微動したようだった。不必要に多く置かれた火打石の数組を、たった今、小箱に片付けた。)この板木細工について、我々が考えていた用法は、かつては椅子の代用としてだったのだけれど…(小箱の底にまでランプの光が通るよう、部屋の中央にそれを向ける。中でオレンジ色を照り返す物体こそが、最初に拾われたそれだった。埃塗れではあるが全体は無事に保たれた金属スプーンが、小箱の一底辺に身を寄せている。) 2008/08/29 (金) 00:00 ◆ ソル :うん――それは…(難しいことを言う、と、言葉を飲み込んだ。かつて、一度でも、自分が正しかったことが――絶対、正しかったことが――あったか、と。少年を見下ろしながら、少し考えて)…努力するよ。でも、あんまり他人を頼りにしすぎても、だめだぞ(応え、テーブルに手をついた。大きくない声で、箱の正体を明かしながら、こちらへ中を傾けたのを覗いて、中に入れられたものが、この待機所のがらくたと確認する。物を置きすぎだ、と、待機所の有様を再確認しながら、自分も1つ、何故ここにあるのか分からない石ころを、テーブルから拾い上げた)椅子…だったのか。君が座ったとしても、少し、小さかったみたいだな。ケッツァや…ルーイ隊長のお子さんが座って、まだ少し小さいくらいか 2008/08/29 (金) 00:20 ◆ ゾンド :あなたの今の指摘のように、我々は駄目な判断の繰り返しだから。他の何者かが居なければ、それは世界に何も存在しないことに等しいから。優先されるべき基準は、やはり、他人となるのでは。(テーブルの一角に有った一つの布包みを取り上げた。それは夜霧のせいにしても随分湿気り過ぎていたが、緩い包みの隙間から、手に馴染みそうな長さの木串の端が垣間見えていた。)無許可で持ち出せるもの、単体で運べるもの、両条件を満たす物品は、この一つしか見繕えなかった。(少年の手中からは僅かに収まりきらない布包みを、如何なる由来の何物か判断しかねているらしく、不思議そうに俯瞰している。) 2008/08/29 (金) 00:39 ◆ ソル :時と場合によりけり、じゃないか。自己と他者の優先度、は、な。…おい、待て、それ――(どうやら、散らかっているものを、箱の中に仕舞っているのは確からしい。手の中の石を弄びながら、少年の作業を見つめていて、今、彼が手にしたものを見、静止を呼びかけた。気のせいだか、あまり聞きたくない音が、聞こえたような)…今、ゾンドが持ち上げたものが――もし、柔らかいのなら、それを箱の中にいれるのは、止めたほうがいいかもしれない。そもそも、俺はその箱の中身をどうするのか、知らないが――その、包み…燃そうか?(たった今、はじめて見た物を手に取った子供の姿の彼から、それを取り上げてしまいたいくらいだった。想像したものと、違えばいい、と、思うが) 2008/08/29 (金) 00:52 ◆ ゾンド :現在、命令に違えてしまうかも知れない。事情や経過、物品の持つ理由の因果を考慮せず、手間を惜しんだ即断即決の処分は、前線の逼迫時にのみ説得力を持つ。回収した物品は要塞に戻った後、再利用、または修理補修によって機能が戻るものは、適切に保管するつもり。(小箱はひとまずテーブルの上に置いて、その場で布包みの開封を始めた。折られた布を左右に一枚ずつ除いただけだが、すぐに現れた串の焦げ目と、そこへ僅かに付着する変成した蛋白質の欠片が、由来を申し出たようだった。)…これと、ほぼ同様のような品物を知っている。幕の市の警邏で、竜人と思しき方に、一度だけ奨められた経験がある。 2008/08/29 (金) 01:11 ◆ ソル :再利用…そう、そうか…だけど、要塞に持ち帰るのは、あまりよろしくないと思うけどな、それは……(再利用といっても、どこの誰のものだったのかさえ、知れない物品だ。回収し、修理したあと、それをどうするのか聞くべきかと考え、最終的に口にしたのは)あんまり…部屋やパーティルームに色々持ち込むと、掃除当番に怒られるぞ……(そんな、弱気な忠告だけだった。やはり、何度見ても、包みから現れたそれは、持って帰るべきものでは、ないとは思う)…そうだろうなあ。多分、幕の市から、差し入れか夜食で、持ってきたんだろう……ん?(ややあって、ふと、上の階から物音を聞いて、視線を串から上へと上げる。しばしの無音のあと)…鐘か(聞き慣れた、時間の区切りの音が、3回ほど) 2008/08/29 (金) 01:26 ◆ ゾンド :でも、ここに放置したままでは、空間の不衛生さが進行しかねない。大丈夫です。我々が持ち帰り、塵芥の一種として適した方法を選び、処分するから。(躊躇なく布包みを仕舞い込むと、辺りを一周り眺めてから木箱の蓋を閉じた。雑然とした部屋を成している他の要因は、どれも一様にこの小箱にはきっと収まることのないサイズである。 課されていたが、失念していた任務を、ソルの言葉でようやく思い至ったようだった。鐘音が収まるのを待ってから、出発の確認を求めた。) …そろそろ、向かうべきだろうか? 2008/08/29 (金) 01:40 ◆ ソル :…よかった。そう、不衛生、なんだが…わかったよ。それや、他のものの処分は、任せた(仕舞われるものが、まだ気になってはいたが、彼の口から、不衛生である、と、きちんと言葉として告げられて、何故か、安心したような表情を見せた。箱は閉じられ、任務の時間もやってきた。彼の言葉に、否定を返すことはなく)うん、行こうか。…要塞に帰るのは、2時頃か…(大きく頷き、付け足された独り言のすぐあとに、立てかけたままだったサーベルを手に取った。待機所よりも、さらに上へと続く階段のある扉へと、体を向けて)…行こうか?(先ほどと同じ言葉を彼に向けながら、扉を押し開ける) 2008/08/29 (金) 01:52 ソル【退室】 (2008/08/29 (金) 01:54) ◆ ゾンド :…行きます。本当は、指揮職に夜勤を担荷わせたくないのだけれど…(先に部屋を発って扉を潜った見上げるような背丈を追う。ゆらゆらと揺れる赤い長髪を目印に着いて階段を昇る。今後部屋に控えるだろう後退の兵を危惧し、持ち込んだ小箱はまだ抱えたまま昇っていった。信頼というものの本当の意味は、それにとっては、まだ満足に掴みきれていない事を、物証として示している。) 2008/08/29 (金) 02:04 ゾンド【退室】 (2008/08/29 (金) 02:04) HIGHLAND FORTRESS 峠の要塞(閉鎖しました) http://h-f.sakura.ne.jp/kariken/index.html BACTERISM MATRIX http://bacterism.matrix.jp/ PCキャラページ http://tryx-quad.sakura.ne.jp/zond.html