題名:図書館の徒 登場隊員:ナコト・ゾンド(バーパジーラ要塞) ナコト@要塞図書室【入室】 (2009/04/12 (日) 23:08) ◆ ナコト@要塞図書室 :……貸し出し禁止…なら…しょうがないかな……(分厚い本を二冊本棚より引き出し、テーブルの上に広げた。ひとつは魔導研究所から渡された旧時代の魔道書…これの解読が研究所より与えられた課題だ。…もう一冊は、その時代の魔術について記された現代の魔道書。本来ならば研究室に閉じこもって1ページずつ解読していくものだったが、見知らぬ単語が羅列されているページで課題が行き詰った。…なので、図書室で調べものだ。時間と手間はかかりそうだが、時代からして書物は多く残されている…壁という壁ではない。)……ダガー…ほら……(片手間に、テーブルの上で糸巻き車を転がしてネズミにそれを転がして戻ってこさせるという遊びをする。一番最初にネズミが覚えた芸だ。) 2009/04/12 (日) 23:15 ◆ ナコト@要塞図書室 :……15の顔…神の住まう地……。……月のことか……(解読の作業は決して面倒くさいということは無い。表現の違いによって初めは何が何だか分からないものが、謎かけを解読することで理解できるようになるということはアルケミストにとって一種の快感を覚える瞬間だ。今も、シャンドラという単語が月であるということが分かった。胸ポケットからメモ帳を取り出し、それを書き留める。これで解読に一歩近づいた。)……月の満ち欠けに関係する魔術…。……原理が不明……―――…あ、ごめん…ダガー…。(糸巻き車を押して戻ってきたネズミが「チィ」と不満そうに声を上げた。この芸を仕込むにあたり、戻ってきたらその分ご褒美を与えるのが約束だった。ポケットから小さな木の実を取り出し、ネズミに渡す。…図書室では飲食禁止だが、これぐらいなら良いだろう…と。) 2009/04/12 (日) 23:25 ◆ ナコト@要塞図書室 :……炎の玉が地に落ちるとき……。………。…夕暮れ…? ……いや…そうとは限らない……(次の解読。地に落ちる…という表現が引っかかる。文字通り「落ちる」のならば隕石の可能性があるし、「沈む」を落ちると表現しているならばそれは太陽だ。流星である可能性だって捨てきれない。…しばらく思考し、そのページを探っても何も出てこないと結果が出れば、席を立って新しい本を探すべく本棚に向かった。今度はその時代の天体について記された専門書を探そう。…白く細い指で本棚に並べられた名前を探り…発見後、それを引き抜こうと力を込めれば…隣にあった重厚な図鑑ごと、足の上に落ちた。運動神経の良いものなら避けられたろうが…)〜〜〜〜〜………!(声無き声を上げて蹲る。痛みに対する耐性は皆無といっていい。若干涙目になりながら、自分の足に思い切り落下した図鑑をジト目で睨みつける。「古代生物図鑑」…廃棄されるべき古い書物だと一瞬で理解できた。) 2009/04/12 (日) 23:42 ゾンド【入室】 (2009/04/12 (日) 23:50) ◆ ナコト@要塞図書室 :……なんでこんなものが……(未だにジンジンと痛みを訴えてくる足を摩り、何気なく図鑑を手にとってパラパラとめくってみた。何年も前の発見によって既に間違った説とされている文章が恥ずかしげも無く並べ立てられている。この時代では通説だったのだろうが、知識とは情報、常に進化を続け間違った古きは淘汰されていくものだ。無表情で何気なしにそれを見遣りながら…とある1枚でページをめくる手が止まる。)……復元予想図……(読み上げた。化石から、その時代に生きていたであろう生物の形を予測するというものだ。これだけは、唯一正しい知識を得られるかも知れない。ページを一枚、めくってみる。) 2009/04/12 (日) 23:50 ◆ ゾンド :(長きに渡って培った威厳と偉容を誇示して憚らない重厚な本棚の列と、一方あちこち傷みの付いたテーブル席の合間。これもまたかなりの厚みを持った書物を右脇に抱えるようにして牛歩の歩みで前へと進む少年は、そのときの視線はまだ書棚に向いていた。ふと、何か恒温の熱源を察して、そこへと能面を向ける。サーカスのような主人に仕込まれた芸とは違った、あくまでも自主運動に精を出すどこか野性的な雰囲気を残すネズミが居て、その彼は至近距離に居る筈のこちらをまるで気にも留めていないようだった。強い興味の惹かれるそれを、せめて頭だけでも撫でようと、軍服に包まれた細身の腕を緩慢に伸ばした、が。)…………!…………。(ぎゅるんと、腕が弾かれた。ネズミが魔法の障壁でも放ったかのように。勿論野ネズミ上がりの現飼いネズミに、そんな強大な能力は持ち合わせていないのではあるが。自らの腕を不思議そうに眺めて、軍服の下のそれがごぼりと波打ったのは、その少年自身にも感知し得ないことだった。)……………?(鈍く静かでくぐもった落下音が響いたのは、すぐ近くの位置であるような感覚がする。すぐ背後を振り返れば、その光景があった。)どうか、なされました……?(まるでこの図書館の司書のような口ぶりで、屈んだ少女を真摯な瞳を向けた。) 2009/04/12 (日) 23:53 ◆ ナコト@要塞図書室 :…………(無言でページをめくる。魚類にはありえない形状の牙を持ったもの、岩のような鎧を纏ったもの、竜に似ているもののどこか違うもの……そして、自分の天敵である黒い虫…。なんたることだ、この天敵は人類が存在するずっとずっと前からほとんど形を変えずに存在していたのだという。大地や大海の覇者であった前ページの竜たちが滅べども、この憎きものたちは進化も退化もせずに血を繋ぎ、人類の文明の陰で悠々と生き延びている。…おそろしい存在だということが再確認できた。そのページに顔をしかめ、物思いにふけっている最中…声をかけられれば、飛び上がるようにして驚いた。ポニーテールがはねる。)……な、なんでもない…です……(まだ痛む足を摩って図鑑を閉じ、怒られる前に片付けようと手に持って立ち上がれば…いつか見知った無機質な表情がそこにあった。早鐘のように脈打っていた心臓が徐々に落ち着きを取り戻す。)……キミは……、……この図書室の司書だったの……?(以前、パーティルームで出会ったその少年に、思ったままの疑問を投げかけた。) 2009/04/13 (月) 00:03 ◆ ゾンド :(前で蠢くひとの心拍の多さは、まるで背後に居る小動物にも酷似して激しい。いつかパーティルームで出会った少女は質問を投げて寄越したけれども、二つの丸い大きな瞳孔は、対向反射を喪った死者のように殆ど光を映さないまま、たっぷりと沈黙を保ってのち、言った)……違う、けれど。(少年の短い歩幅は、よく磨かれた綺麗な床の上を滑るように少女の傍らに移動する。)我々は、戦闘員、だから。(緩やかな速度で右腕を伸ばして、重厚長大な図鑑に己の掌もまた同じように添えようとするだろう。少年のその行動は予告らしい予告もなく、唐突に始められる。) 2009/04/13 (月) 00:15 ◆ ナコト@要塞図書室 :……そう…、…意外…、……キミみたいな人でも戦うんだ……(意外、という割には驚かなかった。自分の“ともだち”にも自分より幼い姿で先陣を切り、戦いに赴く者がいる。彼女は魔術師だった。きっとこの少年も同じような技を持った戦闘員なのだろう、と推測する。我々…という一人称には若干の違和感を覚えたが、自分のゴーレムもそれなりに個性的な一人称で会話する。特に気にしないことにした。―――唐突に手を伸ばされれば、少し驚いて目を丸くするものの…その目的が図鑑であると知れれば手渡そう。自分の目的はその横にあった天体の専門書だ。)……みる……? ……これを読んでも…正しい知識はほとんど得られない…と、思うけど……(一言、あまり役に立たない本だと付け加えつつ…) 2009/04/13 (月) 00:24 ◆ ゾンド :できる技能は……すごく、限定される。率直に言って、戦力として高い自己評価は、下せない。(少女は、こちらの端的で情報の少ない発言であっても、納得はしてくれた様子に見受けられた。役職の申告に続いて、弁明に近い無用な雑音が付け加えられる。)………あなたもこの図録を、読んだの。…それでも、構わない。……あなたは、どの蔵書を所望している?(承諾して貰えるなら、代わって自分が該当の書物を取り出そうか、という意味を暗に仄めかしながら、ナコトの抱く分厚いそれを受け取り、開いた。自分にもそれは重いので、背表紙の一点は棚で支えながら、だが。最後に開いた頁は、正確に記憶している。)現時点の我々も、ものごとの正確な本質は、けして掴みきれていないのでは、ないだろうか。 2009/04/13 (月) 00:37 ◆ ナコト@要塞図書室 :……そんなものだと思う…。…求められるのはオールマイティな戦闘能力よりも、一芸に特化した戦闘能力……そう推測している……(そうでなければ各個能力に大きく偏りのあるゴーレムなど造りはしない。励ましでも慰めでもなく、思ったままの言葉を少年に返答し…)……それ…そこの天体の専門書……(取り出してくれるというのならばお言葉に甘えよう。先ほどのように本の雪崩を受けては今度こそ足が骨折するかも知れない。己が取ろうとした本を指差しつつ…―――…相手が言った言葉に、少し考えて、頷いた。)……確かに…。……それ…一般的には間違った説って解釈されてるけど…もしかしたらそっちが本当は正しいかも知れない……。(古代の研究が半ばまでしか進んでいない今は曖昧としか言いようが無い。いずれは本質を突き止めなくてはならないが…) 2009/04/13 (月) 00:47 ◆ ゾンド :末端の戦闘員に求められる傾向としては、我々もその意見に同意したい。ただ、戦闘の経験も希薄だから、こうした部隊警邏の日であっても、担当を与えられる頻度は少ない。(少年の口述は、最後まで平坦で曖昧な口調に終わった。その事実が不満であるのか、それとも物臭な少年兵は全く歓迎しているのか、淡々とした物言いに感情を見出すことは難しいだろう。自分の本を足元の床に置いて、本棚の一角に細い手を伸ばす)我々の…名簿の申請書面に記された名前は、ゾンド。……あなたは?(本の下縁をずりずりと底牽きながらという大層な苦労を積んで、天文学の書籍は取り出される。汗一つかかず表情も微動だにせぬまま、丁度ナコトの胸の高さに書物は差し出された)それも含めて。我々は本質を見出せる環境に居るのだろうか。いつの日か本質を見出せるとは希望的観測であって、一種の信仰に過ぎないのではないか、という疑念が、我々にはどうしても拭えない。 2009/04/13 (月) 01:00 ◆ ナコト@要塞図書室 :……そう…。…別に戦いを望んでいないなら…それでいいと思う…。…出世とかしたいなら…話は別だけど……(相手が平坦ならば此方も平坦だった。むしろ、此方としてはソルジャーゴーレムの有用性を軍の上層部に証明するために戦闘行動を譲ってもらってもいいとも。が、いちいち干渉するのも良くないと思い…)……要塞待機部隊随行特殊工作部隊所属非戦闘員、アルケミスト…ナコト……。……ありがと……(そう名乗って、本を取り出して貰えれば礼をひとつ。それも結構な重量のある専門書を胸に抱えれば、少年が聞き捨てなら無い言葉を言った。)……信仰でも…それを目指すことをやめたら人間は進歩しなくなる…。…ボクガ生み出された意味も…なくなる……(少しだけ、不機嫌そうな返答。この部隊に配属され、何度か言ってきた言葉だった。)……それに…未知のものを理解できるようになるのは楽しい…。…本質を見出すために努力するのは…悪くない…… 2009/04/13 (月) 01:10 ◆ ゾンド :でも、我々としては、同行の多くの戦闘員の負担を、十分に軽減できるだけの働きをしたい。(本を経由させたことで返された礼に、またこちらも浅い会釈を送った。これは反射的なもので本来は無用な仕草ではあったが。酷くまじまじと目を丸くして見詰める。例えるならば、不思議そうな、という形容がその瞳には相応しく)あなたが、イルマ要塞から配備の始まったゴーレムの技術者だったの。彼には何度か面識がある。次の機会で構わないから、彼について我々に教鞭を執って欲しい。(重々しい装帳の古生物図鑑を、胸の前で両手に抱きしめながら話す少年の瞳は、どこか黒曜石に似た輝きを伴って薄い光沢を放っていた。だが、怜悧さを帯びたナコトの苦言が響くにつれて、篭っていた熱は用意に放散されて掻き消える。)中庸の段階ならば、それを動機にするのも大きく効果的ではあると思う。目指すことという行為の是非ならば、我々は疑念を挟まない。……あなたが生み出された意味、とは?(表情は変わらねども、途切れ途切れに紡がれる言葉の群れには、密かな沈痛さが滲み出ている。どこにも淀みのない冷涼な口調では、どうしても抱いた仮説が揺らいでいることを隠し通せなかった。視線は下に低迷し、天文学書の表紙を彷徨う)我々も、その…達成感…と、言うべきだろうか。該当する感覚には、摂取について盲目的だ。だけれど、これは最終的な事柄になるのだが。物質という媒体を介在してのみしか世界に干渉できない知識が、果たして真の本質に迫れるのだろうか。……我々には、自信がない。 2009/04/13 (月) 01:34 ◆ ナコト@要塞図書室 :……ゴーレム学に興味がある……? ……うん…別に構わない…。…ボクもちょうど助手…―――…手伝ってくれるひとがほしかったところ…。……整備すれば…だいたいわかると思う……(思わず、本音が漏れた。それを少しマイルドに訂正し、ようは「今度の定期分解整備を手伝って欲しい」ということだった。だいたい一ヶ月に一度実施される其れはそう難しいものではないのだが、何せ総重量は400sにもなるゴーレムだ…一人でやるのはオーバーワークだと、近頃思い始めてきていた。)……継書法…っていう秘術がある…。…母体の生命と引き換えに…母体が記録している知識を子にそのまま遺伝させる秘術…。……短命種の悪あがきみたいなもの……。……ボクは、それで生まれてきたから……(人間の寿命は短い。だから、一生で得られる知識にも限界がある。それは書物に遺すことができるだろうが、それを継ぐ者は学習というプロセスを経てようやくその書物に記された知識を得、雀の涙ほどの新たな知識を加えたところで命が尽きる。…それの繰り返し。―――継書法というものは、その途中の学習というプロセスを省くものだった。それによって効率は遥かに上がるが…その分、子の精神に及ぼすリスクも大きい。―――続く少年の言葉には、少しだけ間を置き…)……可能性は低いかもしれない…。…でも…ゼロじゃない…。…“無理なんてことは、何ひとつない”……ボクのともだちは…これが口癖…… 2009/04/13 (月) 01:53 ◆ ゾンド :ゴーレム学、というの。…それも含めてだけれど、裾野の知識も包括して、全般的に。…あくまで予想ではあるけれど、恐らく冶金学や鉱物学、流体力学についても学べるのではないかと思うから。肩書きには拘らない、是非、手伝わせて欲しい。(分解整備という物騒な単語にもまるで怯んでいないのか殆ど二つ返事で、承諾というよりも押し掛けるような依頼を返した。勿論、他の本業の仕事とブッキングしてしまえば手伝える限りではないのだが、それは前日に平伏して謝り倒すしかない。)それで、生まれた意義、と。あなたには最初から、生涯を賭けるべき目標が設定されている、ということ?……それでは、引き受けるべきリスクに対して、リターンがあまりに下回る。あなたはその短命種の一端でありながら、自身に注ぎ込まれたコストを一生涯で取り戻さなければならないのでは……。(少年の放ったそれらの文言はあまりに非礼で、少なかれ感情を持つ少女に対して与える不快感と不愉快を顧みない言葉であるのかもしれない。だが、他者の内心を慮るには、まだ少年の対人経験は浅きに過ぎる。)………ある文献の言葉を借りるが……。……『不完全性定理というものが、理論体系一般すべてに存在する。どのような理論においても、証明不可能な命題が必ず存在する。それは、その理論体系に矛盾がないことをその理論体系の中で決して証明できないということであり、従って、我々の理性により作り出した理論体系が、真理に到達することは決してない。』……申し訳ない。我々は自身の限界を知っているが故に、あなたの積極性と前進的な姿勢に憧れているのかもしれない。けしてあなたを愚弄する意図のないという事を、知っておいて欲しい。 2009/04/13 (月) 02:14 ◆ ナコト@要塞図書室 :……助かる……。…キミは手先が器用そうだから…。(なんとなくのイメージだった。一人では外部装甲を取り付け、取り外しするのですら息切れし瞳孔が開きそうな重労働…その後に続くメンテナンスはほとんど意識が朦朧としている状態だ。今まで不具合がないのだからちゃんと仕事はできているだろうが、あまり良い傾向ではない。)……ボクたちは…道具と同じだから……。…リスク&リターンは…ボクたちを生み出した魔導研究所所長が考えること…。―――……別に…そのことについては何も思わない……(それが当然として育てられてきたのだ。ゴーレムと同じように、ハイランドの魔導技術を発達させるためだけに生み出され、それだけが存在価値であり生き甲斐。感情なんて皆無に等しかった。―――…ともだちができるまでは…。今は、口ではそう言っても…少しその生き方に疑問を感じる。)……キミはさっき言った…。…現時点の我々も、ものごとの正確な本質は、けして掴みきれていない…って…。……その文献に書かれていることだって…本当かどうかはわからない……。……そうじゃないかな……?(やってみなければわからない…ようするに、そういうことだった。ふ…と軽く溜息を吐き…)……これは議論しても仕方のないこと…。…ボクたちはもっと身近なところから知識を得ることをはじめたほうがいい…… 2009/04/13 (月) 02:29 ◆ ゾンド :予め申告しておくと、細胞末端の操作については、疑わしい。一ヶ月も前まで、我々は公用文字も満足に書けなかった。(書物を抱きかかえながらだが、ナコトの視界にも収まるように掌を上に向けて、にぎにぎとゆっくり開閉させる。見てくれは確かに、力仕事よりは細やかな作業の方が相応しそうに見える。)…ならば、あなたの最高責任者が、あなたという一個体の破棄を決定したという仮の状況も想定したのだけれど……。あなたの努力が通用する範囲外で、あなたの処分の決定も、下されてしまうのでは。(他人の判断に左右される存在価値など、実際その程度の軽薄さが随時伴っているという感覚を持っている。自分が廃棄処分品だという仮説が、薄々とした推測ながら思考の最奥部にて渦を始めた少年は、目の前の少女が二の轍を進む歯車に成り果てるというこ末路を、無意識ながらに恐れた)……そう。本当かどうか、是か非か、真か偽か。本質は我々には決して感知できない位置に存在する。文献は、あらゆる知識の中に潜む不確定は、理性から発する論理では絶対に拭えないという意味を言っている。(少年の言葉はどこまでも曖昧で、抽象的な概念論に終始した。ある意味で少女に同意したかに見えて、その信念はまるで正反対の境地に在った。)……同意したい。ところで、次のゴーレムの…バルディッシュと呼称して、いいのだろうか?…分解整備は、いつごろを予定している? 2009/04/13 (月) 03:06 ◆ ナコト@要塞図書室 :……まぁ…その辺りは…考えとく……(文字が書けないということはそれ以前の問題のような気がするが…少なくとも、役立たずということはないだろう。そんな気がした。こんな姿でも戦闘員であるわけだし…)―――…それが所長の決定なら…ボクは従わなきゃならない…。…ボクが造ったのはバルだけだけど…ソルジャーゴーレムの製造の過程で廃棄されたゴーレムはたくさんいる…。…同じこと…(本当は嫌だった。廃棄されることも、歯車と成り果てることも。だが、今発した言葉以外に答えは無い。そうとしか教えられなかった。それ以外の答えは未だ見つかっていなかった。―――少年が抽象的な概念論を紡げば、やはり人によって考え方は異なるもの…無理に従わせようとは思わない、と…理解は求めなかった。)……うん…バルディッシュ…。…ボクは…バルって呼んでる…。……先日、改修したばかりだから…次はまだ予定に無いけど…決まったらキミに伝達する…。……ゾンド君…で、いいのかな……?(軽く首をかしげ、相手の名前をもう一度確認した。) 2009/04/13 (月) 03:16 ◆ ゾンド :施設内では、あなたの指揮下、あなたの計画の下に動くつもりだから。(読むことはできていたなどという今更のような挽回など、端から蒸し返すつもりはなかった。薄くない信頼の篭った言葉を涼やかな声色に乗せて。少年はやがて図鑑を大切そうに抱き締めながら、図書室の順路を行こうと動く)我々は、ある意味で幸運だったのかもしれない。あなたの境遇に遷移されてしまう以前に、小塊の段階で上層の組織体制が瓦解したのだから。あなたの背負う重圧の数パーセントも我々が感じたことはないけれど、その分だけ我々は自由な活動が保障されている。慰めにはならないかもしれないけれど、あなたに対して微弱な援護や口添えは、できると思うから。(君付けであった。少年にはあまり聞き慣れないその敬称に、僅かな戸惑いを隠せない。靴裏が図書館の床板に固着して、背筋は硬直した)敬称を加えられたことはないのだけれど、それで効率が落ちたりは、しない?…あなたの呼びやすい呼び名であれば、我々から異議を唱えることはないが。…我々の、あなた、という呼称も、何か希望があれば、沿いたいと思う。 2009/04/13 (月) 03:31 ◆ ナコト@要塞図書室 :……うん…それが一番大切……(少なくとも、勝手に部品に触って手間を増やす人材には見えない。ある意味、適材適所と言えるだろう…多分。少年が動き出せば、自分も同じように天体の専門書を抱えたまま歩き出そう。テーブルの上では、放置していたネズミが仰向けで爆睡していた。)―――……そう…。…別に気にしなくて…いいけど…、………、…ありがと……。(薄々感じてはいたが、この少年の境遇も普通ではなかった。無表情のまま…しかし、ちょっとだけ口元を緩ませて…礼を言おう。―――後、相手が硬直すれば少し首を傾げ…)………ゾンド君…が、自然だと思うけど…。……嫌かな……?(呼び捨てする、という概念は無かった。…続けて、自分の呼称に関して問われれば…黙したまま歩く、立ち止まった少年より先行する形で…背を向けたまま、言った。)……ナコトでいい…けど…、………、…先生って…呼んでもいい……。……好きにして……(どんな表情でそれを言ったのかは伺い知れない。…そのままアルケミストは本を抱えてテーブルに戻り、魔道書の解読を再開するだろう。) 2009/04/13 (月) 03:43 ナコト@要塞図書室【退室】 (2009/04/13 (月) 03:43) ◆ ゾンド :どう、いたしまして。(白い腹を天井に向けたネズミを見付けてじっと観察はしたが、規則的に収縮を繰り返すその膨らんだ腹に、命に別状がないと判断を下した。はにかんだと言うべきか、少女の感謝の言葉にはとても単純極まる定形文を簡潔に返礼する。)ナコト。…了解した。以後、その呼称にて呼ぶことに努めたい。…自然…なのだろうか。君、という節を加味する分、労力を消費するのでは。ただ、経験が無い訳ではない。決して不自然ではないのだから、問題なく受け取ろうと思う。(少年はそのままナコトと帰路を分岐するのだろう。だが帰りがけに、魔道書の解読に没頭する小さな背に向けて、何事かを呟いたようだった)先生、本日は、ありがとうございました。 2009/04/13 (月) 03:53 ゾンド【退室】 (2009/04/13 (月) 03:53) HIGHLAND FORTRESS 峠の要塞(閉鎖しました) http://h-f.sakura.ne.jp/kariken/index.html BACTERISM MATRIX http://bacterism.matrix.jp/ PCキャラページ http://tryx-quad.sakura.ne.jp/zond.html