題名:三人寄れば文殊の知恵 登場隊員:ポスト・ナコト・ゾンド(バーパジーラ要塞) ポスト【入室】 (2009/04/18 (土) 22:01) ◆ ポスト :(雨音が満ちる執務室のドアが、外からノックされる。しかしノックした割りに返事も待たずに即座に扉は開かれた。もとより、今は無人なのは聞いているので、単なる習慣だった。もしかしたら、誰かいるかも、という思いも若干あってのことだったけれど) …失礼します。(手提げの大きなカゴを手に静に中へと入る。中は壁につけられた明かりがそのままになっているので、月が無くともそれなりに明るい。入ってまずしたことは、作業途中と思われる机にテーブルクロスをかけて、資料が飛び散らないようにすることだった) 2009/04/18 (土) 22:07 ◆ ポスト :(手帳の記載を見たから、というわけでもないが、アレを見て「そういえば補充とか最後にしたの何時だっけ」と思い出したのも事実。此処最近、忙しそうで必要最低限以外の掃除しかしていなかった。筆記用具が入っている棚に向かうと、中の様子を確かめる。羊皮紙が大分減っていて、まずはそれをカゴから取り出す。二十枚ずつ紐で閉じてあるそれを、棚にしまう) …綴じ紐も、おいとこうかなぁ。在庫は…うん、結構あるし。(カゴから在庫表を取り出すと、補充した分の数字を修正して、ふむと唸る) …判子の、インクは平気…羊皮紙、追加した方が、いいのかなぁ。(ぶつぶつと呟きながら、ひとまず補充を済ませて、カゴを抱えると今度は各机に向かう) 2009/04/18 (土) 22:16 ◆ ポスト :(机の上の燭台を見て、蝋燭が小さすぎるものを取り替える。ランプを使う場合もあるので、その油もチェック。その作業の合間に、とり外した蝋燭を点すと零れたインク跡などを拭いて行く。インク壺の中身を確かめて、壺自体もふく。という作業を延々黙々と繰り返す。資料の類は手をつけない。誰が、どのような使い勝手で重ねているのか、判らないので) 2009/04/18 (土) 22:24 ◆ ポスト :…明日は、晴れるかな。(インク壺にインクを継ぎ足しながら、ぽそっと不意な呟きを溢す。雨の日はシーツが干せないのが辛い。一日でも洗い物を溜めると、人数が人数だけに非常に事だ。洗濯が嫌いなわけではないが、他の仕事が遅れるのは、これははっきりと困る。ふぅ、と息をつくと机の上を布巾で拭いた) …あ、そうだ。給湯室。(お茶の補充はしてあるのだろうかと思いつくと、これが済んだらそっちを見に行こうと決めて、うんと小さく頷いた) 2009/04/18 (土) 22:32 ナコト【入室】 (2009/04/18 (土) 22:46) ◆ ナコト :(控えめなノックの後、執務室のドアが開かれる。開かれるも、開いた者の姿は入らずに入り口付近…棒立ちのまま…執務室の中で甲斐甲斐しく働く少年へと声をかけるだろう。)……ポスト君…、…タオル…ある……?(水も滴る…というが、その通り滴っていた。ようするに雨に濡れていた。色気などこれっぽっちも存在せず、逆に辛気臭い無表情及び水分を含んで垂れ下がった前髪が幽霊の如き雰囲気を漂わせているか…。繰り返すが、ずぶ濡れだった。) 2009/04/18 (土) 22:51 ◆ ポスト :…はい、どうぞ。(突然に響くノックの音に、聊か肩を跳ね上げるも一呼吸の間に落ち着けて。なんと無しにドアの方を見やれば、え、と呟いてから目を丸く見開いて硬直する) ………っ! な、ナコトさんなにしてるの、どうしたの?! (硬直が解けたと同時に、声を上げた。暖かくなってきたとはいえ、春の雨は冷えるだろうに。わたわたと慌てた様子で、出来うる限りの急ぎ足で近づくと、腰にかけている鞄の中から大きな端切れをとりあえず取り出し、わたそうとしたところで、この相手が酷い人見知りであったことを思い出す。そして、おずおず、と言った様子でもう一度端切れを差し出しながら) …あ、その、御免ね。直ぐに、僕離れるからね。だから、これでとりあえず、拭いて。ちゃんとしたタオル、もってくるから。 2009/04/18 (土) 22:59 ◆ ナコト :……魔道具の実験…失敗したけど……(ぼそぼそと呟くような返答がさらに幽霊っぽさを引き立てている。…にも関わらず献身的に接してくれる少年に小さく「ありがと」と礼を言いつつ、端切れを受け取った。リボンを解いてポニーテールを下ろし、ぐしぐしと濡れた髪を拭く。続いた相手の言葉には首を横に振った。対人恐怖症…人見知りはあの時より大分緩和されている。“ともだち”のお陰で…)……いや…へいき…。…気にしないで…。…悪いけど…タオルお願いします……(髪を拭いた後、ローブの胸ポケットで同じようにズブ濡れになっている小さなネズミを拭いた。) 2009/04/18 (土) 23:07 ゾンド【入室】 (2009/04/18 (土) 23:08) ◆ ゾンド :(執務室の前で立ち竦む濡れ鼠は、全くの青天の霹靂だった。廊下の奥から歩み寄って居たはずのそれには、誰よりも勤勉な案山子が降雨下一日の仕事を成し遂げ、滂沱の水滴を垂らしながらも無事に帰還した光景にも思えたのだ。だが、相手は明らかに体温を持った人間だ。廊下を走ることを厳戒されている少年は、こころなしかいつもよりは早い急ぎ足を選び、至急速やかに執務室扉前へ向かうだろう。) 2009/04/18 (土) 23:09 ◆ ポスト :…失敗、したの? 体とか、大丈夫なの怪我してない?(隣の給湯室に、タオルがいくつかかけられているのを思い出し、そちらへ向かう途中に一度振り返り、心配そうに表情を曇らせつつ一度隣へと消えて) …でも、こっちにくるより、お風呂へ行ったほうが、良かったと思うけれど…僕がいたから良かったけれど、誰もいなかったら、風邪引いちゃうし。(暫らく待たせて、両手にタオルを抱えて戻ってくる。遅れたのは隣で湯を沸かしていたからなのだが。相手へと近づくと、濡れた端切れを頂戴と言うように手を差し出しつつ、タオルを渡す) …ええと、服も、何とかしないとだめだよねぇ…ナコトさん、寝巻きでよければ、着替え、もって来るけれど。(どうする?と尋ねるように首を傾げて。多少気が動転しているのもあって、新たな足音には、まだ気付かない) 2009/04/18 (土) 23:15 ◆ ナコト :……これ……(失敗、という言葉に論じるよりも見せるが早しと取り出したのは、奇妙な骨組みだけの傘だった。取っ手を回すと本来傘の防水布が張られるべき場所に緑色の膜が生まれる。…これにより、軽量かつ耐久性の高い傘を製造しようとしたのだが…結果、緑の膜はこれっぽっちも防水性を発揮しなかった。)……お風呂は…人がたくさんいたから…。…また後にする……(対人恐怖症は緩和されたとはいえ、完全に克服したわけではない。見ず知らずの人と風呂に入るなど…論外だった。濡れた端切れをタオルと交換し、拭ききれなかった場所の水分を取り…)……キミが良いのなら…借りたいけど…。……いいの……?(ポストの言葉にそう逆に問いかける。服を他の人に貸す…というのは今まで考えられないことだった。)―――…あ…ゾンド君…(そこで、廊下の向こうから接近してくるもう一人の少年に気付き…無表情を向けた。) 2009/04/18 (土) 23:22 ◆ ポスト :(布の張られていない傘を取り出されて、はてと首を傾げたところで生じた膜に、わぁ、と声を上げて) 不思議だねえ、これ、魔法…じゃあないんだよね、きっと。ナコトさんが、作るものなんだし。(ぱちぱちと瞬きを繰り返して、物珍しそうに膜を触ってみようとしたところで、はたと我に返り) …ごめんね、そういうの、後にしなきゃ。 …うん、それじゃあもってくるから、待ってて。あ、暖炉、つけなくって、平気?(濡れた端切れを腕にかけると、此処からそう遠くない自室の方向へと顔を向ける。椅子を一つ引き出して、その上にタオルを敷くと、相手を手招いて) とりあえず、すわってて。…って、え? ゾンド君?(わたわたした心をどうにか落ち着かせて、そこで相手の少女が発した人物名に吃驚して執務室の扉を開く) 2009/04/18 (土) 23:30 ◆ ゾンド :(冷たく重い敷石を踏み進む靴音だが、見た目は軍靴であっても不可解にひたひたとしたものである。まず飛ばした声は、少年としても慣れの僅かな敬称が付加されていた)ナコト……せんせい…。それは、つまり雨天下で?……それは、一体。(丸みを帯びた小さな顎の先に人差し指を重ねて首を前に浅く傾ける。怪訝な声色で疑問を呈しながら、際立った異臭はしない事に一種の安堵感を覚えていた。アルケミストなのだから、もしや、という思考もかつて過ぎりはしたが、自然界に存在しない薬品を被った訳では、ないようだから。少年の誘導で執務室に入れば、先に被災者を手厚く介抱している既知の生活管理官にも、正対して真摯に頭を垂れる)ポストさん。タオル、ありがとうございます。(感謝の言葉はびしょ濡れの当人より先をついて出てしまったけれど、掛けるに越した事はないという軽い理由だった。己の左手には白く清潔な薄い生地でできた巾着袋を提げて、腹一杯に内容物を食って下膨れたそれは、上下の大きさで言うと持ち主の膝の辺りまではある。)肌着まで濡れてしまっては、いない?上着だけであれば、こちらがあなたの研究室を訪ねて着替えの用意を持ち帰れば済むけれど。ともかく、現在の被害状況を求めたい。 2009/04/18 (土) 23:37 ◆ ナコト :……魔法…と原理は同じ…。…人の魔力を使うか…内蔵された魔石の魔力を使うか…その違い…(不思議な手触りの膜は雨など通しそうにないようなものに思えるだろうが、そんなことはなかった。膜は思い切り雨水を貫通して現在の悲惨な状況を生み出した訳である。)……ノーザンウォールの冬はもっと寒かったから……(ポストの暖炉云々に関しては根本的に何か違っているような返答をし、水の滴りがなくなればおそるおそる執務室に入ろう。ここには紙の資料が大量に存在する。…それらに被害を及ぼさないよう気をつけて、指定された椅子に座る。)……魔導傘の実験だったから…、…雨に対する耐久性は使ってみないとわからない……(ゾンドの問いかけにはそう返して、先ほどポストに見せてみせた骨組みだけの傘を手渡そう。薬品は使用していないようだ。)……そんなに気を使ってくれなくていい…。…だいぶ濡れたけど……(何だか必要以上に心配されると違和感を感じる。今まで道具同然の扱いを受けてきたため、こんな経験は少ない。ゾンドの申し出は断り、ここはポストの好意に甘えることにしようか…。―――…本来ならばタオルだけを借りるつもりだったのだが、申し訳ない気持ちになった。) 2009/04/18 (土) 23:43 ◆ ポスト :(走ることの出来ない身なので、そう遠く無い距離も割合に時間がかかって往復する。変に力のこもった走り方をした所為で、かえって来た頃には全力疾走後のように息を荒げていたりした) …っ…はーっ…は、はあ…ふう。 た、ただい、ま…!(唾を飲み込みつつ息を整えて、もってきた寝巻きの上着を差し出す。体格的に上着だけで足りると思ってのことだった。ズボンは、わざと裾の長いのを借りているので、少女では逆に踏んで怪我をしそうでもあるし) …何を言っているの。そんなに濡れている人に、気を使わないで、何処で使うの。大丈夫、僕はこれが仕事なんだから、どんどんじゃんじゃん、言付けてくれて良いんだよ。(幾分落ち着いてきた息でにこりと笑うと、少年へと向かって) ポストで良いよ、年、そんなに変わらないんだろうし。…それより、ゾンド君たち一緒にいたの?先生って、何か勉強していたんだ。(頭を下げる少年に、ゆるく首を振って。二人を交互に見やると) …とりあえず、ゾンド君も座って。今、誰もいないし…お茶入れてくるから。あっためないと、体。 …じゃあ、ナコトさん。着替え終わったら、呼んで。(椅子を少年に勧めると、自分は三度、部屋から消える。給湯室の扉の向こうから) …二人とも、紅茶でいいのかなぁ?(と、呼びかけだけ向けて)  2009/04/18 (土) 23:56 ◆ ゾンド :こうなるならば、事前に研究室内で、流水などを使った実験を先に行うべきだったのでは。(簡単に言ってしまったが、事はそう単純でもないのだろう。降雨という大気現象にも、人知れず大空の魔力の動きがあっておかしくなのだから。)気を使う、とは、やや違うような感覚を持っている。支援の申し出でこちらに生じるリスクはなく、あなたが体調を崩せばそれは大きなリスクとなって返るのだから。そういった直接的な利害を抜きにしても、公衆の倫理と軍規の義務の二面で、こうした助力は推奨されて然るべきことだと考えている。(失敗の尻拭いとかそういった負の感情は一部すら持ち合わせていない。要するに『気にするな』という意味の発言だったが、こちらもこちらですっきりした説明ができていなかった。ポストの首から上が左右を振るように往復したので、真似のようではあるが似た様な仕草でひとまずの意思表示を返して)いや、全く別行動をとっていた。我々は、先ほどまで厨房を借りていたから。(手提げの袋を前後左右に軽くゆらせば、わしゃわしゃと乾いた音がする。)ナコトの名には……こちらの好意で、先生と言う敬称を敢えて付与している。(まだ乾いてない上着を着けているナコトの着替えを手伝うつもりだったようで、背も向けずに部屋からも出ず、彼女の横に未だ平然と並んで立っている。)あまり一人で忙しなく動かずとも、飲用物の確保であるなら、こちらでも自主的に動けるのだから。……温まった湯冷ましでは、いけない? 2009/04/19 (日) 00:04 ◆ ナコト :……なんだか…ごめん…。…いつか…この借り…返すから……(息を切らす相手に、ちょっとだけ眉尻を下げた。仕事とは言え、実験失敗の被害を生活管理官にまで及ばせてしまったようで…。とは言え、せっかく持ってきてくれたものを無為にするのもそれはそれで失礼だ。感謝しながら寝巻きの上着を借りるとしよう…髪を下ろして寝巻きの上だけ、という姿はなんだかとてもみっともないもののような気がしたが…別に改まるような仲の二人ではないと、考え直した。)……呼び捨ては…できない…。…親しき仲にも礼儀あり……(そこだけはきぱっと言葉を返しながら着替え終えた。…ますます外見年齢が下がってしまった感じが否めない。)……擬似降雨の実験は成功した…。…雨天時、大気中に漂うマナの総量が関係しているのかも……(半ば独り言のようになりながらゾンドへと返し、そう言えば着替えを普通に見られてしまったと今更ながら思い浮かんだ。…だからといって、このゾンドと言う少年がどうこうということはないだろうが…)……そう…。…それならいいけど……(ゾンドの「気にするな」との語には曖昧な返事をしつつ、そこでポストの飲み物に関する問いかけ…しばらく考えた後…)……紅茶で……(珈琲のブラックがよかったが、遠慮しておいた。いつかの軍医の言葉が頭をよぎったため。) 2009/04/19 (日) 00:10 ◆ ポスト :ゾンド君は、昼間に働いて大変だし、濡れた女の子にお茶を入れさせたりなんかしたら、僕が怒られちゃうよ。(給湯室の間の扉は隙間をあけているので、少し声を立てれば向こうへと聞こえる筈なので、笑いながら話しかけると火を落とす。あの言葉だと、白湯がいいのだろうかと、カップに白湯を一つ。そして、紅茶、と応えるまでに随分と時間がかかっていたので、多分、コーヒーのほうが好きなのかもと、コーヒーを一つ。違っていたら、自分が飲めばいいと考えて。そうして紅茶を一つ入れた。それらを盆に載せて扉を一度ノックする。入るよ、という合図のつもりで) …着替え、済んだみたいだねぇ。あ、使ったタオルと着替え、置いといていいよ。どうせ、明日は洗濯するから。さっき見たら、雨は止んでたしね。風が大分、在ったけれど。(盆を持ったまま、少女の座っている椅子の机に近づいてカップをそれぞれおく) …はい、好きなのをどうぞ。僕は、どれでも飲めるから、飲みたいものを取ってね。 …親しき仲にも礼儀あり、か。うん、なんか、いい言葉だね。ヒモトの言葉みたい。(脱がれた服を拾って言いながら、自分も手近な椅子に腰掛ける。ニコニコしながら、二人の様子を見て、ぽんと手を打ち) …すごいねぇ、僕、何を言っているのか、全然判らないや。二人とも、頭がいいんだねぇ。 2009/04/19 (日) 00:22 ◆ ゾンド :では、大気中の、……その、マナという概念には疎く、申し訳ないのだけれど。ともかく、傘の防壁を、雨粒に含まれる浮遊物が相殺してしまった、という事になるのだろうか。(ナコトが誰ともなしに放った言葉に律儀に応答はしたものの。魔道の知識全般から遠い少年は、判断材料が足りないのもあるが、大した熟慮もせずに推論を行う。それでも見慣れない物体に対しては少なくない興味を抱いていた。消沈した様子と、着替えた光景を不思議そうに眺めてはいたが、それによってどことなくよそよそしくなった少女の雰囲気の心当たりにはどうやら行き付かなかった。軍隊という男所帯の中で連綿と長く暮らし過ぎた弊害である。)ポスト…くん、ありがとうございます。うん、これ。温めた湯冷ましが、良かった。昼間は……今日は雨天だったけれども、そこまで悪条件ではなかったから。(言い方の妙なまま恭しく受け取った盆の上のカップである。白湯という肝心な単語を知らずに今まで通して来れたのは、それ自体があまり人には好まれない飲料だからなのかも分からない。両手に持って口許まで寄せるが、湯気が顔面に触れるだけでゆるゆると下に引っ込めてしまった。空冷を得意とする、猫舌なのである。)……ヒモトは人間関係の礼儀に独特の感性を持つと聞いている。しかし、アースガルムとは、また別の文化なのだろうか。かの国の礼儀と、どうしても重なるのだけれど。 2009/04/19 (日) 00:33 ◆ ナコト :……そう…止んだの…。…再度実験するのは次の雨の時かな…。……ありがとう…何から何まで……(盆にカップを載せてきた少年に、遅ればせながらぺこりと頭を下げ…盆に載っていた珈琲に、一瞬ポストの顔を伺った。まさか思念が読まれていたのだろうか…いや、そんな能力を持っていたのならば生活管理官でいるわけがない。単なる偶然…)……珈琲…もらっていい……?(盆の上、眺めながらそうポストへと問いかけた。先は紅茶と言ったが…)……うん…ヒモトの“諺”というもの…。…なかなかためになる……(“親しき仲にも礼儀あり”にはそう答えた。なかなか諺と言うものは奥深い。いろいろな所で使えたりする。)……そう…だいたいそんな感じ…。…厳密に言えば…大気とマナの比率によって魔力体の強度が変わるわけだけど…(ゾンドの推論には頷き、そう言葉付け加えた。専門用語を使うため、理解し難いだろう。…説明はあまり上手ではない。)……あと…ゾンド君…、…キミは少し…異性に対して考え直してみたほうがいい……(解説の最後にひとつ、ぼそりと付け加える。無反応というのも一応女性として悲しくなる。)……キミが生活管理を専門とするように…ボクはこれが専門だから…。…ゾンド君の知識は…戦闘員なのに大したものだけど……(そこでポストが感心したような仕草をすれば、否定はしなかった。無表情のままそうさらりと返答する。案外、プライドが高い。)……文献を参考にすれば似て非なる点がたくさんある…。…どちらも精神論…だけど……(その後のゾンドの言葉には、文献を基にしたデータを述べた。そういう方向は専門外なのだが…知識としては蓄えている。) 2009/04/19 (日) 00:45 ◆ ポスト :あの、ナコトさん。僕はそういうの、全然判らないから、適当なことを言うようで、悪いんだけれど…(再実験、ときいてふと脳裏に浮かんだ提案を、おずおずと少女を見ながら口にする) …それって、そのう、シャワーとかじゃあ、だめなのかなぁ?失敗するたびに、雨に打たれていたら、体おかしく、なっちゃわない?(言葉の途中で、驚いたように此方を伺う少女を、小さく笑いながら見やる。全て言い終わったところで、付け足すように) …僕が紅茶って言ったから、気を使ってくれたのかなあって、思って。…勿論。どうぞ、召し上がれ。(優しいんだから、とは心中のみで呟いて。堪えるように笑いつつ、冗談めいた仕草でカップに手を差し伸べて勧めた) …ゾンド君、紅茶とか苦手なんだね。うん、わかって良かった。 ヒモトと、アースガルムは、とてもしっかりとした厳しい国なんだって、旅人さんからきいたこと在るけれど。でも、そのコトワザ?とか、不思議で素敵なものも多いんだろうねえ。サクラって言う花、二人は知ってる?僕は見たこと無いんだけれど、とても綺麗な木なんだって。(紅茶を手に取りながら、また二人を見やりつつ、一口啜る) …そうだよねぇ、ナコトさんは、アルケミストの人だし…でも、ヘイデンさんのときも思ったけれど、ここの戦う人たちは、頭がとても良いよね。 2009/04/19 (日) 00:57 ◆ ゾンド :サクラ…?…ん……現実に、この知覚で把握したことは、ないけれど。綺麗な、木……?ポストくん、もう少し詳細な説明を、欲しいのだけれど。(少年が考えたのは、花の美しい木ではなく、イチョウや北方の針葉樹など樹形の雄大な木々であった。)紅茶も、概して言えば飲めなくはないけれど。…淹れたばかりの紅茶なら、冷水を足して温度の平衡を取れば、どうにか。ヒモトのコトワザで、聞いた事があるのは……“リョウヤクはクチにニガシ”。ナコト先生は、意味をしっているだろうか?我々は、まだ把握できていない。そして、大気とマナの方が空間の構造として圧倒的な比重を持つのだから、傘に収まるサイズの動力石程度では到底太刀打ちできないという事か。では、傘の防水能力を二重の形式にしてみては。…例えば……傘を形作る魔力壁の表層に、物質的な樹脂の皮膜を張るなどすれば、魔力壁はマナの直接的な影響から逃れることができ、樹脂の支持のみに能力を集中できる。雨粒を弾くの仕事は、主に樹脂の働きに任せる。(滔々と発案のみを語れども、実際に製作に携わるのはあくまでアルケミストの少女である。その少女が窘めるような声色で語った発言に、カップを持ったまま硬直した。)異性。(鳩が豆鉄砲を食ったような空気に変容する。反論はできない。高等な要素である『性差』が発露するより随分と以前の段階の種族とはいえ、社会的にはそれに従っている。書類でも完全にそうなっているし、外殻フレームの要素や形式も一方の性別に著しく偏っているのだ。)お茶…菓子に、当て嵌まるものかは、まだ分からないけれど。(手首に袋の口紐を回して安定をとっていたその小袋を持ち上げ、弛め、所狭しと詰まった内容物を照明の下に曝す。中に入っていたものは牡丹雪のように白く、触ればふかふかとしてそうな風合いの実際に軽いそれ。悪戯でも何でもなく見た目通りのものとは、フライパンで炒ったトウモロコシを破裂させ、白い果肉を大きく膨らませた軽食である。)気を悪くされないで欲しいから、予め述べておくけれど。この原材料は、家畜の……ニワトリの餌の流用だから。……高温で炒ってあるから、食品の水準をみたすくらいに衛生なことは、保証する。食べて、くれる?(二人に差し出したが、この悪食な説明で若者二人に食欲が沸くかについて、少年は一切検討をしていない。) 2009/04/19 (日) 01:09 ◆ ナコト :……シャワーと降雨では微妙に状況が異なる…。…でもキミの言うことは正しい…。…次からはレインコートを使用する……(今回は実験の成功を九割がた想定していた所への不意打ちだった。レインコートさえ着ていればこの醜態を晒さずに済んだのだろうが…後の祭りだ。)……ありがと……(ポストの言に軽く礼を言い、漆黒の珈琲をズ…と啜った。クセになる苦味が口の中に広がる。何も入れないのは変わっているとよく言われるのだが…。―――サクラという花の名は記憶にあった。)……見たことはないけど、知識としては…。…ヒモトの人間は、そのサクラという花に春の訪れを感じるらしい…。…なんでも、咲く様よりも散る様に美しさを感じるとか……(文献で得たサクラに関する知識を述べた。実際見ていないため、あくまでも“らしい”だ。)……良薬口に苦し…、…よく効く薬は苦くて飲みにくい…よい忠告の言葉は聞くのがつらいが、身のためになるというたとえ…(ゾンドの問いかけにはぼそぼそと辞書から引っ張ってきたような説明。良薬口に苦し。)……参考にしてみる……(ゾンドの提案にはメモを取り出し、内容を書き留めておいた。悪くは無い考え方…、後、ゾンドが取り出した菓子に目を向け…無表情のまま、首を傾げて…)……いただきます……(一粒、おそるおそる口に入れてみた。もぐもぐと咀嚼し…)…そうでない野蛮人もいるけど……(ポストが最後に言った言葉には、珍しく鼻を鳴らして…脳裏に浮かぶは、あの小憎たらしいスカーフェイスだった。) 2009/04/19 (日) 01:17 ◆ ポスト :あ、そっか。実験って、そういうの、一緒のときじゃないとだめなんだよねぇ。…うん、そうしたほうが良いよ。バルさん、心配しちゃうからねぇ。 (詳しく、と少年に求められて、うーんと眉を寄せる。こちらとしても吟遊詩人の弾き語りで聞いただけのものなので。しかも、小さな頃のこと。膝にあらいものを乗せたまま、うんうん唸って思い出そうと紅茶を啜る)…確か、可愛い色をしていて、そう、凄く綺麗に散るんだって。神様みたいに、言われてるみたいだけれど…ごめんね、上手く思い出せない。(かくりと頭を落として溜息一つ。途中少女の発言から、少し思い出せはしたもの、意味が無いくらい些細なものだけだった) …甘い薬って、あったらちいちゃい子、喜びそうだけれど…お菓子と間違えて、沢山のんじゃいそうで、それはそれで怖いねぇ…。 あはは、ゾンド君。ナコトさんの言うとおり、女の子が着替えるときには、せめて背を向いたほうが、いいかもしれないねぇ。時と場合に、よるんだろうけれど。…大丈夫、僕達冬が長すぎて食べ物がなくなると、普通に食べていたんだから。なんだか、不思議な食べ物だねぇ。いただきます。(二人のやり取りを身ながら笑って、少年へと注意するように指を立てて言った。そしてその白い食べ物を口に入れると暫らく噛んで飲み込む) …美味しい! ねえ、ゾンド君、これ作り方今度教えてくれる? お茶会のとき、皆で、食べたいし。 (ぱっと顔を輝かせて少年を見やると、いいかなとうかがうように首を傾げた。けれども、答えを聞く前に立ち上がり) …野蛮とか、言ったら駄目だよ。戦う人たち、僕達を守ってくれてもいるんだから、ヘイデンさんやゾンド君は凄いけど。 …二人とも御免ね。僕、まだちょっと用事があるから、先に行くね。カップ、流しにおいといてくれて良いから。 ナコトさん、服、洗濯したらいつものところにおいておくから、引き取りに着て。…それじゃあ、お休みなさい。(カゴを手にして、反対の腕には洗い物を抱えると、敬礼して執務室を後にした) 2009/04/19 (日) 01:34 ポスト【退室】 (2009/04/19 (日) 01:34) ◆ ゾンド :レインコートは、丁度先日が雨だったから、警邏隊の方々が優先的に使ってしまったと思う。濡れたものは乾かさなければいけないし、一日おいて天日に干したものを使うべきと提案したい。警邏の兵が使わなかったレインコートは、品質において一般より劣るものであると推測されるから。(雨合羽の使用と聞いて、自分の考察を横から付け加えるように発言した。だいぶ白湯の冷め始めたカップの縁に薄く唇を付けて、音もなく蒸留水を飲む。)可愛らしい花が散る、ということは、サクラは落葉広葉樹だったのか。ハイランドでも、サクラは自生はしていないのだろうか。いわゆるヒモトコレクターであれば、サクラの図版画が知られているかも知れない。神様とも言われる存在であれば、この先々の要塞で詳しい話も聞けるかもしれない。(自分にとって未知の知識がナコトによって快く補足を受けられた。小声で細やかな説明を呟かれていても、ごうごうと鳴る強風くらいしか雑音のない夜は聞き取るに難はない。これが訓練尽くめの昼間であれば、また違っているのだろうけれど。)なるほど、強い諫言を聞くことで自分の陥っている過ちを自覚できるのだから、まさに薬品の喩えに相応しいと思う。心身の免疫を高める療法に通じるものがある。……野蛮人?(怒気を孕めたセリフにいの一番に思い浮かんだのは、つい先頃までバーパジーラに恐怖を撒き散らしていた首輪の男だった。ナコトに渋面を作らせた挙句、ポストにまで笑いながら忠告を受けてしまう。身から出た錆びの発する分の悪すぎる空気に、正直に陳謝を述べた)……すみませんでした。今後は、気をつける。(トウモロコシの破裂菓子は、見た目のもやもやぶりも含めてポストには好評を貰えたようである。ややあってポストが傾げた首に、間髪入れずに首肯した。)了解した。製法はとても簡単だけれど、初めて作る際には驚くかも知れない。我々もそうだった。(退席した管理官の少年に倣い、またもう一人の少年も執務室から退出する準備を始める。菓子は執務室のそのままに、袋の口に小さな布きれを挟ませた『食用品:菓子』という少々不揃いな文字が並んでいる。)では、ナコト先生。短い邂逅でしたが、我々も先に退出します。また来週、宜しくお願いします。先生も帰られるならば、当該の研究室まで同伴しましょうか。(一緒に帰ろうかとの誘いであった。荷物を失った分。帰りは行きよりも軽い。暗い廊下を遡上する道順の合間は、果たして二人であったか一人であったか。) 2009/04/19 (日) 01:46 ゾンド【退室】 (2009/04/19 (日) 01:46) ◆ ナコト :……“もののふ”というヒモトの戦闘員…彼らを表現した花としても知られている……(漢字名では武士。騎士と似ているようで異なる存在。彼らは美しく散ることを美徳とするという…精神論はよくわからないため、その境地を理解するのは非常に困難だが。)…そう…、…ボク用のを購入すべきかな…(ゾンドの言葉に、要塞のレインコートは出払いやすいと言うことを思い出した。わざわざ実験のためにひとつ占有するわけにもいかないだろう…レインコートを買う分くらいの資金は研究所から与えられている。)……野蛮人…は、言い過ぎたかも……(ポストの諌める言葉に、少し反省したように呟き…どうにも戦闘員…特に傭兵を下に見てしまう癖があるようだ。訂正しなくてはならない。)……うん…なかなかおいしい……(もぐもぐと食し…お菓子にはそんな感想をひとつ添えた。置いておけば皆食べるだろう。)……ポスト君…申し訳ない…。…ご好意に甘えさせて貰う……(立ち去っていった少年には最後にもう一度頭を下げて見送った。びしょびしょの衣類を洗濯するのに嫌な顔ひとつしない寛容な精神は見習うべきところがある。そして、その後のゾンドの言葉には頷いて…ちょっとした違和感…)……敬語は使わなくていい…なんだかムズムズする…。…うん…また来週よろしく…。…せっかくだし、付いてきてくれるかな……(現状、あまり良い格好ではない。二人の方が心強かった。頷いて執務室の椅子から立ち上がり、ゾンドと共に研究室への帰路に着くとしよう。―――…強風の夜だったが、この分だと明日は晴れて気温も上がり、比較的過ごしやすい日中となるだろう。) 2009/04/19 (日) 01:56 ナコト【退室】 (2009/04/19 (日) 01:56) HIGHLAND FORTRESS 峠の要塞(閉鎖しました) http://h-f.sakura.ne.jp/kariken/index.html BACTERISM MATRIX http://bacterism.matrix.jp/ PCキャラページ http://tryx-quad.sakura.ne.jp/zond.html