題名:いちご100% 登場隊員:エル・ゾンド(ウィシドフィード要塞) エル【入室】 (2009/05/25 (月) 22:40) ◆ エル :よっ、おぉ・・開かない・・・よいせっ(がたんと音を立て、籠と書類の束を腕に抱えた騎士が苦労しながら扉を開ける。落ちそうになった書類の下を膝で叩いて整えて、はあ、と息を吐いてから室内へ。)ただいま戻りましたーぁ。ミナさんジャンさんバードさんはいらっしゃいますかー・・・(そう大きくない、あまり力の入っていない声で呼びかけつつ庭を突っ切り、自分たちの仕事場になっているテーブルへと向う。歩くたび揺れる籠の中から何か甘い匂いがしたが、布巾をかけられていて中は知れない。) 2009/05/25 (月) 22:47 ◆ エル :ゾンドさんもいないかなぁー(返事はない。まあ、いたら来てください程度の気持ちだったので困りはしなかった。無人のテーブルに辿り着けばまず籠を置いて、次に書類を・・置く前に、表面をじっと見つめる。)よし、大丈夫。付いてない。(確認するとパンと叩いてから横に。普段はお目にかからないデザインの椅子に腰を下ろし、それから、籠にかかった布巾を摘まんで妙に慎重な所作で持ち上げた。)・・・・うん、こっちも大丈夫。どうしようかな、部屋に届けに行ったらいいかな。(覗き込んだ籐籠の中には、とれたてらしい山いちごが大漁に入っていた。『怪我をさせてしまった少年にお詫びとして渡してくれ!』と見習いたちに手渡された季節の品だが、流石というかなんというか、量を分かっていない。) 2009/05/25 (月) 23:05 ◆ エル :(近くに昔からの穴場があるのはこの騎士も知っていたが、こんなに乱獲して大丈夫だろうかとか・・・あの人数の見習いでいちご狩りは想像したくないなぁ、とか色々思う。彼らの誠意だけは伝わっているので確かに渡すと約束はしたが。)ま、こんなに要らない、って言われたら皆で食べればいいし・・・・(それで怒るような人々ではない。小さく笑いながら独り言をして、さて、と再び紐で纏められた書類に手を伸ばした。ぺらりと二枚まとめて捲って)一番重要なのは、これが全額経費で降りるか否か、だ。(「金額一覧・竜の装備品」と最初に書いてある表。連なる金額はどれを見ても、ゼロが一つ多い感じのものだった。レナードさーん、とは呼びかけなかったが、文官にこそ見てもらわなければならない書類だ。) 2009/05/25 (月) 23:14 ゾンド【入室】 (2009/05/25 (月) 23:17) ◆ ゾンド :(温室然とした風景の中、一つの植木鉢がにょっきりと背高のっぽに変貌する。それはパーティルームのあちこちをぐるりと見渡して、部屋の奥部へ向かった。革が床を踏みしめるくぐもった軽い音は、歩幅が短いせいか本人の意図と反して、一般に比べ些か性急なものがある。手品のような隠密ぶりだったが、種は簡単だ。サロン前の中庭で屈んでいて植物との睨めっこに没頭していた為に、互いの存在に気付けなかったという至極単純な擦れ違いである。)こんばんは、エル。……呼ばれたように、聞こえたのだけれど。要塞の初日は、迷惑をかけてしまって、ごめんなさい。(だいたい背後のあたりから声をかけるが、声量は申し訳程度のもので、水流のせせらぎに掻き消えていたとしても不思議ではない。) 2009/05/25 (月) 23:21 ◆ エル :(前の書類に戻る。そこには、三ページ目の表にもあった必要装備の名称が並んでいる。寒冷地帯用の少々特殊なものが多く・・・これを自分だけではなく他の二人にも用意させなければならない。正確には、自分でもなく二人でもなく、三頭の為に。竜の出身地によっては軽減できる物だが、年季の入った装備品であった場合は任務中に壊れると非常に困るので、此処に滞在しているうちに換えてもらう予定だ。メモ書きをしようと、誰かが残してあったペンとインクに手を伸ばし――顔をあげたところに、丁度少年がいた。)ぉあ、いらっしゃったんですか。(小さく驚愕の声を発して目を丸くし、それから言われたことを理解する。筆記具に伸ばしていた手を否定に振った。)いえいえっ、あれは僕が悪いですから。怪我は大丈夫ですか?その、結構寝ていたと聞きましたけれど・・・・ 2009/05/25 (月) 23:26 ◆ ゾンド :貴方は、あの場での責任者でもあったのだろうけれど。アクシデントの性質から言って、あなたが予知して未然に防ぐのはとても困難だったと思う。誰が悪や良という問題ではなく、ただ不幸な事故だった。どうか、気に病まないで欲しい。(平坦な、会話として慇懃な物言いだが、責めや追求の意思表示では確実にない。騎士が吃驚顔で手を振る様子にもこちらは例に漏れずマイペースで、左右するエルの手を両手の掌でひしと掴んで止めさせようとするだろう。)だけれど、あなたの執務の、邪魔だった?(様子を俯瞰したところ、書類が厚く積もっている。内容はよく読み取れないが、居並んだ数字は大層なもののようだ。籠には目を移さず、大丈夫?と、むしろこちらから小声で問いを投げる。) 2009/05/25 (月) 23:35 ◆ エル :(掴まれた手がぴたっと止まる。いつもどおりらしい相手を、座ったままで見つめて)ふふ、防げたら良かったんですけどねぇ。・・・・そう言ってもらえるのもありがたいですが、なにより、大丈夫そうでよかったです。二度目はないと思いますが、こういうところですから出歩くときは気をつけてくださいね。(安堵が滲んだ笑顔で、彼の手を弱く握り返した。奇妙な握手のようなことになっている。)あ、いえ、これは二度目の確認ですからお気になさらず。お呼びしたのはですね――(言い、籠を移動させて相手に見えるようにしてから、新しく清潔な布巾を取り払う。瑞々しい木の実の赤が灯りの下に晒された。)これ、あの時あそこにいた見習いたちからです。お詫びだそうですよ。口に合えば良いんですけれど・・・・(相手は子供とはいえ男の子、しかも渡す側も男たちとあっては花は難だし、しかし菓子を作るのも買いに行くのも無理だ・・・と悩んだ結果がこれらしい。収穫中の様子を想像してはいけない。) 2009/05/25 (月) 23:41 ◆ ゾンド :あなたも。この件に似た例の再発にばかり気を取られないで欲しい。不慮の事故は、あらゆる場面が契機になるのだから。(少年の手はやや体温が低いけれど、形式の変形した握手はほんの数分もそのままではなかった。騎士の手によって除けられた、白い布の下から現れた細やかな果実は、この子供にとって全く初見の物体である。すぐに興味を示して、テーブルを回り込んで籠の傍へと寄って行き、それを一粒、短い茎を摘んで目の高さまで持ち上げた。)食べられるの?……摘んでくれた方々に、ありがとう、と、伝えて欲しい。勿論、顔を合わせたときは、我々からも謝辞を述べたいと思う。(そのお詫びの品が、一体籠の底まで何センチの深さにまで積まれているかまでは、考えが至らなかったようだ。) 2009/05/25 (月) 23:51 ◆ エル :はい。どのような事故もないと、いいですけどね。(彼の注意はいつだって的確だ、と、歳の差を考えると軽く頷くだけではいけないのに深く感心する。少々表情を引き締めて答え――いつだって、そういう忠告の対価はこういう、見合っているのか分からない知識だ。ゾンドがいちごを見たことがないと知れば、さっさと簡単な説明に入る。)ええ。やまいちご。この近くの山の中に、いっぱい生ってるところがありまして。そこの物ですよ。ちょっと酸っぱいですが、そのまま食べられます。煮詰めてジャムにしてもおいしいですよ。ともかく・・・・・沢山有るので。(お友達と分けてください、と付け足した。一つ一つは小さな実だが、食事に出来るのではないかという量である。) 2009/05/25 (月) 23:59 ◆ ゾンド :やまいちご。(簡単にモノの名前を復唱し、籠の中のそれと見比べて、頷いた。)訓練外の時間を、使ってくれたということ?なにか、申し訳ない気がするけれど……。こんなに気配りを頂いてしまっては、我々の感謝くらいでは足りないかも。(小指の先ほどしかない粒粒の果実は、少しの力を入れただけで潰れそうなほど軟らかい。それは即ち十分に熟しているという意味だが、逆に言うと痛みやすいという負の側面もあるのだろか。)いただきます。(態々食前の挨拶をここでも述べ、小さく開けた口の中に摘んでいる一房を閉じ込めた。つるんと果実のみが含まれて、堅い茎だけが指先に残る。)おいしいです。けれど、この量は、少し難しいかも。ジャムに適しているならば、九割方はそちらに費やそうと思う。(ジャムにすれば保存も良かろうという発想だ。長く置いておけるならば、その分同僚の口に入る機会も比例して増えるだろうという狙いがある。) 2009/05/26 (火) 00:08 ◆ エル :彼らは、見習いでも騎士ですから。こういうときは黙っているほうが体に悪いんですよ。これがある場所は此処から普通に行くとちょっと大変ですから、いい訓練になったでしょうしね。(だから気にする事は無い、と緩く首を振る。彼がいちごを食べるのを眺めてにこにこしていて、おいしいと聞けばその笑みは更に深まった。)これはもうゾンドさんの物ですから、好きなように食べちゃってください。傷んでしまうと勿体無いし。―――あ。手が汚れやすいので、物に触るときは拭いた方がいいですよ。(布巾を軽く叩いて、青年は書類の束を捲りなおした。竜のリストの次には、乗る側の騎士たちの装備品リストもある。一先ずこれを全部計算して、合計金額を出し・・・どうにか安くならないか唸るのが、これからの仕事だ。) 2009/05/26 (火) 00:15 ◆ ゾンド :そんなに大変な所に、生えているの。怪我人が出なくて、よかった。二次災害となってしまわなくて。(泣く子も黙る竜騎士であれど、その中でも若輩の人々だ。彼らの技量で心配でない訳がないが、反面、不断の訓練にも耐えて一人前にならねばならない。ミスの汚名返上の任務で教官に指導を求める訳にもいくまい。やまいちごは味覚には美味しいけれど、心中は複雑な気分だった。)まずは、ジャムの作り方を、勉強しないと。完成したときには、あなたにも振舞いたい。(とりあえずは、一時の保存場所を探さなければならない。大きさの割に軽い籠を両手で抱き抱えるように持って、テーブルを離れ出口の扉に目を向けた。)ともかく、やまいちごを、厨房用倉庫などの冷涼な部屋に置いて来ようと思う。温室に置いてしまうと、きっと虫に食べられてしまうから。(朗らかな笑顔から一転、息を漏らして書類と戦うひとには、少しの上からぱちぱちと瞬きして) 2009/05/26 (火) 00:27 ◆ エル :・・・いえ、彼らにはなんてことない場所な気もしますけれど。ゾンドさんが行くと、大変でしょうねぇ。(心配したような台詞を口にした少年に、笑いを交えた、至って軽い声で言う。ちょっと回り道すればなんてことはないなだらかな山道で済むのに、訓練を兼ねて傾斜のきつい岩場を登る見習いが多いだけなのだ。因みに、パートナーの飛竜を得た騎士は楽をする。)えっ、いいんですか。楽しみにしてますね!厨房の方が得意ですよ。この時期になるといつも、作らされていますから。今なら暇ですし、ついでにお話を聞いてきたらどうでしょう?(量がありすぎるので、遠慮するよりは普通に喜んだ。いってらっしゃい、とさっきとは違う意味で手を振りながら。書類が憂鬱なのは、単に仕事が嫌と言うよりは計算があるからだ。助けてジャンさん。) 2009/05/26 (火) 00:35 ◆ ゾンド :現地の環境はわからないけれど、恐らくはその通りだと思う。身体能力にも、土地勘にも、自信はないから。(よく笑う騎士の軽い言葉に反して、こちらの少年はいかにも恐ろしげな剣の如き尾根を想像していた。むしろ見習いの胆力に感服したような言葉を暗に仄めかしながら。)そうしようと思う。今なら厨房も、そこまで忙しくはないだろうし、もし長引いてしまっても、朝食の援護に入ってしまえばいいかなと、思うから。…許可が降りない可能性も、勿論考えられるけれど。(それじゃあ、と首を斜めに傾いだまま、頭を下げてエルへの別れの挨拶とした。少年の胴ほどは裕にありそうな籠を抱えながらでも、荷物自体の重さは問題にはなるまい。前のように、人の洪水に飲みこまれでもしなければ、無事に辿り着くだろう。調理開始後に何回かの失敗例が続いた後、甘酸っぱい匂いが漂うには、もうすぐ。) 2009/05/26 (火) 00:44 ゾンド【退室】 (2009/05/26 (火) 00:44) ◆ エル :ご自分で摘んでみたければ、なくならないうちにご案内しますよ。エリーに乗れば一っ飛びですから。いちご以外にも綺麗なところですから、オススメではあるんです。(ずるいとも言われそうな騎士の特権を口にし)はい、どうぞお気をつけて。お疲れ様ですー。(ゾンドを見送り再び文字の世界に潜り込む。実際頭痛を覚えるにはまだ時間がかかるはずだが、気持ち的にもう痛い。明日にでもジャムが食べられると思えば、書類ぐらいなんてことは、なんてことは・・・)えええい、気合いを入れろエル!また教官に殴られたいのか!(なかった。ウィシド帰りで熱血が舞い戻ってきている騎士は目を覚ますように自分の頬を軽く叩き――あと何時間かは此処であれこれやっているだろう。朝には文官に書類を持っていけるといいのだが。) 2009/05/26 (火) 00:53 エル【退室】 (2009/05/26 (火) 00:53) HIGHLAND FORTRESS 峠の要塞(閉鎖しました) http://h-f.sakura.ne.jp/kariken/index.html BACTERISM MATRIX http://bacterism.matrix.jp/ PCキャラページ http://tryx-quad.sakura.ne.jp/zond.html