題名:石の上にも死神 登場隊員:ゾンド・訓練生(NPC)(ウィシドフィード要塞) ゾンド【入室】 (2009/07/11 (土) 21:33) ◆ ゾンド :(細長い沢の流れが走る薄暗い谷は、その薄暗さと濃密な湿気が最も顕著に自己主張をしている。普段のこの地域は、その涼やかな湿度が、常に蒸し暑く熱気の篭る要塞での暮らしに一服の清涼効果を齎してはいたようだが、今日に限ってはその湿り気がとっくに飽和しきっており、軍服の生地を乗り越えて肌にべったりとぬめり付くような不快感を底無しに供給し続けている。―――玄武岩だろうか。暗灰色をした、緻密な地肌の岩石が沢の流れの中央部付近に安置されている。磨耗の具合はまだ浅く、河川上流を根城に住むにしてとても典型的な石ころだった。) 2009/07/11 (土) 21:33 ◆ ゾンド :(夜の口に降りた薄靄によって視界は極めて不良だが、そこに響く音だけは、遮る轟音も吸収する物体もない。ぱちゃ、ぱちゃとせせらぐ水音は、その切れ端だけを聞けば、単なる小沢の水流が岩に跳ね飛ばされているだけのものに過ぎなかっただろう。ひとつだけ、それらと比して異質な点と言えば、音の発生が几帳面なペースを決め込んでいて、肩肘張ったように定期的に囁かれているという所だけか。清流の中心には、音を発している主であるというだけの、他にはこれといった特徴も、何の変哲もない少年が居た。一段小高い玄武岩の巨岩、それから隣の、一段低くなった連れ子のような小岩の上に、水面を見詰めて座っている。長ズボンのインナーを膝小僧の上まで捲り上げており、足は素足だった。足首までを水中に潜らせて、ほんの時折水面を蹴り上げている。上の着衣までが長袖のインナーだけという、羞恥心というものは無いのかという格好だった。当然ながら袖も捲り上げられている。) 2009/07/11 (土) 21:39 ◆ ゾンド :(額にじっとりと張り付いた、汗からの由来でない水分を拭って、同時にくっついていた前髪も除ける。やっとこのことで生憎の雨空を見上げて、雲の帳の向こうからでも薄ぼんやりと明らむ銀の剣に視線の先を移した。)ここに居ても、あれほどまで明るければ、至近距離での生活に支障を来たしたりはしないのだろうか。(未だ、独り言を言うという経験もあまりに少ない。空気に含まれる水分の多い世界は音の波を容易に増幅する。そんな若干ばかりの違いは人間の耳には区別がなくとも、それを声に出した物体自身は酷くはっきりと、木霊という応答を聞いたのだ。)(尾を緩やかに凪ぐだけなのに、流れに逆らい静止する魚の背はやたらと青かった。手をほんの少し伸ばせば届きそうなそれは、本当に伸ばすと嫌がるように上流へすっ飛んで行ってしまう。かと思えば下流から遡って来る新たな彼らが足先を突付くのだ。水を蹴る作業も暫し取り止めて、冷えた水の中に落ち着かせることにする。ここに居る事でとっくに彼ら魚類の日常生活の邪魔にはなっているが、これ以上の妨害行動は更に気が引けるものがあった。) 2009/07/11 (土) 22:33 訓練生【入室】 (2009/07/11 (土) 22:45) ◆ 訓練生 :あーベタベタすんなぁ・・・これだから夏は嫌になる・・・(独り言をしながらえっちらおっちら、沢への道を進む青年が一人。服は支給品の簡素な半袖だが、赤い髪に緑の目という取り合わせが目を引く、この要塞の戦闘員らしいがっしりとした体格の二十歳前の男だった。)つか、この時間に急に言い出すなって話だよ。何様なんだよアイツ。(額と首の汗を拭って――先客がいるなどと思ってもいないようで、大声で愚痴を言いながら、木で出来たバケツを持った腕をぶらぶらと揺らして小道の石を蹴る。転がったそれが水に落ち、音と小さな水の柱を生んだ。) 2009/07/11 (土) 22:57 ◆ ゾンド :(まず真っ先に気付いたものとは、小石がなにか、硬いものの衝撃を受けて飛び跳ねた音だ。一瞬遅れて、水飛沫が跳ねる音と飛び散った水柱が水面に戻る飛沫音。水でも飲みに来た山の獣ではないことがわかった。かれらはまず自分を警戒するだろうから、こんな不用意な真似はしないのだろうから。)……………。(此方へと堂々とした立振る舞いで歩いてくるのだろう、霧で影となった人の姿へ向けて、まず挨拶から言い出そうにも、どうにも気が引けて先手を打てないままでいる。―――沢の縁。一段と小道の脇が低く陥没していて、そこから沢の水を汲むのに都合のいい場所は、自分の座っている岩のすぐ近くだ。首を横に向けない、余所見すらせずに見ることができる場所で、少年の目の前とも言っていい。) 2009/07/11 (土) 23:10 ◆ 訓練生 :・・・・・・いや、アイツが居なければ俺もただの見習いだし、その辺りは感謝してるけど。でもなぁ、(大股で歩く人は、仮にも戦闘員のくせしてゾンドの気配に気付かなかった。暗がりに潜む少年の視界に最初に入るのはバケツで、半ば放られるように置かれてガタンと鳴って喧しい。次に、靴の留め具を外して)こぉんな真夜中に、沢まで行ってこいってそりゃ、俺は――――・・・!(脱ぎ捨て、それだけ几帳面に揃えようとしたところ、この霧の中でも見間違えようのない至近距離に人を見つけて一気に静かになった。独り言を聞かれていたという羞恥からの沈黙ではなく驚きから喉を詰らせ、大きく飛び退いて緑の目を見開いていた。瞬時に思い出した七不思議の噂に血の気が引く。)っさ――(水から出された魚のように口を開閉させて何か言わんとしていたが、引き攣った最初の音が出ただけで終った。) 2009/07/11 (土) 23:23 ◆ ゾンド :さかな?(あまり宜しくない反応を一身に浴びたが、その原因に思い当たるまでにはまだ知識と経験の蓄積が浅い。自分勝手な独断と偏見に基づいた発想から、赤毛の青年の言葉尻を少年なりの解釈で引き継いだ。その結果が『さかな』という言葉で、その判断にも自身がないのか語尾は問うように上げ気味である。)……こんばんは。(遭遇のタイミングよりもだいぶ遅きに失してしまったが、全く落ち着いた様子を維持して夜バージョンの挨拶を告げる。頭こそ会釈の形に下げなかったが、両の素足の膝小僧を揃えて姿勢を正す。少年はまだ瞬き一つすらせず、後退った青年を二つの眼で視ている。) 2009/07/11 (土) 23:33 ◆ 訓練生 :っサボりじゃねえからな!(何度か無意味な音を繰り返し、何度目かでようやく言葉になった。上擦った情けない声で、それでもこれまでの独り言がそうであったように大きな声だった。普段要塞では「そんなことあるわけねぇだろ」と笑い飛ばす側にいる青年は、割かし典型的に、そういうものが苦手だった。)そう、さかなっ・・魚獲りに来たんだよ!(声は取り戻したが、挨拶を返す余裕はなかった。こんな天気なのとあまりに少年が静かだったのとで思い込みに拍車がかかっている。相手を沢の死神と思い込んで距離をとったまま、何か武器になりそうな物はないかと探すが――更に情けないことには、よさそうな石を見つけても足が動かない。完全にビビっている。) 2009/07/11 (土) 23:41 ◆ ゾンド :サボタージュかどうなのか、それらの判断は、我々ができることではないから。(それはそれで投げ遣りにも聞こえてしまう返事だったが、こちらの方はそもそも、多少の瑕疵にはあまり目くじらを立てない性分で出来ている。大層興奮した様子の怒鳴り声を漫然と受け止めて、こう観察して見ると……普段、というか今まで、自分が見て来た同僚や要塞の人々は―――落ち着いた人間ばかりだったように思える。青年のような血気盛んな反応は新鮮で、少なくない興味を惹かれた。)そう。この辺りの魚は、なぜかヒトを恐れないようだから。獲るには楽だと思う。(辺りの地面を窺うような視線の挙動不審ぶりにも、首を傾げるでもなく淡々と見詰めてだけいる。魚の棲む場所は沢だけれど、などと至極当たり前の言葉を囁いたりもするが、この声量で相手に聞こえるかどうかは先行き不透明だ) 2009/07/11 (土) 23:52 ◆ 訓練生 :なっ、なんだよ、アンタらにも教官みたいなのがいるのかよ・・・(投遣りな返事にはやや落ち着いた声で、ぼそぼそと窺うように。言いながらもあれこれ考えていて、どうにか屈んで石を手に入れようとしていたが――サボり魔が騒いでいたでかい男の方だろうか――相手の発言と自分の記憶がクロスして、「ヤバイ、死神は一人じゃないのかもしれない」などと考えて再び慌て始めた。湿気の所為ではない汗が頬を伝う。中腰になりかけの状態で早鐘の心臓を抑えようと胸に手を当て)お、俺はなぁ、竜騎士で!竜が魚食いたいって駄々を捏ねてっからこんな日の暗い時間に出てきた真面目な男なんだ!だっ、から、(目の前の黒い――死神と形容してもそう違和感のある姿ではない無気力気味な少年と、もしかしたら他にいるのかもしれないなんらかの存在に向けて主張する。まだ足がガクガクしていて、動くと転びそうだった。)すぐ帰っから!な!(当然、魚は水の中であるとの至極まともな発言は聞き逃していた。) 2009/07/12 (日) 00:05 ◆ ゾンド :…………??(教官云々の話題には、長考を挟んだ。思えば指導者と呼べる人間など、ウィシドフィードに来るまでこの方、特定の人間を師と仰いだ記憶はない。視線の先はとりあえず四肢五体を眺めながら――青年を見ているだけでメインの思考は全く別の方面をうろついていたが――ともあれ、はっきりとした答えが出せず、結果的に黙秘に落ち着く。)竜騎士の、方?……それは、とても、お疲れ様です。なら、食用としたい魚は、概して言ってどれくらいの量であればベター?(少年はへこりと、緩やかな仕草で頭を下げる。今にも過呼吸か血流量のオーバードーズで倒れ伏しそうな様子の青年にも、『そういった人物なのだろう』と早合点してしまい、心配や気配りという条項を思考のどこかに置き忘れてしまっていた。)そう……。すぐ、帰るの。用事だけでも、済ませてからでもいいと思うけれど。竜は高貴な生き物らしいから、機嫌を損ねてしまうかも。……竜騎士であるあなたには、改めて言うまでもない事だとは思うけれど。 2009/07/12 (日) 00:19 ◆ 訓練生 :(じいっと見てくる黒い瞳は、死者の行き先を定める者の持ち物に――今の男には、見えた。泣きたいような気分になるが、男だ騎士だの矜持がそれを押し留める。)そ、そっちこそ(その気分に似合わぬ一般的な挨拶と会釈。こっちがどれだけ騒いでも淡々と平穏でいる少年の声は、興奮を和らげるのに最適なものといえた。ただしこの青年に対して効くには大分時間が要ったようで、今やっと効果が現われた。)・・・こんな雨ん中で、お疲れさん、です。(辛うじて足も動くようになった自称騎士は言い返した後にぎくしゃくした動きで水の方へと向っていく。この騒ぎも水中までは届かないでいて、魚たちはまどろみの中にいるようだ。)お・・・俺としては、二三匹もいれば、いいんだ。此処、そんなに多くねーし・・・(竜の話に何度も頷きつつ。つまり、ご機嫌を損ねない程度に働きを見せればいいのだと。) 2009/07/12 (日) 00:30 ◆ ゾンド :(仕事で来ている訳でもないひとだったが、お疲れ様という返事には素直に返礼の会釈を返す。曇天から降り頻る水分は先ほどよりず随分と強まってしまったようだ。それが幸いしてか、青年の焦燥と熱気を冷却する役目を思いがけず果たしてくれたようである。)ここに来た頃には、雨ではなかったのだけれど、こうしてあなたと居るうちに、徐々に本降りになってきてしまったみたい。(膝を揃えて指を組み、背筋を伸ばすという儀礼的な姿勢で、水へと進出する青年の姿を眺める。彼の漁を手伝おうかとも思ったが、他者の食餌の為に他者を犠牲に捧げるという行為に一抹の恐怖があった。幸いというべきかは分からないが、特に道具を用いずとも、手掴み漁でも取れそうな暢気な魚たちが沢の中には寝惚けているようで。)がんばって。(黄色い声には程遠くとも、無いよりはマシな程度の、高い声の声援を送る。) 2009/07/12 (日) 00:41 ◆ 訓練生 :(まだ震える指先で裾を捲り、少年の素足とは色だけ同じ足を、じゃぶ、と静かに水に沈めた。どうにか動いている足で、滑らないようにと慎重に動き)・・・・それはっ、すみませっした・・!(お前の所為で雨の中出てきてるんだ、という意味の言葉に聞こえて――視線は水面を見るようにして、上擦った謝罪。大きくなってきた雨と汗でびしゃりと濡れている青年は、もう早く帰りたい一心で腕を捲り、魚を探して目を凝らした。)ぉ、おうっ、俺は得意なんだ、すぐに終るさ・・・!(自分に言い聞かせているのである。黙ってしまうのは怖くて、殊更元気そうに応じて握り拳を掲げてみせる。) 2009/07/12 (日) 00:49 ◆ ゾンド :どうして、謝るの? ……こちらこそ、誤解を与えるような言い方をしてしまって、ごめんなさい。(そろそろと水に入り始めたひとの切羽詰った謝罪の言葉には、最初の数秒は主旨の理解ができなかった。十秒ほどの吟味の後で思い出したように気付いて、落ち着いた声色だけは青年の言葉と違えど、こちらもまた謝罪を述べるのだった。)期待しています。(意気を上げる握り拳を見遣って、ぱちぱちとたった二回ほどの拍手という、声援の追加となるささやかな贈り物を送った。まぁ、魚とはいえ、所詮は川魚の分際でもある。少年の足先を餌か何かだと思って突付いている連中は、この沢に棲む魚の中でもどうやらまだ若輩の稚魚の様子だった。大物は主に岩陰の傍に隠れてしまっている。少年の座っている隣でこんもりと鎮座する玄武岩のすぐ横、すこしだけ深くなった淵の中には、それなりの数が潜んでいそうだ。) 2009/07/12 (日) 01:00 ◆ 訓練生 :(ぶんぶん首を振って)あの、でも、やっぱ濡れるから、す・・住処?に、戻ったほうが、いいんじゃねーですか、雨宿りっつか・・・・いやっ、なんでも―――(さりげないつもりで帰宅を促して、ちらとゾンドの方を見た。すぐに怖くなってもう一度首を振って視線は魚を探しに戻る。―――得意と言ったのは嘘ではないようで、端、浅い横穴のようになった所で大人しくしていた掌ほどの魚を見つけるや、さっと素早く手を伸ばしてその体を捕らえた。竜に選ばれただけはあって、体格の割に速さもある比較的優秀な見習いのようだ。落ち着きはまったくなかったが。)ぃよしっ!(もがく魚を置いてあったバケツに投げ入れ・・二匹目を探そうとしたところで、バケツに水を入れてないと気付いて一度岸に上がった。なるべく新鮮な物にしたほうが、竜の機嫌が良い。) 2009/07/12 (日) 01:10 ◆ ゾンド :大丈夫。雨なら、平気だから。だけど……やはり、あまり遅くなるといけないから、服もずいぶんと濡れてしまったし。あなたの活動を見終える頃くらいには、戻ろうと思う。(やはり、その持ち前の体格と比べては、どこか視線の定まらない、落ち着きのない青年である。魚を捕らえる技術もまた手馴れた様子で、この暗さで魚の居場所を見付ける眼力はもとより、特に腕の敏捷さには目を見張るものがある。が、)どうしたの?竜の食事には、それで足りる?(捕らえてバケツに放り込んだ魚は、自分の知覚力に障害でも無ければ、たった一匹しか投げ入れていないように見えたのだ。) 2009/07/12 (日) 01:19 ◆ 訓練生 :―――やっ・・・やっぱり見るのかよ・・・・(きっと、本当にサボりじゃないかを見定めようとしているんだ。思い込みから抜けきれない青年は少々動揺して、いや此処でしっかり働けば大丈夫だと自分に言い聞かせる。冷静になれ、気合だ、こういうときこそ教官の教えを思い出すんだ!)いや、これじゃあちょっと・・・一匹じゃあなあ。(大丈夫俺はやれる、と自己暗示をかけて平静を装う男は、逃げられないように気をつけながらびちびちと抵抗していた魚の一時の個室に水を汲み、また岸に置く。今度は最初のように乱暴な動きではなかった。)夕飯はもう食ったんだけど、小腹が空いたんじゃねえかな。・・・たく、俺は召使いかっての(ぼやいて、また魚を獲りに。すぐ近くに数がいそうなのを見てとり、そろりと近づいて獣か猛禽のように、沢の中から掻っ攫う。すぐに二匹目だ。) 2009/07/12 (日) 01:26 ◆ ゾンド :あなたの機嫌を損ねられたら、申し訳ないけれど、我々にとっての、後の参考にさせて貰おうと思って。(彼の動きを魚獲りの教範にしたいという本心に嘘はない。水場の近くの要塞へ赴任することが、移動部隊としての経験の上で多かったからに過ぎないだけなのだが、如何せん少年側の抽象的ではっきりしない物言いが、彼の誤解を氷解させては再結晶させ続けている事実に気付けていなかった。一匹では不足だというが、それも尤もだと思って静かに頷く。)それは、大変。あなたのパートナーは、けっこう、わがままな竜なの?性質が若い子を、想像したけれど。……竜の名前は、なんていうの?(こうして二匹も同胞を失えば、流石に暢気な川魚達も身辺に起こった異常事態に気付いたようである。彼らの俊敏な動きに水飛沫やそれに伴う音はなく、さぁっと上流や下流へと、命懸けの遁走を開始した。) 2009/07/12 (日) 01:38 ◆ 訓練生 :しにがみ、にも、見習いってあるんだな・・・・(実習期間なんだろうか。それが過ぎるとこの少年も噂に聞いた、恐ろしげな長身の死神になってしまうんだろうか。出来ることならいたいけな後輩たちの為にももう少し優しい方向でお願いします。若いから時にはサボりたいんです。―――竜騎士らしいと言えば聞こえの良い柔軟な発想で相手の立場を想像して、ぼそりと呟いた後でついでに何かに祈っておいた。そうこうしているうちに魚が逃げ出したので、水の中から手頃な石を掴み上げて位置にあたりをつけて投擲した。適当に騒いでおけば撹乱になる。)そっ、ワガママな、王様みてーな竜なんだ。他の竜に比べりゃ若いらしいけど・・・・(返答しないという選択はしなかったようで、急いで水を蹴って進みつつ、少し疲れたような雰囲気の台詞だった。)ジグザって言う、雄――あっ、俺も駄目だけど竜は連れてかないでくれよ!沢にはこないだろうけど・・(名前を聞かれたので妙な所で心配して、そんな言葉。) 2009/07/12 (日) 01:50 ◆ ゾンド :(掲示板に流れる噂の類には頓と執着のない少年である。そういう文字が並んでいた記憶こそあれ、この場に居る自分とそのイメージは結びついていない。青年の口ぶりにも薄々と違和感を覚えていたが、それもまだ違和感止まりだった。一方、下流に向かっていた魚達は突如として降って沸いた石と水柱を脅威と判断し、180度の方向転換をして上流へと向かう。石とは反対側に逃げていた連中はすっかり影も形も無くなったが、それも全体で言ってほんの数割。まだあちこちに、泡を食って逃げ惑う青い背筋が見える。)若いといっても、やはり数百年は生きている子でしょう?竜の精神の成長は、ひとと比べてはだいぶ遅いのかも。(連れて行くなと言われても、竜の制御に関する技術などには全く何の知識も有していない。手をふるふると振って申し出のようなものを遮って、)上手な捕り物を見せてくれて、どうもありがとう。やはり遅いから、我々もそろそろ、戻ろうと思う。少しだけ、鉱山の方へも向かってみようと思うけれど……。(腰を下ろしていた小岩から、沢の中に降り立った。ちゃぷんと控えめな音を立てても、もう驚く魚など近くにはいない。要塞を抜ける正規の道とは別に、鉱山の方へ続く近道もあるが、今夜中に用事を間に合わせるには回り道をしている余裕はないようだ。) 2009/07/12 (日) 02:06 ◆ 訓練生 :もうすぐ百五十て、聞いたな―――っしゃ、ノルマ達成!(煌めきは、目論見どおりに進路を変更した。にんまりして水を弾き、三匹目を捕獲してガッツポーズを作った青年は心中でも同じポーズをとっていた。少年は自分から他へと興味を移したようだ。)い、いえいえこっちこそなんか、雨の中わざわざ・・・・鉱山の方は、雨が降るとあんまよくないから気をつけたほうがいいぜ、(掴んだ魚をバケツに放って岸に上がった青年は、感謝の言葉に畏まった様子で頭を下げた。・・・いくら死神とはいえ前の事故は彼の所為ではあるまい。そんな風に考えて、今まであれだけビビっていたくせに忠告まで口にする。霊的存在だったりしたら気にしなくてもいいことなのだが。)あ、しまった、タオル忘れ――(自分もさっさと退散しようと靴を探して、失態に舌打ち、したところで、空高くで雷鳴が轟いた。)うっわ、きやがった!気ィ短けーんだよ・・!(青年の顔色がまた悪くなる。雷が苦手なわけではなく―――訳はすぐに知れるだろう。雷鳴に続いて、竜の咆哮が微かに。) 2009/07/12 (日) 02:18 ◆ ゾンド :おめでとう。(乾いた拍手が二三度打たれたが、そんなか細い音の波は一瞬にして入って来た横槍に掻き消される。このところ多過ぎるとも言っていいと思う稲光に続く雷鳴は、川面の表面を無秩序にびりびりと揺らして己の自己主張を憚らない。その轟音の中でも一際異質なそれは、この少年にも容易に感ずることができた。要塞を形作る岩塊を震わせる、地鳴りと似て非なる動物由来の振動だ。)地滑りや落盤とかだろうか?いや、内部の坑道には入らないから、足を滑らせて山道から転落しないようにすれば、それで必要十分だと思う。もちろん、油断はならないが。でも、ありがとう。(こうして大柄な青年と並んで立つと、やはり体格の差が顕著に分かってしまう。ひらひらと手を振る所作を別れの挨拶の代用として、着の身着のまま、渓谷の上流へと向かって行った。鉱山の休憩所は、ここから歩いてだって着けるくらいのすぐ近くにある。そこで軍服を脱いで来たのだから、戻るにも戻れないのだ。夏の日の出は早い。ここで一夜を明かす前に、早々に引き揚げねば。) 2009/07/12 (日) 02:31 ゾンド【退室】 (2009/07/12 (日) 02:31) ◆ 訓練生 :あんがとさん。・・・ほんと、足滑らせんなよー、気をつけて!(立ち去る背に、彼がそうしたように手を振って。その格好で行くのか、などとは聞かなくても明らかで。もしかしたら普通の少年かも知れないとも後半少しだけ考えていたのだが、あの様子だとそれはない、やっぱり死神かなんかだ、と断じてしまう。もし明日以降、要塞の中でゾンドを見かけたら恥ずかしくて死にたくなるだろう。)るせぇ・・・今行くッ、行くっつってんだろー!そんな急かすから別嬪さんにフラれちま――ぅおおお、やめっ、魔法はやめろォオ!(途絶えぬ鳴き声に苛立った騎士見習いが咆えると、一瞬しんとして雨音だけになり・・・次に八つ当たりのような小さな光が宙を迸って、普段なら青く光る沢を白く照らす。―――暫く沢は、竜の鳴き声と魔の雷、それに攻め立てられて逃げ惑う青年で、それはそれは騒がしかった。) 2009/07/12 (日) 02:40 訓練生【退室】 (2009/07/12 (日) 02:41) HIGHLAND FORTRESS 峠の要塞(閉鎖しました) http://h-f.sakura.ne.jp/kariken/index.html BACTERISM MATRIX http://bacterism.matrix.jp/ PCキャラページ http://tryx-quad.sakura.ne.jp/zond.html