題名:道程の労働者たち 登場隊員:ゾンド・ディー(エンデュミリオン山間) ゾンド【入室】 (2009/08/03 (月) 12:06) ◆ ゾンド :シャフトに異常はないようだけれど。車軸の潤滑油がやや薄いかも。(行軍中だが、山肌の切れ目から除く太陽は、既に南中高度を示している。山道の曲がり角に少しばかり開けた場所が見付けられたようで、そこで休憩時間が取られる事になった。今日の早朝に馬車にはかれこれ数時間乗りっぱなしだ。歩くよりも随分ましとはいえ、人間にも馬にも、勿論のこと馬車にも疲労が溜まらない訳ではない。昼食の担当ではない戦闘員の一人は、誰に言われるでもなく独りでに、馬車の容態をチェックし始めていた。)油は…どこ?(車輪の片側にしゃがみこんで、車輪こびり付いた砂塵を拭う作業は終えた。あとは消耗を防ぐための些事諸々で、自分のできる事は無くなる。稀に通り過ぎる層雲が、ほんの数秒間の涼しさを提供してくれていた。) 2009/08/03 (月) 12:17 ◆ ゾンド :(馬車の幌の中、奥まった位置の、一見して床板に見える部分を外すと、工具やら金属部品のスペアやら、諸々のメンテ器具が顔を出した。舗装のされていない山道を長時間走ったせいで、だいぶごちゃっとして混沌な様相を呈しているけれど、それは仕方がない事だし、器具が破損さえしなければ一向に構わない。一見して金属の筒のような、頑強な作りの油差しを持ち上げて、馬車を降りた。)……軽い。これの中身も、近々補充が必要か。エンデュミリオンまで持てばいいけれど。 2009/08/03 (月) 12:40 ディー【入室】 (2009/08/03 (月) 12:53) ◆ ディー :(車列の横手の茂みから、ガサガサとなにか通る音が近づいてきていた。憩っていた隊員の数名かが警戒するように立ち上がったが、それもすぐに杞憂だとわかる。薄暗がりから抜け出てきたのは、水桶を手に提げた同隊の男たちであった。そのうち一人、昼間の日光が似合わないにも程がある男が、ゾンドのいる馬車のほうへ歩いてきて)―――水 (重たげな桶を地面へ下ろすと、それだけ叫んだ。必要だと思う人があるならばそれで通じるだろう。自分は早々に、馬車の陰へ避難する。) 2009/08/03 (月) 13:02 ◆ ゾンド :(ようやく何かの違和感を感じたのは、何人かの隊員が警戒を示して構えを作ったその瞬間で、体面のために振り向いたときにはもう、男たちが水桶を手に、背の高い草むらから汗だくの顔を出していた。休憩中の数名が水桶の中継をするなり、使用を申し出て急いで並んだりなりする中。特に水分には用のない一人は、馬車に遮られて日陰の作られている、その側面へ進んでいった。水の調達班の一人である傭兵を追う形になるが、特に気に留めたりもせず。)おつかれさま。(平坦な声でたった一言だけ労いつつも、作業は続けられる。砂塵や油汚れを拭き取り、を手に持つ潤滑油を馬車の車軸受けに注入するというだけだったが。)日向の中での作業だったようだけれど。 2009/08/03 (月) 13:14 ◆ ディー :(昼間のろくに視界がきかぬときに、始終「なにか」の監視にさらされる所へ水汲みに行かされたのは、そうとうに堪えた。嫌がらせか何かだろうか。日陰に腰を下ろして、昼食ができたとの声がかかるのを待ちつつ、もやもやと動く人影を眺めて)………ああ。………異常は…ないか……(横からかかった声に、視線はやらぬままそう答えた。)………暑いな… 2009/08/03 (月) 13:26 ◆ ゾンド :(近場に居る男の容態を一瞬だけ俯瞰するように観察してみて、夜行性の大型動物が昼間ぐったりしている様子に似ていると思った。失礼千万だろうけれど、実際にこの認識にあまり大きな齟齬はないと考えている。)周囲の警戒には行かなかったけれど。見たところ、馬車の状態に問題はない。事故や災害などの不測の事態が無ければ、十分に持つはず。(部品を弄るメンテナスではないから、休憩を邪魔するような大きな音は立たない。ただ、掛かる時間が長いだけだ。日向でも苦ではないが、日陰の作業は思いがけず体力の温存に繋がっている。)風はあるようだけれど、湿度も少ない。蒸し暑くはないが、露骨に直射日光を浴びる立地だから。あなたには、厳しい地形だと思う。(話している間にも、水の煮える匂いが喧騒と共に風に乗って漂って来た。昼食までは、もう間もないだろう。どこからともなく聞こえて来る蝉の断末魔が、余計に夏季の暑さを増長させていた。) 2009/08/03 (月) 13:37 ◆ ディー :………そうか……(少年の話を聞いているのかいないのか、唸るような返事をして膝をたたむ。短くなった影のなかにつま先まで隠れて、大きなため息をついた。)それも…あるし……落ち着かんな……どうも……ひとの目が、多くて………(それは隊員も、そうでない山のものも指しての言葉だった。前方に広がる林を一瞥し、それから、ふと思い出したように顔をゾンドのほうへ向ける。目には相変わらず、おぼろげな黒い影としか映らないのだが)………何か、手伝うか…? 2009/08/03 (月) 13:47 ◆ ゾンド :他者の目が多いと、警戒の意識を割かれるぶんだけ、疲労が増すということ?(どうも、こちらを真っ直ぐ見ていない様子の同僚だった。前髪のせいで視線は分かり辛いが、熱中症の可能性も危惧しなければならないだろうか。不安が増大しかけていたその時の、普段の彼と比べては殊勝過ぎる申し出に、目を丸くした。参っているというのは、主に心理面での疲労が多いのだろうか。)なら、二通りほどの作業で、あなたの助力を請いたい。器用な作業は、できる?馬車下部の泥や土を落とす仕事もあるけれど、あなたの体躯ではやや向かないと思う。できないなら、馬車の……幌を結んでいる縄を、締めなおしてくれると、ありがたい。紐の結び目は手探りでも可能と思うし、ほとんど力仕事だから。 2009/08/03 (月) 13:59 ◆ ディー :……うん………まあ、そんなものだ………(愚痴に近い言葉に付き合ってくれた少年へ、しかしそんな生返事をして、僅かのあいだじっとする。それから、気合を入れなおすように勢いよく立ち上がった。)……どちらも…やるべきだろう…?……飯の、前に…終わらせんとな……―――おい、そこの……誰だ………手伝え……(そばで休んでいた隊員たちに適当に声をかけ、二手に分かれて作業が始まる。土ぼこりで汚れた手を洗う頃には、暖かい昼食が出来ているはずだ。今日の昼食当番も、料理上手ならば良いのだが。) 2009/08/03 (月) 14:17 ディー【退室】 (2009/08/03 (月) 14:18) ◆ ゾンド :(傭兵の低い声がそこらに寝そべる連中を鶴の一声で寄せ集める姿を見ながら、少年はその広い背に向けてこくこくと頷く。縄が切れていないかだのの細かい部分さえ見届ければ、向こうの班の仕事は早かった。少年は無言のまま馬車下部に潜り、木枠にこびり付いた泥を、手持ちのスコップやらブラシやらで落とす地道な作業を続ける。延々と日陰の中で行えるのだから安いものだろう。そうして一時間もしないうちに仕事は終わり、男手は雁首揃えて、昼食に呼ぶ声に引き寄せられる。) 2009/08/03 (月) 14:27 ゾンド【退室】 (2009/08/03 (月) 14:27) HIGHLAND FORTRESS 峠の要塞(閉鎖しました) http://h-f.sakura.ne.jp/kariken/index.html BACTERISM MATRIX http://bacterism.matrix.jp/ PCキャラページ http://tryx-quad.sakura.ne.jp/zond.html