題名:カイル・スコードロン 登場隊員:鉄の軍勢・ナコト・ゾンド(オル・ベッテ要塞) 鉄の軍勢【入室】 (2009/09/20 (日) 21:55) ◆ 鉄の軍勢 :(気味の悪いほど規則的に響く足音が三人分…否、それに続く形で二人分、その後方に二人分…夜の密林に響いていた。隊列を組み、先陣を切る兵士三名の姿は人間の其れではない。本来自然界にあるまじき金属が騎士鎧に酷似した姿を象り、魔導技術により改造を加えられた武器を装備し、一ツ目のサイクロプスを連想させる赤い光を頭部から放っている。―――あからさまに元よりこの地に存在する物体の一部隊はとある地点で不意に進軍を停止し、三機同時に一ツ目を眼前のポイントに向けた。) 2009/09/20 (日) 21:55 ◆ 森の影 :(振り向けば、ばかでかい女郎蜘蛛) 2009/09/20 (日) 21:56 ◆ 鉄の軍勢 :(鉄兵士が一ツ目を向けた先…草むらから飛び出したのは一匹の野兎―――だが、安心する間もなく三機はバックアタックを受ける。軽く飛竜ほどあろうかというサイズの女郎蜘蛛が、突進の勢いで喰らいついてきた。人間なら驚愕、恐慌、硬直といった症状が起こるであろうそのシチュエーションで、三機はそのうちの何ひとつ見せることなく散開。女郎蜘蛛の攻撃を避けながらそれぞれ片手剣とバックラーを構えた。この場に不釣合いな、少女の声が響く。) 『ポーン・トライアル…1号・2号・3号、アクティブ』 (それが戦闘開始の合図だ。一ツ目が揃ってギラリと光り、まさしく三位一体の動きで女郎蜘蛛に襲いかかる。動きこそは密林の足場と機体の重量により制限されているものの、パワーと耐久性は申し分ない。女郎蜘蛛の攻撃をバックラーで防ぎつつ、力任せに剣で斬りつけ夜天に血飛沫を舞わせていく。) 2009/09/20 (日) 22:06 ◆ 鉄の軍勢 :(今まで何人の人間を捕食してきたのであろうか…どこか瘴気と血臭を漂わせるその女郎蜘蛛も、よもやこんな相手に出会ったことは無かったのだろう。必殺の武器であった粘性の高い糸も重量に任せてぶち切られ、堅牢な甲殻は高速振動するブレードにより破壊され引っぺがされる。甲高い悲鳴を上げるも、鉄の兵士軍に一切の容赦はなく…2号と呼ばれる兵士のブレードが、背部から心臓部を深々と貫き、決定的な何かを切断した。―――女郎蜘蛛は激しい痙攣の後、地響きを立てながら密林に伏せ…その命を絶った。しとしとと、鎮魂歌のような雨音が響く。) 2009/09/20 (日) 22:15 鉄の軍勢【退室】 (2009/09/20 (日) 22:15) ナコト【入室】 (2009/09/20 (日) 22:16) ◆ ナコト :……ポーン・トライアル、戦闘プログラム終了。引き続き、付近を警戒しながら巡回任務を再開しなさい。(そんな凄惨な戦闘の十数m後方。ダークブルーのローブを身に纏い、先の兵士よりも二回りほど大きな鉄人を傍につけた少女がいた。無表情で女郎蜘蛛の死骸を観察しながら、サラサラと手元の薄板に何かを書き加えていく。進軍が再開すれば、先の戦闘した三機、後方に控えていた二機、その更に後に鉄人と共に続き…)……戦闘能力の方はこれでも十分通用しますか…。…ならば、もう少しコストと性能を下げても構わないでしょう…量産計画にはまだ程遠いですが……(ぴし、と密林の葉に落ちて飛び散った雨の飛沫が顔にかかり、それを煩わしそうに拭いながら一人呟いた。軽く溜息を吐き…雨天のお陰で厄介な暑さは少々緩和されているものの、まだ暑いし湿度が異様に高く不快だ。憂鬱な溜息を吐いた。) 2009/09/20 (日) 22:24 ◆ ナコト :(しかし最前線で無いとは言え、オル・べッテ要塞を少し離れればすぐに敵対勢力と遭遇する…ゴーレムの戦闘テストを行うには申し分ない状況だが、はっきり言って現在自分は生死の合間を進軍していると言っても過言ではない。この防護服の耐久性も、自分で作ったものながらどこまで信用できるものか…。―――恐怖はなかったが、こんな劣悪な環境に送り込まれたことに対する不満だけが、ただただ存在した。)……まったく…移動するたびに地獄に近づいている気がしますね、私は……(愚痴。その直撃を受けるのは傍で護衛をしている自分のゴーレムだ。インテリの自分が何故こんな扱いを受けねばならないのか、それでも研究所の命令は絶対だからこなさねばならない…そんな取り留めの無いことを口にしながら、幾度の戦闘を超えて巡回任務は終盤に差し掛かった。) 2009/09/20 (日) 22:33 ◆ ゾンド :(三つの鉄塊、一つの従者と一人の指揮官が草叢を裂きつつ進む傍ら。重苦しく蒸し暑い剣呑な空気の只中には浮き上がっていてもおかしくないだろう、酷く足取りの軽い人間も一名同伴しているようだった。ただ真っ黒い生地で作られているらしい、傷やほつれの一つも無い防水コートを纏った小柄な人影が、鉄の軍勢の後に続く。)また、虫? ……肉食種がまだ出ていないようだけれど、これはやはり彼等が昼行性だからだろうか。(やたら涼やかで軽々しい態度の少年兵は、小脇にナコトと同じような記録帳を抱えている。しかし当然ながら、記帳内容は彼女とは全く意趣を異にして働いていた。構わず先を急ぐ鉄の足並みが人間種以上に遅いこともあって、先ほどの戦闘で遭遇した巨蟲の仔細を書き付けておく余裕は十分にある。) 2009/09/20 (日) 22:49 ◆ ナコト :さて、どうでしょうか…大半が昼行性と仮定しても、この異常な環境で特殊な進化を遂げた種が存在していて何ら不可思議はありません…。…続けてその方面へも警戒を怠らない方が賢い判断でしょうね…。(時折、存在を忘れそうになる。どうにも人間とは違う気配を纏う少年も、この巡回任務には参加していた。自分がゴーレムの記録をつけるならば、彼は遭遇した危険生物の記録をつけている。そんな彼が不意に発した言葉に、とりあえずは間違いではないだろう返答をし…その後に、軽い自信を込めて続けた。)―――…最も、遭遇した所で昆虫種以上の苦戦を強いられることはまずないでしょうが…(何しろ鉄の軍勢だ。捕食対象外であるだろうし、毒の煙や溶解液すらもものともしない装甲だ。相手になるはずが無い。―――…傍で聞いていたゴーレムは無言。主が恥をかかぬよう、自信過剰でないことを祈るのみだった。) 2009/09/20 (日) 23:00 ◆ ゾンド :理解できる。強靭さに劣った種族が過酷な生存環境において繁栄するに、最も安易な方法はニッチを開拓することなのだから。(過去の経験では随分とひょうきんで饒舌に思えた彼女のゴーレムも、実際に戦地へ赴いたならば普段の余裕を失うのだろうか。打って変わったように無言を通す彼の脇を通り過ぎて、最も安全であろうナコトの傍まで進む。前衛の三機が放つ赤い眼光が、夜の密林にはやたらと目立った。)肝心の指揮官が希望的観測を抱いてはだめ。我々が事実を基にした情報を与えられているとは限らないのだから。食肉種が、事実上この地域の生態ピラミッドのどの高度を占めているかなどの、実情に疎い我々はより慎重を期して事に当たるべき。(とはいえ、巡回というよりも彼等鉄人の演習に近いこのパトロール。弱小な敵ばかりなのもそれなりに不都合があるのだろう。ただ、物量において圧倒的な勢力を保っているのは、原住生物達だ。この一団の完全な死角、後背6時の位置から、急激な違和感が迸ったのを果たして何名が気付けたか―――) 2009/09/20 (日) 23:11 ◆ 通常ダイス :3(手紙発見) 2009/09/20 (日) 23:11 ◆ ナコト :…案外…言いますね…。…まぁ、心得ておきましょう。確かに情報が不足している現状では、100%確実と言う答えは出せませんからね…。(口答え…とまでもいかない忠告に、少し意外そうに目を丸くした。この少年は基本的にイエスマンだと思っていたのだが…。言っていることに間違いは無いので、頷き肯定する。…とは言え、要塞帰還まであと僅か…これ以上戦闘になる可能性は低―――)……手紙? …そう言えば…確か……(その場で、足元に落ちていた手紙に注意が行ったのは殺気や戦闘の威圧感というものに疎いアルケミストだけであった。センサーに何らかの反応を感知し、三機のトライアルゴーレムが武器を構え、護衛のソルジャーゴーレムが一歩庇う位置に立った。後の二機は、まだ動かない。) 2009/09/20 (日) 23:18 ◆ 通常ダイス :2 2009/09/20 (日) 23:18 ◆ 森の影 :(振り向けば、ばかでかい女郎蜘蛛) 2009/09/20 (日) 23:19 ◆ ゾンド :(この小隊で最も先に、密林の中で違和感を放つ人工物の存在に気が付いたのはナコトだったようで、彼女が手早く一個の手紙束を回収する光景を眺める。オル・ベッテ到着早々にブリーフィングで伝えられた任務のそれだと認識したのは、ナコトもまた同じらしい。……その手紙束が獲物を待ち受ける罠だったのだろうか。ずるぅり、とトリプルキャノピーが生い茂る暗夜の天空から奇襲降下する、それ。)大きさは同じ位だけれど、腹の模様が微妙に違う……先のものと同種と判断していいのか迷うけれど……。ナコト、あなたの出番。(まるで戦闘のつもりも無いらしい少年は、身じろぎもせずに棒立ちのまま、巨大な女郎蜘蛛を観察する。――動体視力ばかりに優れた複眼連中には、案外効果のある身の隠し方、だと思っている。) 2009/09/20 (日) 23:28 ◆ ナコト :―――…え?(ぞわ、と耳元に何かが触れた感覚。それが何かを認識する前に、急降下してきた大蜘蛛は護衛のバルディッシュに鋼鉄拳で殴り飛ばされ、吹っ飛んで地面に叩きつけられた。今、耳に触れたのが蜘蛛の口元の繊毛と知り、ゾゾゾ…と背筋が寒くなる。…が、そんなことで動揺していられる状況ではない。)ポ、ポーン・トライアル!1号・2号・3号、アクティブ!(若干引きつった声で指令を飛ばせば、三機のトライアルゴーレムの単眼光が起き上がり途中の女郎蜘蛛を射抜き、高速振動ブレードで突撃を開始する。先のものと同種と判断…効率の良い倒し方は既にアルケミストの頭の中にあった…が…)―――…そう言えば、自己学習機能はトライアルには搭載していませんでしたか…こういうケースに問題点が残りますね……(ぼやく。生産コストを低くした影響で、トライアルは単純な思考回路しか持たない。先と同様の、単純な接近戦闘を仕掛ける。) 2009/09/20 (日) 23:37 ◆ ゾンド :なるほど、隊列を組んで進軍するとなると、自然に頭上への警戒と防御が疎かになるのか。……こうなると、ヘルメットを装備した方がいいのかも。(知ってか知らずか、襲い掛かった蜘蛛は中核戦力である指揮官を狙ったようで。相方が甚だしい危機に遭遇してしまったみたいだけれど、少年は無情動に将来のパトロールへ繋ぐプランを練っているらしかった。自分が戦闘に参加する、という選択肢は端から思考に無いようである。少年も戦闘員の端くれであろうがあくまで怠惰な訳ではなく、ゴーレムに華を持たせたい……という考えが前提にあっての傍観だ。)こちらの個体は、やや知能が高いか?女郎蜘蛛の中でも、個体差という能力の振幅はあるのだろうが。(単純極まりない白兵戦闘を仕掛ける三体のゴーレム。だが、女郎蜘蛛は素早く体勢を建て直し、後方にあとずさった。彼らゴーレムのセンサーにも十分に捉えられるはずだが、連中が向かう先には飛竜をも捕らえ雁字搦めに捕縛する、強靭な粘液糸のネットが待ち構えていた。) 2009/09/20 (日) 23:49 ◆ ナコト :くっ…気色の悪い…早く帰還して耳を洗わなければ…(鳥肌はまだ収まらない。別段汚れたとかそういう問題ではないが、気持ち的に今大きなダメージを受けた。バルディッシュが少しでも遅れていれば頭から丸齧りにされていたという事実は今は忘れることにする。)……ふむ、なるほど…あのサイズの昆虫種は他種でも知能が発達している可能性がありますね…知能は脳のサイズに比例しますから……(密林での機動性は多脚である女郎蜘蛛が勝る。三本の高振動ブレードは空を切り、防護ネットにより行く手を阻まれた。センサーが標的との間に障害物を感知し、動きが止まる。)…ならば戦い方を変えましょう…ポーン・トライアル、1号・2号・3号後退!モードをIからGへ変更!(その指令を受けた三機は頭部の一ツ目を明滅させ、バックラーを構えながらのバック走で一度女郎蜘蛛から距離を離した。揃って高振動ブレードを収納し、背部に備えたもう一つの武装を解放する。) 2009/09/21 (月) 00:00 ◆ ゾンド :そうした方がいい。彼ら昆虫の唾液に、食肉種の種子や胞子が混入していないという保証はないのだから。(精神的なダメージがどうこうでもなく、物理的に洒落にならない可能性を呈してから、指揮の邪魔にならないよう慎重にナコトの傍へ寄った。記帳用の羊皮紙の端を破り取って、彼女へと差し出す。あくまで気休め程度だが、無いよりはまだマシなものだろう。)脳のサイズと、脳の構造だった気がする。層状に神経細胞が形成されている脳は、知能が高いのだとか。カラスが鳥類の中で一際知能が高いことの裏付けと聞いた。(逼迫した戦闘が続行されている空間で、暢気にもトリビアのような無駄知識を披露する少年。ナコトが冷徹とすれば、こちらは無神経かつ無情動と言ったところか。)早く仕留めないと、せっかく眠っている他の危険な原生生物を起こす事態にもなりかねない。できるだけ、手短に仕留めて。(毒々しい女郎蜘蛛は待ちの姿勢に入ったようで微動だにしない。背後から新たな武装を取り出す重戦士三人を見て、その管理統括者に危機を告げた。まだ第三勢力は登場していないが、あまり派手に、長く戦闘を長引かせても得する事はない。) 2009/09/21 (月) 00:11 ◆ ナコト :………。…恐ろしいことをさらっと言ってくれますね、キミは…。…ありがとう…(何だか精神的に追撃を受けた気分だが好意はありがたく受け取る。ゴシゴシと羊皮紙の端で耳を拭い、こんなちょっとしたことで再起不能に陥れば使えない道具と言うレッテルを貼られてしまう。それだけは何としても回避しなければならない。)…そればかりは解体してみなければ分かりません…。…あんなグロテスクな生物を解体するつもりなど毛頭ありませんが…(その光景を想像してさらに気分が悪くなったので戦闘に集中することにした。鉄兵士三機が構えたのは展開式大型ボウガン…其れを構えたまま三方向に駆け、女郎蜘蛛を包囲した。)心配はいりません。これで終わります…―――GS、03番!斉射!(指令を飛ばせば、三機のゴーレムが一斉にボウガンのトリガーを引く。超高速で放たれた三本の矢は空中で無数に分解し、細かい鉄の針となって女郎蜘蛛に雨あられと降り注いだ。甲殻に阻まれようともお構い無しに突き刺さる散弾はあっという間に女郎蜘蛛をハリネズミへと化すだろう。いくら機動力が優れていようと、この針のスコールは回避が難しい。―――その分、射程距離も短くなるわけだが。) 2009/09/21 (月) 00:25 ◆ ゾンド :(包囲されても尚、逃げようとも攻勢に転じようともしない女郎蜘蛛は、それほどまでに自分の展開するネットに自信があったのだろうか。三機がボウガンを手にしても、余裕の姿勢で状況を静観していた蜘蛛は、しかしその高慢さが仇となったのだ。)………なるほど。状況終了か。装弾に限りがあるという欠点を負うとはいえ、この狭い空間でなら至近距離からの散弾は有効のようだ。(空中を飛翔しているあいだは細かく見えたけれど、先程まで生者であった蜘蛛の残骸に無数に突き刺さる鉄片は、その一本一本ですら鉄釘ほどの質量がある。弾頭重量が比較的に軽くとも、ボウガンほどの射出速度があれば昆虫のキチン質外殻程度は紙ペラのようなものだ。――蜘蛛の屍骸から放たれる死臭は凄まじい。)……この場は離れた方がいいみたい。距離はあるようだけれど、ごそごそとした音がする。弾薬がまだあるなら、まだ撃破スコアを稼ぐという選択肢もあるけれど。(死骸に寄り集まる他の勢力を懸念しての言葉だが、これを撒き餌とするのもアリだ。) 2009/09/21 (月) 00:37 ◆ ナコト :………へぇ…さすがエイボンの考案した兵器…、威力は非常にありますね…。…一発にかかるコストを失念しているのもまた彼らしいですが…(少年の感想に返したのは半ば独り言に近い呟きだった。エイボン…そのパーソナルネームはアドバンストの1にあたり、自分の腹違いの兄という立場でもある。この三種の弾丸を射出できるボウガンは、スピルマウンテンでの戦線に参加した彼が考案し開発した兵器である。非常に効果的なのだが…何にせよ、一射しただけで結構な費用が吹き飛ぶ。)―――…そうですね、ここは無理に戦闘する必要もありません。戦闘データは十分に取れましたし、初日から大きな赤字を出すわけにもいきませんから……(先を急ぎ、早々に要塞に帰還することにしよう。薄板に戦闘結果を書き留めながら進軍を再開する。ゴーレムたちの移動速度も少しばかり上げ…―――蜘蛛の死骸の傍を通り過ぎる時、一瞬だが噴水のように血を噴出し続けている姿に顔をしかめた。兄ながら、よくもまぁ残酷な兵器を考え付くものだ…) 2009/09/21 (月) 00:48 ◆ ゾンド :素敵。まるでサブミュニション・ディスペンサーみたいだった。極端に有効な場面を選びそうな点も懸念したいけれど、それに……価格が高いの?(エイボンとやらはせいぜい開発工廠か何かの事だと合点したようで、珍しくナコトの呟いた固有名詞の細部は追求しなかった。昆虫の死因を書き止めようとしたけれど、まだ彼らは試験運用中らしいのだから、同様に武器もあまりに堂々とした公表は不味いと思ったか、単純にボウガンでの射殺と書く。)では、戻ろうか。地理と我々の足取りが正しければ、半円を描くように巡回している筈だから、このまま真っ直ぐ進めば要塞へは着くだろう。……ナコト、さきほど回収できた手紙は、あなたが届けるべきと思うのだけれど。かれは賢明な資産家だから、あなたが今から適切な人脈を作っておくに損はないはず。(留まっての迎撃戦よりも帰還を選んだ彼女に、軽く頷いて同意する。瑕疵の一つも見当たらない、常套にして最善の判断だと思う。後者の言葉は、任務の依頼人がかのセサロという事を踏まえての考えだ。彼とは既知の間柄だった。人柄と仕事ぶりを信頼しているし、将来のナコトのスポンサーにも十二分な存在だと思っている。) 2009/09/21 (月) 01:01 ◆ ナコト :…素敵…ですか…。…兄と話が合いそうですね、キミは…。…私は、嫌いですけど…(珍しく…否、別段珍しくも無いが感情をあらわにしてその言葉を口にした。価格の点に関しては肯定の意を込めて頷き、記録板の端っこに1と0をいくつか並べる。それを高いか低いか判断するのは少年の普段の給与次第。)―――…確か、セサロ・ミリアルドという商人でしたね…あまり好きになれそうに無い人でしたが…まぁ、一応任務ですので届けておきましょう。(容姿はまったく異なっていたが…あの尊大な口調と、部下を道具程度にしか思っていなさそうな性格…己の父親にそっくりであった。おそらく、あの手のタイプの前では萎縮するような教育が自分には施されている。いくら良い人脈とは言え…気が進まない…。)―――…商人、ねえ…。(手紙を手の中で弄りつつその言葉を反芻していれば…要塞の明かりが視界に入ってきた。初回の巡回任務にしてはなかなか有意義なデータが得られ、結果は上々といったところである。) 2009/09/21 (月) 01:12 ナコト【退室】 (2009/09/21 (月) 01:13) ◆ ゾンド :兄がいるの?(ゼロの居並ぶ桁の数を見遣ると、神妙な空気を纏って頷いた。どうあれ、自分が使うつもりのない類の武器だ。値段からしてあまり見る機会のない代物だろうから、今ここで拝謁できたのを良しとする。この先で実戦に出ようとも、使用者にお気の毒様と内心で同情する程度で、つまりは他人事なのだった。)そう?とても素敵なひとだけれど。(言葉だけでなく、ナコトの表情が嫌々な感情を露にしている様子を見ても、少年にとっての感覚は彼の口調や態度には左右されないようである。そういえば、彼へ定期的に宛てている文書はきちんと届いているのか、今更ながら心配になって来てもいた。要塞から漏れる生活の光に近づくにつれ、少年の思考は今回の巡回で得た情報をどう清書するか、文面の構築に切り替わっていた。) 2009/09/21 (月) 01:20 ゾンド【退室】 (2009/09/21 (月) 01:20) HIGHLAND FORTRESS 峠の要塞(閉鎖しました) http://h-f.sakura.ne.jp/kariken/index.html BACTERISM MATRIX http://bacterism.matrix.jp/ PCキャラページ http://tryx-quad.sakura.ne.jp/zond.html