題名:スミソニアンの飴玉 登場隊員:ゾンド・黒髪の子供(NPC)(オル・ベッテ要塞) ゾンド【入室】 (2009/09/26 (土) 21:32) ◆ ゾンド :(雷鳴の轟きまくるオル・ベッテの地では、本日夜の巡回は最少限度にせよとの上層部からのお達しだった。集中豪雨が猛威を振るう密林の中では、空気の流れの察知も音の索敵も役に立たない。攻めるに難ではあれど、しかし防御にはまだしも分のある天候は、必然的に篭城への比重が求められた。降って沸いた兵站攻勢に出る要塞内で、しかし人気の少ない倉庫に潜む影はたった一つきり。)想像の上では、同じものだと思うのだけれど。(つい先日に参考資料となりそうな手紙束を渡してしまっている以上、記憶だけが頼りだ。それについては自信があるけれど、ここまで極まった乱雑さで山積みにされた補給物資の中から、どれだけの数があるかも分からない依頼の品を見付けると言うのも、些か無謀だったのかも。) 2009/09/26 (土) 21:35 ◆ ダイス :5 2009/09/26 (土) 21:41 ◆ ダイス :2(手紙発見) 2009/09/26 (土) 21:43 ◆ ゾンド :(しかし任務は任務であり、非力な自分がこれら雑貨の山脈に手を付ける以上、潔く地道に行くしかなかった。上から順に荷物を除けて、だいたい同種の物達を場所別に分類する。)これは…、……水……筒…?(実の所、正解は精霊筒である。それも大型の金属製物体なのだから、外面に説明書きでもなければそれが何とは分かるまい。一歩間違えればゴミの山一つずつに手を差し伸べて取り払うのだから、効率の悪さは押して知るべしだ。単なる巨大な空き箱を退けてみると、そこに顕れた柔らかそうな素材の立方体は―――) 2009/09/26 (土) 21:43 ◆ ゾンド :………ん………目標物を一束発見。回収、確保します。(意外とあっさり見付かったものだが、そもそもこの依頼の手紙束が紛れ込んだのはつい最近の事だ。そんな奥へ入り込んでいる訳でもないので、順当な位置に潜んでいたと言える。周囲の補給物資を念入りに丁寧に取り除き、意外に頑強に防護された包みを取り上げて、本当にミリアルドの運搬物か外装の印刷を眇めて見る。手の込んだ悪戯でなければ、まず、大丈夫だろう。)これで…報告に上がった上では4つ目か。目標値の五分の一をこのペースなら、上出来と言える……かも…。 2009/09/26 (土) 21:51 ◆ ゾンド :(少年の目線を遥かに越えるまでうず高く積まれた手付かずの補給物資の山は、確かに兵に言わせた通りに宝の山なのだった。ただ、兵隊がこれらの価値に気付き、持ち去って使い切るより早く、何某かの理由で戦死の憂き目に遭う為に、分量がなかなか減らないのだと思う。出入り口の傍に手紙束を置いて、再び捜索へと乗り出した。コツも効率化も何も無い単純極まる労働集約作業だから、成果はただただ時間に比例する筈なのだから。)箒だなんて……ここにあっても仕方ないのに……。(仕分けもされずに放り込まれている物品がすこぶる邪魔だった。やたらと物々に引っ掛かって嵩張る邪魔者の、端っこの棒切れを引っ張ったらすぐこれだ。なかなか上物な箒だが、これが一部の魔法使い達にのみ伝わる強力な武装だなどとは知る由もない。竹の密集した末端を排除して、その下の麻袋を引っ張り出して折り畳むと、何やら無機質な光沢を持つ白い物体が垣間見えた。) 2009/09/26 (土) 22:42 ◆ ダイス :3 2009/09/26 (土) 22:43 ◆ ダイス :2(手紙発見) 2009/09/26 (土) 22:43 黒髪の子供【入室】 (2009/09/26 (土) 22:52) ◆ ゾンド :(箒と麻袋の下に埋もれていたのは、さっきの成果よりは随分とひしゃげてしまっていたけれど、紛れも無くミリアルドの郵便物資に見えた。予想外に出てくるものだなと目を大きく丸くして、浅く頷きを独りでしながらしみじみ感じ入る。)危険を冒して要塞周辺に出て行くよりかは随分と楽だけれど、この倉庫ばかりも頼れないか。(当然ながら、残留遺失物は広大な密林の中にこそ大部分を散逸させている。後日は、最悪の危険が指摘されて久しい川辺へと出向いてみようかと考えるのだった。罠と昆虫と食肉種の巣窟だろうが、ひとに叱られるよりも格段に恐怖は少ない。もう一つの成果とこれを纏めようと、出入り口へ戻るべく踵を返したのだけれど) 2009/09/26 (土) 22:53 ◇ 黒髪の子供 :(ゾンドが仕事を終わらせて動いたその時にひょこりと倉庫を覗き込んだのは、彼と同じ、夜に紛れる黒い髪に黒い瞳の小柄な少年だった。軍服のサーコート抜きという身分証明には弱い格好で、とてもではないが兵士には見えない十歳前後の子供だ。覗きこんだ先に人がいたのに目を丸くする。)だ・・・どなたか、いる、ますか?(目は既に先客を見つけているにも関わらず、扉のところに立ったままでそう声をかける。どうにも上手く舌の回っていない、奇妙な響きの言葉だ。) 2009/09/26 (土) 23:02 ◆ ゾンド :こんばんは。(そんな普遍的な挨拶は、この場では少しばかり牽制になってしまったけれど、まだ外見的には年上に見える少年の方は一礼を為して、幼いひとの佇む扉まで無防備に歩み寄る。唇をきゅっと結んだ無表情のまま、かれの足元に置かれるもう一つの手紙束を抱えて、そうして始めて言葉を発した)………いっぱい、居るけれど……。……なにか、ご用でしょうか?こちらのは手はいま余ったところだから、お仕事があればどうぞ申し付けて下さい。(特に意識には上らなかったけれど、こちらの方はだいぶ幼子とは対照的に、流暢に言い切って、ほんの15度ほどの浅さ、右へ首を傾げた。) 2009/09/26 (土) 23:08 ◇ 黒髪の子供 :・・・!こんばんは。(ゾンドと比べても背の低い少年は挨拶に何か閃いたような明るい顔をして、言葉を覚えたてのようにゆっくりと、相手を真似して挨拶した。頭を下げるのも真似てみて)いっぱい?ない、ここはアナタひとり。精霊も、ない―――(倉庫の中を今一度見渡し、また片言な調子に戻って呟く。表情はあまり変わらず、困った様子も無くマイペースに振る舞い、精霊と言ったところで歩き出した。先ほどゾンドが水筒と思った、金属製の容器の所だ。)いた。けど寝ている、ます。・・・――お仕事!はい。サガシモノ!(小さな手でぺたぺたとその辺りを触り、またもや人の台詞で思い出して声を大きくする。) 2009/09/26 (土) 23:21 ◆ ゾンド :寝ているの。逃げてはいないの?(あちこちに黴のコロニーだの、巣作りと生命維持に懸命な(森に棲む致命的な種と比較して言うだけであって)ミニサイズな蜘蛛どもが満ち満ちているが、実の所そこに本意はない。幼そうな気配の少年が金属製の太く短い筒を弄っているところを見て、こちらも似たような物体を物資の山から引っ張り出したが、今度のそれは精妙な曲線を描く鉄製の飯盒だった。)お仕事は、さがしもの。あなたの探しているものは、なに?口頭で説明できるのなら、教えてほしいのだけれど。(ただでさえここは、そこらをほっくり返せば返すだけ収穫がありそうな雑貨バージョンの宝物庫なのだから。手掛かりが無ければ自分は傍観者で居るしかない) 2009/09/26 (土) 23:30 ◇ 黒髪の子供 :あ?これ、封印です、・・ね?精霊使い、つくる。森燃やす、なか、火の子たちたくさん。・・・すみません、いっぱい、いた。(黴などはともかく虫ぐらいには気付いている子供だったが、勘定にいれるのは人型をした相手と精霊たちだけらしい。封印や精霊といった単語だけはっきりと明確な発音で紡いで、途中でゾンドの発言が正しかったのだと――この子供なりに気付いて謝罪した。)はい。傭兵、頼む、たの、れ・・た。(傭兵、とも難なく紡いだがそのあと縺れて、上手く動かない口元を手で擦る。喋るのには難ありでも聞くことは問題ないようで、とりあえず肯定を示すのに二度、遅い動作で頷いた。)サガシモノです。・・・支給、品・・の、てぶくろ。軍服の違う。倉庫にある、ではないか。それと、寝具?もうふ・・・・ 2009/09/26 (土) 23:44 ◆ ゾンド :ん……謝らなくても、大丈夫だから。………そう………精霊が。実物はこれが初めてだけれど……これが、そう。(謝罪を求めるつもりなんてこれっぽっちも持ってはいなかったから、逆に無意味な屁理屈を操って少年を追い詰めているようで、むしろこちらが悪事を働いたような後味の悪さを感じていた。遠目からは、商人やら一般の魔術師達の持ち歩いたり、むしろ商品となっていた精霊筒を見掛けた経験は何度もあるものの、こうして至近距離に眺めるのは初めてのこと。興味を惹かれたのはそうだけれど、今ここで即必要になる物品ではないから、さっぱりと手にすることは先送りした。)て、ぶくろ……。比重が軽いものだから、粉流体の移動法則では浮上する傾向にある筈だけれど…引っかかるものが多過ぎるから、一概には言えないか。それと、もうふ。(山積みの物資からちらりと端が除いているヒラヒラの一部を試しに引っ張ったが、ずるりと抜け出るそれは、寝具と言うにしては頑健すぎる、テント生地のようで。)ここから特定の一種を探るのは、すごく、難しいかも。毛布だって湿気ですぐには使えないだろうし……干すにも、火の傍でなければ、スコールで台無しになるもの。(言い出した言葉は絶望感が深いが、さっき出来上がった前例から行動は無駄ではない事を知っている。言い終わるか終わらないかぐらいのタイミングで、さっさとごちゃごちゃの山を崩し始めた。(ダイス4以上で手袋か毛布を発見。以降手紙は無視。)) 2009/09/26 (土) 23:57 ◆ ダイス :1 2009/09/26 (土) 23:57 ◆ ゾンド :(でかいだけの木箱とか、破けと解れの著しいお古の軍服やらを退けて探るけれど、まだ手応えも手掛かりもないようだ。) 2009/09/26 (土) 23:58 ◇ 黒髪の子供 :(謝らずとも、といわれてなんとなく喜んだような雰囲気が伝わっただろうか。相手と同じく表情を変えるのがあまり上手くなく、微弱すぎる微笑だけが顔には浮かぶ。)はい、精霊筒。・・・でもこれ、むりやり多い。中入る、嫌です。・・・・・・まだオヤスミ、(その武器をぺし、と叩いてみたものの、当然そのぐらいで揺らぐ封印ではない。嫌だと一蹴してはみたが封印を解く気もないようで、興味は件の探し物へと移る。)毛布、古くても、よごれても、冷たくてもいい。手袋は、みっつ、あるといい。言ってます。(ゾンドが確認に繰り返した後の単語は、真似をして正しいものに変わった。動きも真似をして、それっぽい物を探しにごそごそやり始める。―――この子供に説明した傭兵たち・・・の、更に前に説明した担当者の話によれば、森の中で活動する為の軍手の余りがいくつかあるはず、とのことで。毛布に至っては探して来いと言われただけで、本当に此処にあるのかどうかも不明なのだった。) 2009/09/27 (日) 00:09 ◆ ダイス :1 2009/09/27 (日) 00:09 ◇ 黒髪の子供 :(端を見つけてひっぱりだしたのは、袋は袋でも手の形はしていない、巾着袋だった。振ってみるとカチャカチャ音がするので中身も探し物ではなさそうだ。元に戻して、別の物へ。) 2009/09/27 (日) 00:11 ◆ ゾンド :金属イオンは……動物細胞にとってあまり居心地の良い素材ではないから……金属片を奥歯で噛むのを嫌悪する種は、だいたいそう……だと、思う。(鉄分を酸素運搬に使う種族がほぼ地表の全土を覆っている世界において、金属がどうのこうのな説明は実の所正解からはほど遠い。話の噛み合わせについてもまた、同様だった。)品質を問わずに、毛布であればいいのなら、この倉庫にしても当てはあるかも。もともと、小さな備品ではないから、山を削っていけば、まだ可能性は低くない。(向こうの少年の腕力を考えて、こちらはだいぶ大きめの備品から切り崩しにかかる。軍手に至っては、あまりに古いものだったら指の内部が昆虫や黴の巣窟になっていそうだが、そんな傍迷惑なオプションは考えないようにした。この要塞に居て長い兵士であれば、解決策を知っていてもおかしくはないと希望的観測を抱いて。)尖った金属部品も多いようだから、迂闊に手を切らないように。 2009/09/27 (日) 00:19 ◆ ダイス :4(手紙発見) 2009/09/27 (日) 00:19 ◆ ゾンド :(ひょっこりと顔を出したのは、毛布と言うよりもなんだか、べっちゃりと湿った生地の塊だった。よくある絨毯の仕舞い方のそれのように、棒状に丸められているようである。綴じてある丈夫なロープに手を掛けて、引っ張り出す。意外とスムーズにそれは取り出されたけれども、空いたスペースに詰まれていた雑貨が怒涛のように押し寄せて、たっぷり埃と黴臭い空気を巻き上げた。)一個は、確保。これでいい?( 2009/09/27 (日) 00:22 ◇ 黒髪の子供 :金属、へん?噛む、フォーク、スプーン・・・わからない。アナタは、嫌?(食事マナーのなっていない者たちの中で生活している者は、齧る金属と言えばそれだと結びつけて首を傾げる。自分で、ゾンドの示したような経験はないようだ。)毛布使う、寝る、ではない。のです、て。(相手の少年兵が気遣って大変な役割を選んでくれたのには思い至らず、作業を続けながら呟いた。眠るのに身体を包むのではなく緩衝材のような役割にするらしい、という長い説明は己の言葉に自信が無いので行わず――取り出したものは丁寧に、掌の上に這い出てきた黒くて艶々した小さいのはぽいっと床に放って作業を進める。暗所であることは何ら問題ではなく、尖ったものなどは視認できていたが、手の動きはとても注意しているようには見えないだろう。顔と同じく、指の細部を動かすのも得意ではなかった。)剣、槍、矢、怖い。けれど、切れるないです。―――大丈夫!(自分は手を切らないのだと主張していたら、ゾンドが布の塊を発掘した所だった。顔を向けて元気に言い切ったのは主張の続きのようになったけれど、彼が訊ねたことへの返事だった。動作に慣れ、頷きは最初にやったのよりもスムーズに二回。) 2009/09/27 (日) 00:32 ◆ ダイス :2(手紙発見) 2009/09/27 (日) 00:33 ◇ 黒髪の子供 :こっち、ない・・・別の場所?(自分も、と意気込んではみるものの、毛布に比べても小柄な獲物はまだ見つからない。どうしたらいいかと改めて周囲を見渡してみて、これもまたゾンドがしていたのを真似して首を傾いだ。) 2009/09/27 (日) 00:35 ◆ ゾンド :できることなら、避けたいことだけれど。とても、すごく、神経が掻き乱されるから。(実際に経験があるか無いかで言えば、剣で体を貫通された事まである少年の言い分としては肯定である。嫌悪か好感かで言ってもまた然りだ。とりあえずの収穫を、まだしもスペースに余裕が残されている出入り口付近へ立て掛けて、そして次の捜索へ)湿気を吸っているから、だいぶ重量が増している。これをひとりで、あなたは運べる?(子供からは目を離せるくらいに距離を開けての探し物だから、少年の手際がどうであるかは、せいぜい立てる物音で区別するしかない。従って彼の手先が器用かどうかの判別は、全くと言っていいほどできていなかった。)もし切ってしまったら、すぐに言って。ここはあまり衛生的な場所ではないから、消毒は急ぎたい。(手袋は流石に小物で薄っぺらい。このまま手作業で仕分けしていても、どうにも効率が悪いようなのだ。)どうしよう……。………あなた、繕い物は、できる?針と糸があれば、もっと便利だけれど、無ければ、借りられないだろうか。優先は、針。(指先の作業に自信のなさそうな者を目の前に無茶な要項ではあったが、一応手元にある細々とした、ゴミ寸前の物品だけでも他の方法を思い付いたらしい。) 2009/09/27 (日) 00:47 ◇ 黒髪の子供 :(経験ありの人の言葉は重く受け取って、会話の内容の割には深刻そうな深い深い頷きをした。神経というのがどういったものか実は己にはよく分からないのだが。)・・・・重い、ですか?・・・でも、魔力は心配ですけど、増えればできる。きっと。(自信がないらしい。心持ち困ったような声を発して考え、後に続くのはこの子供が人間種ではないことを教える内容だった。増える、と容易ではないはずのことを軽く言ってのけ)切れない、傷ない。大丈夫です。魔法ない、ワタシは切れない。(怪我云々に関しても唱えるような口調で一押しする。)針、借りるは、要塞できる言ってた。カンリカンです。・・・・・・でも、縫えない。やりかたわからない。困った・・・(重い物を運ぶのもそうだが、細かい作業はもっと自信がなかった。否定の時に首を振る、という動きには思い至らず、前にあった木箱を押しのけながら口だけで返事を行う。失礼だと思えるほどの経験も持ち合わせがないようだ。) 2009/09/27 (日) 00:59 ◆ ダイス :2(手紙発見) 2009/09/27 (日) 00:59 ◇ 黒髪の子供 :・・・・ない。しかたない。言えば、いいよって言います。皆いいひと。まず毛布持って帰る。手袋、もいちど、要塞のひと聞く。(少しばかり重かったそれを動かして――その奥にあったのが目的の代物ではなくテントを固定するのに使う杭の束だと分かれば、あからさまな落胆は表面に出さずにぽそりと言葉を零した。ゾンドに向き直り、今度は自分の発言を確定するのに頷く。) 2009/09/27 (日) 01:04 ◆ ゾンド :借りられるなら、すぐにでも……いえ、ちょっと、まだ、戻るのは、いい。……これなら、大丈夫…、かも……。(何とか使えそうな備品を思案して、思い当たったものがある。ついさっき、うっちゃっておいた箒を取りに戻って、先端のごちゃごちゃした竹の寄せ集めを眺めた。指先で縒りを戻したのは、竹を閉じるための細い針金の部分。何度も折り曲げを繰り返せば途中からぽっきりと折れて)あとは、軍服と、剣……は、錆びてても、いいか。(このぐらいならまだ、雑巾にでもすれば大活躍しそうなぼろの軍服を、錆び付いた短剣で削ぎ始めた。)手袋のみっつくらいなら、自作できると思うから。あくまでも、理論上。……切れ味は、致し方ないか。(実技経験は無いと言外に零しながらだが、手早く出来上がったのは、軍手と言うよりも鍋掴みの意匠をしたそれ。二枚組みで閉じあわせる計6枚の布切れを、更に軍服の生地を解いて縒った粗雑な糸で縫い合わせてゆく。針の代わりになるのは、箒から拝借した細い針金だ。尻を丸めて、糸が通せるように出来ている。)ごめんなさい。もう少しだけ、待ってて。(針子には遠く及ばない、むしろ不器用に近い子供だったが、出来栄えに目を瞑ればそれなりの物を仕上げる自信はある。机上の空論も、たまには物質となるのだ。) 2009/09/27 (日) 01:11 ◇ 黒髪の子供 :あ――?(まだ未練がましくその辺りをうろうろしていた子供だが、ゾンドが何かし始めていると気付くと近づいていって、彼の近くにしゃがみ込んだ。作業工程を眺め、出来上がっていく手袋に甚く感心して目も口も丸い。その顔のまま、作業の邪魔にならないようにしているつもりの小声で問いかける。)すごい、すごいです。カンリカン?それとも、傭兵?(・・・そういう作業をする人を他に知らないのだった。言い終わっても口がもぞもぞしているのは笑おうとしているのだが、なかなか上手く行かない。)ワタシ、待つ、できる。・・・・アナタ、お仕事ない?(心配事は、気長な待ち人たちではなく隣の彼のほうだ。最初に自分の仕事は終わったと言っていた相手だけれど、探し物で結構な時間を食ったから、まだ暇とは限らない。) 2009/09/27 (日) 01:21 ◆ ゾンド :管理官と傭兵は、同僚に居るけれど……?用事があれば、かれらに言付けておくから。(あまり親身とは言えない、気合いの入っていない返事を応じては、貫通し辛い針もどきの駆使に悪戦苦闘を続ける。それでもやはりモノが小さいためか、時間さえ掛ければ出来上がるのだった。完成したのは正しく鍋掴みそのもので、実に子供の図画工作らしい物体である。これを百戦錬磨の傭兵が実戦やら何にやらに使うとなれば、それこそ五分で崩壊しても何らおかしくはないような代物だ。)今日のノルマ……と言えるだけの成果は、上げられたと思うから。あとは明日の朝礼かそれ以外の機会に、別の新しい任務を受けるまでは心配はない。(本物の生活管理官であれば夜を過ぎてからが本領の発揮だろう。この少年はあくまで分類が正規兵なので、年上の古参兵から用事を仰せ遣われない限りフリーの身分を許されている。さっさと寝てもいいのだが、体を落ち着ける場所を探すのにも難儀するような、そんな押しの弱い子供だった。)はい、これで、手袋が左右合わせて六つ。完成。サイズは分からないから、合わなかったらごめんなさい。(出来上がった鍋掴みを両手に乗せて差し出した。) 2009/09/27 (日) 01:33 ◇ 黒髪の子供 :用、今はない、です。大丈夫、話なら、ワタシもお仕事できます。(一日の仕事は完了していると教えられれば、ほっと胸を撫で下ろした。―――ゾンドが手袋を縫い上げる間に試行錯誤した結果、こちらは笑顔が完成していた。不自然さは残るが、まあ人見知りだとかで言い訳ができそうな、感謝を表すにはどうにかなりそうな顔である。差し出された手袋を、物を探していたときよりも丁寧な手つきで受け取る。)ありがとう。とても、助かりました。(少なくともこの少年の判断では、持ち帰るのはこれで問題がない。数を確認して何度も頷き重ねて纏め)・・・アナタ、名前は?(訊ねた後、ごそごそと漁るのは倉庫の棚などではなく、服のポケット部分。探し物を見つけると、指先で摘まむのではなくしっかり握り拳にして手を引き抜いた。その手はゾンドの掌へと。)これ、あげる、ます。もっといっぱいがいいけど、これしかないから、申し訳ありません。手袋と交換、です。(申し訳ありません、はどこかで聞いていたのか大変綺麗な発音で、いっそ滑稽に聞こえるだろう。この場の空気と同じ温度の手から相手に押し付けたのは、紙に包まれた溶けかけの蜜色。補給用の小さな飴だった。) 2009/09/27 (日) 01:44 ◆ ゾンド :(笑顔というものに心当たりはあったから、自分の行為によって何某かの進捗が生まれたらしい事に確証を得ることができた。面前に浮かんだまあるいほっぺに右の指先を伸ばして、避けられなければその頬に触れ、ふにふにと触ろうとするだろう。)なまえ?名前……、ゾンドと、申します。これ……なあに?植物の、肥料………??(菓子から茶から酒を含め、嗜好品には過去一貫を通して全く縁のない子供は、とろりと溶けかけた丸い半透明の珠を見て、かつてエンデュミリオンの庭園で扱われていた固形肥料を思い出したのだった。物々交換も知識としては知っているから、抵抗無く綺麗な珠を受け取る。ズボンのポケットに仕舞っておいたって、自分の体温はそう気温と変わらないのだ。これ以上溶ける心配は杞憂の筈だと思って、自分の荷物を取りに動いた。二つの手紙束を重ねるように、手に持つ。)あなたの集合場所さえ教えてくれれば、毛布の運搬も引き受けるけれど。 2009/09/27 (日) 01:55 ◇ 黒髪の子供 :・・・?―――ゾンド、ありがとう。(ゆっくり、時間をかけて再度感謝の言葉。上手く笑えているのかは写して見る物がないから分からなかった。触れられると、修正でも施されているのかと思って少し心配になるが、そんな変化が出る顔ではなかった。抵抗なく触られている少年の肌は、体温が外気とまったく同等であるのと、この土地で過ごしているにしては滑らかなことを覗けばまるきり人間の物と感じられるだろう。)それ、菓子と聞いた。甘い、子供好きだろ、って・・・でもワタシ食べれない。持って帰る、は、ふたっつにしないとレースとローにあげれないから、駄目。(たどたどしい説明は、さっきまで相手の時間を気にしていたにしてはスローペースだった。発音の危うさを自覚している故なのだが、要は「貰ったけれど自分には不要だから」と言い切って、立ち上がった。)あっち、井戸のところで待ち合わせ。来てくれる、とても助かる、ます。(手袋は落とさないようにとしっかり抱えて、毛布の方へ。ついさっきやっと出来上がった笑顔でゾンドの申し出をありがたく受けることを伝えつつ、努力はしてみるつもりで、湿った布に手を伸ばした。)ワタシは、イア。傭兵です。あんまり長く、要塞いない思うけど、よろしく、お願いします。(飴の説明に気を取られて自己紹介を返していなかったと気付けば、振り向いて告げる。相手の名前と同様、自分の名前を扱う時は異常なほど慎重な、ゆっくりとした口調。名前を重要視する性質なのだ。) 2009/09/27 (日) 02:14 ◆ ゾンド :甘いものなの?食べられるもの、だったの。ありがとう。甘いものって、味があるの?(飴の味覚についてもまだ曖昧な方だ。物体の仔細をあまり注意深く視認していなかったせいだが、この先にも何か役に立ちそうな物資は、その正確な情報も含めて、有難く拝領しておく。柔らかい肌の感触を確認する動作はむしろ、珍しい食料を見付けた死体漁りの禿鷹がよくする仕草だったが、大きいほうの少年にとっても禿鷹など見た事も聞いた事もない生き物。つまりは本能的なそれだが、流石にここで齧り付くような真似にまでは至らない。)肌、きれい。ちゃんと栄養を過不足なく取ってるみたいで、安心した。(漸く立ち上がったコートの少年は、あくまで手紙束を大事に抱えながらも、湿気った毛布も脇に抱える。先端あたりをイアが担げば、重量比として丁度いいくらいか。扉を空ければ、すっかり雷鳴はどこへやら消えていて、雨を除いた暴風だけが叩き付ける嵐の夜が続いている。慎重そうに名を告げる唇の動きにも、特に深い考察はしないまま)井戸……井戸は二つあるから、イアに主な方への案内を頼みたい。待たせていたら悪いから、急ごう。(この歳で傭兵というのも無謀な生業であると普通の神経の人間なら悲鳴を上げる所だが、その辺こちらも無感傷で頓着が無いのだった。ただ、吹き荒ぶ突風で手紙束を飛ばされる心配に最大限心の余裕を割きながら、一路井戸への道を辿る。) 2009/09/27 (日) 02:28 ゾンド【退室】 (2009/09/27 (日) 02:28) ◇ 黒髪の子供 :甘い、味ではない?・・・疲れたとき、舐める、いいと。・・・薬?(こちらもまた、味覚だの食べ物だのには疎い。人に渡しておきながら詳しくは知らないと言ってしまう事を咎める者はいないので、疑問は対象物に対してだけ。揃って首を傾げることとなる。)ごはん、ちゃんともらうから――上手くできて、ます。魔力の供給、姿作るのに、大事です。(褒め言葉を受けると、普通ではないちぐはぐな解釈をしながらも会話を成立させた。触れた毛布が濡れていようが汚れていようが、僅かほども嫌がったり面倒がったりせず、ただ重量には困惑しながら持ち上げる。)本当、重い。急いで、早く休む、ます・・ましょう。道、あっち。(言いながら、左手首にある鮮やかな水色の紐に目を向けた。複雑な結び目は解けそうにもないが、この姿を保つには不可欠なそれを気にして更にきつくするようにひっぱり、ようやっとの折り返しの道を二人で急ぐ。―――子供をお遣いにやらせて井戸の横で待っていた傭兵たちは、三人が全員体格のいい男で、異種だった。はいこれと差し出された手袋にもむしろ面白そうな反応をする彼らは、朝が来ればすぐに哨戒へと出て行くことだろう。その横にいるのは少年兵ではなく、黒い生き物の姿をした精霊だ。) 2009/09/27 (日) 02:45 黒髪の子供【退室】 (2009/09/27 (日) 02:45) HIGHLAND FORTRESS 峠の要塞(閉鎖しました) http://h-f.sakura.ne.jp/kariken/index.html BACTERISM MATRIX http://bacterism.matrix.jp/ PCキャラページ http://tryx-quad.sakura.ne.jp/zond.html