題名:東の軍港から 登場隊員:ゾンド・ナコト(ドゥーレル軍港要塞) ゾンド【入室】 (2009/10/25 (日) 21:36) ◆ ゾンド :(オル・ベッテを離れて、徒歩で街道を進むこと約一日半。前線とはそこそこに離れた要塞だからか、ここドゥーレル軍港要塞では明らかに一般民間人然とした人間も多く見かける。軍人のライフサイクルとはあまり関係ないながらも、今日は休日である日曜とあってか、軍港の大通りではその灯火も賑やかに、沢山の夜店が並んでいた。どうやら、昼間には市場が形成されていたらしい。目の前で水揚げされた新鮮な魚介類をそのまま焼き上げた串焼き等の香ばしい香りやら、陽気にどこぞの民謡をがなり立てる酒臭い酔っ払いの集団やらが通りを狭しと占拠していて。全く、前線のオルベッテとは雲泥の違いがあった。)…………………。(人間の生気が溢れる絢爛な夜店街からは少しばかり離れた、波止場の一角。自分のがま口を細めに開いて、内容物を確認する人間が一人分居るが、少年の本来の用件は人待ちだ。エンデュミリオンに繋がっているウォールームは、流石に昼間の間は人間が勤めている。要塞の職務が一段落するこの時間帯まで、この軍港で時間を潰していたのだが。) 2009/10/25 (日) 21:37 ナコト【入室】 (2009/10/25 (日) 21:38) ◆ ナコト :(食べ歩きというものは実に行儀が良くない。知的か野蛮かと問われれば間違いなく野蛮の側に分類されるだろう。しかし三欲のひとつに抗うということは人の形をとっている以上、非常に困難。それが今まで贅沢の許されない苛烈な要塞であったならば尚更だ。故に、これは仕方のないことなのである。―――…長々と言い訳をしたが、わかっていただきたい。)もぐもぐ…、…すみませんゾンド君…お待たせしてしまったようですね…。 『お詫びの印ニ、ゲソ串は如何デスカ?』 (人待ちをしている様相の少年に声をかけたアルケミストは串を咥えていた。いつもの無表情は崩さずとも、食べる手は止まっていない。すみませんと言いつつも反省の色が皆無な状況で、背後に控えた鋼の巨漢が少年に串を差し出す。イカの足らしきものがこんがり焼かれて香ばしい匂いを放出している。) 2009/10/25 (日) 21:45 ◆ ゾンド :大丈夫。(謝罪の気持ちは受け取ったけれど、自分としても待ち時間なんてものはほんの軽微で、実質五分もなかった。返事はとても短く済まされたが、怒りは篭っていない平静なもの。鎧姿のひとから差し出されたゲソ串を受け取りはしたが、まずそれは珍しいものを眺めるように四方からよく観察されて、ふと何か思い付いたかのように、静かに言葉を零した)それだったら、ちょっと買い物してゆく?何か珍しい物があれば、皆へのお土産になるかもしれない。前線では余裕がなくて、給金を遣う機会がなかったから、あまり溜め込んでばかりも地域経済に悪いだろうし。(手に持つゲソ串の焼き上がった足先で、夜店の集まりを差す。) 2009/10/25 (日) 21:52 ◆ ナコト :…お土産ですか…。…正直なところ、未だにエンデュミリオンの温かい寝床でのうのうと過ごしている彼らには分不相応かと思われますが…―――(串を咥えながらジト目で鼻を鳴らし、そんな誰に向けられたものでもない嫌味を言った後…思い浮かぶは、一人の少女の姿。)―――…まぁ、それはそれで良いでしょう。作戦任務中とはいえ、ちょっとした息抜きは必要ですから…。(買い物に付き合うと返答。背後で鋼鉄の巨漢が『素直じゃナイデスネ』と呟いたが聞かなかったことにする。)……それより、食べないのですか? 今のうちに美味しいものを食べておかないと、前線でひもじい思いをした時に後悔しますよ? …バルディッシュ、次は焼きモロコシです。 『了解シマシタ。購入して参リマス』 (食べ終えたゲソ串をゴミ箱に棄てると同時に次なるターゲットの確保にゴーレムを向かわせた。半ばヤケ食いに近い状態で、そんな問いかけを隣の少年に投げかける。) 2009/10/25 (日) 22:01 ◆ ゾンド :いい暮らしという点はそうだけれど、本人も望んでいない例が多いだろうから、彼らの慰安の為にも、何らかの刺激は必要だろうと思う。(特に意味もないようでもあるが、答えられた結構な辛辣さを持つ言葉にも律儀に応じて、少女の付き人が零したツッコミも平然と聞き流した。相槌は打ったのでまんざら無視でもなく、理解の深いバルディッシュに労いの言葉でもかけてやりたかった位だ。)ん、じゃあ、食べる。………ちょっと向こうまで歩こう。(これを食する際の正式な作法など分からないから、ともかく足先の細いほうから順に口に含んで咀嚼する。素朴で甘辛いタレが、オル・ベッテの粗末な食事とも、エンデュミリオンのやたら豪勢な食事とも違い、新鮮で好ましく思えた)暗いから、舟の係留索に気をつけて。足をつまづかせて海に落ちたりとか、しないように。 2009/10/25 (日) 22:10 ◆ ナコト :……まぁ、確かに彼らが悪いのではないと理解していますが…ちょっと言いたくもなるものです。…今のは忘れなさい。(少年の弁護の言葉に少々言い過ぎたかと反省する。確かに誰が悪いというわけでもないのだ。しばらくの間の後、ゴーレムが購入してきた焼きモロコシを齧りながら少年に着いて歩く。注意を促す言葉には、再び軽く鼻を鳴らした。)…見くびらないでください。ゴーレムに守られていたとは言え、これでも幾度となく前線に出撃した身…そんな無様な醜態を晒すわけが…ッ―――っと…ッ!?(言った瞬間つまづいた。バランスが崩れ、そのまま傾いて海へと転落…―――する前に、ゴーレムに首根を掴まれクレーンゲームのように定位置へ戻された。コホンとひとつ、咳払い。)―――…ありません。見くびらないでもらいたい。(それでもキッパリと言い切る姿には、迷いは存在しなかった。)……それで…お土産というのはこの先で販売しているのですか? 2009/10/25 (日) 22:21 ◆ ゾンド :(少女の言葉にはいつものように、気迫のようなものというか高圧的な態度が混じっている。今まで知り合えた人物の中でも、こういったタイプの人間にはあまり出会った覚えがなく、これも新鮮だ。体半分が防波堤から落ち込んで、あわや海に落下してしまうという瞬間まで、少年は串焼きを口に含みながらぼんやりと眺めているだけだったが、こうして無事に助かって健気に抗弁するのだから、問題はあるまい。)さっき、少しだけ歩いたのだけれど、これらゲソ串などの食料品を売る夜店の中に紛れて、生活雑貨を売る店も存在していた。顧客は主に現地民のようだけれど、東特有の品物も数多いから、探すだけでも収穫はあると思う。(夜店街の最末端。先発として目に入ったのは、小麦を練った生地に野菜や肉や子魚を挟み、大量のソースで味付けした鉄板焼きだ。それに随伴するように薪や炭を売る店が繋がっていて、直後にはノコギリや手斧を売る出店が来る。あれこれの店舗がごっちゃに入り混じった風景は、流石に生命力の溢れる東区といった所か。)もう少し行くと、小物や装飾品を売る店があったはずだから。 2009/10/25 (日) 22:31 ◆ ナコト :……なるほど…個人的にも興味がありますね。…我々の配属された地はあまりにも辺境すぎて、こういった文化に触れることはありませんから…―――…バル、あれも確保です。 『食料品データ照合完了。“オコノミヤキ”デスネ。購入を開始シマス』 (少年の言葉に頷いて返す。待ち合わせの場所に到達するまで色々なものを見てきたが、まったく未知な存在も周辺の出店には存在していた。待ち合わせに遅刻するまいと心がけていたため、そういったところでの情報収集は諦めたが…これからはゆっくり見て回る事ができそうだ。)……ふむ……ふむ……、…こういった乱雑な店舗の配置もおそらく何か意味があるのでしょう…(ふと見遣れば、色とりどりのヒヨコを販売する出店の隣で焼き鳥串を販売している出店が展開されている。この配置にもおそらく東区的に何らかの意味があるものなのだろう。その意味を理解するには時間が不足しているが…)……お土産にはそれらの方がいいでしょうね…。……そろそろでしょうか? 2009/10/25 (日) 22:43 ◆ ゾンド :それ、オコノミヤキ、っていうの?とても興味が惹かれる。炭水化物と菜類、タンパク質が一度に取れて、素晴らしく効率的。あなたが選んだのは流石に正解に思える。(前線では給金こそ少なけれ、使う用途も限定されすぎていた。今の資金の元手こそ大した額ではないが、こういった安物を買うくらいなら何て事はない金額を溜めている。こちらのゲソ串も、あとは太めの部分が残るだけだ。たった今食べている最中のものを無駄にするつもりはないので、食料の購入はもう少し先になるだろう。)配置の理由というと……客足を末端まで流すためとか?意外と彼らも、用地確保の先着順という生存競争に即した他愛のない理由かもしれないが。実際には、その両方といったところか。(こぶりなイカの胴体を焼く店舗と、その隣で魚の形をした、どうやら内部に甘味が詰まったワッフルを売る店が隣在し、客の奪い合いに眼光を鋭くしている様子を通り過ぎて、少し。)もうすぐ………だった。まずはここに一店。……我々の未知な位置に存在する店が、奥にもまだ在るかも分からないけれど。(三人が進む左手に見えて来たのは、小物屋というか、食器屋だった。銀のスプーンやフォーク、色とりどりの装飾が施された小皿等があり、中には東区特有の食器、竹で作られた二本の綺麗な棒……ハシなどもある。その隣には、何の変哲もない材木屋。東原産の珍しく軽く、そして強靭な木材を美しい角柱材にしているが、色気といったものは全くない。) 2009/10/25 (日) 22:58 ◆ ナコト :もぐもぐもぐ……うん、味も悪くないです。これはヒモトから伝来した料理であるようですが、なかなかにレベルが高いですね。けふっ…―――…失礼。ちょっと食べ過ぎましたか。私とした事が…(既にゲソ串、焼きモロコシ、お好み焼きと平らげている。満タンになった胃袋が空気圧を発した。そろそろ食べるのは控えておこう。太る…ということは任地的な問題でないだろうが、逆流して無様な醜態を晒すことだけは避けなければならない。)……キミの見解はそうですか…、…ふむ…それも一理あるかも知れません……(続く食べ物関連の出店にも一応目を通しておく。このドゥーレルは東区へ帰還する時も通過するのだ。次食べるものを決めておかなくてはならない。…少女の割には、甘味関係に示す興味はやけに稀薄だったが…)……生活用品店ですか…。…見た目にもそこそこですが…食器類でリオが喜ぶかどうか……(珍妙、と評するに値する皿の絵を眺めながら呟く。可愛い…とは言えなかった。―――その一方、ゴーレムの方は材木屋に意識を集中させていた。コンコンと鋼の指で材木を叩きつつ…)『セシリア様が頑丈な箒の原材料を探シテイマシタ。コレハ…なかなか良いかも知レマセン…』 2009/10/25 (日) 23:11 ◆ ゾンド :ヒモトの……でも、これはもしかするとアレンジが著しいかも。オリジナルが見たいものだけれど。(ここからの地理的な距離とか、オコノミヤキとやらに使われている食材諸々を勘案しての発想だった。あれこれを次々と平らげてしまう少女を見ていて、意外と大食なものだと感心していたが、どうやら初動の瞬発力が高かっただけのようだ。不覚にも胃に混ざり込んでいた空気を口から追い出したのに、無感動にゲソ足を食べる速度を早くする。自分もあれをやらなければ、何だか失礼に思えたから。)それに食器類は、重いし、かさばってしまうもの。(かくいう自分もバルディッシュとは波長が合うようで、やはり材木の品定めの方に足が動いていた。セシリーへの贈り物というか、彼女にはこの夜店の在り処を教えるだけで、もう全速力で駆け戻っては来はしないだろうか。ともあれ)店主さん。シラカバはありますか?ほんの少しの、切れ端でいいのですが。『あいよお坊ちゃん!まいどおぅ!お仲間にも教えてやんな!』……ありがとうございます。(へこりと頭を下げる。気さくな人柄の威勢のいい店主だが、どうやら虎の獣人なので、正確な歳は分からない。せいぜい30×5×5cmを越えないくらいの角柱に加工して貰う間に)バルディッシュも何か、中にいいものはあった?……これはちょっと…ある程度は自分用だけれど。 2009/10/25 (日) 23:25 ◆ ナコト :……それは海を渡るしかないでしょうね…敵前逃亡扱いになってもいいのならば、今からでもできますけど……(それは冗談。ともあれ、美味であったのは事実だ。満腹となった今はお土産の選定に専念している。食器類は…やはり問題点が多い。)……やはり、年頃の女性と言えば装飾品の方が好ましいと推測されます。それらを取り扱っている店舗を探しましょう…(そう決意。食器類から目を離し、他の二人…一人と一機と同じように材木へと目を向けた。別にレアメタルでも何でもないこれらには魅力を感じなかったわけだが…なんとなく。) 『エエ、この木材は有効活用可能と返答デキマス。…シカシ、現時点での購入は今後の移動に支障を来シマスノデ、購入はオル・ベッテ帰還時とシマショウ。』 (とある木材をセンサーで魔力伝導率や硬度、加工難易度などと計算した後に少年の問いかけに頷いた。が、箒にする分の木材を持ち運ぶにはこれから色々と邪魔になるだろう、と。) 2009/10/25 (日) 23:36 ◆ ゾンド :(軽い冗談のつもりだったらしいが、こちらは尤もらしく頷きを返す。自分等はヒモトの位置も方角も知らないのだし、第一向こうはたしか、今現在サコク中ではなかったか。)そう。有用なものが見付けられて、良かった。では購入は、また次の機会に。『坊ちゃんは運がいいぜ。シラカバは北にばっかりしか生えない木だ。仕入れているのはウチぐらいのもんさ。そこな鎧の兄さんもまた今度な!それは予約品にしとくぜー』(獣人の手から材木を受け取り、代金に工賃を加えて渡す。合計で銀貨を4枚はやや相場より高額だが、感謝の意も込めている。)では、もう少し先を探ってみようと思う。(二人と一機が知らぬ位置、通りを挟んで材木店の反対側に位置するのが、魔石店であった。主にエビやイカ釣り用の漁具である、魔光石の塊が並べられている。魔力をこれらに篭めることで、任意のままに光を発せられる仕組みらしいと店主と客は口々に言うが。美しい宝石や光り物は女性はおろか男性にも通用するものだが、流石にこれらは漁具。業務用品だけあってバカ高かった。) 2009/10/25 (日) 23:47 ◆ ナコト :……シラカバ…聞いたことはありますが、他の木材とどう違うのか…。…ゴーレムの部品には使えなさそうですね……(少年が購入した材木をジト目で凝視してみるも、違いが良く分からなかった。魔導の関係とは縁遠い品物だ。知識としては人並み、もしくはそれ以下しかない。店主の言葉にゴーレムは『アリガトウゴザイマス』と律儀に頭を下げ、少年の後について次の店に向かった。その店の商品へと目を向ければ…アルケミストは目の色が変わる。)―――…おお…これは…なかなかに…。…うん、素晴らしいですね…我々の開発する魔導兵器とは違い、一般普及した魔道具ですか……。…ほう…釣り糸を媒介に魔力を伝導させて発光…魚を誘き寄せる仕掛け…、…考えてますね…―――(次はアルケミストが忘我の境地に入る番だった。店の前をせわしなく右往左往しつつ、魔光石を加工して作られたルアーという釣り用具を拾い上げては唸りを上げる。見た目の美しさよりも、その機能性に心を奪われたようだった。あまりよくない部類の目つきの奥、瞳が光り輝いている。) 2009/10/26 (月) 00:01 ◆ ゾンド :けっこう、面白い性質を持っている。性質というより、成分だけれど。(購入した理由は色々だ。これから戻る要塞での、暇潰しにも兼ねている。包装もされていないそれを小脇に抱えて、注目するは次の店。店の奥に陣取る巨大な魔石は、流石にこういった若年衆にとって給料の三か月分が飛ぶくらいの値段が付けられている。迂闊に近寄りがたい空気すら纏っているが、ここに集う筋肉隆々の漁師達には必需品らしく、意外に商談の手が多い様子。…脇でなにやら、確かに綺麗な小物に心を奪われているアルケミストに近寄り、横から彼女の手元のルアーを覗き込んで)錘?綺麗ではあるけれど、釣具に興味を示すひとは、あまりいないと思うけれど。要塞の中に、釣堀があったようにも思えないし……。(ふと後ろを走った気配に振り返ると、自分より頭ひとつ分位ほどは小さな子供たちが、ドライフルーツを手に走り去っていく所だった。あれが俗に言う、スイーツというのだろうか。甘くて日持ちのする南国果実の干物なら、いい線だろうか。目でそれらの出店を探すと、通りの三軒奥に発見する。) 2009/10/26 (月) 00:09 ◆ ナコト :(買うとしても、これはプレゼント用ではない。否、プレゼントにならない。)…いえ、これは自分用です。こういったものから新しい兵器のアイディアが浮かぶこともありますからね。…店主さん、これを頂けますか?(結局、給金を大幅に削って魔光石ルアーを購入した。魚の形をした其れは、大気中に散在する微量の魔力に反応し現在でも薄ぼんやりと光を宿している。それを胸ポケットに丁重にしまった。)………。…装飾品でも良いですが…ああいったものでもいいかも知れませんね…。…年頃の女性と言えば、甘味に目がないものらしいですから…。(どうやら現在思考は少年とシンクロしているらしい。先の子供たちが走ってきた軌道を計算すると出店は簡単に見つかった。其方の方へと向かうとしよう。) 2009/10/26 (月) 00:18 ◆ ゾンド :………………。(ナコトが自腹で支払った金額は、結構な……少なくとも少年が無言で目を見張るくらいの代金であった。もし普通の用途に使うとして、魚にでも噛み千切られて持ち去られたらどうするのだろう。そうならない自信のある、よほどの手錬が使うものなのだと思って、次の店へ向かうべく通りを辿った。)それにしても、女性と限定して、お土産を探しているとは思わなかった。身近な誰かであるのだから、隊の皆に行き渡るものがいいと思っていたのだが。(そういう意味では、ドライフルーツの当てを見付けたのは幸いだった。人の波を交わしながらたどり着いた、甘い香りの漂う空間は流石に女性と子供が多く、しかも人気店であるらしい。)色々と、種類があるようだ。部隊の人間に一つずつは行くようにするとなると…最低限切れ端としても、20人分ほど必要か。(結構な量のようであるが、大きな果物を避ければそう邪魔にはなるまい。籠別に分けられたドライフルーツの山と、暫しの睨めっこだ。) 2009/10/26 (月) 00:29 ◆ ナコト :……むっ……(そう言われれば、先からそればかりだった気がする。基本的に男やもめの待機部隊…少し失念していたかも知れない。コホン、と咳払いで茶を濁し…)―――…確かにその通りですね…私としたことが失念していました。では、気を取り直して選びましょう…。…やはり、味は多種多様に揃えた方がいいですよね…?(籠から一種ずつ取っていけばいい、と提案。「試食するかい?」と太っ腹の店主に尋ねられれば「ありがとうございます」と返し、味見して選別する。一切れ、ゾンドへと手渡しながら…) 『…マスター、ゾンド様…可能でアレバ、早期の決定と購入をお願いシマス。―――…危険デスノデ、あまり本機に登ラナイデクダサイ。落下しては危険デス。』 (ふと後ろを見遣れば、ゴーレムが子供たちに囲まれて遊具化しているだろう。鋼の巨人は子供たちの知的好奇心を著しく刺激するようで、遠慮もなしに登られたり触れられたりしていた。) 2009/10/26 (月) 00:39 ◆ ゾンド :(ナコトから商品の一つ、試食用のそれを受け取って、口に運んだ。濃縮された酸味はお菓子として、もしくはお茶請けとして優れている。単純に甘いものばかりではなく、アーモンドやタピオカといった、香ばしい商品も揃えられていて、選ぶのに迷うほど品は多彩だ。)うん、美味しい。(自分の食べたものは、パイナップルリングのクォーターである。これなら分量としても適正か。)ごめんなさい、バルディッシュ。なるべく急ぐから、子供たちが怪我をしないように、あまり動かないでいて。(後ろのゴーレムがある意味で危機的状況にあるようなので、さっさと品の確保に移る。自分が選んだのは、パイナップル5つ、キウイフルーツ5つ、マンゴー5つ、アーモンドが200g分だ。店主が紙袋に包んでいるうちに、がま口から代金を取り出しにかかる。) 2009/10/26 (月) 00:49 ◆ ナコト :…キミたち、そのゴーレムが一機製造するのにどれほどの費用が必要か理解できていますか? キミたちの月の小遣いでは数百年かかっても…―――…って、聞いているのですか!聞きなさい!(スイーツの購入はゾンドに任せ、アルケミストは無礼な子供たちを払うべく説教を開始するが馬耳東風。きゃっきゃとはしゃぐ子供たちにはその声は届かなかった。しばらくの奮闘の後、店主が紙袋をゾンドへと渡すのを見ればゴーレムもようやく動き、自分の上に登っている子供たちを丁重に下ろす。) 『本機は行かねばナリマセン。またお会いした時ニ、遊んでクダサイ』 (僅かな間で一方的な友情を培われたゴーレムは子供たちにそう別れを告げ、ようやく危機的状況を脱しよう。無視されたアルケミストは相変わらずの無表情だったが、僅かに眉間にシワが寄ってヒクヒクと動いていた。明らかに不機嫌。) 2009/10/26 (月) 00:59 ◆ ゾンド :(どうやらナコトは購入をしないようなので、というか買い物の気分ではなくなってしまったらしい様子。紙袋に封じたドライフルーツを手に、安定のずれた小脇の木材を抱え直す。自分としてのお土産はこれくらいで十分だと判断し、元来た道を眺めた。)やはり、バルディッシュには、オル・ベッテに残っていて貰った方が、良かった?彼が居れば戦力としても優秀であるし、巡回に出ないまでも、要塞の修理や設営の役に立ったのだから。(不機嫌をありありと表情に浮かべるアルケミストに、淡々とした口調で問い質した。全体として、夜店の多くがそうだが、奥に行くにつれて酒を振舞う店も目立ち始める。あまり治安の宜しくない地帯で、ゴーレムと遊んでいた子供も向こうへは行かないらしかった。夜店の酒に、暫しの憩いを求める軍人の姿も少なくはない。そろそろ、要塞へ戻る頃合か。) 2009/10/26 (月) 01:07 ◆ ナコト :(元来た道…要塞方面への道を進み始めれば、ゾンドのそんな問いかけ…ふ、と軽く溜息を吐き…)……我々は一人と一機のセットで一隊員のようなものです。基本的に行動を共にしていなければ意味がありません。―――…先の子供のことならば気にしていませんよ。“普通の”子供ならああいうリアクションは当然のものでしょうから…(不機嫌なのは一瞬。後はいつもの無表情で返答する。―――その不機嫌が消えた一瞬に、羨望の表情が混じった。…それも、ほんの一瞬だったが。)……さて、そろそろ要塞に戻ることとしましょう。ドライフルーツとは言え、鮮度を落とせばその分味も劣化します。早々にエンデュミリオンへ向かうことが懸命な判断です。 『ウォールームの方も人数の減少する時間帯デス。丁度、大招門も開いている事デショウ』 2009/10/26 (月) 01:17 ◆ ゾンド :…………………。(わざわざ口に出したりはしないが、隣で歩く彼女は、無表情を貫いていられる時間が、徐々に少なくなっているのではないか。バーパジーラやイルマで出会った彼女とは違う雰囲気を纏う、むしろなんだか怒りっぽい少女に遷移しているような、そんな感覚を覚えるのだ。彼女は時に人形と自嘲するが、どうあれ互いに血肉を骨に纏った生物に過ぎない。この惑星に時間の推移がある以上、生物として生まれたならばある程度、内的にも外的にも変遷を辿るしかないのだろう。)そうしたい。温度や湿度の違いで、悪影響を及ぼさなければいいけれど………。(稀に行き違う数人の衛兵を別にすれば、夜のドゥーレル軍港要塞は実にがらんとした、人気の少ない巨大建造物だった。要塞長との面会は時を待たず行われ、バルディッシュを同伴していたとしても、ウォールームに近付く三つの軍服姿と、一機の鎧武者を咎めるような人間は誰も居らず―――。夜が明けるまでもない。電光の憚りない雷鳴の轟く中で、開かずの間の行く先は常春の楽園だ。要塞長に礼を述べると、少年からまず先に扉を潜った。) 2009/10/26 (月) 01:27 ゾンド【退室】 (2009/10/26 (月) 01:27) ◆ ナコト :(そう、変わっていく…それは己だけに限らず、このゴーレムもまた人の間で様々な情報を得て学習・思考することで変質が進んでいる。精神の成長…そう呼べる変遷は、一概に良いことであるとは言い切れない。―――上層部は、やはり“人形”は“人形”のまま…意思を持たず、ただ操られるがままに踊り続けることを求める。)……あまり時間も経ってないはずですが…なんだかやけに久しく感じますね…。…あの白亜の魔都も…なつかしい……(巨大建造物の中、開かずの間の前…アルケミストは扉に手を触れながら呟き…―――…闇が、その表情を覆い隠した。)……さて、いきましょうか…バルディッシュ…。…我々の…戦争に…… 『了解シマシタ。共に参リマショウ…ドコマデモ…』 (闇の中、一瞬の雷光が照らし出した人形たちの表情は…―――) 2009/10/26 (月) 01:38 ナコト【退室】 (2009/10/26 (月) 01:38) HIGHLAND FORTRESS 峠の要塞(閉鎖しました) http://h-f.sakura.ne.jp/kariken/index.html BACTERISM MATRIX http://bacterism.matrix.jp/ PCキャラページ http://tryx-quad.sakura.ne.jp/zond.html