題名:嗜好回路 登場隊員:ゾンド・アルツール(エンデュミリオン要塞) ゾンド【入室】 (2009/10/31 (土) 22:03) ◆ ゾンド :(外はよく晴れている、宵の口の城内一階、中央図書館。羊皮紙とインクとペンといった筆記用具の一揃えだけは異様なほどに上物で、多少なりとも目端の利く人間が見れば、それを扱う矮小な人間と比べては些か不相応にも思えてしまうだろう、そういったちぐはぐ光景だった。あまり人気のない図書館の中、テーブルの一角を一人分の席だけ占めて黙々と書き物を綴る人間は、椅子には座っていても足が床に着いていないか、それとも頑張れば爪先が着くかどうか、ともかくどうにも不安定な姿勢だ。清廉な色味の羊皮紙に書き記されているのは何か、どこかの珍しい、植物の生態だろうか。) 2009/10/31 (土) 22:04 ◆ ゾンド :(少年兵の筆記というものは、上手い下手の基準で言えばぎりぎり及第点。あくまで申し訳程度のもので、こうした後年何十年と残る図書館の書物を書き綴るにしては大層心許無い。書かれている植物の挿絵(この拙い著者の自筆である)は勿論のこと、説明文、紹介文もまた全くと言っていいほど荒唐無稽だ。棍棒を振り回し、あまつさえそれを歩脚にして自律行動するソテツ、あるいはマキビシを散布するガマ。何の事はない。自己の聞き及んだ東の食肉種について、レポート書きをしたためているのだった。―――この図書館においても、東に棲む食肉種について書かれた書籍が全くの皆無という訳ではない。ただ、記されていない新種を追加する分には、別に構わないのではないかと独り合点している。司書にも気付かれないように、完成の暁には本棚の隅へとこっそり挟んでおくつもりだが、百戦錬磨の図書館司書団にばれていないかと言われれば、甚だ自信は無かった。厚顔無恥と後ろ指を差されても、初志は貫徹させて貰うつもりでいるが。) 2009/10/31 (土) 22:12 ◆ ゾンド :(挿絵の載った一枚、推測ながらの生態と、行動様式やら全長やらの詳細分析が記載された二枚目以降と書き上がったので、羊皮紙の端に二つの孔を錐で開けた。綴じ紐を通し、一枚の冊子に纏める。そうしてまた、次の食肉種に移り―――といったサイクルが四度ほど続いて、粗方の知識は清書ができた。それでもまだ、終わったのは食肉種の分量だけだ。次にはまた別のタイプの代表格である、昆虫種のレポートが待っている。そもそも自分が面と向かって彼等と対峙した経験は非常に少ない訳だから、記載できる文章には自ずと限りがあった。仕方なしに挿絵を大きく、そして細かくする事で分量の水増しを図る。) 2009/10/31 (土) 22:41 アルツール【入室】 (2009/10/31 (土) 22:55) ◆ アルツール :(今より少し前のことだ。図書館の一角、料理本が集められている辺りに青年はいた。片手には\"西の衣装についての考察\"という薄い本を持っていた。青年は本棚の上に鎮座しているお目当ての本を探し当てると、それを手に取り、西本の下に隠すよう忍ばせる。そのまま金毛揺らしながら辺りを見渡して、目につかなそうな机を見つけるためにさまよっていた。ふぃと、見た先。テーブルの一角に小さな人影を見つけた。その勤勉な様子に、青年は興味本位で何を書いているのかと近づく。通り過ぎるだけです、と言った様なそ知らぬ顔で近づいたが、彼だがれかわかると、すばやくゾンドへ向かい) ゾンド? ゾンドだな? いや、似ている顔ならば済まない、知り合いの小さな子供に似ているのだ。 (机に片手を添えた) 君のように勤勉な子供なんだが、真坂親戚かね 2009/10/31 (土) 23:05 ◆ ゾンド :(もう知っている情報は粗方書き留めて払底してしまっていたので、羊皮紙に続ける文章も思い付かなくなっていた所だった。それでも、机に乗る片手が視界の端に現れるまで、そこに、自分の背後へ何者かが現れた事にすら全く気付いていなかったのだから、集中というよりも結果的には注意散漫に属するのだろう。緩やかに顔を上げて、まずは騎士装束の面相を確認した。輪郭や髪の色形から容易に判別がつき、彼は間違いなく知り合いで、同行部隊の青年だった。)お久しぶり、です。アルツール。(再会早々に呼び捨てではある。親戚がどうとかと聞かれても、子供姿の人間モドキは目を瞬かせるだけで、答えになるような言葉は呟き一つ漏らさなかった。)このあいだ、あなたも東に来ていたとは、聞いていたけれど、会えなかった……。向こうとここは、気候がかなり違うようだから……帰還したあと、体調をくずしたりは、しなかった? 2009/10/31 (土) 23:14 ◆ アルツール :(緩やかに首を上げた少年の顔を見、言葉を聞くに、本人であるらしい。青年は、はたと目を軽く開いて形の良い笑みを浮かべた。) ああ、ゾンドか……そういえば東からこちらにかえっていたのだったな。パーティルームの土産、少しいただいたよ、ありがとう。 (少年の回答が無いことには、青年は何も思っていないらしい。しかし、見た顔色が青年にとって意外だっただけだった) …ところで、本当に東にいったんだよなゾンド? ああ、私達も少し用事があってね。森などへは行けなかったが。あの要塞は大 (少年の後から、青年は覗き込むように出来上がりかけの羊皮紙へ目を向ける。と、内容に片眉が上がっていた。今言おうとした言葉を切り、黙る。しばし黙った後)……いや、崩しはしなかったよ。 ゾンドは大丈夫かね、向こうの森は大変であろう… (ゾンドと羊皮紙の内容を交互に眺め) 2009/10/31 (土) 23:27 ◆ ゾンド :いえ、こちらこそ。食べてくれて、ありがとう。生活管理官が後でケーキを作ってくれて、その一材料に加えても貰えるみたい。(わざわざ、食べるか、とは聞かず、後日のその甘味も食してくれるかは、彼の気分に任せることにした。甘いものが嫌いであれば奨めるのも悪いかもしれないし、作る予定があるというだけ情報を提供をすれば、彼の気が向けば食べる機会にも恵まれる筈だと踏んだ。)東…というよりは、南か。現地で取れるフルーツの乾物が、証拠品には、ならない?(こうして面と向かって会話しているのだから、文書を覗き見られるのは覚悟の上ではある。自分の手書き文字と絵に視線を落として、クラゲの怪物のような自称ソテツ種の絵を指先でなぞる)東は……要塞周辺にも時折、巡回任務に出るのだけれど……。こういう植物が、現地における食肉種だと、図と文章で伝えたかった。………見ての通り、挿絵はとても、巧みとは言えないが。…字も。(ただ、アルツールの様子がどこか微妙な空気を纏った事に、不安の色を滲ませてしまっている。) 2009/10/31 (土) 23:38 ◆ アルツール :あれはラムにつけてパンケーキに入れたら最高だろうな。どのようなケーキが置かれるのか、是非預かりたいものだよ(青年はふんわりと目を輝かせて、口元が柔らかく持ち上がっていた。今手持ちの本は\"恋するマカロン\"。大の菓子好き、甘党なのである。)ん、南にも足を?いや、東で売られていたのかな? どうだったかね、向こうの市は。(自称ソテツなぞる少年に向かい、青年は視線合わせるためにしゃがんだ。不安の色にじませる姿に青年は首を横に振って) ……いいんだぞ、ゾンド(碧眼は、むごい仕打ちを受ける哀れな我が子でも見て耐えかねた親のように、愁いを帯びていた。)ゾンドはまだ小さいのだから… 2009/10/31 (土) 23:49 ◆ ゾンド :…………………。(ラムと言えば、確か羊肉の一種だっただろうか。彼が言った二つめの固有名詞である、俗名パンケーキはよく見る食物だが、それに騎士の持つ本の題名、マカロンという物体にも聞き覚えがない。嗜好品とは無縁のまま現在生育中の身は、うっとりと顔を綻ばす騎士の顔の下で僅かに首を傾げながら、想像逞しくまだ見ぬ未知の菓子類を夢想している。)市が開かれていたのは、流石に前線からは遠いドゥーレルだったけれども、とても活気に溢れていた光景を覚えている。こちらはもう肌寒いけれど、現地の市井はとても生命力に富んでいた。(自分が立ち寄った日は、ちょうど民間では休日の夜だった。それが理由だろうか、規模も商品の質量も随分と奮発されているようであって、友人のアルケミストが散々食い歩いていた姿も記憶に新しい。)…………ありがとう。でも、どうか、お気遣いなく。自分の欠点は、身に沁みて自覚している。(温厚な声が降って来たけれど、反論はできないし、敢えてそれを正面から否定する心算もない。)これを見てくれたひとが、少しでも知識と理解を増やしてくれればいいのだから。 2009/11/01 (日) 00:01 ◆ アルツール :(ドゥーレルといえば東へ赴いたとき…同僚に向かって\"埃っぽい\"と、最初に悪態をついた場所であった。前線に向かう途中の馬の上で体調を崩し、眠れずじまいで自信喪失した筈・・・だったが魔術師の暗示でなんとかかんとか持ちこたえた・・・青年にとっては忌まわしき東である。そんな記憶もろとも市場の想像に任せて思い出していた。隈が消えた頬を、ナルシス気味になでている。その間、遠いめをした青年の碧眼は、異空間を眺めていた。)……市場なんてあったか……あったんだな…もう少し楽しめばよかったよ。 (楽しめばよいと思ったのは本心のはずなのに、顔がせりふを言うにつれ、なぜか引きつれをおこしていた。引き連れたまま首を横に振る) いや、それは欠点などではないさ。誰でもそうだと思うぞ、ゾンド。何故子供というものは…(青年は目を横に向けて考えに耽る。顔戻しておもむろに笑むと、頭にぽんと手を置こうと) 2009/11/01 (日) 00:15 ◆ ゾンド :(彼が東の街道において、一体どのような苦難の道を歩んだのかは、この少年にとっては全く皆目露ほども知らない出来事だ。アルツールが己の頬を撫でる指先を黒目の比率がやや大きな瞳孔で追うが、その表情に不調の跡は今や影も形も消え失せている。)アルツールが訪れたときには、開いてはいなかったの?となると、もしかするとだが、休日にのみ開催する定期市だったのかもしれない。(彼の顔付きといえば、それくらいの微かな頬肉の緊張は見られるものの、それは遠い目で過去の踏破地を思い出している、一人の男の姿にしか見えなかった。これも経験の少なさから来る錯覚か。)ありきたりな事しか言えなくて、ごめんなさい。もう少し、気の利いた言葉が出ればいいのに。(言い淀んだ語尾を最後まで拝聴しようと試みて、静かに騎士の視線に目を合わせつつ相槌などを加味するけれども、白く広い手が頭の上に降って来るならば、軽く顎を引いてなされるがままにされるだろう。) 2009/11/01 (日) 00:26 ◆ アルツール :(あご引いた少年の頭をワシワシと撫で回し)ゾンド。皆のためではなく自分のために、こう少し……良いのだぞ。 (散々少年の頭を弄繰り回している。ぐしゃぐしゃにした後、金毛は何を思ったか、ゾンドの頭を真ん中分けのお坊ちゃん風に手でなおし始めた)ああ、私の時には開いているもなにも、夜中に早馬借りて直ぐに立ってしまったからな。楽しむ余裕が無かったのさ。(楽しむどころかとっとと蒸し暑さから逃げたかったのだが、目の前の子はへいきそうであるから、意地だった。)何を言うかと思えば・・・(と、青年は軽く目を開いて頭から手を放す)気の利いた言葉を言う必要は無いだろうに、ここに女はいないからね。ゾンド、子供はそんなことを考える必要は無いんだ。(そして目は不憫な子を見る目に戻っている。青年はゾンドに合わせて屈んだ姿勢を戻し、休めの体制取ると手を後ろに組む) 健気に皆のためにとも思わずともよいのだ。あの地は辛いだろう? 2009/11/01 (日) 00:42 ◆ ゾンド :そう言ってくれるひとは多いけれど……実際、具体的に、自分のためと言われても……どうすればいいのか、思い至らなくて。(資金的にも知識的にも、香水やワックスといった薬品的な髪の手入れには無縁であり、頓着をしない性質だ。稀に埃を落とすため、貴重な石鹸を借り受けて洗浄するくらいのものだが、薄く艶のある少年の黒髪は妙に滑らかな手触りをしている。この星の重力にも酷く恭順で、髪の房は次から次へとしなやかに現在の髪型を維持しようとするだろう。少しばかり真ん中分けに加工するだけでも、結構な手間がかかってしまうはず)それは……おつかれさま。特別な任務だから、急ぎというのは、わかります。もしよければだけれど、今度また、日曜の夜を見計らって、再び訪れてみては?(少しばかり腰を上げ、横を向く形で腰掛けた。机の横に休めの姿勢で立つ騎士と、相向かい合う形だ。)あなたの言葉は嬉しいけれど。大丈夫、へいき。我々の様な細やかな生き物は、食われることと引き換えに、種としてこの絶対数を許されているのだから。(カビや粘菌の一端と自覚しての、この少年が本心から持っている言葉だが、あまり一般的に、倫理的な聞こえは宜しくない。) 2009/11/01 (日) 00:57 ◆ アルツール :簡単だ、自分のために時間を使いなさい。他者の思惑などくだらんことは見ず、自分の心から喜べることをするんだ。(と、せっかく分けたのに戻ろうとする髪の毛見つめながら言う。)それが仲間のために使う時間であるというのならば良いが、まだ遊びたい盛りだろう? ナコト嬢とかと遊んでみるのもいいかもしれないさ。 仕事以外で真に関係を結ぼうとするというのも、大切なものだよゾンド。(すっかり元に戻ってしまった髪の毛を見、浅く首を横に振った。東への勧めを聞くと一つ頷く) 日曜の夜か。いいかもしれない、この城は煩いときもあるが生気が無いからな。生きている心地がする場所に向かうのも ゾンドもどうだね、二回目だろうが共にいって見るかい(やはり本心なのだが、目頭がぴくぴくと引きつる。引きつれた目頭を片手の指先で押さえ) そういえば前線の近くで疫病が出たと聞いたが、皆無事であろうか? (片手押さえたまま曖昧に笑んでいた青年。聞こえよろしくない言葉を聴いた途端、貴族特有の能面のような素をさらしゾンドを呆然と見る。ぴくりと神経質に片眉をあげると、ゾンドへ。平手が頬めがけて飛ぶ) 2009/11/01 (日) 01:24 ◆ ゾンド :……………心、から。………特定の嗜好はまだ、見付かっていないけれど。いろいろ、試しているから。……絵を描いたり、とか。自分の能力をもう少しずつでも、底上げできるような練習が、自分では好ましく思っている。(手を加えられたせいであちこちが乱れた髪は、軽く首を左右に降って揺り戻す。それだけで髪が整頓する、便利な質だった。)ドゥーレルでは、ナコトと同伴で市場を散策したけれど、そういったことで、いいのだろうか?………よく、分からなくて…。そうしてくれると、嬉しい。東への任務にまた立ち戻る際に、あなたも同行してくれると、こちらとしても心強い。(後から出た情報は危険極まりない。疫病についてだが、、彼の口から出た言葉が全くの初耳だった。重大な要素を知らないまま、この場にのうのうと居る事にやっと気付いたように瞳を瞬かせる。神経の反応がやたらと鈍いこの少年に、急に振り被られた平手が避けられる筈もなく――――まだ柔っこさの残るきめ細かな皮膚では、恐らく意外なほどに鋭く高い音が鳴るのだろうが。腕の動きは瞳にだけ捕らえてはいても、声を上げる間など、ない) 2009/11/01 (日) 01:27 ◆ アルツール :(小気味良い音鳴らしてゾンドの頬に平手打ちかますと、あげた手をだらりとおとした。) ……(眉間にしわがより、口開くが声はない。暫し黙ったまま叩いた少年を見下ろし、しわ寄せて見つめたまま。ある種の無力感に呆然と) 我らは何のために、こんな貧弱な上と軍隊もどきで戦のような真似を必死でせねばならぬのか。ここにいるのか、考えなさい。 その言葉は二度といわぬように、よいな(少年の意識との食い違いにきがつけないまま、あげた平手でついたてのあとを見詰めていた。おもむろに、自分が叩いた頬に手を伸ばそうと)自然の摂理にそのようなものはあるけれども…それと一緒くたにしてはゾンド、我らは何のために心があるのかが分からないじゃないか(苦い笑み向けてひとつうなづく) 東は同行しよう。森までは疫病もあるゆえ行けないが、要塞の市場にともに行こうな 2009/11/01 (日) 01:46 ◆ ゾンド :(叩かれた部分の皮膚はまるで何事も無かったように、色味は青白いままだ。腫れもしないし赤みも差さない。そこは陶器片を叩いた様に硬質で、何の温かみも無かった。)あなたに何か、気持ちを踏み躙るような事を言ったならば、謝りたい。……ごめんなさい。……我々には他に、行くところがないから。生まれ持ったときに知っていた、そこにあるものが軍務だったから。何故かと疑うこともなかったし、考えることもなかった。あなたがたと一緒にいられれば、それで十分だったから。(穏やかに伸ばされる手もまた、さっきそれが自分を打った手であろうと、拒むつもりは毛頭無かった。もし許されるならば、彼が自分に触れてくれるその手の甲に、自分の掌も重ねたい)我々もあなたも、心を持つものである前に、生き物としての一部で、そしてまたその土台として、物質としてあるのだと思っていたけれど。……刹那的な意思決定とは違う、明確な指針を持つ心を備えるだなんて、おこがましく思えてしまう。あなたがたと同一のステージに立っていいものか、まだはっきりとした決断ができない。(目の前にある、端整なひとの唇が強張っている。苦々しい笑みに共感することはできなくても、彼の胸中はどうにかして汲み取りたかった。それさえも他者の心なのだから、酷く霞んだ揺らぐ靄しか掴めないでいる。)はい。では、また東に戻るときがきたら、是非に。服装も着替えて、涼しい格好で。 2009/11/01 (日) 02:01 ◆ アルツール :(叩いた頬は赤くなると思っていたが…通常ならば痛むだろう頬に手を添えて、暖めるという痛み止めのような真似事をしている。叩かれても青い少年の頬は、まるで血を造れない飢餓児のようだと観察しながら)ゾンド、私の気持ちの問題ではないのだ。だから、それについては謝らなくとも良んだ。 それに、人の心のひだはその人の問題だ…沈めるために謝るなんて事は、愚かしいことだから止めておきなさい。(ゾンドの弁尺をきくにつれて、金毛は違和感を再び感じて眉を顰め) 違う、たしかに生き物の一部で物質が大前提だよ。それの上に生物にしては稀な心という特性を持っているんだ。心があるから、食物連鎖の底辺というなといっているのではない、ゾンド。(おこがましいという言葉に、はたと目を開いた。そして視線合わせるために屈む) では言い換えよう、生きているということはそれだけで、死に物狂いでいききらねば成らない。それは義務だ。おこがましい決断とやらとともに歩まず、ソンナ言葉で逃げていると、生きているうちにも入らぬ。ただの生物ではなく、刹那でも意思を持つというのならば自覚しなさい。(ゾンドへ視線合わせて一通りお説教たれたのち、また頷いて) ああ、ナコト嬢にも付き合ってもらおう。ゾンドもおめかししてみようか、お出かけだからな。(と、珍しく平坦な声でつぶやいた。再び立ち上がると、さっきたたいた子へ右手を差し出す) もう眠ろう。 こんを詰めると体に障るからな。 2009/11/01 (日) 02:25 ◆ ゾンド :今まで、惰性でのみ生きていたことは、認めざるを得ない。あなたがたと同じものだと、心から認めてくれていることに、些かながら、疑いの念を持っていた。これについては、改めて謝りたい。ごめんなさい……。…だけれど、アルツールを始めとした皆が、我々をあんたがたと同一カテゴリの一端として置いてくれるのなら、我々もそれに恥じない生き物に、なりたいと思う。…もう、一人では生きていけない体になってしまったから。あなたがたと一緒に居られる間は、自棄にならないことを約束する。(それから、また一つ聞き慣れない言葉だ。おめかし、と言われても、私服すら満足な数を揃えていない少年には些か酷ではないだろうか。衣装部屋を複数持つという貴族を上司に持つのだから、その辺は願い出ればいいのかもしれないが。)おめかし、だなんて……。どれがどのように適切か、その判断基準が、よく、わからなくて。あなたが選んでくれるのなら、それを着たいとは思うけれど。(それにお出かけと言っても、市井での遊行が終われば即時身柄はオル・ベッテ行きなのだ。できるだけ身軽で居たくはあるが、ドゥーレルで融通できるだろうか。)はい。では、一緒に。(差し出された右手に自身も左手を添えて、ゆっくりと椅子から立ち上がった。月の高度もだいぶ傾きが違う、もうかなり長くをここで過ごしてしまっている。アルツールの傍に寄り添うようにしたまま、兵舎に帰るまでの道程、彼との手は離さないでいたい。) 2009/11/01 (日) 02:38 ゾンド【退室】 (2009/11/01 (日) 02:38) ◆ アルツール :(惰性といわれれば、一つまた頷いた。子供だからと慰めなどしやしない青年は、ゾンドの持つ疑いの念とやらを理解できなかったが、少年が趣旨を理解してくれたことは飲み込めたのだった。)大丈夫さ、そのうち一人で生きようとも周りに人が集まるようになる。一緒にいられずとも、生きれるようになるとも(と、一つ小さく笑う。異常に寂しがりのように聞こえたからであった。おめかしについて頷きながら)一番は、人に着せられたおめかしではなくてね…自分で一番のお気に入りをきることなんだが。選べというならばよかろうて(柔らかく笑むと、添えられた左手を握る。子供と言うのは体罰を加えられても健気なものだ。体罰であるという自覚が微塵も無い青年は、その健気な手を取り図書から出てゆくのであった) 2009/11/01 (日) 02:51 アルツール【退室】 (2009/11/01 (日) 02:51) HIGHLAND FORTRESS 峠の要塞(閉鎖しました) http://h-f.sakura.ne.jp/kariken/index.html BACTERISM MATRIX http://bacterism.matrix.jp/ PCキャラページ http://tryx-quad.sakura.ne.jp/zond.html