題名:混然一体 登場隊員:ナコト・ゾンド・ヴィルトレス(NPC)・アルツール(ドゥーレル軍港要塞) ナコト【入室】 (2009/11/08 (日) 21:52) ゾンド【入室】 (2009/11/08 (日) 21:54) ◆ ナコト :(相も変わらずこの港は活気に満ちている…アルケミストは粗末な食生活の東区に帰還する際の最後の食べ収めとして“焼きソバ”なる東国の料理を味わっていた。“ソバ”というヒモト料理を鉄板の上で焼きソースで味つけした料理だから焼きソバ…実にシンプルなネーミングであるが、その味は本物である。なるべく下品にならないよう音を立てないよう食べているつもりが、どうしてもズッズッと音が立ってしまうのは難点だが…) 『フム…実に美しい風景画デスネ。特に入道雲のタッチ…本機の現時点での技能デハ、再現不可能と推測サレマス…』 (一心不乱にアルケミストがソバを啜っている横で、保護者兼護衛のゴーレムは自らの頭部の顎付近を撫でながら露店販売している絵画を眺めていた。不明瞭な機械音声ながらも感心したようなそんな感想を漏らすが、店主であり作者である絵描きの青年は鉄の巨人にドン引きしている。フリーダムな集団だった。) 2009/11/08 (日) 22:00 ◆ ゾンド :(エンデュミリオンへの一時帰還からほぼ二週間が経ち、再度の任地への出向を目論んで、こうして無事にドゥーレルへと渡ることができた。最初から二週間ほど戻る予定とドゥーレルの要塞長には伝えてあったので、特に重大な問題もなく戻れたのであるが、少しでも日時に間違いや遅れが発生すればと思うと、未だに背骨の奥辺りが締め付けられるようにきゅっとなる。月は既にスコルピウスに入り、夜の海風がほんの僅かに寒さを帯び始めるようになっても、こうしてひとが集まるだけで寒気はまるっきり帳消しになってしまうのだ。昼間の間にこちらへ移動して来ても、はや半日を軍港要塞に停留している。理由は特にない。強いて言えば、ただ帰るのも何なのでというのが主な理由であるが、次の主要因である日曜夜に開かれるらしいドゥーレルの市場は、今日も盛況のようだった。バルディッシュの巨体が探知地域に収まると、さくさくと現地へ向けて歩行を開始する。人だかりの多い路地は即ち障害物も盛り沢山で、小柄なアルケミストの姿は今だ目視できないが、騎士姿の鉄塊がそこに居るとすれば、そう遠く離れてはいないだろうから。彼が魅入っている夜店が絵描きの露店だと分かるくらいの距離には、既に近付いている。…確か、同伴者に騎馬隊の青年も居た筈なのだが……どこでどう逸れたのか、今になってはその辺の実情は不明だった。) 2009/11/08 (日) 22:09 ヴィルトレス【入室】 (2009/11/08 (日) 22:14) ◇ ヴィルトレス :(要塞のあるほうを背に市を歩くのは、銀髪に赤い瞳である以外は普通の人と変わらない見た目の男。そこから三歩ほど間をもって、剣を所持した、エルフかその混血と思われる尖り耳で背の高い男。両者とも白服から着替えて地味な色のマントを羽織った、周囲に埋没する姿だった。マントを捲れば腕には所属要塞を示す腕章があるが、見せられなければ誰も男たちを高官とその護衛とは思わないだろう。立ち振る舞いにも威厳だのはなく、)イニヤス君、別行動でも構わんのだよ。『出来かねます。』(発音だけが綺麗な中央のものだ。高官は振り向かないまま、間違いなくついて来ているだろう人に言葉を投げる。返事も予想通りだったのにふんと鼻を鳴らして、人込みもなんのその、さくさくと歩みを進める。距離はナコトやゾンドから大して離れていない。―――此処に到着したのは、彼女たちより早く、早朝。この要塞を中心とする情報網の機能確認に来たのだ。・・・表向きは。) 2009/11/08 (日) 22:21 ◆ ナコト :けふっ…、…ごちそうさま…。…ランクB+…といったところでしょうか…。悪くはないですね…(焼きソバを完食しつつ、アルケミストはハンカチで口元を拭った。高級料理でもないのに妙に気取った仕草で、一部始終を見ていた通行人数名が思わず吹き出すが軽くスルー。此方に近づいてくる小柄な少年の姿に気がつき、軽く手を振った。)…やぁ、ゾンド君。キミもまた夜店巡りに来たんですね…案外、食欲は旺盛なようで… 『一枚購入したい所デスガ、生憎本機はこれより戦場に帰還しなくてはナリマセン…。―――…貴殿の画家としての潜在能力は素晴らしい物デス。是非、修練を積んで高峰国指折りの名画家となってクダサイ。期待シテイマス。』 (アルケミストが気付いたにも関わらず、ゴーレムの方は完全に絵描きの方に執心だった。青年にそんな応援のメッセージを送り、優しく優しく彼の肩を叩いてやる。「はぁ、どうも…」と未だに困惑の色の強い返答だったが、やけに褒められてまんざらでもなさそうな表情であった。) 『オヤ…ゾンド様、いらっしゃってマシタカ。コンバンハ。―――…?』 (そうして一区切りついた後、ゴーレムは目下の少年の存在に気付き、敬礼してみせる。そしてそのまま人ごみの方に目を向け…妙なざわめきに違和感を覚えた。違和感の正体として、どうやら尖り耳の種族を初めて見たらしい港の漁師たちが物珍しそうに騒いでいるようで…) 2009/11/08 (日) 22:25 ◆ ゾンド :ナコトも、バルディッシュも、こんばんは。ランクの段階基準は知らないけれど、材料との経済効率としては、凄いものがあるのでは?(バルディッシュが見ているのは入道雲の絵画であるが、絵の具の微細な起伏や材質の妙ばかりに意識の行く少年は、絵画へ興味を持ちながらにして、そういった素質のようなものが根本的に欠けている。健啖にヤキソバを頬張っていた彼女からまた視線を移らせると、真っ黒いばかりの海原があった。それは酷く殺風景で、漁師が騒いでいるのは津波が来るとかそういう物騒な事件が発生した訳でもなく、更に横へと90度ばかり首を振ったのだが―――この少年の表情には、圧迫感というか、威嚇の空気というか、そういったきつめのものは全く無い。間者や尾行が偵察がてらに目標を眺めていると言えばそれらしくもあるが、そうなると逆に、こそこそしないあからさまさに違和感を持つだろう。ランプの照らす橙色の光に照らされているためか、その銀髪は金の色が濃く、赤目と風貌を見誤れば彼だとは一目で分からなかっただろう。今もって自信はないのだが、まず間違いない人物だと自分を鼓舞して、穏やかな喧騒の中へと自ら足を踏み込んだ。話し合いながら歩み行く二人の男性へ、横から唐突に声をかけて)あの、もし………お引止めして、すみません。…どこかで、お会いした方だと思いましたので。人違いでしたら、どうか失礼をお許し下さい。 2009/11/08 (日) 22:31 アルツール【入室】 (2009/11/08 (日) 22:35) ◆ アルツール :(あちらこちらの露天へ顔を突っ込んでは立ち去る金毛。城の服から着替え、薄手のコートの下にリネン生地の柔らかな服という、いわゆる外出服でうろついている。市場をうろついていると、いつの間にか場所を教えてくれた兵士と逸れてしまった。)確か あ、(知り合いの小さな背が見えたきがして振り向くと、大人の影からストリートチルドレンが走り去る姿が見えただけ。しかしその奥で妙なざわめきがあることに目がとまる。青年はなれない環境もあり軽く皺を寄せる。) ……あれは (まとわりつくような粉っぽい空気に、片手で顔をぬぐい)…バルディッシュと……何だ (ゴーレムは探してもなかなかいるようなものではない。黒い原の辺りで違和感を撒き散らしているのは、ゴーレムではないようで、その原因たる人に向かって野次馬な青年は歩いてゆく) 2009/11/08 (日) 22:41 ◇ ヴィルトレス :『懐と足元にご注意下さい、リロー様。』・・・君の発言が一番私を危険に追いやるよ、イニヤス君。『それは失礼を。』(並ぶ露店の看板や幟の文字を見ながら歩く男は護衛には危なっかしく映るらしい。必要なことしか喋らない某家の私兵は、自分に対して何か言う外野の声にもまるで動じない。ただし完全無視というわけでもなく、『何処の人だい?』と聞こえてくる声に『西です』と会釈しながら短く答えていた。)大体、此処の治安は良好な部類だよ。試しに金貨の一枚も盗らせて叫べば此処の兵の程度が分かるのだが、それは要塞長に悪いな。(庶民出の高官は荒事に慣れているとは言いがたくとも、そこまで世間知らずでもない。おのぼりさんを狙う犯罪と客引きの対応はまあまあの心得があるのだ。)・・・・・活気があるのは良き事だな。(軽食でも摂ろうかと考えて足早だった速度を落としながら呟くのは、外見に合わない年寄りの風。そんなところ、声をかけてきた少年に先に――鋭いほどの速さで反応したのは護衛の方だ。高官が声を聞き取って立ち止まったにしても早く、離れていた距離が詰められる。魔法が準備された微弱な気配を、バルディッシュ辺りは感じるだろう。)おや!ゾンド君ではないか。奇遇だな。一人・・・では、なさそうだな。(しかしそれ以上はなく。護衛対象が友好的に笑って声を上げたのに魔力は失せ、同時に警戒も解いて彼は二歩ほど退いた。ゾンドを見下ろした男は問いかけながら辺りを見回し――すぐに優れた視力でゴーレムの姿を見つけ、言葉を変える。) 2009/11/08 (日) 22:47 ◆ ナコト :………。…確かに一人分を調理するのに原材料にかかったコストから考えれば…色々凄いですね…。…調理法は至って単純なものなのですが……(ゾンドの指摘に頷き、再び焼きソバの屋台に目を向けた。豪快に油を引いた鉄板の上に麺をぶちまけ、ソースを豪快にふりかけ、豪快にひっくり返したり鰹節を振り撒いたりするだけの調理法…これであれだけの味を出せるのだ。…一見単純そうなあの調理法…もしかすると、あの境地に至るまでに壮絶な修行を積んだのではないだろうか…) 『センサーに魔導発動反応を感知…デスガ、即時に解除サレマシタ。…マスター、ヴィルトレス・リロー様がお見えにナリマシタ。』 ……なんで…?(予測通りゴーレムは微弱な魔力の反応を感知し、騒ぎの中心へと頭部を向けた。不意に出現した高官に対し、一部たりとも動揺することなく極めて機械的な敬礼。その一方で足元のアルケミストは思い切り顔をしかめていた…が、ゾンドが見つかったからには無視するわけにもいくまい。)……どうも……(ゴーレムにあわせて、此方も高官へと敬礼して見せた。…が、言葉少なく…すぐにふいっと敬礼を解除することだろう。) 2009/11/08 (日) 22:55 ◆ ゾンド :しかも、人数分を適時、大量な場合と少量の場合を使い分けている。職人芸と言うべきか、鍛錬の賜物だろう。(いけすかない言葉でやたら難解な品評をのたまう餓鬼二人のけったいな視線をどう思ったか、ヤキソバ屋の店主は据わった目で遠くを眺めていた。ナコトが既に客となったので、得体の知れない連中でも無碍に扱う訳にも行かんのだ。商業主義の弊害である。)…お久しぶりです。ヴィルトレス…さま。はい、同僚と並行しつつ、こちらに来ています。(その高官の名前を言うときにだけ、すこぶる声量は小声になる。こうした場所に現れるような立場のひとではないと知っているから、あれこれの可能性から気を揉んでいた。同僚の名前を出すに当たっては、既に彼女自身が自己紹介をしているので不要だろう。ナコトの挨拶がそっけないのはいつもの事だが、今回はそれにも増して微妙な感じだ。理由はわざわざこの場では問えないが、少しは気になる。……予想外の知人と出会ってしまったが、今の捜索目的となっている人物はまだ探し当てられていない。一団の作る環から一歩抜け出て、まだしも広く空間のある路地の中央へと出た。辺りを見渡すが…けっこう、金やそれに似た巻き毛の人物とは意外に、周囲にすら二人も三人も居るもので、すぐに彼だとは確信できない。) 2009/11/08 (日) 23:04 ◆ アルツール :(野次馬根性たくましくその周囲の波へと寄ったものの、波に気おされて後退しているところだった。波中から路地中央へとひょこり出た知り合いに、おやと片眉を上げ) ゾンド (コートの裾翻し見失わないうちにと早足で近づいてゆく。傍に多々いる金毛にまぎれた青年は、そぱへと近づくと頭にぽんと手を置こうとした。避けなければ髪をぐしゃぐしゃされかねない) どこに行っていたのだね、随分探した。 あの(ゴーレム周辺を目で指し)あたりになんだね‥ゾンドも野次馬かい? まさかトラブル起こしているわけではなかろうな(違和感はあの辺りだから、仲間がその根源に近いということは不安の対象の一つである) 2009/11/08 (日) 23:14 ◇ ヴィルトレス :ふふ、気を使わせるな。耳のよい種でもなければこの人数では聞き取れまいよ。・・・聞き取れまいが、聞き取れてしまったところで、もう十分目立っている。安心したまえ。(気遣いを見せたゾンドに笑って言えば、後ろの護衛をぞんざいに手で示す。もっと目立たない奴を選べば良かったか、とも呟くが、今更エンデュミリオンに戻るわけにもいかない。その護衛は頭を下げるだけで挨拶に声を発することはなく、突っ立っている。さっきの仕事振りは何処へやら、といった感じだが、それも全て高官の命令によるところだ。)―――御機嫌よう、女史。お勤めご苦労。・・・こうして挨拶するのは初めてかね。ルークシリーズの五番目、バルディッシュ君。君もご苦労。(少年から離れて新たに見つけた者の方へと歩み寄れば、その横に目立つ色の主を見つけることができた。にこやかに敬礼も返して――視線は不機嫌そうなナコトを伺うのではなくバルディッシュへ戻る。目つきの悪い男ではあるが、今回ははっきり、睨むのではなく興味を示しているのだと分かる見方だ。ゴーレムを熱心に見ている所為で新しく現われた騎士にはまだ気付かず、)発話も問題のない域とは、ふむ、やはりよく出来ている。(素直に感想を舌に乗せる。この奇妙な一団の中、一人だけ実に楽しげだった。) 2009/11/08 (日) 23:22 ◆ ナコト :『オヤ?本機の名は既にお知りデスカ。ご存知の通リ、ソルジャーゴーレム・ルークシリーズ五号機・パーソナルネーム:バルディッシュと申シマス。お褒め頂キ、恐悦至極。』 (ゴーレムは敬礼の形をとったままヴィルトレスにじろじろと眺め回されても微動だにしなかった。以前ここに来た時、子供たちに絡まれたことを思い出せばこれしきどうということはなかった。…が、足元のアルケミストはそうでもなかったようで、無表情かつ無感情…にしては冷たい敵意を持った視線をヴィルトレスへと向けた。そして、言葉を吐く。)……それで…ヴィルトレス・リロー様、一体このような軍港に何の御用ですか…? …一応、ここも完全な安全地帯とは言えません。早々にエンデュミリオンの本部に帰還することを推奨しますが……(実に楽しげな相手とは正反対の、冷たい氷の刃のような言葉。視線も良く似たものだった。その不機嫌の事情を知っているゴーレムは困ったように、自らの頭部の顎付近を鋼鉄の指で撫でる。プログラムしてもいないのに自然とついた仕草…クセだった。) 2009/11/08 (日) 23:32 ◆ ゾンド :(自分の名前さえ彼の声で呼ばれれば、それが確実な認識票となる。こちらに近寄ってくれる男性の風貌は、正しくよく知る彼のものだった。自分は逃げも隠れもせず、その場に留まって。頭に置かれた手に何をされようとも、それはアルツールの胸先三寸だ。抵抗の一つもしやしないだろう。)ごめんなさい。こちらも、探しているうちに見失ってしまって。いや、決して、騒ぎを起こしているとか、そういう訳では。恩人と出会ったから、その……どうしてなのだか、まだあまりよく、分からない。(この地での重要人物そのいちを恙無く発見出来たので、とりあえず安堵を取り戻す。むしろこうなると、人だかりの輪の中に居た方が安心なのではないだろうか。窃盗やひったくりも、衆目を集める場所で営業をするのは随分と都合が悪かろう。彼のコートの裾を少しだけ引っ張ると、人間の隙間を縫って、この地ではどういった立場と称しているのかも分からない高官の面前へと戻り)では、ヴィルトレスさま。こちら、我らが同行部隊の騎士である、アルツール・メンゼル、です。(二人が顔だけでも知り合いである可能性を微塵も予想していない少年は、妙に改まった仕草と口調で彼の紹介を述べる。軽い会釈を付け加えて、再び顔を上げ)ナコトの言う通り、この要塞へはどのような用件でお越しになられたのでしょうか。……動植物の、研究など?(リローはどうやらバルディッシュの性能や出来に目を奪われているようだが、彼がまさかゴーレムの出資者ではあるまい、と思う。自分の付け加えた予想も、まず命中はしないだろうが、一応だ。) 2009/11/08 (日) 23:35 ◆ アルツール :(ぽんと頭に白い手袋をした手を置くと、片手でくしゃくしゃと髪の毛ごとなでた。) 人攫いにでもあったのかと思ったよ。ほしい物でも見つけたのかい?はぐれると危ないから余り、 ん、恩人? (と、こまごまとした世話焼きの青年は軽く首傾げてゾンド眺める。)どうしてか分からないとは、不思議なことを申すな…ではその恩人がよほど変わっているのだろう。東で命でも助けられたのかね、ゾンド。お礼はいったかい?(小さな力に裾引っ張られると、そんな細かなことをいいながらナコトとヴィルトレスの前に出る。ヴィルトレス見た途端、違和感に片眉をあげた) 何故こんなところにいるのだ、貴方は学者だろうに。 前からどうなったかと思っていたが、無事そうで何よりだ (と、もう一人耳の長い人を見詰めて目を軽く開く。違和感はこいつかとばかりに、片眉上げたまま半眼となり、自己紹介してくれるゾンドへと視線を落とした) ・・・… 済まないな、ありがとうゾンド。(と、胸に手を当てて遅い一礼を向ける) 2009/11/08 (日) 23:49 ◇ ヴィルトレス :ギルドは君の噂で持ちきりだったのだよ。(バルディッシュの顎を撫でるような仕草も全て見届けて、同じようなポーズとなった。真似ではなく心底感心しているのである。そこまでやってからナコトへと視線を移す。やはり笑顔だが、他の高官たちのように作り物めいたそれではない。)私の担当の一つに要塞間の情報伝達円滑化、というのがあってな。定期的に各地へ確認に飛んでいるのだが、今回はこの軍港を基点とする周辺要塞の番なのさ。これからオル・ベッテに移る予定だ。早く戻りたいのは山々だが――ゾルデロイとハランヤランも回るから、暫く城には帰れん。(明らかに敵意の付随した言葉に小さく肩を竦め、指を立てた手をそれぞれの方向へと動かす。ナコトにとって最悪の情報も躊躇なく伝えて――おお、とアルツールを連れてきた少年の方を、体ごと向いた。)なんだ、騎士様もお出でかね。御機嫌ようアルツール君。(改めての紹介にも頷き、敬礼ではなく、軽く手を挙げる挨拶。それから)・・・研究、研究とは良い響きだな。真理の追究。好奇心の充足。それに勝る快楽などあまりない。・・・それで下山できたら幸福なのだが、残念ながら今述べたとおりだ。お仕事だよ。視察だ。(早口気味に紡いで、二人の問いへの答えとした。学者ではない、との訂正は行わず、ただ自由ではない身の上に溜息を吐いて見せ、また笑顔を作る。)さて、折角遇ったのだから、何か買ってあげようか、君たち。国家予算からは出せないからリヒィタ卿ほどサービスは出来ないがね。・・・・・まず何処か横に寄らないか。イニヤス君、(生まれてからのお偉いではない男にしてみれば、混雑する道のど真ん中で立ち往生と言うのは避けたいことである。時間の経過と共に薄れてきた野次馬の質問をあれこれ受けていた護衛も指先でちょいと呼び寄せて、食べ物を売る店の近く、疎らにテーブルが並ぶ辺りへ顔を向けた。) 2009/11/08 (日) 23:53 ◆ ナコト :……ん…アルツールさん…?  『アルツール殿、貴殿も此方ヘ?』 (一人と一機は目の前に連れてこられてようやくその存在に気付き、驚いたように目を丸くする。無論、ゴーレムの頭部の二つの光は不動だが…。一体これはどういうことなのだろうか。) 『人気者、と言うのも悪くないものデスネ。サインは必要デショウカ?』 …バル、少し黙ってなさい…。(噂でもちきり、という言葉に反応したゴーレムがそんなジョークをのたまうも、いつになく鋭い口調でマスターに叱られた。それきり、不明瞭な機械音声は途切れる。)……そうですか…では、存分にお急ぎになられてください…。我々のような尖塔派の手先の等しい者と親しげに話していたのでは、庭園派の中での立場も危うくなりましょう…(その情報…抜き打ちで耳に入ったものならば内心動揺するところだったが、壁に耳あり障子に目ありという…既に魔導研究所の監視に誰かが東に送られてくるという情報は入っていた。まさか、この高官だとは思わなかったが…既にオル・ベッテの方で対策は取ってあるだろう。研究所実務職員は手玉に取られた営業課や尖塔派高官と違って優秀だ。)……ふぅ……(そして、何故か奢ると言い始めたヴィルトレスには軽く肩を竦め…施しは受けない、とばかりにそっぽを向いた。) 2009/11/09 (月) 00:05 ◆ ゾンド :欲しいもの、というか、候補は。オル・ベッテの兵士に、慰安になる物資があればいいと思って。(穏やかな言葉が自分の頭の後ろから聞こえて来るが、それよりも高官と騎士が既に面識があると受けて、一瞬だけ目を瞬かせる。が、それも自然だと、認識を改めた。)お二人とも、既にお知り合いでしたか………。お勤めの方は、お疲れさまです。(穏やかに答えられた言葉への返事をそこそこに留め、リローの顎の先で指し示されたテーブルの一席に、まず一番乗りで向かい、着席した。丁寧に膝を合わせて、掌を腿に載せるというやたらお堅い姿勢でだが。そっぽを向けたナコトと違い、実に実利的というか、言ってしまえば浅ましい貧乏性な根性をしている。――市場とはいえ要塞の下町。まだしも上層に陣取るお偉い軍人が来る事も少なくないのだから、こうした人間が出歩くのも珍しいことではないようだった。周囲を歩く民間人が見せる「そういう事もあるか」という表情がそれを雄弁に物語っている。埃っぽい地での強風注意報とはいえ、すぐ真横に海があるのだから食べ物が用を成さないという事もない。流石にお冷を出すほど高級な店舗でもないので、頼むなら軽食とか、あるいはそれほど強くない酒類か、そんな類の似合う所だった。流石に、若年兵が立ち寄るにはあまり宜しくはない方ではある。)それではですが、現地の……オル・ベッテの皆の慰安になるような食物などがあれば、そこそこの分量を購入したいです。強いお酒なども、消毒薬を兼ねられますし。………じゃあ、バルディッシュ、さっきの絵画、買って貰ったら、どう?この要塞に展示すれば、画家の名も売れて、有用かも。特に、あの開かずの扉に掲示すれば、位置的にもサイズ的にも、適切だと思うし。(それが一種のカムフラージュだとは、敢えて言わなかった。) 2009/11/09 (月) 00:13 ◆ アルツール :ああ、バル殿、久しいな、本当に久しぶり。無事で何よりだよ。 ナコト嬢も。生きていてくれて嬉しいよ……時間があれば、もう少しまともな訓練もできただろうに済まないな。(ナコト嬢とヴィルトレスの間の空気が妙なことに、暗に言ったナコトの言動から青年も気がつく。軽く二人を見比べた。派閥争いに無関心ない黒人は、ナコト嬢の態度が硬いように思え。どうしたものかと内心首傾げて、ナコトへ目をとめたまま苦い笑みを浮かべる。ナコトの名乗る派閥に、たくさん有るものだと目をしばしばさせた。とりあえず気にかかっていたお粗末な訓練を口に並べて、ヴィルトレスへと顔を向ける) そうか、錬金術師。視察とは大層な仕事に聞こえるが。ああ済まないね、このこちも喜ぶ(といって辺りを見渡した。こんなところで偵察もなにもないだろうと思えば、一つ粋はいて微妙に険しい顔を軟化させる) その後ろのは、君の友かね…失礼だが、始めてみる種だよ。(何か買ってあげようかなどという言葉に、そっぽ向いたナコトに言葉を飛ばした) おじ様が買ってくださるそうだ。きちんとお礼を言いなさい。(などと小うるさい小言を飛ばして、ゾンドの次に席へと歩いてゆく。そして振り返ってナコト用に席を引く。その場で立ちメンバーをまち) 2009/11/09 (月) 00:22 ◇ ヴィルトレス :サインよりも中身と設計図が見たいね。(冗句にも軽やかに応じたが、本心でありながら、本気ではない。ナコトが許すわけがないと判断している。肩を少し揺らせば)なんだ女史、そんなことを心配しているのかね。私はアルケミストなのだよ?そんなの気にせず、興味のある物の方へよっていくに決まっているではないかね。それに、渓谷の手先たる部隊に所属している蝙蝠のような君を相手にしたところで、なあ。(誤魔化しや言い訳の響きが強い言葉を口にし、視線を夜空へと逸らした。こんなに明るい場所ではあるが、空を照らす剣の光がない分、星は良く見える。)・・・・・・蛇は己の尾に噛み付いているが――彼は大口だから永遠の象徴にはなるまい。飲み込んでしまうのが早いだろう。同じ尾を噛むなら、蜥蜴の側にいた方が幾らも建設的だよ。(顔はそのまま、少しの沈黙の末。この喧騒の中での囁きはナコトの耳に届いただろうか。比喩だらけの回りくどい言葉でしかも早口、独り言のようなそれはしかし、この場で一番の包み隠さぬ本音だった。――件の要塞にはこの男とは別経路で、貴族家に飼われている私兵たちがいくらか傭兵として派遣されることになっている。どちらも隠れ蓑ではない。真打がどちらかは運にもよるのだ。)ほら、君もこれから戦地だろう?―――おおい、アルツール君、ゾンド君が寂しいことを言うのだ、こういうときの大凡正しい反応を教えてやってくれたまえよ。君たちの所属は兵站でも娯楽でもないだろう?(そっぽを向いたナコトを気にせず、護衛を連れて席へと向う。既に少年兵から出ていた要望にちょっと眉を寄せれば飛び出すのはそんな言葉だ。若い、というか幼いのに、と滲ませて、そういうのがこの場で一番得意そうな騎士へと話を振る。)『西のエルフ族です。』(促されて席についた護衛は、会釈して問いに答えた。・・・全然答えきれていないのはご愛嬌である。) 2009/11/09 (月) 00:35 ◆ ナコト :『フム…其れは妙案…―――…イエ、ゾンド様、やはりそういう訳には参リマセン』 (ゾンドの出した案に一瞬乗りかけたゴーレムであったが、アルケミストに横目でジロリと睨まれて訂正した。マスターにもメンツというものがある。護衛用に作られた以上、それも守らねば…―――)…いえ、あれでも充分役に立つレベルです…気にしないでください…―――…我々は何も必要ありませんので、謝礼の必要もないかと…(アルツールの言葉の前半には首を横に振って気遣い無用、と…。そして後半の言葉には肩を竦めてそっぽを向いたままフン、と鼻を鳴らした。可愛げのない餓鬼そのものである。)…ですが、我々を快く思っていない方々も其方の派閥には多いのでは? …つい先日も、“悪魔の子”というユーモラスな呼称をしていただきました。…まぁ、それも間違ってはいないのですけど…(心配しているのではない、鬱陶しいから適当に言葉を並べ立てて壁を作っているだけである。現時点での認識としては、庭園派というだけでゴーレム研究の邪魔になるという極めて単純な存在と認識していた。友好に振舞う気など微塵も無い。)……それでもその蛇は我々にとって有益な存在であることに変わりませんので…。…蜥蜴はそうはなりえません……(囁きにもそんな釣れない言葉で切り払う。今の所、彼らの側について得なことは何ひとつない。おそらく研究所の上もそう判断するはずだ。エンデュミリオンの庭は整備が行き届いて綺麗すぎる。何かを隠すには向かないだろう。) 2009/11/09 (月) 00:43 ◆ ゾンド :そう、それは残念。(視線だけで意思を一蹴されたバルディッシュを見ても微かに首を傾げただけで、直後に首を首肯さsる。横から見ていて、それはいつもの事ながら、やはり同僚が返すのは頑なな反応ばかりだった。暗喩と未知の事柄ばかりで埋められた会話を理解しようとは思ったが、その航跡は半分位で行き詰り、早々に思考を撤退させる。他人の私情に分け入るなど、まるで無益なことだ。)…………なにか、頼めばいいの?今から決めるのも…難しい……。アルツール、この場合我々は、どうすればいい?(ヴィルトレスが助け舟の在り処を口に出してまで教えてくれたので、ここはやはり世間慣れしている(と思っている)青年騎士に、行動の指針を教えて貰うべく頼み込むしか、残された手が無かった。) 2009/11/09 (月) 00:52 ◆ アルツール :子供が一番それを欲していると申しているのだから、気にすることはなかろうて…まあよい、気持ちは分かるよ (と、ヴィルトレスの言葉に小さく笑う。)ゾンド、それはレナードに言うべきことだよ。 おじ様はプレゼントをゾンドだけに利用してほしいと思っていらっしゃる。撒くのならば、このような褒美ではなく(略奪した)臨時収入をまくんだ (と、お大臣のススメを言いながら。此れでいいのかとばかりに、ヴィルトレスへと顔をむけ小さく笑った。ゾンドの助けを求める仕草に、服と即答しそうになるが飲み込んで) さあ・・・私はゾンドではないからね。ゆっくりと食べながら考えてもいいと思うよ。逃げはしないのだし。 (ナコトの態度に微か眉を顰めて) ナコト嬢、謝礼というのは報酬を得るから言うというものではない。それに今のことは謝礼とはいわぬ。下賎なことをいうものではないよ…貴方はまだ学ぶときゆえ、許してもらえるのだ… もうよいから、先ずは席に着きなさい。 それにヴィルトレス殿も…(軽く眉をしかめてみせた。直ぐに顔は戻るが、貴族特有の笑みを張り付かせて席に着くと、連れを見て) 西のエルフ…私も西に行ったことがあるんだ。 東にもエルフがいるだろう?あのエルフ達とは矢張り違うのかね? 2009/11/09 (月) 00:55 ◇ ヴィルトレス :いるだろうな。しかし、尖塔にも渓谷にも、それなりの数がいるはずだ。我らが庭園はまず数が多いから、割合にしたら実は大して変わらんのではないかね。(少女がこちらに来ないので、腰をかけて足を組んでも人の行き交うそちらを向きながら、言い訳を続ける。やはり言葉を面倒に組み立てて話を終わりに運びたがっている風だった。賢い子供に通用するか、という点では大分苦しいのだが、根っこからそういう男だった。)ふむ。悪魔の子。それは六番目の子供あたりに相応しいのではないかね。それでもナンセンスだが――君は三番だろう。神と人と精霊の、調和のとれた世界の数字、錬金術の基礎だ。(やっているうちに、とうとう己の専門分野に片足つっこんだ話に行った。その辺りの言い回しに辟易している退屈そうな護衛の顔が目に入ったが気にしない。彼は元がそんな感じだ。―――ナコトの、囁きへの頑なな反応は聞かなかったことにした。だらしなくテーブルに頬杖ついて、ゾンドとアルツールのやり取りを眺める。)ゾンド君、君の言うとおりに買ってやることもできるが・・・そうだな、部隊への支援、のような形になると些かまずいかも知れん。だからその辺りはそう、テューダー殿か兵站備蓄部にでもお任せして、個人の贈り物にしたいのだ。できれば。(騎士の言葉は、高官的に最高の評価は与えられなかったが、まあ良い線と言えたので頷いておく。これだから情操教育を強化すべきだと言うのに、との言葉は飲みこみつつ、ナコトへかけられる言葉も耳に入れる。待機の騎士様は予想以上にマトモで良い男だった。くそ、顔だけじゃあないのか。)『そうですか。・・・エルフと言いましても、大分類です。姿形から特性まで様々であると思います。私の知る東の者の多くは、西のそれらよりも人間種から離れ、特徴的です。』(護衛の言葉は依然として堅苦しい。) 2009/11/09 (月) 01:08 ◆ ナコト :……ふ……(騎士というものはどうにも口うるさい。傭兵部隊のような野蛮人にも困りものだが、こういった手合いの人間もまた面倒なものだ。軽く息を吐いてアルツールの言葉に頷けば、促されるままに席に着いた。ゴーレムは座ると椅子が壊れるだろうから立ったままだ。)…割合の問題ではないと思いますが? 庭園派は人数こそ多いものの、非常に団結力のある派閥と伺っています…その調和を乱すような真似を、貴方が行っていたのでは示しがつかないのではないですかね…。…まぁ、我々には関係のないことですけど…(どうにもこの話題は嫌なものらしい。だから、最後に一太刀を浴びせて引くことにした。一部で尖塔と庭園、人間種と異種の確執は非常に根深いものとなっている。そして極端な思考をする者も双方の派閥に存在するのだ。)…ナンバーは出産の順番で割り振られます…因果関係は認められません…。それに、あの方の言った悪魔とはおそらくそういう意味ではありません。(ややこしく喋るのが好きな男だ…と、内心思っていた。こういう手合いの相手も疲れるものだ。) 2009/11/09 (月) 01:18 ◆ ゾンド :それでは、……さきほど、ナコトが食べていた……。ヤキソバ、というのだっけ。それとも…アキソヴァだったか?(仔細な発音にも妙に拘る子供だったが、それはそれとして、言葉を聞き付けた夜店の店主は、早速商品を持って参じる。この辺りでは一年中取れる竹の子の皮を皿にした麺類は湯気を立てるほど熱そうで、子供はそれをすぐには口にしようとしなかった。見た目がどうとではなく、温度の面でだ。具剤やら香辛料やらを、孔が開きそうなほどにひたすら眺めていた。―――部隊どころか要塞駐留部隊そのものへの支援との解釈もできるのだから、派閥に縛られた彼の立場からすると、些かまずい事になりかねないのだとも納得できる。やはり物事を根拠立て、因果に沿って主張できる話術はアルケミストらしさに溢れていた)なるほど、そういった理由からならば、理解できます。では、要塞の兵站に関する備品などを選択するのは、避けます。(とは言っても、この市場にあるのはそれこそ軽食か、日用品や生活消費物ばかりだ。軽い食事を願うのが大体ベターな落とし所だと考え、まずは目の前の、褐色をした麺をどうにか迎撃するしかあるまい。ハシという東国にありふれた食器を実に不器用に操りながら、キャベツの塊を口に入れた。) 2009/11/09 (月) 01:20 ◆ アルツール :東のほうがエルフとしては生物としての特徴が色濃いというわけだね? 西は混血が進んでいるから、というわけでもないのだよね?そういえば君達は本の中では弓が得意で歌が好きで人を化かすとか…(と、次々と珍しい人に対して質問を投げかける。ナコトの頷きに一つ頷きを返した。ため息の類は、やはり成長段階なので無視することとして、座るのを眺める。どうやら犬猿の派閥らしい二人を交互に見、軽く失笑のような苦い口のゆがみ方をした。もれたのは、ばれないだろうという浅はかな心のもであったが、冷静な護衛とゾンド辺りには丸見えだろう)……パスタ? 茶色いパスタにしては、何かおかしいな。不思議な食べ物もあるものだ。(湯気の立つ焼きそばをみて、青年は違う食べ物を呟いていた。そして箸を見て、不思議な生物を見ているような目で露骨に観察している) 2009/11/09 (月) 01:30 ◇ ヴィルトレス :(むん、と唸って目を細めれば、睨むような表情になる。物事を考えているとこういう顔になるのは子供の頃からで、それが齎した悪い出来事も少なくない。が、そんな顔で若きアルケミストを見つめて)女史・・・・手厳しいな。いいのだよ誰も見ていないのだから。君も吹聴できんだろう?そのような行いをすれば、君も私と話していたことを肯定することになり、上の方々から睨まれかねんからな。状況はいくらでも想像可能だ。(降参に等しい言葉を投げた。反撃らしい鋭いことは発さない代わり、盾になるような発言をしてやれやれと肩を竦める。)某高官がどのような意図で発言をしたか、など、私の見解を述べるまでもないし、君の見解を聞くまでもない。本人からざっくり聞いたからな。・・・割り振られた数字が恣意か運命か、一考に価するではないか。(商魂のたくましさを見せ付けてくれた店の主には、護衛を顎で使って代金を支払わせた。ついでに自分たちの分も受け取らせる。こんなところだけ高官らしいようだが、大体は何かに熱心になった研究者体質の弊害なだけなので後悔するのだ。)ああ、それがいいな。面倒ごとは作らないほうがいいのだよ。(遅れてゾンドたちに顔を向けて、にこやかに。現在進行形で面倒をやっている男の言うことではない。料金を払った護衛の顔も、どことなく、段々険しく見えてきた。・・・彼の本来の主は、庭園派の重鎮である。)『・・・・・・事情は存じませんが、森の質が違う所為でしょうか。東の者の方が自然と同化しているように感じます。例外も多々ありますが。・・・私は混血ですが、一族と姿に差異はありません。弓は嗜み程度、歌は好ましく感じますが、それよりも楽器を奏でるのを得意とします。』(見慣れぬ食べ物を手にしながら、アルツールの歪んだ笑みを見た護衛は元の無表情。高官とは違い問いに一つずつ答えを返すだけだが、会話を嫌っているわけではないらしい。) 2009/11/09 (月) 01:41 ◆ ナコト :…ヤキソバ、です。まぁ、悪くはない味でした。 『マスターの評価でB+デス。理解し易く表現シマスト“ふと思い出した頃に無性に食べたくなるレベル”…高評価デス。』 (食べるゾンドと、興味深げに観察するアルツールにゴーレムのあまり役に立たない解説が入った。とにかく美味ということである。ヒモト料理は侮りがたし。)―――…まぁ、そうですね。私も命令されない限りは口外することはありません。必要性の感じられない行動はしないことにしていますので…(此方は上に命令されれば容易く口を割る様子を伺わせる言葉を吐いた後、この話を終わりにした。基本的に人形は人形遣いに対して隠し事をすることがない。することができない。―――その人形遣いが誰であるかはさておき。)……運命…。…リロー卿、そんな曖昧で不確定的なものを貴方は信じているのですか…? …仮にアルケミストのまとめ役である貴方が…?(そして、続く議論は軽く鼻で笑って打ち捨てた。3ということに意味など無い。古いか新しいか、それだけの違いだ。)……さて、我々はそろそろドゥーレルの要塞の方へ一度戻ることにします…東区に向かうにあたって、こなさねばならないことがありますので…。(そしてそう言えば、先に座ったばかりだが立ち上がって三人にそう告げた。手配しておいた特殊物資がそろそろドゥーレルに届いているはずだ。其れを確認しなければならない。) 2009/11/09 (月) 01:55 ◆ ゾンド :香辛料を使ったソースを絡めてあるみたい。ソースの成分にスパイスが多いから、こうした色に染まっているのかも。香ばしくて、かなり美味しいけれど。アルツールも、食べてみる?(ハシ使いは慣れてなさを全開にさせており、見ての通りにたどたどしいが、食品を取りこぼすまで酷くはなかった。麺の少しをハシの先に取り、アルツールの目前に掲げてみせるが。彼の失笑には、頬の歪みには気付いていても、それが何を意味するかについては無知である。ナコトが戻ると言うので、口に含んでいたキャベツを急いで飲み込んだ。細い食道には些か負荷が高かったようで、逆に暫くは黙ったままで居る事を余儀なくされたが、そんなタイムロスも30秒ほど。)ん、ナコトは一旦戻る?我々はまだ、ここで暫く待機しているけれど、あまり遅いようだったらこちらからまた、軍港の…ウォールーム前に居ると思うから。夜明け前には、戻って来て。(本人の言った通り、ナコトが戻るか、あるいは時間が経ちすぎるまではこの席で軽食を続けている筈だ。胃袋の狭いこの少年にも、まだしも苦ではない位の量で済めばいいのだが。) 2009/11/09 (月) 02:02 ゾンド【退室】 (2009/11/09 (月) 02:02) ◆ アルツール :(ふと、目を開いてゾンドへと視線向け)スパイス?そんなスパイスは結構よい品物だろうに。ああ、そうか、ここは南に近いのだね。(見せられた麺に青年は首を横に振る。黒い麺という未知な食べ物は、青年にとって恐怖だった)面倒ごとで言えば、そういえば…アイザーマンという男を知らぬか。(突然ヴィルトレスとナコトの話に全く関係ない名前を振り。面倒ごとを現在進行形で話している面子と、その護衛の顔の変化を眺める。そして焼きソバへと目を戻した。)森の質ね…西は涼しいだろう、東の森は暑すぎる。自然と同化するように進化を選んだのならば擬態というのかね。それ。東は一度見舞えたが、そのときには疫病が近くで発生したとかきいてな…君も気をつけろよ。 エルフは不老不死だ病にかからないとかとも聞いたことがあるが、物語の中だけのことであろう?(バルディッシュの焼きソバに対する見解に、金毛は目を軽く開いてバルディッシュ見上げて) バル殿、ナコトは食事が好きなのかね…前はスイカだったか食べていただろう? その評価は微妙だな。(などと評価にいちゃもんつけつつ、ハシが扱えない青年は起用に食べ面子を眺めることとなる。)ああ、またあえるとよい ナコト嬢。 ああ、そうだ、偶にはリベリオン長に手紙か何か渡してくれないか。寂しがっているようだからな…是非頼むよ(仕事がある人間を引き止めるのもいけない。長はそんなことも様子も見せていない。青年は何かしらの思惑でそんな嘘をついて) 2009/11/09 (月) 02:08 ◇ ヴィルトレス :(聞こえた名前に、露骨に眉を寄せた。)アルツール君、その男とはあまり関わりを持たん方がいい。特に君のような立場の者は。出会ったら無視して逃げたまえ。(直接言葉を交えたことなどなくとも、噂ばかりはよく聞くのだ。その断片だけでも、通常の兵士たちに会わせたい類の男ではない。ましてや目の前の騎士は異国の者だ。豪くきっぱりと言い切って、仔細は告げず、念を押すように騎士を見る。それも長続きはしないで、ナコトの人形然とした発言に煉瓦色の目が動く。口外するな、などと言っても無駄だろうから、そこには言葉を返さない。)・・・運命。―――神が与えた、世界を御する絶対律をそう呼ぶのだ。曖昧で不確定、というのは我々の主観に過ぎない。未解明だからそう思うのだ。真理を切り拓けば見えてくるだろう。・・・視覚出来る形ならば、きっと美しかろうな。(一笑に付されたにも関わらず、真面目腐った演説のような態度で応じて言う。最後までいくともう殆ど独り言だった。ナコトから賛同を得られぬことなど分かりきっていて、弱く笑う。立ち上がった彼女を見、)ご苦労様、ナコト女史、バルディッシュ君。君の向う道が栄光に至るように祈っている。(別れの挨拶を向けて、軽く手を振った。別れれば完全に敵同士と言える相手に、それでもアルケミストの同朋にする挨拶をして。)『・・・は。ご忠告、痛み入ります。確かに我々は永き命を持ちますが、全ての病に強いわけではございません。・・・そちらもどうぞ、お気をつけて。』(ヤキソバなる未知の物体をアルツールと同じように眺めていた護衛だったが、不意に来た気遣いの発言に、驚いたようだった。初めて会ったばかりの者にそうして心配されるとは露ほどにも思っていなかったのだ。内心うろたえつつも表面は今までと同じ、飾り気のない言い回しで返答する。―――そうして高官たちも、暫くその場にいて飲み食いしただろう。周囲の人気が薄れてくれば同じ頃に退散し、要塞に用意された一室に向う。勿論待機の者たちとはまるで別方向で、この広い要塞ではもう会うこともないはずだ。オル・ベッテに行ってはどうか分からないが。)『リロー様、お言葉ですが、いい加減にしてください。リュリュ様に不利益が生じますと、私としても黙っていられなくなります。』・・・わかっている、もうやらん。すまない。(部屋で落ち着いたところで大分年上の者から率直な文句を受け取れば、高官はしおらしく応じた。ちっと舌打ちしてそのままの格好で寝台に寝そべる程度には機嫌はよろしくなかったようだが・・知るのは護衛と、接待を任された兵士だけだ。) 2009/11/09 (月) 02:24 ヴィルトレス【退室】 (2009/11/09 (月) 02:25) ◆ ナコト :ちょっとした荷物を取りに行くだけですのでそう時間はかかりません…一時間もすれば戻ってきます…(ゾンドの言葉にはそう返して、美味しそうに食べている彼を見ているとなんだか此方も妙な空腹感を覚えることになった。行儀は悪いが要塞への帰路でゲソ串を買い食いすることにしよう。其れが最後のまともな食事となるだろう。)―――…? 聞いたことの無い名前ですね。 『本機のデータベースにも未登録の人物名デス。』 (それからアルツールに問われれば、アルケミストとゴーレムは揃って首を傾げ…素で知らぬ素振りを見せた。) 『フム…味覚に関シテハ、大きな個人差があると聞イテイマス。確かに一面からの評価で摂取を推奨するのは迂闊デシタネ。これは失礼。』 (スイカも世間一般的には不味くないものだと記録されているわけだが…おそらく、この騎士はスイカが嫌いなのだろうと推測した。)……リオが…? ………。…わかりました、時間があれば…。…アルツールさんもお元気で…。 『東の地ニテ、貴殿らのご武運を祈ってオリマス。アルツール殿。』 (騎士へはそんな別れの言葉。西区の作戦がいつ開始されるかは不明だが、あちらも危険な戦場だと聞いている。再び会えると良い、というのは心底の意見だ。)……どうやら、その神の時点で私とは意見の相違があるようですね…。…さようなら、リロー卿…せいぜいオル・ベッテで犬死になさらぬよう、祈っております…。 『デハ、失礼シマス。』 (そうしてアルケミストとゴーレムはドゥーレルの要塞へと向けて歩き始めた。―――さあ、明日からはまた地獄に舞い戻ることとなる…「嗅ぎ回るネズミどもの始末は他の職員に任せ、アドバンスト3は敵対勢力の殲滅に従事せよ」…それが、上から…父親から与えられた唯一にして絶対の命令だった。) 2009/11/09 (月) 02:30 ナコト【退室】 (2009/11/09 (月) 02:30) ◆ アルツール :ああ、私からだとは言わないでくれよ。また会おう、バル殿も。西が始まる前にもう一度あえるといいのだが(といって、にこりと手を振りバルディッシュたちを見送った。上手い具合に食べるゾンドへと視線向けた後、ふと軽く片眉上げて)珍しいな、錬金術師がそのような顔をするなんて… わかった、忠告に従おう (逃げるどころか既に過去のことなのだが、そんなことはおくびにも出さずに一つ頷いた。どうもやばい手合いらしいということだけは分かったため。ひさしくエルフに西の様子とエルフ達のことを熱心に聞いた後、食事が終われば青年も少年をつれてヴィルトレスと分かれることと成るだろう。結局未知との遭遇である焼きソバはたべないまま) 2009/11/09 (月) 02:48 アルツール【退室】 (2009/11/09 (月) 02:48) HIGHLAND FORTRESS 峠の要塞(閉鎖しました) http://h-f.sakura.ne.jp/kariken/index.html BACTERISM MATRIX http://bacterism.matrix.jp/ PCキャラページ http://tryx-quad.sakura.ne.jp/zond.html