題名:不純的異性間交遊 登場隊員:ケッツァ・ゾンド(オル・ベッテ要塞) ケッツァ【入室】 (2009/11/19 (木) 21:49) ◆ ケッツァ :(昼夜を問わず常に忙しく立ち回る軍医らへ「お疲れさまです」と頭を下げながら、ととと、部屋を横切っていく少女が一人。向かう先は薄板の衝立で仕切られた狭い一角。衝立の向こうからは叫び声とうめき声とが騒がしい。患者の中でも、最も五月蝿い部類の者が纏めて放り込まれたその空間で子守唄を歌うというのが仕事、もとい今宵のお食事なのだった) 2009/11/19 (木) 21:57 ゾンド【入室】 (2009/11/19 (木) 22:17) ◆ ケッツァ :……おじゃましまぁす(遠慮がちの挨拶とともに覗き込んだ先では身体のあちこちに包帯代わりの布を巻き付けられた兵士が数人、大人しく横たわっているものもあれば、痛みにもがいて回ってる元気なものもいる。するりと中に入りこんだ少女は、あらら、と目を瞬いて)…みなさん、怪我を早く治すにはちゃあんと眠らなきゃだめなんですよ(一瞬、兵士の視線が声の主へと集まって…『ッたいんだって、ちくしょう!』『…ぅうう、ああぁう』『こいつが五月蝿くて、眠れないんだ!!』軍医には到底見えないその姿にうめきと喚きが返ってくる)まあ、元気なこと……ふふん、じゃあ、みなさんが眠くなるまでこもりうた歌います(生きのいいのにくすりと笑みを洩らして、一番先にわめき声を返した兵士のベッド脇にちょこんと腰掛けた) 2009/11/19 (木) 22:17 ◆ ゾンド :(要塞の中を散り散りに伝う石造りの床は、一歩先へ踏み締める度に足を滑らしそうになる。開けっ放しのままの扉を通り抜けて部屋に入ると、一層血と生肉の臭いが濃くなったが、涼しい顔を保って奥へと進んだ。両手に提げられていた大柄な薬缶を、軍医の詰める机の脇に下ろせば、とりあえず言い付けられたお使いは終わる。中に満たされているのは、何の変哲もない、煮沸消毒を経た飲料水だった。)(軍医はおろか、看護士の数だって到底足りている筈もないのだし、ここへ赴いたついでに、棚に納められていた水差しに手を伸ばすのも自然な流れだった。命令には無いのだから、幾分か身勝手な行動かもしれない。生温く、清潔なだけが取り柄の水を汲んで、快活な悲鳴の飛び交う衝立の奥へと向かった。) 2009/11/19 (木) 22:21 ◆ ケッツァ :(腰掛けた先の兵士は右手の付け根が真っ赤に染まった包帯で覆われていて、同じく包帯まみれの左手でそこを押し付けるように抑えては痛い痛いと喚いている。少女はその上へとさらに手を重ねてやりながら、歌い始める)おねむ おねむよ よるがきた(歌は西のほうでよく聞く子守唄。優しい声色はうめき声より小さいのだけど、衝立の中には確かに響く) 2009/11/19 (木) 22:28 ◆ ゾンド :(衝立の傍を通り過ぎようとした瞬間、聞き覚えのある音程と波長のそれが感じ取れたことに、普段から表情の活動が少なく、至って愛想のない少年兵は通路の真ん中で目を丸くした。邪魔をしてしまうなんて全くの心外だから、徒労かもしれないけれどなるべく彼女に気取られないように慎重に、ケッツァからは後背となる寝台の一人に近付いて、枕元のコップに手を差し伸べる。とうに中身を空にていた木の椀に、ほんとうにただの水を注いだ。負傷兵の反応を見ないまま、一人ずつそれを順繰りに続ける。) 2009/11/19 (木) 22:38 ◆ ケッツァ :(まだ喚き続けているその人の手を子供を寝かしつけるようにとーんとん、優しく叩きながら歌う)おひさま とうに うみのなか(水を給仕に来た少年に気付いたのは、弱々しく呻く負傷兵の方。からからに乾いた口から漏れたのはお礼代わりのうめき声だ。だんだん歌にのめり込んできた少女のほうはうっとり目を閉じて歌を紡ぎ続ける)そらはほしが きらら おやすみよ(少しずつ術を練り込まれた歌が、そろそろ聞くものに睡魔を呼んでくるころか) 2009/11/19 (木) 22:48 ◆ ゾンド :(兵士の喉の中で掠れたように響いた呻き声が、まさか礼の言葉だなんて思いも寄らない思考だったから、痛い所でもあるのかと、彼の面相を覗き込む。この空間の中で、不躾な私語となりかねない質問を口に出せるような性格でもないから、汗と埃と血の染みがこびりついた兵士の額を、そっと掌で撫でるくらいしか、この自分にできる事は無かった。一人を見捨てて、また別の兵士の枕元へ。礼を述べた兵士の、横の寝台のひとは、既に昏々と寝入っていた。洗濯の頻度まで削るしかない、薄汚れた毛布が肌蹴ていたので、彼の首まで掛ける。少女の歌が佳境に入る今となっては、痛みに震える兵士の呻き声よりも、東の鈴虫の音色の方がよっぽど大きく聞こえるくらいだ。) 2009/11/19 (木) 22:57 ◆ ケッツァ :かあさん とうさん おねむのこ(半強制的に夢の中へと叩き込まれていく兵士達、安らかな寝息とまではいかなくても衝立の向こうへの騒音被害はもはや無くなったのは違いない。わめき声から寝言に変わった兵士の声に、ゆるゆると目を開いて最後にその手をきゅと握って離す)みな あさがくるまで ゆめのなか(とん、腰かけていたベッドから降りて、まだ眠っていないものはないかと周囲を見渡して…)まあ おつかれさま(ようやっと少年に気付いた少女はまだ子守唄の調子に乗せながら、ぺこりとご挨拶) 2009/11/19 (木) 23:07 ◆ ゾンド :(豪勢な寝息や静かな寝言が聞こえるくらいに、随分と深い眠りに就いてしまっているようで少しは心配になるけれど、そもそも体力だけは有り余っている兵隊達なのだから、傷口が化膿でもしなければまず大丈夫だろう。容量も残り少なくなった水差しを両手に抱いて、こちらも挨拶のお返事)あなたも、おつかれさま。(やけに軽妙な具合の挨拶だとは思ったけれど、まさか子守唄の調子が続いているとまでは気付かなかった。)からだを休めるのには、寝るのが一番?お水の出番は、明日の朝まで待ちぼうけみたい。 2009/11/19 (木) 23:14 ◆ ケッツァ :(要塞では久々となる食事を兼ねての子守唄はなかなかに強烈で、手を握られた兵士あたりは次に目を覚ますのは数日後にもなりかねないのだけど、あとは軍医の腕の見せ所、なのだろう。兵士の寝顔に満足そうな笑みを浮かべて)昼も夜も騒いでいたら、疲れるばかりよ。お水もいくらあっても足りないの。ふふ、お水も朝までお休みよ(術で眠らせたとはいえ、眠った人達の間だから小声でそう返して)ゾンドさんはちゃあんとおやすみしてる? 2009/11/19 (木) 23:26 ◆ ゾンド :やっぱり、お休み?……朝までに、虫が入らないように、蓋をしておかないと……。(過剰なほどに寝入り続ける兵隊の様子は、さては昏睡かはたまた植物人間か、脈も呼吸も正常なのだから命に別状がある訳でもないのだが、軍医の心配だけは青天井だろう。眠り姫と言うには質実剛健が過ぎる兵隊の目を覚ますには、先日の軍医が使った灸だの鍼だの、少々手荒な目覚ましが必要かもしれない。)非番の日があれば、横にはなっている、けれど。(歯切れが悪かった。戦地でよくやっている、限りなく本物に近い死んだふりを数に入れていいのなら、確かにお休みの時間は決してそう少なくはない。) 2009/11/19 (木) 23:33 ◆ ケッツァ :うん。虫にわけてあげてもいいけど……せっかく用意したのに、病気の元になったらダメだものね(寝ぼけて水に手を伸ばす輩がいないとも限らないが、片付けておくのに賛同しておく。次にお仕事依頼があったらば、その晩の水差しは不要とあらかじめ伝えておいたらいいかしら、なんて思いつつ)ううん、と。ゾンドさんは、横になると…おやすみに、なる?(歯切れの悪い言葉と、人とはまた違った構造の彼に、それが休憩になるのかを訝しげにもう一度繰り返し)疲れては、なあい? 2009/11/19 (木) 23:44 ◆ ゾンド :虫には虫のための水が、森の中にたくさんあるだろうから……せめてこの分だけは、怪我のひと達にあげたい。(とりあえず、寝台からは遠くの方へ避難させておけばいいだろう。コップの口には清潔な布でも被せて、できる事はそれくらいか。)……正直に言ってしまうと、動けなくなるときが、ごく稀にある。その時はどこででも横になって休むから、大丈夫。……これを、どう説明したらいいのか分からないのだけれど…疲れるどころか、おなかとか…足とか、肩とか、体のあちこちの子達が大暴れしているから、鎮めるのに手一杯で、大変。(最後にもう一回、小声で、心配ない、大丈夫ですと囁く。誤魔化しでもなんでもなく、自分でも何が最善なのか、いまいちよく分からないのだ。) 2009/11/19 (木) 23:54 ◆ ケッツァ :ん、そうだね。虫は森の水のほうが好きかもしれない(言われてちょっと考えて、そうかも、と頷いて。動けなくなるときがある、と聞いて思わず心配そうに歪めた顔、その次に続いた説明に考えこむように眉がきゅと寄って)……疲れてる、じゃなくて、ちょと元気すぎる、のかな。……その大暴れって、新しい子が生まれるのとは、違うの?(囁き声の大丈夫には、ふん、と曖昧な頷きを返したものの、やはり心配そうに眉は寄ったまま) 2009/11/20 (金) 00:02 ◆ ゾンド :(管理官の表情が歪むのは、予想していたとはいえ申し訳ない気持ちになる。それくらいの事は覚悟の上で言った言葉だが、どこかに何か、前向きな出口を求めて)もともと、自分を助けてくれる子達が、たくさん寄り集まってくれているのだけれど。(新しい子が生まれる、なんて言葉は、この部屋の兵隊に意識があれば、間違いなくぎょっとしただろう。軍医は軍医で忙しく、部外者の話に耳を傾けていないのも救いだった。)………この森って、とても元気な草花や、虫や動物が多いでしょう?……たぶん、推測をすると、森の方々に混ざりたいのかも。我々のなかは、お世辞にも退屈だろうから。 2009/11/20 (金) 00:10 ◆ ケッツァ :ふうん、もともとゾンドさんと一緒にいる子なのね…じゃあ、その子がわがまましてる、感じかな(子供同士で子供が生まれるなんて話、確かに聞く人がいたら一騒ぎになったかもしれない。最も、発信源の少女はある意味では生んでいるのだけども)…え、と、ん。そう、ここの森は今までで一番楽しいかも(ちょくちょく森に遊びに出ている身としてはなんとなくばつが悪い心地で言葉を聞いて)…ゾンドさんのなかに、森を混ぜることってできない?…ほら、人を食べる草みたいな、そういう元気なのを食べたらゾンドさんのなかも森みたいになるかも…どうかな?(全く自信のない提案は小首を傾げつつのもの) 2009/11/20 (金) 00:28 ◆ ゾンド :ん……………。いつもは……普段の要塞なら、ここまで聞き分けが悪くはなかったはずなのに。(鼻息を立てながら寝言を漏らす負傷兵の一人が、もごもごと何かを呟く。自分の娘か息子かは分からないが、そんな語感の人名だった。意識は無くとも、健康体二人の雑談は、しっかり彼らの耳には入っているらしい。微かに口篭ったように思えた、あくまで感覚的にだが、ケッツァの言葉には普段どおりに相槌を打って)森みたいに賑やかなって、みんなが退屈じゃなくなる、ということ?………面白いかも。今度森に出たら、試してみたい。………やっぱり飲み込むなら、元気な子の種が、いいと思う?(中には寄生種という言語道断に物騒な種も居るだろうが、全く気楽に乗り気らしかった。好奇心旺盛というよりも、実験的な面に興味を持つ気質である。……会話が余計に人聞きが悪くなっているが、夢見心地の兵隊達には、夢幻の会話という事にしておいてほしい。) 2009/11/20 (金) 00:40 ◆ ケッツァ :変わった場所に来たから、はしゃいじゃってるんだよ……何もかもたくさんで、ざわざわしてるから(そわそわと落ち着きがないのはこの精霊がそうだから、妙に実感がこもった口調だ)そう、ゾンドさんのなかが賑やかになったら、大暴れの子達も外に遊びに行かなくても中でたくさん遊べるじゃない。そうね…元気な子の種もそうだけど、いろんな子の種を飲み込んでみたら、なかの子達も分けっこできていいかも(こちらも無邪気に答えていて、人聞きの悪い会話は続く。横で聞かされる兵士、夢うつつに届いた会話を元に、夢の父子でそのうち修羅場なシーンが繰り広げられるかも分からないが、精霊は夢の中までは責任を持ちません) 2009/11/20 (金) 00:55 ◆ ゾンド :こんな事になったの、初めて。(溜息のような呼気を一つ吐いて、手元の水差しを戻そうと歩く。衝立の前後を行き来し、戻って来たときには、手ぶらだ。)ひとつ言うならば、森のお客さんとけんかをしないかだけが、心配。…悪口を言うのは本意ではないが……ちょっと、乱暴な子ばかりだから……。何もしていない子に襲い掛かったり、勝手に食べちゃったり。(独断ででしゃばって、女郎蜘蛛を半分食べてしまうような乱暴者が居たが、そんな連中ばかりなのだ。実に寝苦しそうに眉間へ皺を寄せる、働き盛りの中年兵士がまた一つ寝返りを打った。)いい事を聞いたから、明日は早速、少しだけでも森に出てみようと思う。今夜はそろそろ、準備に戻るから。…あなたは? 2009/11/20 (金) 01:10 ◆ ケッツァ :………ん、と。元気出して(ゾンドのため息が自分に向けられたものではないと分かりながらも、やはりなんだかしゅんとしてしまう。水差しを戻しに行く後ろ姿へと励ますように―半分は自分にもむけての言葉を投げて、戻った時には元気な笑顔を取り戻していたが)ふ、ふ。森の子だって元気すぎるのがいるからおあいこじゃないかしら?そうやって、襲ったり食べたりするぐらいのが…賑やかで、ここには合ってる気がするもの(もっぱら襲われたり食べられたりしながら森と遊んでいる精霊はのんきなものだった)ふふん、面白い子を見つけたら私にも教えてね。私も会いに行ってみたいから!わたしは朝まではここについてる。みんな、美味しそうな夢を見てるから…(寝返りを打った兵士の頭をよしよしと撫で付けて、まだこの場で夢魔の真似事を続けるつもり) 2009/11/20 (金) 01:26 ◆ ゾンド :ごめんなさい。心配をかけさせるつもりではなかったのに。でも、ありがとう。(その、元気な森の仲間達に散々な目に遭わされているのが、この部屋の住人達であるのだが、そういった思考はすっぱりと抜け落ちているようで。ケッツァが眠りに誘わなければ、こんな会話はまずこっぴどく叱られていただろう。)分かった。もし面白そうな子を見付けたら、びっくりされて逃げられないように、静かに帰らないと。(夢を食べるという言い方で連想したのは、伝承の中に出てくるバクという生き物だ。少女とは似ても似付かない、丸々とした寸胴の動物が本当に居るのかと、とりとめもない疑問に少しばかり首を傾げるが、余計な思考は早々に追い出して、部屋の出入り口に至る通路を逆戻りする。最後に扉の前で、ケッツァへ向けて緩やかに手を振ってから、要塞のどこかへ消えて行った。) 2009/11/20 (金) 01:34 ゾンド【退室】 (2009/11/20 (金) 01:35) ◆ ケッツァ :うううん、話してくれて嬉しかったの。ありがとう(こちらこそ、と)うん、そうっとお願いね。あ、でも、ゾンドさんが食べちゃったなら…種でもいいよ!(約束を取り付けて嬉しそうに声を弾ませて。軽く傾げられた首に鏡のように同じ仕草を返したものの、問い掛けになる前に消えたそれに瞬き一つ)またね、おやすみなさい(出入り口へと患者を気遣った細い声と手だけは元気に振って見送った)……ゆめみるよいこ あさはまださきよ ゆめみ ゆめみ (それからまた、ベッドの脇に腰掛けてつらつらと歌を口ずさんだりしながら、心身ともに疲れきった兵士達と朝が来るまで) 2009/11/20 (金) 01:47 ケッツァ【退室】 (2009/11/20 (金) 01:47) HIGHLAND FORTRESS 峠の要塞(閉鎖しました) http://h-f.sakura.ne.jp/kariken/index.html BACTERISM MATRIX http://bacterism.matrix.jp/ PCキャラページ http://tryx-quad.sakura.ne.jp/zond.html