題名:とある場所の物語 登場隊員:ケッツァ・ゾンド(エンデュミリオン要塞) ケッツァ【入室】 (2010/02/23 (火) 21:57) ◆ ケッツァ :(かたこと、とん。パーティルームの給湯室からの物音。燭台に灯した明かりに浮かぶのは空色の子供が一人。小さな片手鍋に汲んだ水を火にかけて、その水面が微妙に揺れるのを覗き込んでいる)………、……ぁ(微かな鼻歌がふいに途切れて、かたん。見上げた棚にいつもの茶葉の缶がないのに、声をあげた) 2010/02/23 (火) 22:05 ◆ ケッツァ :(幸い水面はまだ大人しいからいまのうちにと鍋の前を離れて)……ふふん、かくれんぼ。どこへ隠れても、見つけるよ(部屋の脇から踏み台をとってくると、小声で歌いながら棚の奥を手探りに茶葉を探す。しばらくぶりの給湯室、ちょっとした物の場所が変わっていたりで小さな探しものはしょっちゅうだ) 2010/02/23 (火) 22:22 ◆ ケッツァ :(手前の入れ物から順にふたを開けては中を覗いてと繰り返すうち、たっととっとたったたた、鍋が呼ぶ音がする)……っとと、はぁい!(沸いたお湯にそんな返事を返せば、茶葉探しを放り出して慌てて片手鍋へと取って返す。ぽこんぽこと沸くそれを火から下ろして、収まっていく水面を見つめた) 2010/02/23 (火) 22:38 ゾンド【入室】 (2010/02/23 (火) 22:47) ◆ ゾンド :(特にこれといった用事も任務も頼まれ事もない夜半、廊下を通りすがっていただけで、パーティルームに立ち寄る予定はなかったのだが。半ば扉を通り過ぎていたのを急遽Uターンして、堅牢な誂えの金属製ノブを握り、穏やかに扉を開く。行儀悪く顔だけを室内へ潜り込ませて、ランプの暖かい光だけが灯る広い部屋を探った。)誰か、呼んだ?なにか、危ないことでも……(突如として甲高い声が響いて来たのを不審に思い、一応の意味で様子を覗きに来たのだ。油断一秒火事の元であるからして。) 2010/02/23 (火) 22:54 ◆ ケッツァ :(しゅうう、見る間にあぶくのなくなった鍋を前に、ふうと一息ついて)……うううん、危なくないよ!ちょと騒いでみただけ…(向こうから聞こえた声にはそう返事を投げ返した。それから、ひょ、と給湯室から顔を覗かせて)びっくりさせちゃったかしら、ね。お湯を沸かしていたの(大丈夫、と手をひらひらさせた) 2010/02/23 (火) 23:01 ◆ ゾンド :んん?(給湯室からひょっこり出た顔と、ひらひら振られる掌にだいぶ安心させて貰ったが、返事の発音は曖昧で微妙なもの。騒動の自白については、追求の心算は無い様子。ここの兵舎だって、他の一般要塞と比べてはだいぶガランドウな宿舎の内に入るのだし。体重の軽い足音を遅い歩調で続かせて、少年も給湯室に闖入した。鍋には立ち上る湯気が見られるが、今のところ茹ってはいないみたい。)……ゆたんぽ?(つい最近まで、年がら年中酷暑と熱気の土地に寝泊まりしていたせいか、寒暖の季節感がだいぶちぐはぐになっていると見えて、とっくに繁忙期を終えた暖気具の名前を出した。お茶の支度という観点は、頭からすっぽ抜けている様子。) 2010/02/23 (火) 23:13 ◆ ケッツァ :(あぶくの代わりに白い湯気を出し始めた湯を前に、茶葉のない今どうしたものかと思っていたところだ)そうね!ゆたんぽ!(ゾンドの一言に、ぽんと両手を打って叫んだ。沸かし損にならない良いアイディアかもしれない)ゆたんぽにするのもいいかもしれないわ。お茶になるはずだったのだけど、茶葉より先にお湯ばっかりが出来上がってしまったから……ゾンドさん、ゆたんぽはいかが?(ゆたんぽにするにしても、精霊にはそもそも必要ないものだ。とりあえず目の前の彼はどうだろうかと) 2010/02/23 (火) 23:22 ◆ ゾンド :………、お茶っ葉、残量が無くなっちゃった?(一応ながら確認を取ってみようと問いかけたが、質問の方向はあてずっぽうである。ともかく茶葉がそう素早く、手近なところから見付からない事は間違いない。)ん………探しているあいだ、………このまま冷ましたら……燃やしてしまった薪が可哀想だし……。(言ったそばから、かれこれ長考がたっぷり三分近く続いて。)では、頂きたい。容器は……どこにあるのだっけ……。もう、片しちゃった?(大昔から湯たんぽには縁がなく、最近の住居事情から尚更お世話には疎くなっている道具について、その在り処すらも曖昧だったが、提案をしてくれた相手が生活管理官という点は、とても有難い要素だった。とはいえ、彼女もここには戻りたてのほやほやなのだろうけれど。) 2010/02/23 (火) 23:36 ◆ ケッツァ :うん、私のお気に入りのが見当たらないの。片付けられたのかも…(子供のお気に入りは香り優先の癖の強い味のものだったから、おそらく他に好むものがなかったのだろう。棚の奥にも姿はないようで)そうなの。ぬくぬくほかほかのうちに使ってあげなくちゃ(言った側から、相手の考えている間に今度は下の方の棚から鍋ぶたを引っ張りだして、ことん、湯気を閉じこめる。と、にまにま顔でゾンドの返事を待つ)……うっふふ!はーい、ゆたんぽの場所ならばっちりよ!ほら、鍋と一緒にここの棚に入ってましたー!(場所を把握していたのは偶然のことだったけれど、そのタイミングに大満足らしい様子。さっき鍋ぶたを引っ張りだした奥から金属製のそれを取り出して)パーティルームに毛布もあるから、誰か使ってたのかしらね(そんなことを言いながら、こぽぽぽ、鍋の湯を注いでやる) 2010/02/23 (火) 23:53 ◆ ゾンド :(思考の行く先が要塞一階の倉庫に飛んでいるほんの僅かな隙に、ケッツァがそっちの棚から当該物を引っ張り出してしまったもんだから、そのとんでもない早さに目を丸くしていた。まさか、こんな近くにあるとは思いもよらなかったから。)………あ、やっぱり、栓がついてて、そこから入れるんだ……。(初心者丸出しの言葉を駄々漏れにさせながら、鍋のお湯を器用に容器へ充填させる様子をしげしげと眺める。『ゆたんぽ』なる道具には生まれてこの方お世話になった事がなかったけれど、これはいい機会だと捉えて、ケッツァの言葉に甘えようと考えたのだった。今のところ目論見は順調である。)毛布は………ちょっと前まで、我々が蓑虫になっていたから。(使った物を投げっ放しにした不手際をあっさりと白状した少年。まだ棚に残っていた、ゆたんぽにぴったりサイズの合うタオル生地の袋も引っ張り出して来れば、役者は揃った事になる。………さて、首尾よくユタンポなる物を入手することはできたのだが、さて。これは一体どのようにして使うものだか、イマイチよく分かっていない少年だった。寝床に持ち込んで使う道具だとは薄々推測しているが、まさか他人様のベッドに夜這いして、使用風景を観察した経験なんてある訳がなく、自室に持ち込んでから先が謎そのものである。)………ごめんなさい、ゆたんぽって、初めてで………これは、どうやって扱うもの?(聞くは一時だけの恥とも言うし、素直に尋ねた。) 2010/02/24 (水) 00:11 ◆ ケッツァ :えへへ。そう、ゆたんぽはあつーいお湯を入れるきちんと栓をしなきゃ危ないのよ(相手がゆたんぽをよく知らないとわかるや否や、急に先輩面して注意事項を述べ立てて)あら、ゾンドさんって寒がりなの?それとも、東の森になれちゃってベッドじゃ居心地悪くて休めない?(毛布の出所がわかって意外そうに目を瞬く。さて、ぬくぬくのゆたんぽが完成したところで次は使い方の説明だ)これはね、一緒にベッドで添い寝して使うのよ。でも、ぎゅうっと抱っこすると暖かすぎるかもしれないから、ちょとだけ身体から離しておくのよ。……他には、ええと、寝る前にベッドに入れておいたら、ぬくぬくにしておいてくれるよ。上手に使ったら、朝起きる頃までほんのり暖かいんだって!(自信満々に説明するも、精霊自身も使ったことは無いので又聞きの知ったかぶりだったりするのだが) 2010/02/24 (水) 00:27 ◆ ゾンド :あ、なるほど。居心地が悪かった……。そう、……なんだか、気持ちがざわざわして、落ち着かなくて。(決して黙秘や言い渋っていた訳ではないのだが、自分の感覚を上手く言い表す言葉に思い当たらず、そんな時に、ぽんっと適切な説明が不意に会話から零れ出たものだから、一も二もなく同意した。ただその感覚の出所については自分でも正体が掴めずにいて、頬に手を当て首を傾げている始末だが。)よく理解できた。だから、このタオル袋が傍にあったのだと思う。この袋に包めば、あまり暑過ぎない程度に温まるの、かも?(精霊の口上は実に説得力抜群で、何より理屈の上では矛盾がない。実用の加減についてはちょっと薄味の談話だったけれど、それぐらいなら誤差の範囲として考え、すっかりケッツァをゆたんぽ上級者と看做していた。)えっと、じゃあ、もう、ゆたんぽには、すぐにベッドでお留守番していて貰った方がいいということ?(流石に現地まで同行しての実演と教授まで頼むような不埒者ではないようだが、ケッツァの説明を聞いたらもう、仕草が少しだけそわそわし始めて、おっかなびっくりでゆたんぽを袋に包もうと動いた。事は急を要するようだが、何より相手さまがとっても熱いので、動作は慎重に。) 2010/02/24 (水) 00:45 ◆ ケッツァ :ふうん……ゾンドさんもすっかり森の子になっちゃったのかしらね(首を傾げる仕草に、一緒に考えるかのように視線が遠くなるが、考えごとに夢中になるには少々状況が悪かった。ゆたんぽが冷めてしまっては台無しだ)…あ、うん。最初は熱すぎるから袋に入れて調節してやらなくっちゃ!せっかくのゆたんぽだから、朝までぬくぬくできるようお世話してあげないとね(相手のそわそわが移ったかのように落ち着かなくなると、熱い湯たんぽに直に触れかけて慌てて手を引っ込めた。ゾンドの方がよほど慎重というもの)ううんと……(手っ取り早く鍋掴みがないか周囲を見渡して、結局のところ一番手頃な自分のワンピースの裾を摘んで代わりとし、熱い湯たんぽを袋へと押し込めようと。……お行儀が悪い) 2010/02/24 (水) 01:02 ◆ ゾンド :(タオル袋の方は流石にその道の専門家であるので、これの縁を掴んでいる間は、さしもの熱いゆたんぽも、触れないほどではない。焦らず騒がず、ケッツァの助力を得ながらじりじりと少しずつ進めていけば、もともと距離としても大したものではないので、半分まで含めるには五分と掛からない筈だ。周囲にひとは居ないと思うけれど、あられもない感じのケッツァの格好を他人の目に晒すことだって、なるべく避けたいのだし。)ん、これで………。(腹のぷっくり出る胴体の中ほどまで銜え込んだ、タオル袋の口ごとゆたんぽを空中に持ち上げれば、即ちゆたんぽは万有引力に従って、すとんと滑るように袋の内に収まる。口を締める紐を蝶々結びに縛れば、とりあえずこれで完成…だと思う。)では、これをベッドに持って行けばいいと。……試しに一晩だけ、抱っこしてみようと思う。……今日は、ありがとう。(ちょうど、もういい加減眠ってもいい頃合の時間だし、早々に自室へ戻るつもりだ。睡眠欲というか、何より好奇心には勝てない生き物であるので。) 2010/02/24 (水) 01:15 ◆ ケッツァ :(よっとと、二人掛かりで袋に収められたゆたんぽ。最後に蝶々結びで可愛らしく収まった姿に、ぱちぱちと拍手)わぁ、完成!これで今夜のゾンドさんのベッドはぬくぬくね(乱れていたワンピースの裾を払ってから、早く早くと急かすように手を振って)ふふ、どういたしまして!抱っこして朝まであったかでよく休めますように!(子供も鍋を簡単に片付けたら休むつもりで。今日はお茶には失敗したけれど、おかげで新しいお湯の活用法を見つけてしまってほくほくだ) 2010/02/24 (水) 01:27 ◆ ゾンド :では、おやすみなさい。ケッツァも朝は早いのだから、なるべく早く眠ってね。(ゆたんぽを胸に抱きかかえて、片手を振ってお休みの挨拶。給湯室の壁を曲がると、自室まではすぐそこなのだから迷うわけもない。名残惜しいのだか勇み足なのだか判別の難しい気分に戸惑いながらも、足取りは正しく自室へ向かって行った。標高の高いエンデュミリオンの夜、しかも朝になっても太陽の照らない天候という、ゆたんぽの面目躍如の夜を過ごした筈。結局のところ、この少年兵も恒温動物ではない種族の一端に属している。温かい体温を維持できた体内は、夜明けのそばから無闇に動作が機敏で、支度の指先だっていつになく器用だったとか。ゆたんぽ、手放せないかもしれない……。) 2010/02/24 (水) 01:36 ゾンド【退室】 (2010/02/24 (水) 01:36) ◆ ケッツァ :おやすみなさーい!(満面の笑みで手を振ってゾンドを見送ると、かたことこと、しばらく片付けの音を響かせて……最後、踏み台を片付ける前にもうちょっとだけしぶとく茶葉の缶を探す姿があった。……結局、茶葉の方は次の日に人に聞いて見つけたとか。かくれんぼの自称名手もたまには失敗するらしい) 2010/02/24 (水) 01:42 ケッツァ【退室】 (2010/02/24 (水) 01:42) HIGHLAND FORTRESS 峠の要塞(閉鎖しました) http://h-f.sakura.ne.jp/kariken/index.html BACTERISM MATRIX http://bacterism.matrix.jp/ PCキャラページ http://tryx-quad.sakura.ne.jp/zond.html