マルス【入室】 (2007/02/03 (土) 23:10) ◆ マルス :(耳障りな音が響き、雪を噛んで進むキャタピラの砲車が一台…またもやハイランドのキャンプ方向へと進んでいた。その上に乗るのは一人の派手な衣装の男と、その付きのメイド。その横には防寒用マントに身を包んだ小さな影がちょこんと座っており…カラクリの推進力となっているのはホウキ頭の若い男と、ヒモトの鎧武者だった。)さて…今日も飽くなき闘争への旅路…!今日はまた裏を突いて攻めるとしよう…。フフフ…(そんな気取ったポーズとセリフで、砲車の上の男は無駄に装飾の施された黒剣で空を切った。) 2007/02/03 (土) 23:14 ゾンド【入室】 (2007/02/03 (土) 23:18) ◆ ゾンド :(通常の恒温動物が持つ血液循環という概念が、自分に備わっていないという事に気付いたのはどれほど昔だろう。要塞の外、容赦無く体温を奪っていく雪林に踏み入る状況はこの要塞が初めての経験だった。一応、脚には短めのスキー板のような雪上歩行補助具を装着して、行軍はまだしもましなものだが、簡易的な防寒用品は気休め程度にしか働いていない。そうやってここ数時間、単独で警邏を担当していた。) 2007/02/03 (土) 23:19 ◆ マルス :(ふと、耳障りな音を立てて前進する砲車の足が止まる…。目標地点への進行方向に警備の姿を確認したからであった。やはり前回のようにただでは美味しい場所を取らせてくれないようである。)ふむ…だが我々もナメられたものだ…。もしくは、今日は特別に運が良かったのか…。(派手な服装の男が砲車から飛び降りる。黒剣を構え…警備の姿へと、黒い薔薇を一輪投げた。ほんの挨拶代わりである。)選びたまえ。道を開けるか、くたばるか。(そんな言葉…砲車付近で部下の四人がそれぞれ構える。単純計算で1対5…。) 2007/02/03 (土) 23:27 ◆ ゾンド :(雪に覆われた静寂を常とする林には、まず相応しくないであろう音を感知する。そして暗がりの中にも異様な熱放射。生物特有の反応だ。そして向こうから為される宣戦布告。元より緊張とは無縁の性格だ。)そちらが動いてくれるのなら、むしろ助かる。(その瞬間、内部のレギュレーションが普段とは切り替わった。気配では解らないだろうが、既に戦闘体勢に入っている。) 2007/02/03 (土) 23:33 ◆ マルス :ほう、面白いことを言う。とにかく、退く気はないか…。では、遠慮なく…(後ろの部隊を軽く一瞥する。「まずは小手調べに私一人でやる」と。雪が弾け、決して遅くは無い速度で派手な男が駆けた。手の黒剣が研ぎ澄まされた太刀筋で唸りを上げる。)御命頂戴致します!敬具!(さて、警護の少年の戦闘能力とは如何ほどなものか…。部隊全員が一挙一動を見逃さないよう、砲車を護衛しながら監視していた。) 2007/02/03 (土) 23:38 ◆ ゾンド :(コートの裾が鋭角な三角形に切り離され、四つの端末が一定の距離を置き、ゾンドの周囲を囲うように雪に刺さった。)アンカー・ブイ(浮動標)投索。(更に本体では、脚部のグルコースポンプサブモーターが駆動。雪を溶かすどころか更に昇華して周囲に水蒸気の靄が立ち込め始めた。) 2007/02/03 (土) 23:38 ◆ ゾンド :(男の突進には、正面に設置したブイが瞬時に反応。敵の距離と方向軸、偏差時間等を本体へ通告する。右腕がパイプ状に変形し、集束する音波を正確に男の鼓膜・三半規管・耳骨を強烈に揺さぶる。直撃すれば凄まじい嘔吐感、悪寒と平衡感覚の消失が襲い掛かる) 2007/02/03 (土) 23:44 ◆ マルス :なんとぉーっ!?(慌ててバックステップで退き…珍しく驚きに目が見開かれる。正体は魔族であるこの男…魔力の動きならば一目で見て分かる筈だが、この水蒸気の靄発生にはそれが何ひとつ無かった。何ひとつ無いにしてもこの魔法としか思えぬ力…。)…このマルス・S・フェルナンデス、只今驚愕の極み…!君はどこからきてどこへ行くのかその前に一体君は何者なのか好奇心が著しく掻き立てられる所存…!(そんな言葉、間合いをとって黒剣を構えつつ…あまり使いたくないが、もしかすれば魔法を使わなければならない相手かもしれない…。相手の腕がパイプ状に変形するのを見るや否や、勘でその射線軸上を避け…黒剣で右腕を切り落とさんと、振るう。) 2007/02/03 (土) 23:46 ◆ ゾンド :(首魁であろう敵の斬撃にも全く回避行動をとろうとしない。右腕は何の抵抗も無く宙へと吹き飛ばされるが、その右腕の切れ端が爆散。体組織が360度全方向に撒き散らされた。斬りつけた男はおろか、見守る敵衆にもそれは降りかかる。) 2007/02/03 (土) 23:52 ◆ マルス :何…?あまりにも脆い、そしてマンダム。さらには全く痛みも感じていないと言うのか…?本当に何者…。(眉を潜めつつ派手な男は黒剣で撒き散らされた物体を切り払っていき…至近距離なので、それは防ぎきれるものではない。一方、距離を離していた部下たちがそれぞれが素早く、さらに距離を取って完全に回避するか…。無論、致命的に機動力の無い砲車は避けることが出来ない。)フフフ…さて、この不愉快な爆散物には一体どんな仕掛けがある?もっと私に見せてくれたまえ!もしかすれば、君は私と共に来る権利があるかも知れない!!(何故か楽しそうに派手な男は黒剣を振るう。次は頭を潰そうと刺突を繰り出した…。) 2007/02/03 (土) 23:59 ◆ ゾンド :(外気に触れ、ゾンドに寄生している腐蝕バクテリアが眼を醒ます。この少年の体内は、原始生命の縮図のような生態系を奇跡的に保っていた。マルスに付着した僅かなバクテリアが皮膚を溶解、皮下組織や筋肉すら食い破り、増殖しつつ体内を穿孔する。そして皮下での活動の副産物として白燐を精製。肉の中に直接劇物を注入しているようなものであり、それはつまり耐え難い激痛がもたらされるということだ。) 2007/02/04 (日) 00:07 ◆ ゾンド :(頭蓋を貫く一撃は、まるで水面に石を投げ込むかのように手応え、もしくは抵抗が無い。そのまま頭部を貫通するが、ある瞬間に剣が頭に刺さったまま固着する。)捕獲した。(骨伝導で剣が揺れる。口から言葉を吐かず、それはまるで金属が震えて音が出ているかのようだった。) 2007/02/04 (日) 00:11 ◆ マルス :―――――なるほど…。(黒剣の動きが少年の頭を貫通して止まる。ピリピリと激痛を感じている筈なのに顔色ひとつ変えず…むしろ砲車へと振り返った。どうやら無機物は食われないらしい。そして、ゾンドへと向き直ればニヤリと笑い…魔力自己封印解除。体内から噴き上がる強大な魔力が、体内の異物…バクテリアを自動的に排除するか。そして…)ちょっとストップ・ザ・タイムだ。君、名前を教えてくれないかね?ああ、捕獲したままでいい…私の話に応じてくれたまえ。(突き出すのは刺さっている黒剣ではなく、右手。)私と共に来る気はないか?君の存在はハイランドには過ぎたる者…自分でもそう感じたことはないかい?(圧倒的な魔力を隠しもせず、そう問うた。さて、返答は如何に…。) 2007/02/04 (日) 00:15 ◆ ゾンド :(応じた。)我々を認めてくれた事には礼を述べる。だが、我々は滅びなければならない。暗がりに消えなければならない。あなたの達成、栄光、未来。どれも我々の設計思想には相反する概念。生物は死がデフォルトであると、我々の創造主は認識している。そこでは生が異常であり、現象の振れ幅が偶然にプラスであるだけ。食われるものというニッチを獲得した代償に絶対数を得ている我々の一体何が「過ぎたるもの」であるというのか。 2007/02/04 (日) 00:30 ◆ マルス :フッ、自分をただの道具としか見ていないと?では君にこの言葉を送ろう…道具をマニュアル通りにしか使えない奴は阿呆だ!とね…。私ならばもっと上手く君を使える。断言しよう。(相手の言葉の半分以上は理解できないものだった。それもその筈、彼の言うことはゼフィユの科学者でさえ理解できないだろう。時代を超越した言葉だ。これは。)だが、言わんとしていることは大体把握できた。私にとっては過小評価極まりなく感じる。君は現代の魔法も科学も超越した存在だ。(そこでやっと黒剣を引き抜き、鞘に納める。それでも来ないと言うのならば仕方あるまい。) 2007/02/04 (日) 00:37 ◆ ゾンド :完璧に道具を扱える人間など存在しない。人間とは、いや、あらゆる有機生命はそもそも不完全であり、その不完全な人間の造る道具が完全である事はありえない。(マルスが剣を鞘に収めたのを機に、この戦闘体勢も集束させた。敵意は最早消え去っている。)究極の魔法と究極の科学はいずれ同一のものになると我々は予測している。 2007/02/04 (日) 00:44 ◆ マルス :ほう、面白い事を言う…。が、それは人間が気付いてはいけないことさ。人間は完全完璧を求めるからこそ成長著しく、また美しい。しかしどうあっても不完全のまま生涯を終えると気付いてしまっては、成長もしないだろうし実に醜い…。(自分の魔力への封印を施し、友と語るような口調でそんな言葉をのたまった。完全完璧をまだまだ解明されていない科学で求めるからこそゼフィユに美しさを見出し、そちら側についているのだ。)奇遇だな。私もそう感じるよ。そして、魔法の時代が終わりを告げる…ともね。ハイランド人は魔法を発展させているかい?古いものに頼りっ放しで前に進もうとはしていないだろう?ゼフィユが勝つよ、いずれ。(ニヤリと不敵な笑みを浮かべ…そんな言葉。) 2007/02/04 (日) 00:53 ◆ ゾンド :貴方が真実、オーバーロードとして人間をブレイクスルーに導く事を望むのなら、パワーバランス調整にも目を向けるべき、可能ならアイソスタシーを奨励する。意図的に両者を均衡状態に置き、内面的に未来を志向する種族を重点的に支援する手段。彼等の立脚する基点が魔法であれ科学であれ、同条件を与えられた同じ時代を共有する知的生物ならいずれそれらは混交するだろう。魔法が古く科学が新しいという認識が来たるべき未来に陳腐化しない可能性は低い。そして、退いて欲しい。あなた方がここで退くなら、我々も深追いはしない。現状の戦力であなた方というイレギュラーを完全に撃殺するのは事実上不可能と判断している。 2007/02/04 (日) 01:16 ◆ マルス :導くのは私ではない…。人間たちが自分で進化していくものさ。私はただ、投げられた賽の目を傍観するのみ。あわよくば、その良かった目を掻っ攫ってしまう存在。こうやって科学の結晶を使って魔法の城を攻めるのもただの興だよ。(相手の案には人差し指を振ってそう返し…砲車を反転させるように命じた。この辺りで退くことにしよう。今日は日が悪かった…と。)しかし私は科学に賭けることとしよう。どうも、魔法は知りすぎた…。天井が見えるくらいに。(懐から黒薔薇を取り出し、相手へと投げる。)そうすることにしよう。今日は興じる気分ではなくなったようだ…。アディオス、名も知らぬ君。またどこかで会える事を祈っているよ…。(そして、その派手な男の影も砲車と共に消えるだろう…。結果として、警護は無事に終わったと言うことか…。) 2007/02/04 (日) 01:18 マルス【退室】 (2007/02/04 (日) 01:18) ◆ ゾンド :(彼の戦力に対し、右腕を失っただけで済んだのは果たして僥倖だったろうか。射出した浮標は既に凍り付いていた。一旦要塞へ戻り、再構成の為の質量を確保しなければならない。そしてここ一帯は暫く、静かな夜が支配するだろう。) 2007/02/04 (日) 01:24 ゾンド【退室】 (2007/02/04 (日) 01:24) HIGHLAND FORTRESS 峠の要塞(閉鎖しました) http://h-f.sakura.ne.jp/kariken/index.html BACTERISM MATRIX http://bacterism.matrix.jp/ PCキャラページ http://tryx-quad.sakura.ne.jp/zond.html