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「バージェス墓標群」 No.177(親記事)

DATE : 2006年03月08日(20:29)
NAME : ゾンド
要塞待機部隊・エクセルド護衛部隊・傭兵部隊・竜騎士部隊第6小隊・レグナリス攻撃艦隊。
以上の部隊にエンデュミリオン命令を通達する。

ハイランド・ゼフィユ両国に分轄統治されているバージェス地方に不穏な空気がある。
バージェス地方に駐留している筈のハイランド軍部隊からの定時連絡が途絶えているのだ。

我がハイランド軍はバージェス方面先遣偵察隊を組織し、状況確認に向かわせたが、
これら偵察隊の消息も不明となっている。

ゼフィユ方面に潜入した工作員の情報によると、
この事態と呼応するが如く、同地域に駐留するゼフィユ軍にも動きが見られる。

至急バージェス地方に向かい偵察隊を捜索し、発見次第同部隊の支援に当たれ。
万一敵勢力と遭遇した場合速やかにこれを無力化せよ。

諸君ら四部隊の捜索ルートはただ一つ。
中型艦船によってハイランド領バージェス南西部沿岸へと移動し、
同地域にある対ゼフィユ小規模戦線、
拠点呼称「ブルーポイント」(以降BP−01と表記)にて揚陸。
北東方向へ北上しつつ、第一補給地点呼称「グリーンポイント」(以降GP−02と表記)を経由し、
平野に広がるバージェス旧市街ゼフィユ国境を通過、旧首都近郊に存在する鉄資源供給鉱山、
ゼフィユ軍拠点呼称「リファレンスポイント」(以降RP−03と表記)を踏破せよ。

以上の各拠点に侵攻、制圧してすら先遣偵察隊の消息を掴めない場合、
諸君等は防衛隊としてRP−03を死守。後続部隊の支援に当たれ。
後続部隊の到着が期待できない場合、
敵戦力の規模に関らず諸君等の単独行動で状況を打開せよ。

命令は以上。諸君等の武運を祈る。

【GP−02:補給ポイント】武器修復確認 No.178(No.177への返信記事)

DATE : 2006年03月08日(20:30)
NAME : ゾンド
アルケミスト リゼによる行動結果

MW 8 → MW 9

ヴィッツCのメイン武器が完全状態に戻りました。

【GP−02:補給ポイント】現有ハイランド軍戦力 No.180(No.177への返信記事)

DATE : 2006年03月09日(16:12)
NAME : ゾンド
C性能参照は過去ログ

▼前衛ユニット
・ディー 22/22 MW15 SW2
・シィア 20/20 MW6 SW1
・シグルド 20/20 MW9 SW1
・ヴィッツ 25/25 MW9 SW3
・エンガ 20/20 MW9 SW2
・ジュート 20/20 MW9 SW4
・ソル 25/25 MW19
・クロム 25/25 MW30
・レイ 25/25 MW17
New!
レギ 20/20 MW10 SW2

▼後衛ユニット
・セオ 23/23 MW15
・アル 19/19 MW11 SW3
・クライド 19/19 MW19
・セレス 21/21 MW3

▼非戦闘ユニット
・リゼ アルケミスト
・ゾンド 多目的運用
・ティア 慰安兵
・ポット 非戦闘員護衛兼雑用
・バード 生活管理官
・ニーア 文官
New!
・ブリギット 軍医

【GP−02:補給ポイント】 No.181(No.177への返信記事)

DATE : 2006年03月09日(16:30)
NAME : ゾンド
見張りの立つ、GP−02の屋外。
雨はやっと勢力が弱まり、濃い靄と共に霧雨が降る程度になった。

その代わりに、大地に轟く新たな振動が、
地下に造られた補給地点内部にも響きわたる。

震源はまだ遠くにある様だが、ここも長居はできないだろう。
何より、敵の強襲には甚だ不向きな場所だ。
もし何者かに攻撃を受けたなら、
入り口を破壊するだけで内部の人員は生き埋めとなる。

日光は雲に遮られている上に、
たちこめる靄によって竜騎士ですら遠くを眺める事はできない。

敵であれ友軍であれ、攻めこむにはやや有利な条件だった。
勿論敵がこの付近の地形に詳しい事は確かだが。
いずれにせよ、エンデュミリオンの命令は無視できない。

【GP−02:補給ポイント】 No.182(No.177への返信記事)

DATE : 2006年03月10日(01:43)
NAME : バード
部屋の中では、隊員たちが思い思いに休息を取っていた。
同隊の竜騎士たちが外の竜の様子を見に行く背中を、食事を配って歩きながら見送る。
戦地で竜の管理をするのは、彼らのほうが長けている。手は出すまい………否、本当は、戦って欲しくなどないのだ。それが、足を遠ざけさせる。

仕事を終えたリゼのところへ、シグルドたちの料理を乗せた皿とカップスープを手に歩いていった。

「お仕事、お疲れ様です。リゼさんも一休み…」

言い掛けて、弾かれたように顔を上げた。
封印されているとはいえ、気の遠くなるような年月を地下で暮らしていた竜の五感が、人間より先に大地の異変に気がついた。早いとはいえ、その差は1、2秒だが。

咄嗟に、リゼの頭をかばうように手を伸ばす。
彼女の体を捉えられたなら、その直後に、振動が襲うだろう。

【GP−02:補給ポイント】 No.183(No.177への返信記事)

DATE : 2006年03月10日(11:46)
NAME : リゼ
ニーアとともにこちらにやってくる自部隊の隊長の姿を認め、声をかける。
戦時には己の剣が常にそばにないと落ち着かない、という人間が多いので、早く渡したかった。

「隊長さーん、修理終わりましたよー」

そこに、いい匂いが近づいてくる。
料理を持ってきてくれたらしい詩人に、ほやっと笑いかけた。

『お仕事、お疲れ様です。リゼさんも一休み…』

「わぁ、ありがとうございます。ちょうど今、」

食事にしようかと…、と言いかけたところで、急に強張ったバードの顔に首を傾げる。
突然、抱え込まれた。頭のところに腕がある。
脳内に「?」が浮かんだ数秒後に、

――振動。
腹に響く低い音は禍禍しく、不気味で。

「…ここも、そう長くはいられないのでしょうか…」

抱えられながら呟いた。
しばらくして何事もないようならば、気丈な顔で大丈夫だと告げ、詩人から離れるだろう。
しかし今は、彼の服の袖の握り締めた手の力を、緩めることができない。

【GP−02:補給ポイント】 No.184(No.177への返信記事)

DATE : 2006年03月10日(12:46)
NAME : ジュート
料理を受け取りそれを食べている最中であった。
部屋に響き渡る振動に身構えて。揺れが収まる、収まらないに関わらず、
残った料理を手早く平らげると、武器と外套を手に取り出入り口に向かう。

「霧…ですか…。…不利とも有利ともいえませんが…」

外に出れば目にはいるのは靄。
どこか不安そうにそんなことを呟くと、外套を羽織って。
身体をほぐそうと軽く動かしながら、見張り組とともに外で待機するようだ。

【GP−02:補給ポイント】 No.185(No.177への返信記事)

DATE : 2006年03月10日(18:20)
NAME : レギ
立ち込める靄と霧雨の中、なるべく水溜りを避けて、
足音を立てないように走ってくる人影があった。
見回りにでていたらしい人影は、補給ポイントの入り口前に立っている見張り役数人の前に立つと、
頭から羽織っていた合羽代わりの外套のフード部分を上げ、素顔をさらした。

「待機部隊所属、レギアント・フレイです。
 周囲に、これといった異常はありません」

略式の礼をして名乗りながら、言葉を続ける。

「この分なら、しばらくは――」

言葉を続けようとした時、その振動が起こった。
敬礼をときながら、今度はこめかみをぽりぽりと掻いて呟いた。

「・・・前言撤回、何か起こりそうです」

チャキ、と腰の長剣を鳴らし、周囲に対して視線を走らせる。

――さて、仕事の始まりだ

【GP−02:補給ポイント】 No.186(No.177への返信記事)

DATE : 2006年03月10日(22:16)
NAME : アル
料理はなかなか美味かった。
酒の方も保管状態は問題なく、まずまずといったところか。
動くのに支障のない量をさっさと胃の中にかき込んで、食事を終えた。
適量を、手早く食うのは慣れている。

(さて、と…)

出発まで外で一服しておこうと、弓を抱え、表へ繋がる階段を上がる。
扉を開ければ、少し弱くなった雨足と濃霧、見張りの兵と、たった今到着したらしい後続の兵。
確か、同じ待機の……

くわえたタバコに火をつけようとしたその時。
ガクン、と沈み込む感覚、間髪いれず跳ね上げられる神経。

「…!」

マッチが手からこぼれ、水溜りに落ちた。
短い音を立てて消える火。

眼前の同僚が身構えるのが見えた

「やれやれ、一服する間もないのかよ…?」

うんざりした表情で、矢筒に手を沿えた。

【GP−02:補給ポイント】 No.187(No.177への返信記事)

DATE : 2006年03月11日(00:33)
NAME : ソル
軽口、悪戯な仕草。
相変わらずなやつだ…そう思いながらその背を見送って、食事を言いつけられれば軽く首を回した。
騎士たちの用意してくれたもの。彼女の分もそうで、自分も少しエネルギーを取っておく必要があった。あまり、効率のいい働きをしない自分には。

入口を離れ、暖炉の方へ。ちらりと様子を見た炎は、その火の前に居る少年の世話により勢いづいて嬉々としていた。
暖炉周辺の少年たちを避け、すぐに中に入れられるスープのほうを手にした。二つ分。
肉類のほうをどうするか――悩んでいて、ふいに今までと雰囲気の違った人の声と挙動、振動。
顔を顰めて、暖炉から離れた。

「…ヴィッツ」

ニーアと共に、リゼのほうへと歩いていたらしい彼女に、声をかける。彼女の視線を受けるなら、首を振って見せるだろう。
出来ることならば急ぎ外へ出て、などと望みたくはなかったが、このような場所での長居は危ない。他の隊員たちと同じ判断だった。

【GP−02:補給ポイント】 出発、進軍開始 No.188(No.177への返信記事)

DATE : 2006年03月12日(00:24)
NAME : ゾンド
地下室に響く震動。暖炉で燃える炭灰が崩れる。
流石に頑丈に造られた内壁は剥がれ落ちたりはしなかったが、
内部に保管されている食器や武器類の立てる音はやや耳障りだった。

机に散乱する書類をまとめて掴み、
煌々と燃える暖炉に放り込んだ。
刹那、紙や羊皮紙は焼かれると共に黒く変色し、
踊る様に劣化して真っ白な灰となる。

「できうる限り、早めにここを出た方がいい。」
返事を期待せず、誰ともなしに呟く。

急な階段を足早に昇って外へ出た。
湿った空気が体温を冷ます。
周囲の地形図は寸分狂わずメモリに叩き込んだ筈が、
破壊活動によって如何せん地形が変わり果てており、
エラーばかり頻出してまるで役に立ちそうにはなかった。

地磁気を検出し、予測で方位を定め、移動を開始する。
北へ、北東へ。


■作戦行動指針■
補給ポイントを出発、北東方向に存在する、
ハイランド・ゼフィユ国境「レッドライン」へ進軍せよ。

【GP−02:補給ポイント】 No.191(No.177への返信記事)

DATE : 2006年03月12日(00:42)
NAME : ヴィッツ
『隊長さーん、修理終わりましたよー』
「うぃーっす、ありがとー!」

せっかく巻いてもらった包帯を即行で崩さないように、とそうでない方の手をあげてリゼの方へ振った。

「んで、話ってのは進路の…?」

そのまま彼女の方へ曲刀を取りに歩きつつ、エストックのシースを腿に戻そうとし、屈んだような微妙な歩き方でニーアに問いかけた。が、

「!?」

振動に、というよりそれで発せられる音に反応して、顔を上げた。反射的に入口のほうを見、異常がないことを確認すればすぐさま暖炉の方へ目を走らせた。
副隊長が、自分を呼んで首を振るのが見えた。各々外へと行動を移す隊員たちも。

「…ニーア兄さん、歩きながら手短に状況説明と今後の案だけ教えてくれっか?
 後は行動しながらシグさんらと行き道決める」

出来ることならば可能な限りの休息を取ってしまおうと思っていたが、何だかそれは無理そうだ。
曲刀を回収しに、リゼのところへ。受け取ればすぐに、

「ソル、とりあえず飯下さい。
 ティア!酒!!」

ニーアの答えを待ちながら、二人を呼んだ。横柄になるのは、見ない振りして見逃して欲しい。
しっかりまだ飲んでいない酒をティアに言いつけて、自分も外を目指すだろう。あまり休息を取れていないが、自分を信じろ。そんな感じの顔だった。

【GP−02:補給ポイント】 No.192(No.177への返信記事)

DATE : 2006年03月12日(03:24)
NAME : ディー
入り口に立ったまま、スープと酒を平らげる。雨脚は弱まったが、今度は酷い霧が出てくる。息を吸えば、濃密な湿気に喉が詰まるような感じがした。
その濃霧を割ってレギアントが、ほぼ同時に建物の中からアルベルトが姿を現した。

哨戒任務の報告。返答しようとしたところで…大地が、震えた。

『・・・前言撤回、何か起こりそうです』
『やれやれ、一服する間もないのかよ…?』

「…すまんが、ここは頼む」

そう声をかけ、返事も待たずに足早に階段を下りる。
乾かしていた外套や防具を着込み、刀を佩き直すまでそう時間はかからないだろう。慣れたものだった。
暖炉のほうで地図を囲んでいた輪から、まず少年が外れて歩いていく。それに続き、階段を再び上った。

指示が無ければ、進軍の先頭に立って歩くだろう。

【GP−02:補給ポイント】 No.193(No.177への返信記事)

DATE : 2006年03月12日(11:57)
NAME : クライド
その頃には外での仕事を終え、飯にありついていた。
竜騎士が率先して飯作ってどうするよー、とかちょっと思いながら。しかし味は、良い。器用なもんだと思う。
――振動を身体に、耳に感じ、椀を置いて少し身構える。
今すぐに、何事もないことを確認すると、残っていたスープを飲み干した。体は、十分温まった。

「ごちそうさん。美味かった」

誰ともなしに言った。バードや、ティアか誰かに届いたか。
装備も身につけ、コンポジットボウを手に、矢筒を背負う。時間はかからないだろう。
外に出れば、急激に濃い霧が辺りを覆っており、顔を顰めた。
自分の眼の良さは物理的なものだ。これでは、あまり役に立たないかもしれない。何らかの魔力の発露があれば、それは捉えられるかもしれないが。
ミネルヴァを連れてきて、待機部隊の弓士――前の戦闘でその腕には内心、舌を巻いた――と、今着いたという感じの少年のいる、入り口のところで中の人間が出てくるのを待つ。
進軍するならば、自分の位置は上空後方だろう。

【GP−02:補給ポイント】 No.194(No.177への返信記事)

DATE : 2006年03月12日(12:08)
NAME : リゼ
「もう、大丈夫…。ここを発つ準備をした方がいいようですね」

自分を庇ってくれた詩人に笑顔を向け、立ち上がる。
何やら忙しそうに歩みよってきたヴィッツに、彼女の曲刀を手渡した。ようやく、一仕事を終えたという心地がする。
しかし戦闘員たちにとっては、ここからが仕事なのだろう。

「…ご武運を」

嫌になるほど、ありきたりの言葉しか出てこなかった。

とりあえず、バードの持ってきてくれたスープに手を伸ばす。
半分しか飲めずに悪いと思ったが、もともと少食なので足りる。
慌しく、きびきびと動きながら、補給地点を発つ準備をする。
手早く自分の荷物をまとめると、他の後片付けも手伝うだろう。

【GP−02:補給ポイント】 No.195(No.177への返信記事)

DATE : 2006年03月12日(14:43)
NAME : セレス

竜騎士たちの手伝いで食事を配り終えた後、地図を確認した。
一応頭に入れ、指示があった時は役立てるように、と。
僅かに憂鬱そうな顔をしてから座り、黙々とスープを飲む。
まだ和やかだった時間は大地の揺れによって突如緊迫した。
他の隊員たちがそれぞれ動く。
自分も揺れている数秒、身構えたようになっていたがほぼ何も無く治まると長く溜息をつく。
残っていたスープを一気に飲み干し、立ち上がった。

「ごちそうさま。」

言いながらまだ少し湿り気の残るコートに腕を通す。
前で止めながら足早に入口へ向う。

『…ご武運を』

丁度横を通り過ぎたときに聞えた少女の声。
昔同じような声を、聞いた気がする。
先に出て行った隊員たちを追いかけるように外へ出る。
白くまみれた世界に、閉口した。
やはり、今回天候は不穏だ。
他と同じように、全員が外に出てくるのを待つ。

【GP−02:補給ポイント】 No.196(No.177への返信記事)

DATE : 2006年03月12日(15:57)
NAME : シグルド
「ラスタード、我々が空の先陣を切るぞ」

振動を仮竜舎にて感じたシグルド・ハイメタルは、己の騎竜にそう告げる。

古来より先駆け、殿は進軍の上で一番危険とされてきた位置である。
本来ならば危険な先駆けは命令系統を司る隊長職が務めるものではないが、今回ばかりは率先して前に出よう。

この一行の身を案じてではない。

確かに、全員で任務を完遂し生還したいという強い願望はある。だが、今はそれ以上にこの先で力を持たない人々が虐げられているのが見過せなかった。
本来、軍とは力を持たない人々の剣となり盾となる存在であるべきだ。少なくとも、自分の故郷はいつの時代もそうだから・・・。

「何、先鋒といえど先程のような戦い方はしないさ。隊長としての務めは果たす」

先祖代々伝わる竜の血、その闘争本能を感じ取った白銀の飛竜は己の主人へと軽く唸って警告した。それを聞き、シグルドは軽く首を撫でて答える。

「ここからが正念場だ。御先祖ウェルザム・ハイメタル様、竜の神の御加護を、我々に」

上空先方にて、その言葉を聞く者はラスタードしかいなかっただろう。

【GP−02:補給ポイント】 No.197(No.177への返信記事)

DATE : 2006年03月12日(16:02)
NAME : ティア
暖炉の側で、ヴィッツの持ってきてくれた毛布を被ってずっと、大人しくしていた。ここを出れば、また行軍。余計な疲れは、全てここに置いていきたい。
竜騎士の食事には手を出さなかった。次の補給がいつになるのか――それは知れなかったけれど、食糧は基本的に戦闘員のものだ。限界を感じない限り、自分は口にしない。そう、エンデュミリオンで教えられていた。

背中の温かさに目が虚ろになる。そこに、ふいの振動。瞬間、びくりと竦んで、閉じかかっていたはずの目は見開いた。
肩を抱いて、立ち上がる。仲間たちが足早に、外へ向かうのを見て、ああ、時間か、と一つ息を。温かさから背が離れたせいか、この音と振動にか。寒気を覚えた。

『ティア!酒!!』

出て行きがてらの隊長にそう命じられれば、無言で暖炉の周りの、全員に行き渡らなかったらしいスープの器を手に取った。その中身を、食材に申し訳ないと思いながら、暖炉の灰の脇に流し込んだ。瓶を一つ開けて、素早く一度酒で器を洗い、それも流す。
そしてやっと飲み物としてそれを汲み、置いておいた。走っても、もう彼女が外へ出て行ってしまうのには追いつけないだろう。だから、外へ出る準備を終えてから。
被っていた毛布で、いくつか酒瓶を包んでしまう。何かにつけ、アルコールは使うもの。自分で面倒の出来る分のみ、連れて行くことにした。

「――はい…」

一体どこで彼女に追いつくのかは分からないが、彼らに追いすがり、着けば頼まれたものを差し出すだろう。
白い、世界。人の傷に沁みそうだ。

【GP−02:補給ポイント】 No.198(No.177への返信記事)

DATE : 2006年03月12日(16:54)
NAME : ポット
振動で足をすくわれ、ずっこけて打った頭頂部が痛い。
ジンジンとした痛みを感じつつ、言葉も少なく進軍の用意を始めた一行に、慌てて自分も荷物をまとめ・・・聞こえよがしに一言。

「まったく、辛気臭いヤツらだな!」

補給も治療も終えて準備万端だというのに、湿った空気と一緒に士気も湿ってきているみたく悪魔は感じた。やはりやっと一息つけたというのに敵の気配を感じからだろうか。
だが敵は化け物。人間同士で殺し合いをするよりかはよっぽどやりやすいだろう・・・が、何だか全員元気を感じなかった。せかせか動いているヴィッツ以外。

「フン、そんなのでは呑まれてしまうぞ?せいぜい死ぬ時はオレ様に迷惑をかけるなよ!」

わざと、そんな言葉をかけた。
これで誰かが自分に怒鳴って少しでも静かなこの状況が打開されればいい、そんな悪魔的な心遣い。

自分の発言で場の空気が悪くなった時のことは、考えていなかった。

■第二章 廃都レッドライン No.199(No.177への返信記事)

DATE : 2006年03月12日(17:34)
NAME : ゾンド
一団が補給ポイントを出て、進軍する事約30分。
急に舗装が広くなった。やはり例外無く破壊され、所々めくれあがってはいたが。
首都近郊だけあって建造物も大掛かりなものばかりだった。
劇場、富豪の家門、教会の大聖堂や学校など。
無残な文明の遺骸があちこちに続く。

やがて一行は国境に到着した。
だだっぴろい道路に、簡単な標識が一つだけくず折れている。
一番上の共通語以外は、よそでは見られない言葉で記してあった。

「国境512E1線」

この奥は視界を奪う靄のせいで、竜騎士ですら全ては明らかではない。
しかしその代わりに「音」がまさにモノを言っていた。
地面を何度も轟かす震動。しかもそう距離は離れていない。
叫び声か、唸り声か、どちらにしろ人間の立てられるような音ではなかった。

【GP−02:補給ポイント】 No.200(No.177への返信記事)

DATE : 2006年03月12日(22:07)
NAME : レイ
ディーに促され、とりあえず食料を配っているところへ向かいスープを調達し、そしてスープの入った皿を持ってまた入り口へと戻ってきた。

「ういーす、お前だけじゃあ不安だから俺様も残ってやろう」

等と食事をとりに行く間見張りを代わってもらっていたディーに軽口をたたきながらスープをすする。やはり何か腹に入れておかないといけない・・次に配給があるのはいつかわからないのだから・・・
 暫くなにするともいわず見張りを続けていると、見知った顔や知らぬ顔の人たちが入り口へとやってきた。そして、その青年の自己紹介から少しの間をおいて地面に響く振動・・・準備を整えに地下へと向かったディーを見送り、レイは獰猛な笑みを浮かべながら自分の得物を手に取り、肩にかけていた毛布を取った。

「さあて・・・あまりがっかりさせてくれるなよ?」


『待機部隊所属、レギアント・フレイです。
 周囲に、これといった異常はありません』
と見知らぬ顔の青年は言い
『霧…ですか…。…不利とも有利ともいえませんが…』
『やれやれ、一服する間もないのかよ…?』
と見知った顔達は言った。


そうか、とうとう戦うのか・・・ならばここからが自分の本領発揮。敵の屍を積み上げ、味方が屍になる事を許さない屍の王──戦獅子の出陣だ。

【GP−02:補給ポイント】 No.201(No.177への返信記事)

DATE : 2006年03月12日(23:14)
NAME : シィア
「ありがと〜、助かるよ」

きちんと自分の体に合わせた薬をくれたブリギットに礼を言うと、言われたとおり食事の後に飲もうと配給を受け取りに向かう。
スープをすすると、一口分残しておいて薬を口に流し込み最後のスープを飲んだ。
そして、出発が近いのを雰囲気で察すると干していた上着を着て防具類を付け直した。

「さ〜てっと、準備完了♪
 行くなら早く行こうよ」

にぃ、と一瞬戦闘好きの顔を覗かせるとすたすたと外へ向かった。

廃都レッドライン 【国境512E1線】 No.202(No.177への返信記事)

DATE : 2006年03月13日(17:12)
NAME : レイ
 視界を覆う霧に難儀しながらも進んでいくと、急に開けた場所に出た。そこには学校や教会など、明らかに人が住んでいたことがわかったが、今は人影など自分達以外になく『何者か』に蹂躙されたのだろう、ただただ廃墟としてその遺骸をさらすだけだった。

「つまり敵さんは兵士と市民の見境は無しってことか・・上等」

 肩にハルバードを担ぎ、廃墟と化した建物を忌々しそうに見ながら一度唾を地面へ吐きつける。ここよりも酷い戦場を見たことは何度もあるが、だからといって心が苛立つ事がなくなるわけではない。

「こりゃあ非戦闘員の守備要員を増やした方がいいかもな・・まあ敵を後ろにまわす気はねえけどよ」

 レックスはそう言って、身近にいる兵士に意見を求めようとするが、ちょうどその時に進軍が止まる。目的地に着いたのか?と様子を伺うと、前に標識を発見した、書いてある文字は殆どがなんと書いてあるか読めなかったが、なんとか共通語で書いてあるところだけ読む事が出来た。

「なになに・・『国境512E1線』・・・つー事はここが次のポイントか?通りでさっきから女々しい声がうるさい訳だ」

先程から近づいてくる『音』を女々しいと称し、獰猛に笑う。そして近づいてくる戦いの予感にヒュ、と一呼吸で戦闘体勢を作り、命令を待つことにした

【レッドライン:旧首都主幹交通路512E1】戦闘開始 No.204(No.177への返信記事)

DATE : 2006年03月13日(22:08)
NAME : ゾンド
風化するに任せたバージェス旧首都市街。
いつからか他の地の者には、
踏み込む事すら躊躇われる禁忌の領域「レッドライン」と呼ばれる様になる。

降りしきる雨に狂喜乱舞する数多の化け物ども。
うねる生体粘壁、飛び交う胞子、内蔵と骨格だけの蟲を食い尽くす異形の植物。
またその植物を薙ぎ倒す迷彩色の手足の無い巨大な爬虫類。
一部の群れはゼフィユが守備している筈のRP−03にすら攻撃を仕掛けている。

それはまさに共食いの祝宴だった。

ハイランド軍の一団も、その祝祭の例外には漏れさせてくれなかったらしい。
そして、一団に気付いた大型生物達が非力な人間達にじゃれ始める。
空中、廃屋、路地裏、あらゆる地点より敵!敵!敵!

坑道内から運び出された残土により固められた強固な拠点、
ゼフィユ軍鉱山RP−03まで残り3km。
この世の地獄を走破せよ。30000mを突っ走れ!

---------------------
ENEMY ENCOUNTER!
PLACE:旧首都主幹交通路512E1
地形効果:無し

■敵戦力
大型植物A類(敵識別:壱)
・体力:36
・筋力:12
・精度:10
・魔力:5
・防御値:6
MW 10/10
SW 5/5

大型植物A類(敵識別:弐)
・体力:36
・筋力:12
・精度:10
・魔力:5
・防御値:6
MW 10/10
SW 5/5

飛行大型生物B類(敵識別:参)
体力:20
筋力:9
精度:9
魔力:9
防御値:5
MW 10/10

飛行大型生物B類(敵識別:四)
体力:20
筋力:9
精度:9
魔力:9
防御値:5
MW 10/10

飛行大型生物B類(敵識別:伍)
体力:20
筋力:9
精度:9
魔力:9
防御値:5
MW 10/10

爬虫大型生物C類(敵識別:六)
体力:35
筋力:11
精度:10
魔力:9
防御値:4
MW 10/10
SW 7/7

爬虫大型生物C類(敵識別:七)
体力:35
筋力:11
精度:10
魔力:9
防御値:4
MW 10/10
SW 7/7

【レッドライン:旧首都主幹交通路512E1】現有ハイランド軍戦力 No.205(No.177への返信記事)

DATE : 2006年03月13日(22:09)
NAME : ゾンド
C性能参照は過去ログ

▼前衛ユニット
・ディー 22/22 MW15 SW2
・シィア 20/20 MW6 SW1
・シグルド 20/20 MW9 SW1
・ヴィッツ 25/25 MW9 SW3
・エンガ 20/20 MW9 SW2
・ジュート 20/20 MW9 SW4
・ソル 25/25 MW19
・クロム 25/25 MW30
・レイ 25/25 MW17
レギ 20/20 MW10 SW2

▼後衛ユニット
・セオ 23/23 MW15
・アル 19/19 MW11 SW3
・クライド 19/19 MW19
・セレス 21/21 MW3

▼非戦闘ユニット
・リゼ アルケミスト
・ゾンド 多目的運用
・ティア 慰安兵
・ポット 非戦闘員護衛兼雑用
・バード 生活管理官
・ニーア 文官
・ブリギット 軍医

【レッドライン:旧首都主幹交通路512E1】 No.208(No.177への返信記事)

DATE : 2006年03月13日(22:48)
NAME : シグルド
「竜騎士部隊第6小隊、散開!」

竜騎士部隊第6小隊隊長は後方のクライド、クロムにそう命令を出す。
まず空の戦士、竜騎士の標的は遠距離攻撃を持たない者にとって脅威となる飛行大型生物だ。上空からの集中砲火を避けるためにも空を掃討しておかねばならない。

「おやっさんは奴らの上空を取り、力の限り叩き墜とせ!クライドは後方から矢で牽制、羽部を集中射撃だ!各個撃破を心がけろ!私は・・・」

空の最先鋒で命令を飛ばしていたシグルドへと、飛行大型生物の一体が強襲する。

「死角から突き崩す!ラスタード、スカイハイフォーメーション・Vだ!」

その言葉と共に白銀の飛竜が吼え、地面に白いブレスを吐き一部に氷の陣を創り出す。
それと共にシグルドはラスタードの背を蹴り氷の陣に跳躍。/の軌道を描き、激突の瞬間にサラマンダーの住む突撃槍から火炎を放射する。
氷の陣が炎に溶かされ、急激な温度変化によって上昇気流が生まれたその瞬間、シグルドはその気流に乗り\の軌道を飛んで一気に空へと舞い戻る。

その軌道はVの形。飛行大型生物の死角、背後をとった。

「ワイバーン・タービュレンス!」

焔を纏った刺突。

その後、自由落下するシグルドは完全に降下軌道を読んでいたラスタードの背に着地した。
阿吽の呼吸の空中殺法。これが竜騎士部隊第6小隊隊長の戦い方だ。

*******

飛行大型生物B類(敵識別:参)に通常攻撃。

【レッドライン:旧首都主幹交通路512E1 No.209(No.177への返信記事)

DATE : 2006年03月13日(23:16)
NAME : アル
「おーおー、化け物共がよくもまぁうじゃうじゃと…」

廃墟の至る所から這い出してくる無数の怪物達を一瞥しながら、
余裕の口調…しかし、コレだけの異形を前に、余裕など一片たりともありはしない。
屈強な彼らの力を以ってすれば、ただの人間である自分など、
ものの一瞬で引きちぎられてしまうのは間違いない。

…だが、それはあくまで力勝負での話だ

「隊長、かっこいい命令をお願いしますぜ」

言うが早いか、すぐ傍らの廃墟へと駆ける。
崩れ去った外壁を超え、むき出しの階段を上れば、そこは崩壊した2階の跡。
180度を見渡せる絶好の射撃位置。
そう、少なくとも、長年の経験で得た知識と技術は、
決してこんな化け物共に劣りはしない。

「上はあんたらに任せるぜ、竜騎士さん方。
 飛べない俺は俺なりに精一杯やらせてもらうよ…っと!」

空を疾走する竜達に向け、そんな言葉をつぶやきながら、
地を這う巨大な爬虫類にすかさず数発の矢を射る!

##########

爬虫大型生物C類(敵識別:六)に通常攻撃をしかけます。

【レッドライン:旧首都主幹交通路512E1】 No.210(No.177への返信記事)

DATE : 2006年03月13日(23:50)
NAME : ヴィッツ
補給ポイント。そこの出口で篭手から上着から、元の通りに全て装備する。怪我は診てもらった。武器も調整してもらった。異常は――ない、はずだ。雨も弱まって、霧に変わっている。父の幻影を見ることもないだろう、これならば。
そうして、

『――はい…』

副隊長の取っておいてくれたスープを一気飲みし、カップは乱暴に地下へ投げ込んだ。そして金糸の髪の踊り子が杯を持ってきてくれれば、

「うし…ッ、行きましょーか!」

一人やけに気合を入れて、そちらもイッキ。杯を受け取るのとほぼ同時に、自然と一番側にいたティアを抱いた。防具のない彼には、自分の装備は痛いだろうか。しかし気にせずぎゅっと彼の腰辺りを抱いて離した後、リングアーマーの手で叩いた。

「頑張ってついて来いよ。俺らもめっちゃ頑張るからさ!」




「――あかん…耳が狂いそうさ…」

しばらくの移動の後、着いたどこか広い場所。はっきり言って地図の確認などは文官に任せてしまったので、詳しい現在地は知らなかった。しかし、ここがどこだかは分かる。ある標識が、それを堂々と指し示しているせいだ。
そして、今の状況も。目の前、遠目に見えるそれは、確かこれは地獄絵図と呼ぶと聞いた。
地鳴りとはまた違うが、それに似てずっと続く嫌な低い音。ちょっとばかり、自分の聴力を呪いそうだ。憎々しげに呟いて、瞬間空で轟音が聞こえた。竜騎士――すでに戦闘に入っていた。そして、真っ先にアルベルトが移動し、弓を引く。

『隊長、かっこいい命令をお願いしますぜ』
「あはー、俺にカッコ良さ求めちゃダメさ…あんまり必死なんで、ヒくと思うぜ!」

彼にそう返し、ばっと前衛ラインから部隊全体を振り返った。後衛が少ないのは、致し方ない。空は完全に竜騎士に任せるつもりで、

「セオとセレ兄は非戦闘員全員連れてアル兄のところへ!あそこから援護頼む…!シィア姉、魔法で行くなら姉さんも一緒に。それからソルもだ!副隊長の意地かけて全員守れ!!」

後衛ラインにいるもの全員に聞こえるように、周囲の音に負けないように大声で指示を出す。
それから曲刀を引き抜き、近くの瓦礫にひらりとも行かない軽くも重くもない動作で飛び乗った。

「残りの前衛は基本攻めで行こう…。ぎりぎりまで引かないつもりで、な!
 でもみんな覚えといて欲しいさ、この後走んだかんね、あそこまで!!」

RP−03、そこを曲刀を掲げて示し、瓦礫に乗ったままそう。自分の戦法は大抵いつも突撃か一撃離脱。どちらにせよ今の敵との距離関係ままでは決定打にならないいつもの攻撃がさらに攻撃力が殺げてしまう。
待つ。味方と敵の出方を見る――つもりで。

【レッドライン:旧首都主幹交通路512E1 No.211(No.177への返信記事)

DATE : 2006年03月14日(01:14)
NAME : ニーア
「提案と言うのはですね・・・!?」
歩き続けて話していると突如目の前に出現した敵。
もう少し簡潔にすばやく話すべきだったと反省し、失礼と思いながらも、出撃しかけるヴィッツの首に手を添える。

「データ転送魔方陣、付与・・・。」
言うとす、と手を引く。首筋にはなにやら模様のようなものが描かれている。

「戦闘にはなんら影響を及ぼさないものです!詳しい説明はこの戦闘が終わり次第するということでお願いします!」
慌てて出撃していったヴィッツに言うと自分は戦闘の邪魔にならないように敵の影響が少ないであろう味方の真ん中まで戻り、周りに合わせてこの道のちを走破することにした。

【レッドライン:旧首都主幹交通路512E1 No.212(No.177への返信記事)

DATE : 2006年03月14日(01:26)
NAME : エンガ
静かに行軍することを望んでいた。
味方の安全を確保すべく、補給地点では外を見回っており、行軍中には部隊前方を進んでいた。

全て仲間を危機に晒さぬため。

戦場においての自分は合理的だ。

薄々自覚はしていた。そしてその方が性に合っていることもわかってはいたが・・・どうにも自分は戦場を前にするといても立ってもいられなくなるようだ。
それも武士としての業。そう考えた自分は・・・目の前の道を敵を切りつつ走破することにした。

「さぁ、行こうではないか。今こそ、我らのいる意義を示す時。我らの血をたぎらせる戦場へと赴こうぞ・・・。」
近くを歩いていたレイに言うと堂々と先頭に立つ。

「エンガ=ファンディ!推して参る!」
高らかにそう宣言すると、目の前の巨大植物に切りかかる。
素早く、速く・・・それだけを意識して、カタナを振り抜いた・・・。

【レッドライン:旧首都主幹交通路512E1】 No.213(No.177への返信記事)

DATE : 2006年03月14日(01:28)
NAME : ディー
霧に沈む廃墟。随分と、豊かな町だったに違いないそこは、…だからこそ余計に、荒廃が際立って見えた。

『なになに・・『国境512E1線』・・・つー事はここが次のポイントか?通りでさっきから女々しい声がうるさい訳だ』
直ぐ側のレックスが笑う。ちら、と目をやり、小さく肩をすくめた。
「…お前も…騒がしいが…」
だが、彼のように…獰猛な笑みが浮かぶのは禁じえなかった。表情は、ほんの僅かな変化だったが。

敵は、複数。何を考えているのか、共食いしているものもいる。
ヴィッツの指示を後方に聞き、さらに展開する竜騎士の姿を、霧越しの影で追い、駆けた。

行く手を塞ぐように、地を割り這い出してきた、ツタの化け物。舌打ち一つして、鞘を払う。

「…後方、援護を頼む…!」

声は、届いたろうか。
正眼に構え狙いを定めて、それの幹を真一文字に切り払った。

--------------------
大型植物A類(敵識別:壱) 通常攻撃

【レッドライン:旧首都主幹交通路512E1】 No.214(No.177への返信記事)

DATE : 2006年03月14日(19:09)
NAME : レギ
行軍の音は、昔から嫌いではなかった。
鎧のこすれる金属音、各々の持つ武器が鳴らす音、隣の人間の息遣い、後ろから響く足音、馬たちのいななき、
そういったものが全てごちゃ混ぜになって、耳の中に飛び込んでくる頃にはもはや意味を成していない。
それを聞きながら歩くその時間は、幼い頃からレギアントにとっては不快な時間ではなかった。
たとえ、視界が霧ともやで白く染め上げられていたとしても、それは変わるものではなかった。

しかし、ようやくたどり着いたらしいその場所は、それらの感覚を一気にひっくり返して不快なものに変えてしまった。
およそ、人間には出せないようなうなり声、途切れることのない振動。姉妹には人間の悲鳴まで聞こえてきそうだ。まったく、うんざりした気分になる。

『こりゃあ非戦闘員の守備要員を増やした方がいいかもな・・まあ敵を後ろにまわす気はねえけどよ』

「同感です。眼前の敵を後ろまで回すほど、我等の壁はもろくない」

傍らを歩いていた、金色の鬣を持つ獅子のような(という表現がしっくり来る)男の言葉に応える。
敵は眼前に見据え、切り伏せ切り捨て切り殺す物だ。非戦闘員の所まで切り込ませてしまっては前衛失格である。


そして――先の戦闘と同じような、化け物どもが現れる。

『残りの前衛は基本攻めで行こう…。ぎりぎりまで引かないつもりで、な!
 でもみんな覚えといて欲しいさ、この後走んだかんね、あそこまで!!』

隊長殿の指示を聞き、自分のやるべきことを確認する。
そう――引くつもりなどない。攻めろと命じられたのならば、全滅させるまで攻撃するのみ。
単純作業をこなすような淡々とした表情で、現れた敵を改めて見つめた。

長剣を抜きながら、上体を地面にこすり付けるほどに低くして駆ける。
戦場で対峙した敵にかける言葉などありはしない。もとより言葉など通じそうにないが。
だからそれは、誰に向けた物でもない呟き。
「――死ね」
手足のない爬虫類じみた怪物の上顎を切り飛ばしてやるつもりで、長剣を思い切り下から切り上げた。

―――――――――――――――――――
爬虫大型生物C類(敵識別:七)に通常攻撃

【レッドライン:旧首都主幹交通路512E1】 No.215(No.177への返信記事)

DATE : 2006年03月14日(20:36)
NAME : クライド
その場に遭遇しても、若者の表情は特に変わらなかった。
否、意図的に変えないようにしていた。
頭にあるのは、この聊か趣味の悪い饗宴をいかに走破するか。
もっとも効率的な駆除へと、いかに援護するか。

矢筒から矢を抜き取り、共に空を馳せたコンポジットボウを構える。

『おやっさんは奴らの上空を取り、力の限り叩き墜とせ!クライドは後方から矢で牽制、羽部を集中射撃だ!各個撃破を心がけろ!私は・・・』

「了承ッ!」

するどく叫んだ。
すっと後方上空へと舞い上がり、自分たち竜騎士の敵であろう羽虫、三体の動きを読む。まずは、そこから。
しかし、己の牽制を必要とするまでもなく、竜騎士隊長が空中殺法で羽虫へと迫る。
本当に飛んでいるように見えた。あの人は遠い昔、本当に竜だったのかもしれない、という馬鹿げた考えた頭の隅をよぎる。
だとしたら自分は――、竜の背を借りた狼だ。遠い昔から徒党を組んで敵を蹂躙し、戦う種族。
仲間の作った絶好の隙を見逃すはずがない。
矢を番える。まだだ。焦りはない。焦った瞬間にすべては終わる。
羽虫の腹から炎が飛び出した。シグルドの突撃槍。それでも蠢き、彼の背に向けて反撃に移ろうとする羽虫。それを視認したのは羽虫の正面上空。相変わらずミネルヴァは、己の思考を読んだかのような絶好の位置へとつけている。
……今だ。
小気味良い音を立てて弓弦から放たれた矢は、一筋の軌道を描いて羽虫の脳髄へと向け放たれた。
空を駆け抜けた竜騎士はしかし、休む間もなく己の援護すべき彼らの後方へ回り、次の矢に手を伸ばしている。
他の二体の羽虫はまだ動いている。……攻撃が来るはずだ。

――――――――――

飛行大型生物B類(敵識別:参)に遠距離攻撃。

【レッドライン:旧首都主幹交通路512E1】 No.216(No.177への返信記事)

DATE : 2006年03月14日(20:58)
NAME : クロム
 まだ十分補給がある状態では、戦場料理の評判はよくなかった。その代わり、クロムの巨体にいきわたるエネルギーは補充できた。無論、グルージも。
 全体的に士気は悪くない。この部隊の雰囲気もあるのだろう。



『おやっさんは奴らの上空を取り、力の限り叩き墜とせ!クライドは後方から矢で牽制、羽部を集中射撃だ!各個撃破を心がけろ!』

「了解、隊長殿!!」
 最前線を往くシグルドに大声で答える。地上の前衛にとって最も恐ろしいのは空中の後衛。それを我々が討ち払う……。
「……昔から思ってたんだ、こういう頼もしい部隊が欲しいってな」
 他人事の様に呟く。脅威を払いのける騎士。望んでいた存在に、図らずも自分がなっている。

 人間離れした空中殺法で羽虫を貫くシグルド。
 計算したかのように的確な射撃を放つクライド。

「わかってんな、グルージ?」
 霧の中、唸りをあげるグルージに問う。
 そう、俺たちの仕事はたった一つ。
 力づくで片付ける……それだけだ。
「ウオオオオオオオオオオ!!!」
 
 上空から傷ついた羽虫へ、叩きつけるように棍棒を振るう。
 
*******

飛行大型生物B類(敵識別:参)に通常攻撃。

【レッドライン:旧首都主幹交通路512E1】 No.217(No.177への返信記事)

DATE : 2006年03月14日(20:58)
NAME : ブリギット
行軍が進んで・・・巻き起こる轟音、そして、始まる戦闘。上がる隊長の指示、そして、その指示にあわせて動く勇猛なる各戦士達・・・・自分の配置は元より後ろも後ろ。味方の壁の後ろで自分が負傷したりしないようにするのが役目・・・・そう、本来なら。

この場がドコであるのか、それは十分承知している。
バージェス・・・つまりは、今は失われし”科学”の国。
あれらがその影響を受けた、自然を歪めた物だとすれば・・・

「リゼ、連中が見える位置に位置取りましょう。決して味方の壁の外へなど出るつもりはないけれど・・・ここが、バージェスである以上。限りなく少ない可能性であったとしても貴女や私の”科学”に対する知識が何らかの役に立つかもしれない・・・連中の弱点とか、連中に関する、何かが。・・・・なーに、どの道、見えない位置にいるより見える位置にいた方がいざって時避けたりとか安全って話もあるし、ね。」

アルケミストの娘へと向ける言葉・・・そして、微妙に位置を変えて戦士たちと連中との戦いを見やる・・・可能性があるかないかはともかくとして、今自分が出来ることをする。
どんな状況でも、それぞれに何かしらの役目はあるものなのだから。

【レッドライン:旧首都主幹交通路512E1】 No.218(No.177への返信記事)

DATE : 2006年03月14日(21:15)
NAME : セレス

霧の中での、進軍。
そしていくらか進んだ所で、明らかに人ではない声・・否、音と言うべきなのだろうか。
そう思った数秒後には姿を確認できた。
初戦は終了してから追いついたが・・・どうやら相手は似たものらしい。
人じゃないのを、喜ぶべきなのか―――。

すぐに聞える、竜騎士小隊長の声。
矢を射る音、剣を引き抜く音。
慣れた戦場の騒音に混じる味方の音。

『セオとセレ兄は非戦闘員全員連れてアル兄のところへ!あそこから援護頼む…!シィア姉、魔法で行くなら姉さんも一緒に。それからソルもだ!副隊長の意地かけて全員守れ!!』

命令が飛ぶ。受け取って、応えを返す。

「・・・了解した。」

そうは言ったものも、あそこが安全な場所だとは限らない。そもそも、安全な場所が有るのかさえ不明だ。
―――非戦闘員の安全は、
彼ら彼女らに望むのではなく、自分が、つくる。
とりあえずは命令どおりの場所へ、非戦闘員に動いてもらうことにする。
少し離れた場所から、軍医とアルケミストの少女が見える。
声をかけようとしたとき、

『…後方、援護を頼む…!』

ぎりぎり、聞えた声。
相手を見たところ植物に近い敵と応戦している。

「熱を孕んで空をも焦がせ―――」

狙いを定め、呪文を呟く。
一番得意な焔の魔法。
詠唱が終わった瞬間、白色を帯びた焔が器用に味方を避けて敵に叩きつけられた。
それをほんの一瞬だけ見て、命令を実行するために動き始めた。


‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

大型植物A類(敵識別:壱)‐魔法攻撃

【レッドライン:旧首都主幹交通路512E1】 No.219(No.177への返信記事)

DATE : 2006年03月14日(22:57)
NAME : リゼ
蟲たちが共食いする姿には、肌が粟立った。
思わず目を背けてしまう。
戦場に怯懦は不要とわかっていても、蹲りたい衝動に駆られた。
そこに、共に歩いていた自部隊の女医の声が届く。

『リゼ、連中が見える位置に位置取りましょう。決して味方の壁の外へなど出るつもりはないけれど・・・ここが、バージェスである以上。限りなく少ない可能性であったとしても貴女や私の”科学”に対する知識が何らかの役に立つかもしれない・・・連中の弱点とか、連中に関する、何かが。・・・・なーに、どの道、見えない位置にいるより見える位置にいた方がいざって時避けたりとか安全って話もあるし、ね。』

その言葉に怯えているだけの自分は恥じると共に、その感情が拭われるのがわかった。
ここは戦う場所だ。けれども、一人で戦う場所ではない。
ならば怯えたままで死ぬよりも、自分なりの戦い方を見つけ、少しでも仲間に協力できるよう努力するべきだろう。
こくん、とブリギットに対して頷く。

「はい、見ましょう。“科学”が生んだものならば、糸口もまた“科学”にあるのかもしれません。…ふふっ、私たち、逃げるのは得意ですものね、ブリギット先生」

まだ、笑える余裕がある。
霧の中、蠢く生き物たちと、それに立ち向かう仲間を見やった。
非戦闘員たちと共に進軍する、白い狼が擦り寄ってきたくる。
彼女の体温を感じながら、視線は戦場から外さない。

【レッドライン:旧首都主幹交通路512E1】 No.220(No.177への返信記事)

DATE : 2006年03月14日(23:18)
NAME : セオ

「これはまた――――壮絶だね」

 装備を着込み、補給ポイントより進軍を開始してからしばし。
 少年はどこか呆れたように呟いた。
 靄に隠れて全容見せぬ廃墟。
 その破壊された建物に触れながら、少年は苦笑を浮かべる。
 進軍の妨げにならぬ程度に、けれど破壊された原因を調べるかのように。
 もちろん、その廃墟が生み出された原因を知ることはできなかったが――――

「どうにも嫌な予感がするんだよねぇ」

 ・・・予感が外れればいいけれど。
 からり、廃墟のどこかが小さく崩れた音を聞きながら、
 心の中で、そんなことを呟いて、少年は仲間と共に進軍し――――


「・・・嫌な予感、大当たり、ってね」

 はは、と苦笑を浮かべ、目の前で繰り広げられている惨劇にため息を漏らす。
 ――――ここを突っ走らないと駄目なのか。
 なかなかにやる気の失せる状況ではある。正直退きかえしたいと思う。
 けれど――――

「ま、主役がお望みと言うならば、たとえ地獄であろうとも、お供するのが我が役目」

 譲れぬプライドを胸に秘め、少年は動く。主役――待機部隊隊長の指示の通りに。

『セオとセレ兄は非戦闘員全員連れてアル兄のところへ!あそこから援護頼む…!シィア姉、魔法で行くなら姉さんも一

緒に。それからソルもだ!副隊長の意地かけて全員守れ!!』

 聞こえた指示に、小さく頷き、声を張り上げる。

「指示了承――――みんなは、絶対に守るから!」
 
 移動を始めた非戦闘員を確認しながら、彼らに攻撃が飛んだなら自分が受けよう。
 そんな覚悟を決めて自分も、目的地へと移動する。
 先に攻撃していた弓兵の近くに陣取って。
 雨に濡れた前髪をかきあげて、向ける視線は鋭く広く。敵と仲間を同時に見やる。
 くるり、その場で回転して見せて――制止と同時に構えるは己が武器。
 コートの中から取り出したチャクラムを、今から殺すべき敵に向けて突き出して。

「さぁさぁ、主役のお通りだ! 配役すらない邪魔者は、出る幕などないのだと思い知れ!」

 叫び、そしてチャクラムを投擲する。目的は援護。
 長い剣を思い切り下から切り上げた剣士。
 その隙を隠すため――そして、更なる一撃を加えんと、少年の刃が飛翔する。
 
 ―――――――――――――――――――
 爬虫大型生物C類(敵識別:七)に遠距離攻撃

【レッドライン:旧首都主幹交通路512E1】 No.224(No.177への返信記事)

DATE : 2006年03月15日(00:06)
NAME : レイ
響き渡る『音』にたいして皮肉っていると、ディーに小さく肩をすくめられた。

『…お前も…騒がしいが…』

「んだと〜!俺の美声とこんな無粋な声を一緒にするんじゃねえっつーの!」

律儀に言葉を返し、目の前を見やる──そこには数え切れぬほどの敵がいた。

『同感です。眼前の敵を後ろまで回すほど、我等の壁はもろくない』

「その通り、奴らはこの道に沸くゴミで、俺らはその清掃人ってワケだ・・・さっさと掃除すんぞ少年!!」
先程少し遅れてやってきた青年・・・レギといったか?そのレギが自分の言葉に応え、早速やってきた爬虫大型生物相手に戦闘を開始した。良く見るとディーも既に戦闘を開始している模様、そして──

『さぁ、行こうではないか。今こそ、我らのいる意義を示す時。我らの血をたぎらせる戦場へと赴こうぞ・・・。』

──エンガが俺の前へ出、走り出した。

「応よ!遠慮も何もらねえ、コイツラまとめて最奥に押し戻してやらぁ!!」

すぐさまエンガの後を追い、エンガが斬りつけた植物に追撃しようとするも、爬虫大型生物に進路を阻まれる。
「邪魔だ・・・お前らゲテモンは口にあわねーんだよ!!」
斧撃一閃。跳躍しながら相手に思いっきりハルバードを叩き込んだ。
_____________________________
爬虫大型生物C類(敵識別:六)に通常攻撃

(PL:申し訳ありません。タッチの差でゾンド様の方が早く、矛盾が生じましたので訂正しました。)

【レッドライン:旧首都主幹交通路512E1】 No.226(No.177への返信記事)

DATE : 2006年03月15日(05:29)
NAME : ヴィッツ
指示とほぼ同時か、それより早い段階で前へと飛び出して行った本職に前衛を持つものたち。その、矢のような姿を視認しながら、後衛たちのほうを見た。
何事か、非戦闘要員たちのほうで話が出ているよう。聞こえた声は――というか音は、ほとんど言葉になって聞こえてはこなかったので詳しいことは聞き取れなかった。まあ、何かあっても副隊長と後衛たちに任せよう。彼らなら。

前衛ラインが交差したのを見て、瓦礫から飛び降りた。元から引く背をさらに屈め、衝撃を抑えて振られる武器や散る残骸を避けて踊るように周囲を見渡しながら、かすめる敵を見定める。

「ディア兄、…ちょッ、ごめんね!」

色白の炎に巻かれたツタのおばけに、ディーの振り抜いたカタナを避け、その下にくぐり込む。ゼロ距離地点から曲刀で敵の腹――なんだろうか――を真下からその上へ突き刺し、裂くように斬り上げる。
そうして、先の戦闘で覚えたこと。飛び上がって斬り上げた後、出来る限りの篭る力で敵を蹴った。攻撃のためではなく、反撃をまたゼロ距離で受けないように。
飛び降りる地点はディーの後ろを狙う。盾のようにして悪いが、それより前に下りると飛んだ意味がない…。

+++++++++

大型植物A類(敵識別:壱) 通常攻撃

【レッドライン:旧首都主幹交通路512E1】戦闘途中経過 No.228(No.177への返信記事)

DATE : 2006年03月15日(13:21)
NAME : ゾンド
-----------------------
・シグルド
・判定数式:直接攻撃
{(8+9)×0.8}-5
=8.6
敵識別:参に9ダメージ
-----------------------
・アル
・判定数式:遠距離攻撃
{(6+10)×1.5}+5-4
=20
敵識別:六に25ダメージ
-----------------------
・ディー
・判定数式:直接攻撃
{(8+7)×1.5}-6
=16.5
敵識別:壱に17ダメージ
-----------------------
・レギ
・判定数式:直接攻撃
{(9+9)×1.5}-4
=23
敵識別:七に23ダメージ
-----------------------
・クライド
・判定数式:遠距離攻撃
{(6+7)×1.5}-5
=14.5
敵識別:参に15ダメージ
-----------------------
・クロム
・判定数式:直接攻撃
{(8+10)×0.4}+5-5
=7.2
敵識別:参に8ダメージ
-----------------------
・セレス
・判定数式:魔法攻撃
{(5+10)×0.5}-6
=1.5
敵識別:壱に2ダメージ
魔法負荷によりセレスに1ダメージ
-----------------------
・セオ
・判定数式:遠距離攻撃
{(8+4)×1.5}-4
=14.6
敵識別:七に15ダメージ
-----------------------
・レイ
・判定数式:直接攻撃
{(6+10)×0.4}+5-4
=7.4
敵識別:六に8ダメージ
-----------------------
・ヴィッツ
・判定数式:直接攻撃
{(9+4)×1.5}-6
=13.5
敵識別:壱に14ダメージ
-----------------------

集計
敵識別:壱に33ダメージ
敵識別:参に32ダメージ 撃破!
敵識別:六に33ダメージ
敵識別:七に38ダメージ 撃破!

【レッドライン:旧首都主幹交通路512E1】 No.229(No.177への返信記事)

DATE : 2006年03月16日(01:01)
NAME : バード
『フン、そんなのでは呑まれてしまうぞ?せいぜい死ぬ時はオレ様に迷惑をかけるなよ!』

「…もう!生意気を言うのはこの口ですか〜?心配なら心配と、素直にそう仰ったらどうです〜」
ポットのほっぺたを左右に引っ張ってたしなめ、それから急いで補給地点を引き払う。
行軍に遅れ、追いついたときには戦闘が始まっていた。

指示通りに建物へと上がり、後衛戦闘員の邪魔にならない場所から、戦場を見ていた。
共食いする異形の生物たちには、さしたる感想もない。自然界ではごく当たり前の事だ。目線は、空を、地を駆ける隊員たちに注がれている。この時ばかりは、戦うことの出来ない現在の自分の姿を歯痒く思った。

「…どうか…無事で…」

何体かが倒れたが、いまだ無傷の敵が残っている。不安は募るばかりだった。

【レッドライン:旧首都主幹交通路512E1】 No.232(No.177への返信記事)

DATE : 2006年03月16日(17:30)
NAME : ジュート
市街を行軍、そして聞こえてくる声、音。
前回と同じような相手であることは、見なくても分かるようだ。
味方の怒濤の攻撃。煌めく刃に目にも止まらぬ速さで撃ち出される矢、それらを見ていると自分の力など大したものとは思えなくなってくる。

「…今考えることは…目の前の敵を倒すこと…。」

師に教えられた言葉を口に出して、剣を鞘から抜き放つ。
刀を喰らい、曲刀に切り裂かれ、炎に焼かれてもまだ動いている植物。
そのタフさには舌を巻くが、もう瀕死であろうことが相手の動きから予測できる。
植物の方に走り込みながらそんなことを考え

「……とどめです。」

地を蹴ると身体を横に回転させる。そのまま剣に遠心力を乗せ、相手を真っ二つにするかのようななぎ払いを放った。

++++++++

大型植物A類(敵識別:壱) 通常攻撃

【レッドライン:旧首都主幹交通路512E1】 No.233(No.177への返信記事)

DATE : 2006年03月16日(22:05)
NAME : ポット
『…もう!生意気を言うのはこの口ですか〜?心配なら心配と、素直にそう仰ったらどうです〜』
「あだだだ!何をするのだイグナツィオ!オレ様が心配しているのはオレ様の身の安全だけだ!」

ヒリヒリとする頬を摩りつつ、慌ててバードの後を追って駆け出す。足が短いためバードの倍、足を動かさなければならない。

そして見る、魔界でも有り得ない目の前の光景。

「なっ!?お、おい!?これは・・・魔物か!?」

巨大な植物や昆虫・・・自分の知る限りこんな魔物は居ない筈である。地上で生まれた突然変種だろうか・・・。
とにかく相手が魔物なら、悪魔である自分で説得が可能かもしれない。

「貴様ら!人間の言いなりなどに―――・・・っ!」

蔓が鞭のように伸びてき、自分を打ち据えようと振り上げられた。

「カラーチェンジ・ガーゴイルジェネティック!!」

直撃の瞬間、石の体を持つガーゴイルに変身し攻撃を防ぐ。
しばらくは植物は自分の石の体を打ち据えていたが、諦めたのかずるずると後退していく・・・。
そして時を見計らい、非戦闘員たちの所へ戻って悪態をついた。

「くそっ・・・結局ヤツらに頼らねばならんのか・・・。おい、お前ら!死ぬなよ!?」

そんな応援を飛ばし・・・数秒後、はっと気付いたように付け加えた。

「死んだらオレ様が危ないんだからな!」

【レッドライン:旧首都主幹交通路512E1】 No.234(No.177への返信記事)

DATE : 2006年03月17日(09:18)
NAME : シィア
『セオとセレ兄は非戦闘員全員連れてアル兄のところへ!あそこから援護頼む…!シィア姉、魔法で行くなら姉さんも一緒に。それからソルもだ!副隊長の意地かけて全員守れ!!』

「は〜い、了解〜。
 じゃ、また1発いっちゃおっかな〜」

先ほどの薬が効いてきたのか、だるさは完全に無くなった。
詠唱しながら、口の前で小さく韻を切るように手を動かして。

「これで…」

左手を上に上げたかと思えば、大型植物の上に鋭い氷が現れる。
そして、

「どうっ!?」

一気に振り下ろすと、氷もまた勢い良く植物へ向かって落下していく。


大型植物A類(識別:弐) 魔法攻撃

【レッドライン:旧首都主幹交通路512E1】 No.235(No.177への返信記事)

DATE : 2006年03月17日(22:30)
NAME : ソル
前衛たちが、自分を追い抜いて凄惨なその現場へと駆けて行く。

『セオとセレ兄は非戦闘員全員連れてアル兄のところへ!あそこから援護頼む…!シィア姉、魔法で行くなら姉さんも一緒に。それからソルもだ!副隊長の意地かけて全員守れ!!』

激のような指示が、隊長から飛んだ。慌てて敵と真っ先に衝突したエンガとディーから、ヴィッツを振り返る。丁度崩れた何かの上から飛び降り、彼女も前線へと駆け出す瞬間だった。

「また、怪我するんじゃないぞ…!」

聞こえなかったかもしれないが、自分も駆け出しながら、出来る限りの大声を出す。
後衛の後ろに、非戦闘員を挟むようにつく。そうしながら、前線を見た。高いここから、後一・二撃で止めをさせそうな――

「…殺すんだ、焼いて…っ!」

利き手を標的へ翳し、開いていたそれをきつく握る。


爬虫大型生物C類(敵識別:六)

【レッドライン:旧首都主幹交通路512E1】ハイランド軍ターン終了 No.236(No.177への返信記事)

DATE : 2006年03月17日(23:41)
NAME : ゾンド
-----------------------
・ジュート
・判定数式:直接攻撃
{(10+5)×1.5}-6
=16.5
敵識別:壱に17ダメージ
-----------------------
・シィア
・判定数式:魔法攻撃
{(8+10)×0.6}-6
=4.8
敵識別:弐に5ダメージ
魔法負荷によりシィアに1ダメージ
-----------------------
・ソル
・判定数式:魔法攻撃
{(10+4)×0.5}-4
=3
敵識別:六に3ダメージ
-----------------------

集計
敵識別:壱に50ダメージ 撃破!
敵識別:弐に5ダメージ
敵識別:参に32ダメージ 撃破!
敵識別:六に36ダメージ 撃破!
敵識別:七に38ダメージ 撃破!

【レッドライン:旧首都主幹交通路512E1】敵勢力攻撃ターン弐 No.237(No.177への返信記事)

DATE : 2006年03月18日(00:15)
NAME : ゾンド
各戦闘要員達の息もつかせぬ連続攻撃により、
植物の片割れ、飛行する甲虫、爬虫類は瞬く間に撃砕される。
無傷の物も居るとはいえ、戦力の過半数を喪失した怪物の群れは、
やぶれかぶれにも触腕を振るいつつ突撃して来る。

氷柱を叩きつけられた植物は暫くのた打ち回っていたものの、
持ち前のタフさにより数分で元の勢いを取り戻し、
上空の敵に向け、上部の嚢から極強酸性の溶液を撒き散らす。

大型植物A類弐 SW遠距離攻撃
対象:シグルド

【レッドライン:旧首都主幹交通路512E1】敵勢力攻撃ターン四 No.238(No.177への返信記事)

DATE : 2006年03月18日(00:15)
NAME : ゾンド
炎や氷の入り乱れる中、運良く攻撃に晒されなかった甲虫は、
その鋭い顎を以ってして地上の獲物に食らいつく。

飛行大型生物B類四 MW直接攻撃
対象:エンガ

【レッドライン:旧首都主幹交通路512E1】敵勢力攻撃ターン伍 No.239(No.177への返信記事)

DATE : 2006年03月18日(00:16)
NAME : ゾンド
羽を使って自在に空を舞う昆虫。
狙いを定め、空中から巨大な爪が強襲する。

飛行大型生物B類伍 MW直接攻撃
対象:ソル

【レッドライン:旧首都主幹交通路512E1】敵勢力ターン終了:ハイランド軍攻撃開始 No.241(No.177への返信記事)

DATE : 2006年03月18日(00:25)
NAME : ゾンド
-----------------------
・大型植物A類弐
・判定数式:遠距離攻撃
{(5+12)×1.0}-26
=-9
シグルドに0ダメージ
-----------------------
・飛行大型生物B類四
・判定数式:直接攻撃
{(5+9)×0.9}-20
=-7.4
エンガに0ダメージ
-----------------------
・飛行大型生物B類伍
・判定数式:直接攻撃
{(6+9)×0.9}-22
=-5.4
ソルに0ダメージ
-----------------------

【レッドライン:旧首都主幹交通路512E1】敵増援接近 No.243(No.177への返信記事)

DATE : 2006年03月18日(20:36)
NAME : ゾンド
巨大な肉体を維持すべく、餌を求めて這いずり廻る巨獣達。
切り伏せられた生物の屍骸を感知した生物が、肉を求めて襲い掛かる。
葉が異常に肥大し、牙か刃に近い形質を備えたものどもや、
頑健な角質層で体表を覆ったサソリ状の怪物達である。

■敵増援戦力
大型植物D類(敵識別:八)
・体力:49
・筋力:17
・精度:10
・魔力:2
・防御値:6
MW 10/10

大型甲殻生物E類(敵識別:九)
・体力:53
・筋力:20
・精度:8
・魔力:1
・防御値:9
MW 10/10

大型甲殻生物E類(敵識別:拾)
・体力:50
・筋力:18
・精度:9
・魔力:1
・防御値:7
MW 10/10

【レッドライン:旧首都主幹交通路512E1】 No.244(No.177への返信記事)

DATE : 2006年03月19日(00:29)
NAME : ヴィッツ
「ぃよしッ」

壱が動かなくなったのを確認して、小さくガッツポーズをして呟いた。しかしその後、すぐに共食いをしに――いや、多分彼らにとっては普通に食事をしにわらわらと寄ってくる大きな獣…魔物?
敵、増えんですかねぇちょっと。人間みたいだなおいッ!

「はぁー…」

相手が大きすぎて、最初に出たのはため息に似た間抜けな声だった。しかし、何故か一気に緩まった気を引き締め、出来る限りの闘気を込めてそれらを睨みつける。

「…これまた厳ついのが来たさ…
 …ええと。どうすっかなこれ。――とりあえず、アル兄とレックス兄さんあれ頼む!」

ふいと後方を振り返り、あれ(大型植物A類(敵識別:弐))を刀で指し、後衛と前衛それぞれに声をかける。
次、と一度前を確認してから、しばらく悩んで、

「ディア兄とレギ、それからセオであのサソリ(九)よろしく!前衛は十分食らわしたら撤退な!!トドメは後衛に任す!」
「残りジュートとエンガ兄さんと俺で残りの――サソリ(拾)行こう!セレ兄は――」

立て続けに指示を出そうとして、焦った。再び顧みた後衛地点。大きな虫が、そこにはいた。大きな大きな――そこにいるはずの味方が、確認できない。

「セレ兄ソルシィア姉は現状維持に努めろ…!
 …竜騎士――ッ!!」

空の敵は、空の人に。そう思い、見上げる余裕もなく彼らを呼んで叫んだ。
叫び、至近距離まで近づいている新しい敵を見た。見、一瞬退るように引いて大勢低く飛び出す。先陣を切り、深々とサソリ――の様なその敵の、足の付け根を狙う。最も甲冑の薄くなる、その一つを。


大型甲殻生物E類(敵識別:拾)

【レッドライン:旧首都主幹交通路512E1】 No.245(No.177への返信記事)

DATE : 2006年03月19日(01:25)
NAME : シグルド
「来たぞ!!」

ラスタードが攻撃を見切って急速上昇し、極強酸性の溶解液を回避した。
重力の影響を受けながら放物線で飛んだ溶解液は触れた岩を一瞬にして液体に変える。

「あれに当たると助からないな・・・皆、警戒を怠るな!!」

そして現れる援軍・・・形状、破壊力、共に今までの雑兵とは違う威圧感を醸し出していた。
嫌な予感がする・・・魔物とは違う、自然の生物では感じられない黒い念を感じた。

だが竜騎士は味方の空を守る空の戦士、第一の敵は空を蹂躙せし者。

『竜騎士――ッ!!』
「応!任されよ! クライド、おやっさん!一刻も早く目障りな羽虫を叩き落すぞ!ドラゴンナイツフォーメーション・Δ(デルタ)だ!」

文字通り、三角形で一体を囲み集中攻撃を仕掛ける編隊飛行。その指示を自分の部下二人に飛ばす。

地上の敵はしばらく彼女らに任せよう。
なぜならば、彼女らは信頼できる戦友(とも)なのだから。

焔を噴く突撃槍が飛行大型生物に死角から襲いかかる。

******

飛行大型生物B類(敵識別:四)に通常攻撃

【レッドライン:旧首都主幹交通路512E1】 No.247(No.177への返信記事)

DATE : 2006年03月19日(02:49)
NAME : ディー
切りつけた腕の下をヴィッツが通り抜け、追撃。跳躍して後方へ着地していた。見事な身の軽さだと感心する。
さらに誰かの放った魔法へ、駆けてきたジュートの剣に眼前のツタの化け物は両断され、形を崩して霧散した。
ヴィッツの嬉しそうな呟きが、すぐに落胆へ、そして、「待機部隊隊長」のそれへと変わる。
ぞろぞろと現れた敵援軍…否、餌を求めるただの化け物だ。駆け出す背に、指示が飛ぶ。

『ディア兄とレギ、それからセオであのサソリよろしく!前衛は十分食らわしたら撤退な!!トドメは後衛に任す!』

「了解」

大きなサソリ。あまり生態に詳しくはないが、対処法はフルアーマーのそれと同じで間違いないだろう。

敵へと走りながら、刀を高い位置に構えて跳躍。這うように向かってくるそれの背へと着地すると、甲殻の継ぎ目へ垂直に突き入れた。

刀を引き抜くと、直ぐに離脱、サソリの横へと飛び降りる。

------------------------------
大型甲殻生物E類(敵識別:九) 直接攻撃

【RP−03:構内バリケード内部】 No.249(No.177への返信記事)

DATE : 2006年03月28日(17:22)
NAME : ゾンド
「クソッ!クソッ!畜生!一体どこからこんな数が湧いて来やがるッ!」
「矢がないッ!矢が!束にしてここに持って来い!早く!」
「は?命令を文書にして下さいよ。冗談じゃない。」
「…ッ!副隊長!旧市街方面に動きが!」
「人間か!?」
「人間です!」
「有り難い!本国からの救援か!?残兵拾いに来てくれたか!」
「い…え!所属、ハイランド軍!」
「なんて事だ…ここまで来て…!」
「ヘッ、構やしねえ。
化け物に食い破られるよりかはマシな死に方ができるってもんさ。」
「……降伏する。白旗を掲げろ。バリケードも全開にしておけ。」
「副隊長!」
「隊長にも伝えておけ。『持ちませんでした』ってな。」

【レッドライン:RP−03正面バリケード付近】 No.250(No.177への返信記事)

DATE : 2006年03月29日(01:30)
NAME : ゾンド
(GM注:サーバーエラーにより19日以降のログが消失しています。
最新のログ中では敵戦力も多少残っていましたが、
この投稿以降のロールは『敵戦力撃破済』という設定で話を繋いで下さい。)

全体的に見て大きな損害も無く、
甲虫やサソリ状の生物、大蛇にも似た爬虫類、
生理的嫌悪感を誘発する紋様を持つ植物を始めとする怪物を撃退した一行は、
『RP−03』の正面に至るまで距離を詰めていた。
靄で覆われた巨大な拠点は、ここまで接近してすらその全容は掴めない。

鉱山をほぼそのまま軍事転用した拠点は、
本来ならばゼフィユ軍の熾烈な防禦陣が展開されている筈だが、
RP−03もハイランド軍と同様に異形達の攻撃に晒され、
広大な鉄鉱山の地上構内で散発的に迎撃が行われていた。

地面に物資を運搬するトロッコ用の鉄道が幾重にも重なる、
レッドライン512E1から直通するRP−03への進入路。
現在は大型のトロッコや土塁によって築かれていたバリケードが開けられている。
バリケードのすぐ左側に造られた見張り用の塔には、
テーブルクロスでも流用したのか、大きな白旗が翻っている。
上空からの視点でも、バリケード付近で確認できる人間は、
片手の指で数えられる程の僅かな人数だった。

エンデュミリオンの命令では、この拠点に存在するゼフィユ軍戦力を無力化させた後、
先遣偵察隊の足跡を確認し――この状況での生存率は絶望的だが――
更にこの地へ続くハイランド軍本隊を支援する事になっている。

この作戦に当たる指揮官には数種の命令文封筒が渡されていた。
・先遣偵察隊生存―命令TB/aを開封
・先遣偵察隊全滅―命令TF/aを開封
命令文は開封後、内容の区別無く全て焼却する事になっている。

【レッドライン:RP−03正面バリケード付近】現有ハイランド軍戦力 No.251(No.177への返信記事)

DATE : 2006年03月29日(01:31)
NAME : ゾンド
C性能参照は過去ログ
2ターン目の武器損耗は無視します。

▼前衛ユニット
・ディー 21/22 MW14 SW2
・シィア 19/20 MW6 SW1
・シグルド 20/20 MW8 SW1
・ヴィッツ 25/25 MW8 SW3
・エンガ 20/20 MW8 SW2
・ジュート 20/20 MW8 SW4
・ソル 25/25 MW19
・クロム 25/25 MW29
・レイ 23/25 MW16
・レギ 20/20 MW9 SW2

▼後衛ユニット
・セオ 23/23 MW14
・アル 19/19 MW10 SW3
・クライド 19/19 MW18
・セレス 20/21 MW3

▼非戦闘ユニット
・リゼ アルケミスト
・ゾンド 多目的運用
・ティア 慰安兵
・ポット 非戦闘員護衛兼雑用
・バード 生活管理官
・ニーア 文官
・ブリギット 軍医

【レッドライン:RP−03正面バリケード付近】 No.252(No.177への返信記事)

DATE : 2006年03月30日(20:56)
NAME : クライド
騎竜たちが降り立てば、バリケードの向こうの敵兵からの視線を感じた。――恐怖、の。
彼らの目からすれば、竜もまた、あのような異形と大差ないのかもしれない。
とりあえず、空から見た彼らの様子を伝える。

「見える人数は少ない。多分、抵抗の意思はないと思うし、罠もないと思う」

とりあえず、バリケード構内に入ろう、と声をかけた。
ここでうろついていては、また化け物の餌食だ。
そして、傍にいたシグルドと、ヴィッツにも聞こえるように言う。

「隊長ー。とりあえず、向こうさんが先発隊について何か知ってるか聞いてからだけどさ。
 もし何も知らないようなら、人手割いて生存者探すべきだと思う」

そんな意見を言った。
偵察を竜騎士だけで行うのか、地上も含め偵察隊を作るのか、そのあたりのことは考えていない。
それから、化け物に蹂躙されたのであろう敵兵の方を見やりながら、呟いた。

「しっかし、俺はてっきりゼフィユが化け物操って、俺たち殺そうとしてると思ってたんだけど…。
 なんか、違うっぽいか?」

【レッドライン:RP−03正面バリケード付近】 No.253(No.177への返信記事)

DATE : 2006年03月31日(00:44)
NAME : ディー
靄のなか、重く項垂れた白旗の下には、開け放たれたバリケードが広がっていた。
こちらの隊に向けられる、恐怖と安堵の絡み合った眼差し。戦う意思の失せた敵兵。

ようやく、自分の知っている戦場にたどり着いた――ここまで化け物相手の戦闘だけだったのは、異常としか言い様が無い。

『見える人数は少ない。多分、抵抗の意思はないと思うし、罠もないと思う』

クライドの声に頷いて、バリケードの直ぐ側まで歩き、抜き身の刀を差し向ける。

「――手を頭の後ろに。壁を向いて一列に並べ。抵抗は死だ」

投降したとはいえ、野放しにしておくわけにもいかなかった。手でも縛ってつないでおけばいいだろう。尋問は、それからでも遅くない。
馴れた様子で、敵兵を集めにかかった。

【レッドライン:RP−03正面バリケード付近】 No.254(No.177への返信記事)

DATE : 2006年03月31日(03:13)
NAME : アル
霧に紛れ、そこかしこから散発的な戦闘の音が聞こえる。

「やれやれ、安心していいのか悪いのか…」

この要塞を無力化するのと、あの化物たちの相手をするの、どちらがキツかったろうか?
頭の中にそんな疑問が浮かぶ。

『――手を頭の後ろに。壁を向いて一列に並べ。抵抗は死だ』

「おう、流石仕事が早いな。
 ゼフィユの紳士諸君、この男はそう言ったらホントぶった切るからな、首と胴体がくっついてる間に言う事きいとけよー」

威圧感のこもったディーの言葉とは対照的に、
淡々と彼らに声をかけるアル…もっとも、発言の内容はアレだったが。
そのまま彼に目配せすると、腰のサーベルを抜き、バリケード周辺の安全確認を開始した。

【RP−03:構内バリケード内部】 No.255(No.177への返信記事)

DATE : 2006年03月31日(21:15)
NAME : ゾンド
ディーとアルの命令に同意したゼフィユ軍兵士達。
見張り台から降りて来た兵士1名、バリケード管理の兵士2名。
――3人とも16〜18かそこらの少年兵だ。
それぞれとも、ぎこちない動きで手を頭の後ろに動かし、石造りの壁へ一列に並ぶ。

RP−03は広大だ。
50m程奥には坑道内への大きな進入口がある。
地上に見える施設はこの進入口と幾つかの換気口だけで、
構造の大部分は地下に潜っているらしい。
地上から見たバリケードの周囲は、土砂で視界が遮られている。
空中からの全容偵察は霧が晴れるまでできない状態だ。

【RP−03正面バリケード付近】 No.256(No.177への返信記事)

DATE : 2006年04月04日(16:30)
NAME : ヴィッツ
特に大した被害もなく、どうにかこうにか目的地に着いたようだ。
敵の本拠地の様子に呆れのため息をついて、さぁどうしようかなと思いながら首を回してみる。空から降りてくる騎士に、戦場での先輩たちが敵兵の拘束にかかっているのが見えた。
見たところ、投降している3人は自分と似たような年頃のようだった。少年兵なぁ、と小さく呟いて、

「ディア兄、アル兄、それから――ティアとポーちゃん。その子たちよろしく頼んでいいさ?敵方の生き残りと内部の様子聞き出して。武具全部没収の方向で。後は怪我ないか診てやってちょーだいな。…兄さんたち、殺しちゃダメさよ?」

適当に、戦闘員と非戦闘要員を割り振った。彼らは皆、信頼のおける隊員。厳しさと緩さに定評がある感じだ。
そしてそのまま、医師とアルケミストを探しだした。少し時間がかかるが、見つけ出せなかった、なんて事にはならなかったよう。彼女らに向けてひらひらと手を振り、

「センセぇ、リゼっちゃぁーん!適当に見繕って皆の面倒みたげてー。多分すぐ俺ら動くから。早目にな!」

次、くるりと体の方向を変え、角を探した。竜後と騎士たちが降りてきているので、何となく圧迫感を感じるが――でもすぐ見つかるだろう。

「シグさーん、どうするべ?俺ら何人かでバリケードの奥行ってみよーと思うんすけども。…竜、ここで待ってたほうがいいさ?中入れる…?」

少し遠目のところにいる騎士の隊長に声をかけた。空を見回っていてもほしいと思ったが、無駄な体力の消耗は痛い。判断は彼らに任せるつもりで、まず声をかけた。
そして最後。こちらも見つけやすい副隊長を探す。見つけるなりその背を指差し、少し声を張って言う。

「アル兄とかセンセぇたち以外の皆はソルんとこ集合ー!
 分かりやすいべ?」

【レッドライン:RP−03正面バリケード付近】 No.259(No.177への返信記事)

DATE : 2006年04月05日(01:41)
NAME : バード
『クライド、おやっさん。ミネルヴァとグルージはどうだ?戦場での長距離飛行は普段の倍以上に体力を消費する。私とラスタードはこのまま空から捜索するが、無理をするようならば休ませてやってくれ』

そう指示を出している竜騎士隊長を、彼らのほうへと歩きながら見ていた。
随分と調子の―そう、心のほうの調子がよろしくないようで。
待機部隊長の指示が背に聞こえたが、自分の仕事を全うすべく、そちらには耳を塞いだ。

シグルドとラスタードの側にゆき、他の竜騎士たちには届かないだろう声音で話しかける。

「隊長…お悩みでしたら、一人で抱え込んではいけません。
迷いは士気にかかわるとあなた方は仰いますが、我ら非戦闘員には関係の無いこと。
…話を聞くくらいしか、私に出来ることはないのです…ですから………もう少し、わたくしを頼ってくださってもよろしいのに〜」

最後はいつもの調子でしまりの無い笑顔。軽くラスタードの前足に触れ、その場を離れて。

「皆さんはどうなさいますか〜?歩いて行かれるのでしたら〜、竜はわたくしがお預かりします〜」

そう、他の竜騎士たちに声をかけた。

【レッドライン:RP−03正面バリケード付近】 No.260(No.177への返信記事)

DATE : 2006年04月05日(01:56)
NAME : ディー
アルベルトが、やる気があるのかないのか解らない脅しをかけるのを背に聞きつつ、手近な場所にあったロープで、敵兵を後ろ手に、数珠繋ぎに縛る。
それからどうしようかと、そのロープの端を持っていると、ヴィッツが忙しげに指示を飛ばしていた。

『ディア兄、アル兄、それから――ティアとポーちゃん。その子たちよろしく頼んでいいさ?敵方の生き残りと内部の様子聞き出して。武具全部没収の方向で。後は怪我ないか診てやってちょーだいな。…兄さんたち、殺しちゃダメさよ?』

その小柄な影は、返事をする前に駆け去っていく。彼女の声は捕虜たちにも聞こえていただろう。

「――――…だ、そうだが…」

そう、端折りすぎの言葉を投げ、ロープの端を握ったまま、アルベルトや、やってくるはずの非戦闘員たちのために場所を空けた。

【レッドライン:RP−03正面バリケード付近】 No.261(No.177への返信記事)

DATE : 2006年04月05日(14:43)
NAME : ティア
のろのろと最後尾を移動し、先方の動きが鈍くなれば立ち止まった。
人々の群れから少し離れたところで指示が出るまで、ぼうっと突っ立つ。手に下げたものを持ち替えながら、空を見上げた。青く、高い空はそこにはなく、赤錆色に濁った空気が見えた。
そこに、隊長の指示。空と似た土を見るように視線を戻すと、すでに動いたものがいるのが知れる。敵の装備を外し、どこかへ投げ捨てる隊員の側を通り過ぎ、一つ固まりになっている人垣へと寄っていく。
尋問に加わるつもりは、ない。
すでにそこにいる人を避けるようにして、繋がれた端にいる敵兵に手をかける。彼らに派手な外傷はなく、触診しか自分には出来ない。彼の隣に立ち、首、肩、腕に始まり下へと少し圧すように触れて診ていく。

「…あなたたち、最後に何食べた?病気連れている子、いない?
 ――痛かったら言って」

彼らに問いかけるのは、あくまでこの場に関わるものではなく。触診を続けながら、下から彼らの顔を、表情の動きを見逃さぬよう見る。

【RP−03:構内バリケード内部】 No.262(No.177への返信記事)

DATE : 2006年04月05日(17:32)
NAME : ゾンド
やがて、バリケード付近に集まるハイランド軍の一行へと、
大人に見える男がたった一人で近づいて来た。

「貴部隊の指揮官はどなたでしょうか?
いや…、危険と判断なされるなら伝令殿でも構いません。御初にお目にかかります。
ゼフィユ軍RP−03防衛隊最終副隊長、アイザーマン・グリッドロックと申します。」
軍人らしいきびきびとした大声で自己紹介し、男は敬礼する。
まだ若く、身長180cm位だろうか、褐色の肌にスキンヘッド、
武装はおろか防具すら纏わず、泥と血と土埃に塗れた風体だった。

ティアに言葉を掛けられた3人若年兵達は、最初こそ怯えていたものの、
自部隊の副隊長の姿を見て安堵したのか、口々に質問に答え始めた。
曰く、最後に摂った食事は、蒸留した安全な真水と、
小麦とバターや塩、砂糖等で練った携帯糧食のみ。
状態も、軽い疲労は負っているものの、
少々の休息を取れば十分回復する程度だった。
ディーによってロープで捕縛されたままの兵士の一人は、
ティアによる触診にも特に抵抗せず、怪訝な表情で瞳を見返すだけだった。

アイザーマンは部下の兵士3人に、強張った笑顔で軽く手を振り、
ハイランド軍の一団へ声を投げる。
「我々のような敗残兵が申し上げるのも妙ですが、
この付近はまだ危険です。構内へ入った方が安全かと思われます。
それと…こちらの指揮官と貴方方との情報交換も必要です。
とりあえず、隊長の居る補給棟まで出向いて頂きますが、宜しいでしょうか?」

【RP−03:構内バリケード内部】 No.263(No.177への返信記事)

DATE : 2006年04月05日(19:49)
NAME : アル
安全確認を終え、他に敵兵がいないかも確かめ、隊長の言葉と共にディーとティアの傍へ。
霧に包まれた周辺に相変わらず目配せしつつも、てきぱきと仕事をする彼らを複雑そうな面持ちで見やる。
脳裏に浮かぶは、カン・パネラで出会ったノースブルーの斥候達。

あの少年達はどうなったんだろうか?
……この少年達はどうなるのだろうか?

触診の結果にひそかに安堵の息を洩らしながら、ようやく現れた敵士官と自部隊長達の会話に耳を傾ける。

(今は連中の提案を聞いた方がいいだろうな…)

罠の可能性も0ではないが、この状況下で我々を陥れる理由も、利点もありはしない。
…指揮官が余程どうかしていなければ、の話だが。

「この調子じゃゼフィユの連中と共同戦線か?
 …こりゃ俺達が初めてじゃないかね?」

相手の提案に肯定を意味する呟きを洩らしながら、
市街戦からずっと吸っていなかったタバコに火をつけた。

【RP−03:構内バリケード内部】 No.264(No.177への返信記事)

DATE : 2006年04月05日(22:06)
NAME : ジュート
拘束された敵兵、ゼフィユの少年兵達。
彼らを直視することはできなかった。もし見たとしたら哀れみの目で見て、さらに逆の立場だったら…と嫌でも意識してしまうだろう。
正直、自分にはディーのように厳しい言葉をかけることもできなければ、待機部隊の弓士の男のように事務的にこなすことも無理に思えた。

『アル兄とかセンセぇたち以外の皆はソルんとこ集合ー!
分かりやすいべ?』

ヴィッツ隊長の指示を聞いて、少し安堵した自分がいた。
同情心は何を引き起こすかわからない。もちろん、戦場での分別はつけているつもりだが、絶対ないとは言い切れない。
そんな複雑な心境を抱きつつも、指示されたとおりに行動する。

「ソル…確か待機部隊の…ソル副隊長でしたね。」

戦闘中にも目にした赤髪を探して、辺りを見回す。

【RP−03:構内バリケード内部】 No.265(No.177への返信記事)

DATE : 2006年04月05日(23:17)
NAME : ニーア
「・・・危険?」
疑問を感じながら一団からす、と出て行きゼフィユ副隊長の前に出る。
「危険とはどういうことですか?我々はここの脅威は貴方たちゼフィユ軍の部隊としか聞いておりません。あなた達の部隊の他に何か別の脅威があるとすれば、洗いざらい話してください。・・・あと、ここで虚言を吐いても貴方たちの状況はよくなる訳ではありません。むしろ私達を貶めることによりあなたの部下たちや仲間が危機に晒される事になる危険性があることを十分理解した上でお話願います。」
片めがねの奥からの眼光は相手を射抜く鷹のように鋭くなっていた。
「・・・申し遅れました。私、ニーアティス=ザンドウィン=ラスティウヌスと申します。あちらがこの部隊の隊長、ヴィッツ=ランカスターです。以後お見知りおきを。」
自らの隊長を指し示しながら言う。
敵に対しても「礼」を欠かさぬその姿。雄大さの中にどこか皮肉さが篭っているような感じすらした。

【RP−03:構内バリケード内部】 No.266(No.177への返信記事)

DATE : 2006年04月06日(22:05)
NAME : ゾンド
一団の前に出て疑問をぶつけるニーアへ、アイザーマンは言葉を返す。
語り口にはどこか切迫し、緊張した必死さの様な雰囲気も感じられた。

「そちら側も遭遇したかと思われますが…
あの違和感を感じる生物。既成生物の形をした非既成生物。
あれは、我々ゼフィユ軍にとっては…
少なくとも私達のような一般兵にとっては、完全に想定外にあった勢力です。
このRP−03ですら…構内全体の5割は連中の手中です。情けない話ですが…

とりあえず、こちらの隊長と面会して頂けないでしょうか。
重傷を負って動けないとはいえ、意識ははっきりしています。
我々のような雑兵には知らされていない情報も知っている筈です。

後、そちらにも補給物資は必要でしょう。
残存量は僅かですが、あなたがたの当然の権利として
相当量を譲渡する用意はできています。
隊長の居る区画へと同時に物資集積所へも案内しますので、
準備ができれば、こちらに付いて来て下さい。」

【RP−03:構内バリケード内部】 No.267(No.177への返信記事)

DATE : 2006年04月06日(23:00)
NAME : ポット
「嘘だな!こいつはオレ様たちを罠にかける気だ!」

アイザーマンの後ろにて喚く騒音一つ。
ヴィッツに「お願い」されたから仕方なく面倒を見ている・・・という態度をとっていたが、アイザーマンの言葉に突如態度を変えて反論。

「着いていったら最後、隠れていたさっきの化け物どもに皆殺しにされるに決まっているのだ!それにヴィッツ、こいつらは敵だろう!」

ゼフィユの軍は自分たちが知らない技術に優れていると聞いた。
その話と先程の天然では見られない魔物を照らし合わせると、どうもこの作戦の敵側がクサくなってくる。
そこに降伏の白旗。ついて来いなどと言われると疑いたくもなる。

「オレ様は断固信じんぞ!自ら地獄に行くような真似はせん!」

そしてどっか、とその場に座り込む。

が、後に皆が移動し始めると慌てて立ち上がり、その後を追うだろう。

「こ、コラ!オレ様の話を聞け!そして置いていくな!」

【RP−03:構内バリケード内部】 No.268(No.177への返信記事)

DATE : 2006年04月07日(18:18)
NAME : ヴィッツ
ティアとのやり取りを遠くから聞いていると、少年兵たちの方はあまり手痛いことになっているわけではなさそうだ。やれやれと一通り指示もし終えて自分も目印に立てた副隊長の側へ――行こうとして、構内の奥から出てきた男に気づいて歩くのを止めた。見ての通り、人間――ゼフィユ兵だった。無意識に手が腰に佩いた曲刀に行き、ニーアが一人前へ出れば一歩前へ出た。非戦闘員を、それも文官を一人前へ出すのは危険だったが、もう彼は動いてしまった。咎めようとも思ったが、なんか話し込んでいるのでそれも出来ない。敵方の出現で微かに気が立ったのか、やはり無意識のうちに舌打ちが出てしまった。

『この調子じゃゼフィユの連中と共同戦線か?
 …こりゃ俺達が初めてじゃないかね?』
『――あちらがこの部隊の隊長、ヴィッツ=ランカスターです。以後お見知りおきを。』
『嘘だな!こいつはオレ様たちを罠にかける気だ!』

ニーアがそう自分を向こうに指し示したのに対して手を上げて挨拶しながら、あちこちの自部隊の者の声を聞く。頭が痛くなりそうだ…。

「五割方化け物の巣たぁ、ステキなご招待っすねぇ、副隊長殿。――あ、ソルじゃねかんね?
 ――レギ、セオ、副隊長殿確保」

指差し確認のようにアイザーマンと呼んだ隊員らを順に指差し、辛辣に聞こえるような声で言葉を発した。事実、嫌いなのだった。ゼフィユは。

「…ポーちゃんの言う通り敵さんなんだよねー…」

敵、と分かっている。何だったか、大本の指令は。制圧と敵の捕獲だった気がするんだけども、と頭の中でぶつぶつと唱え、

「グリッドロック殿、我々は喜んでご同行願いましょう。ただ、我々も国から命令が出ているもので。あなた方全員を"保護"させていただく。――意味は、お分かりでしょう?
 一切のお話はその、あなた方の隊長殿とのみにしましょうか?余計な手間になりますから」

向こうにはそう応えた。行きますか、というか進めと手振りで彼に示し、固まっているだろう自部隊の副隊長の背中を軽く小突く。そうしながら、シグルドたちを含める仲間の方を向き、

「行くべやー。外にいて雨でも降ったらたまらんべ?ディア兄、アル兄。その子たち連れて殿よろしく頼んでいいさ?
 それからシグさん、シグさんにゃついて来てほしいんだけども…。竜騎士どうするさ?無理に竜詰め込んでついて来てくれとは言わないけども…なぁ?」

ずい分広範囲に声をかけることになるのだが、一気に声をかけた。竜騎士――シグルドの返事を待ち、受ければ否でも応でも先に歩き出すだろう。副隊長を小突きながら。

【RP−03:構内バリケード内部】 No.269(No.177への返信記事)

DATE : 2006年04月07日(21:15)
NAME : セレス

「・・・・・。」

こき、と首を鳴らして、敵を一掃したその場所を見渡すのが一人。
どうやらやっと人間に遭遇できたという事を喜ぶべきなのかどうかは解らなかったが、とりあえず、まだ若い隊長の声が聞えた。
静かになった戦場で耳を傾けて、自分の動きを確認する。

『アル兄とかセンセぇたち以外の皆はソルんとこ集合ー!
 分かりやすいべ?』

自分はその皆だろう。と間違いなく判断して、件の副隊長捜し。背の高い赤い髪の男。と見渡せば、すぐ見つかる。
とりあえず近くに寄っておいて、聞き耳を立てた。
戦闘中とは違い、辺りの声を聞くのにあまり苦労は無い。
問い詰めるような文官の男の声、
それに答える相手の副隊長だと言う男。
不審だと思うのは敵だからの杞憂なのか。・・・そうだといい。

『嘘だな!こいつはオレ様たちを罠にかける気だ!』

思考を突き抜ける子供の声。
そんな存在がいたのかと眼を瞬いた。
続けて騒ぐ声に空耳の類では無いと理解して。

「まぁ・・やはりいつもとは違うわけか。」

敵も味方も。と一人呟いた。
話はもうすぐ、纏まるだろうか。
さて、残りの我々はどうするんだ?と言いたげに自部隊の副隊長に視線を投げた。

【RP−03:構内バリケード内部】 No.270(No.177への返信記事)

DATE : 2006年04月07日(21:37)
NAME : シグルド
『隊長…お悩みでしたら、一人で抱え込んではいけません。
迷いは士気にかかわるとあなた方は仰いますが、我ら非戦闘員には関係の無いこと。
…話を聞くくらいしか、私に出来ることはないのです…ですから………もう少し、わたくしを頼ってくださってもよろしいのに〜』

部下の言葉に、思考が現実へと戻された。
鉄仮面の奥の目を一度瞑り、開く・・・悩みなどは、無い。

「何、心配はいらない。迷ってはいないさ。敵は殲滅する。
 ただ・・・あの化け物について考えていただけだ」

もし他の者たちが推測するようにゼフィユの兵器だった場合・・・自分は間違いなくゼフィユの兵士たちに怒りの矛先を向けるだろう。

食い荒らされた街並みが、またもやフラッシュバックする。

そんな時に、ヴィッツに声をかけられた。

『それからシグさん、シグさんにゃついて来てほしいんだけども…。竜騎士どうするさ?無理に竜詰め込んでついて来てくれとは言わないけども…なぁ?』

真実を知って、またも戦場で隊長にあってはならない行動をとってしまうかも知れない。
が・・・その時はその時だ。自分の相棒を信頼しよう。

「私とラスタードは行こう。クライド、おやっさん、ここは各自の判断で行動してくれ」

そう自分の部下に指令を飛ばし、ヴィッツの後へとついて歩き出した。

【RP−03:構内バリケード内部】 No.271(No.177への返信記事)

DATE : 2006年04月08日(14:21)
NAME : ソル
『アル兄とかセンセぇたち以外の皆はソルんとこ集合ー!
 分かりやすいべ?』

目の前を通ったかと思えば、すぐ行き去って、今度はまた別な所から隊長の声がする。そんな中、名指しで、指示というか――暗に、動くな、という事だろうか。集合、の印にされた。
自分の容姿は、昔から損も得もなく、少し目立った。別段、動いて場所を示さずとも分かっただろうが、僅かに手を上げて自分の位置を示す。すぐに、数人の指示をされていない隊員たちが寄って来てくれた。

中から出てきた、敵方の司令官。味方の文官や隊長が、短い応対をして――どうやら、奥に入るらしい。竜騎士のシグルド隊長も、ラスタードと共に同行してくれるらしい。他の地上部隊の者は皆、奥へ進む事は必須なのだろう。置いて行くわけにも、いかなかった。
隊長にぐいぐいと背を押され、下の方からも視線を感じた。
今回、隊長がしっかりと指示をして回っているので、自分はあまり口を出さずにおこう。そう思っていた。それに、肉親の仇――直接的ではないが――を目の前にして、今更ながらに体が強張ってきていた。喉が渇いて、張り付く嫌な感覚も。

「…指示が出ている者以外、前衛を中心に護衛隊形を取ろう。俺が先頭に立つ…隊長方と、非戦闘要員を囲え。――ラスタードには、気をつけるよう…」

味方に踏まれてたはまらない、と、付け足して、先に歩いて行ってしまう隊長の前に立った。そして、右腕で彼女の歩みを牽制しながら、

「ヴィッツ、お前、司令塔なんだから…一番前になんて出るんじゃない。ニーア、君もだ。ブレインが潰れでもしたら、どうする」

先頭にいる、本来そこにいてはならない人々へ忠告した。

【RP−03:構内バリケード内部】 No.272(No.177への返信記事)

DATE : 2006年04月08日(22:02)
NAME : レギ
隊長殿の舌打ちを聞いたような気がして、彼女のほうに視線を向ける。
まぁ、非武装の文官殿が敵兵の近くに歩み寄っていけば、少々いらつく気持ちもわからないではないが。

『五割方化け物の巣たぁ、ステキなご招待っすねぇ、副隊長殿。――あ、ソルじゃねかんね?
 ――レギ、セオ、副隊長殿確保』

「了解」

短く、指示に対して返答を返すと、アイザーマンとかいう副長を名乗るゼフィユ兵の背後に回りこみ、

「――向こうの人もいっていたが、抵抗は死だ。大人しくしておいたほうがいい」

男の首筋に手のひらを添えながら、静かにそう告げる。

「・・・自分の言動を振り返って、少しは怪しそうだとか考えなかったのか?腕の一本でも切り落とされないだけでも感謝しておけ」

妙に物騒な言葉を告げながら、てきぱきと拘束していく。
アイザーマンを縛り終えた後、ソル副隊長の言葉を聞いて、続いて言った。

「――ヴィッツ隊長殿、ニーアさん、自分もソル副隊長殿に賛成です。
 できればもう少し、敵兵に対して警戒していただけるとありがたいかと」

余計なお世話かもしれないが、一応告げて、次の指示を待った。

【RP−03:野戦病棟】 No.273(No.177への返信記事)

DATE : 2006年04月08日(22:29)
NAME : ゾンド
アイザーマンの腕を捕縛、
彼を道案内にバリケードを後にして5分程構内を進むと、
幅10m・奥行き20m近い、暗緑色をした大型のテントが
5つ敷設されているのが見えた。
濃厚な血の臭いと腐臭がする。
最も手前のテントには急造仕様の手術棟が併設されている。
そこから数えて向こう3つのテントは、
息も脈もなくなった骸と、それ一歩手前の半死人で埋まっていた。
それを除外した奥二つのテントは無人、内部には多数の寝台が用意してある。
さらに奥には頑丈な石造りの補給物資集積所が存在し、
集積所の隣にはあまり使用の跡が見られない清潔な竜舎があった。

アイザーマンはここまで皆を案内すると、ヴィッツに開口一番、
「我が部隊の隊長はアニタ・エスペーダと申します、
手術棟最寄の1号テント、出入口左側の1番ベッドに居る筈です。
…まだ意識があればいいのですが…。」

そして他のハイランド軍隊員達に向け、
「アニタと面会を希望する方は1号テントへ入って下さい。
休養や治療が必要な方は4号・5号テントへ、
補給物資を調達したいのなら5号テント横の集積所から
御自由に持ち出して頂いて構いません。」

アイザーマンは説明の後、すぐに物資庫へ歩みを進めた。

【RP−03:補給ポイント】 No.274(No.177への返信記事)

DATE : 2006年04月08日(22:30)
NAME : ゾンド
奥行きも高さもテントの倍はありそうな建築だった。
アイザーマンが補給物資集積所の頑丈な鉄扉を足で力任せに開けると、
最初に彼が施設の内部へ入って行った。
入り口付近こそ歩くのも不便な程乱雑に物が置かれていたが、
奥に進むに従って整理が為されている。
「RP−03構内を這いずり廻って物資を集めました。犠牲も多かったです。」
彼は苦笑いを浮かべつつ、真水の入った樽を撫でた。

ここに集められた物資は、質・量ともにGP−02と大差無かった。
火災を避ける為か、調理用の竈は屋外に設置してある。
ケースに入った黒パンや小麦、バター、チーズ、岩塩や酒など、
如何にもチョイスがてんでバラバラな食材が棚に並んでいる。
医療品は経年による劣化を防ぐため金属の入れ物に入っていた。

また、不良品と思しき矢束が床に無造作に置いてあったり、
武器修理用の補強剤や研磨剤があるのはGP−02と同様である。

【RP−03:補給ポイント】現有ハイランド軍戦力 No.275(No.177への返信記事)

DATE : 2006年04月08日(22:31)
NAME : ゾンド
▼前衛ユニット
・ディー 21/22 MW14 SW2
・シィア 19/20 MW6 SW1
・シグルド 20/20 MW8 SW1
・ヴィッツ 25/25 MW8 SW3
・エンガ 20/20 MW8 SW2
・ジュート 20/20 MW8 SW4
・ソル 25/25 MW19
・クロム 25/25 MW29
・レイ 23/25 MW16
・レギ 20/20 MW9 SW2

▼後衛ユニット
・セオ 23/23 MW14
・アル 19/19 MW10 SW3
・クライド 19/19 MW18
・セレス 20/21 MW3

▼非戦闘ユニット
・リゼ アルケミスト
・ゾンド 多目的運用
・ティア 慰安兵
・ポット 非戦闘員護衛兼雑用
・バード 生活管理官
・ニーア 文官
・ブリギット 軍医

(GM:補給のルールは前回GP−02と同じです。)

【RP−03:補給ポイント】 No.276(No.177への返信記事)

DATE : 2006年04月09日(23:57)
NAME : ニーア
『ヴィッツ、お前、司令塔なんだから…一番前になんて出るんじゃない。ニーア、君もだ。ブレインが潰れでもしたら、どうする』
『――ヴィッツ隊長殿、ニーアさん、自分もソル副隊長殿に賛成です。
 できればもう少し、敵兵に対して警戒していただけるとありがたいかと』
二人に言われれば少し肩をすくめ、
「少し軽率すぎたね。・・・注意するよ。」
と言うと部隊の中心辺りを歩き始める。

「・・・ヴィッツ隊長。先ほどの補給ポイントでのお話の続きですが、先ほどあなたにつけさせていただいた首の印。あれはあなたの位置を把握するためのものです。」
補給ポイントにつけばヴィッツにそう切り出す。
「あの印をつければ近辺の地図があればそれに印をつけた人物の現在地を表示することができます。細かくすれば情報なども・・・。しかし、この術は精神力を使います。印をつけられるのは今の私の体調を考えて、あと二、三人が限界と推測されます。誰にこの印をつけることを所望しますか?」
と一気にまくしたてれば相手の返答を待つ。・・・そして何かに気づいたように・・・
「あ、ご心配なく。この任務が終わればこの印ははずさせていただきます。ですのでプライベートに関してはなんら心配することはありませんよ。」
と付け加える。

【RP−03:補給ポイント】 No.277(No.177への返信記事)

DATE : 2006年04月10日(00:07)
NAME : エンガ
自分は捕虜、というものにあまり好感を抱いてはいない。武士であれば敵に捕まるよりも死を選べ、と昔は教えられていたからだ。
「・・・戦人としてはあまり褒められた行為ではないな。敵に捕まるばかりか敵を自分たちの拠点に招き入れるとは。戦人としての我なら死を選んだであろう。」
アイザーマン、とかいう敵部隊の副隊長に鋭い口調で話し始める。
「そなたは一体何の為に戦っておる?・・・そしてそれは敵にやすやすと捕まってもよい、というほどに安っぽいものなのか?」
物資倉庫内にて、敵部隊の副隊長にに詰め寄るように聞く。

心の中で、それを一番知りたがっているのは自分だ、と思い、何の為に戦っているのか悩みつつも聞いた。

【RP−03:補給ポイント】 No.278(No.177への返信記事)

DATE : 2006年04月10日(01:25)
NAME : ディー
指示通り殿軍を勤め、繋いだ少年兵たちを歩かせてテントの群れまで来た。
そこここから漏れる苦痛の悲鳴や、血と、すえた…死体の匂い。

「…休む前に、やる事が…あるな…」

側にいた捕虜の一人が怪訝そうに見返すのに、一言、掃除、と告げ、彼らを引き連れたままヴィッツとニーアの姿を探す。

「この――捕虜を、借りたい。死体を捨てる穴を掘る。このままでは、不衛生だ」

そう、掃除をするから道具を貸して欲しい、とでもいうような口調で言った。恐らく、この場所が味方陣営だったとしても、同じ様に言うはず――いや、かつて別の戦場でも、幾度と無くそうしてきたのだ。

「病が流行るまえに、処理すべきだ。仮の宿とはいえ…今後、何らかの事情でここに戻る可能性も、捨て切れん。
――作業の前に、休憩が必要、か?……水と食料は、誰かが…用意してくれるだろう」

最後は、非難の視線を向ける捕虜たちに向けての言葉だった。
許可が下りれば、ほんの僅か彼らを休ませた後、陣幕から少し離れた場所に穴を掘り出すだろう。墓穴と表現すべきではない、大きな、穴を。

【RP−03:補給ポイント】 No.280(No.177への返信記事)

DATE : 2006年04月10日(01:53)
NAME : ゾンド
倉庫内にてどこか亡羊と佇むアイザーマンに、
エンガから鋭い口調で問いが投げかけられた。

「自分の戦う目的ですか…正直、物心ついた時から軍属の身ながら、
深く考えた事はありません。
強いて挙げるなら…月並みながら。
私の祖国と、上官と、同僚と、部下の為、としか言えません。」

「自分が単なる一介の兵卒であれば、仰られる通りかもしれません。
しかし、今の自分は仮にも司令官です。
確かにこの戦いが一段落着いて戦後処理が始まるとすれば、
自分は敗将と呼ばれ、誇りも名誉も無くまず確実に処理されるでしょう。
自己憐憫かも知れませんが、
戦争の後には勝敗に関わらず事後報告がなされ、後始末が必要です。

どの戦線にてどの様な戦術が成功、または失敗し、
後の戦略をどの様に采配すべきか、或いはどの様に戦力を構築するか。
この戦争の報告と判断材料が、我が祖国にとって
今後10年、50年、100年の勝利の礎になるのなら。
もし自分のような木っ端軍人の一個の命でそれが活用されるのなら。
自分は喜んで汚名を被ります。

また、どの道遅かれ早かれ死ぬのであれば、
そしてもしやすると我々に敵の戦力をできうる限り最大限削ぐという目的があるのなら、
自らの刃で果てて心理的にも物理的にも味方の荷物になるより、
捕虜となって自分の監視や確保等に敵側の戦力を割かせる方が効率的です。
最悪その場で処分されるとしても、自分を殺した剣は血糊で切れ味が悪くなります。

やすやすと敵の捕虜になるとしても、内実には打算があります。
自分の名誉のために死ぬのと、
これからの味方の為、敵に散々迷惑をかけて犬死と呼ばれるのと、
どちらが誇り高いかは自分にも判断がつきかねます。

姑息な戦い方として軽蔑なされるでしょうが、
これが我々ゼフィユのやり方なのです。」


そして、自ら穴を掘り始めるディーの言葉に。
「自分も同感です。物資集積所に一通りの道具があります。それを使って下さい。
欲を言わせて貰えば、埋め戻す前に遺体を焼かせて頂きたい。
どれ程の人数が必要か、または解縛の程度などは、そちらの判断で、如何様にも。」

【RP−03:補給ポイント】 No.281(No.177への返信記事)

DATE : 2006年04月10日(21:54)
NAME : リゼ
『この――捕虜を、借りたい。死体を捨てる穴を掘る。このままでは、不衛生だ』

血や死体を見ることは、覚悟していた。
戦場に赴いたことは、今までに片手ほど。そのうち一度は目の前で死傷者が出た。
しかし、この骸の山は――、少女の想像を超えている。
元来、血が苦手な性質。戦場でのそれは直したと思ったのだが…、今は、眩暈がする。匂いに。
片手で頭を押さえ、俯いていたところに、傭兵の言葉が聞こえた。

「…っ………」

そのような言い方、彼らも元は人間で――。
そんな言葉が渦巻いたが、結局口からは何も出てこなかった。
ただ、今の言葉で冷や水を浴びせ掛けられた気がする。無理矢理、現実と向き合わされたというか。
パシッ、と両手で両頬を叩いた。痛い…。

「……あの、物資を…確認しに行きませんか?」

周りの非戦闘員たち、特にその必要があるだろうブリギットに目を向けて行った。
……流石にまだ、一人でここをうろつく勇気はない……。
しかし、自分の仕事は『仲間たちの武器のコンディションを整える』だ。

無論、仲間の戦闘員たちの補給・休養に努めるのが己の義務だ。わかっている。
それでも……と。怪我人たちの並ぶ状態の悪いテントに、彼女はこっそり視線を投げる。
――もし、物資があって、自分の手が空いているのならば、手助けしたい、と。

彼女が診ることの出来るような軽傷人は、もう居ないのかもしれないが。

【RP−03:補給ポイント】 No.282(No.177への返信記事)

DATE : 2006年04月12日(00:16)
NAME : アル
無碍に転がる死体と半死人、重く漂う腐臭と絶望感。
負け戦に付き物の光景を、部屋の隅からゆっくりと見渡す。
十数年軍属として生きてきたが、いつまで経っても好きになれなかった。
例えそれが敵であっても。

そんな中で、死体を焼きに行く者、物資の確認を行う者、
各々が最良の選択をしようと働いている。

さて、自分に出来る事は…。
とりあえずはディーの方の死体埋設を手伝う事にしよう。
あの男、口数が少ないだけあって下手したら諍いを起こしかねない。
立ち上がれば、俺も手伝おう、とディーの後に続く。

「せめて捕虜の連中には十字くらいはきらせてやんな、ディーの旦那よ
 …あんまりここで確執生むのもマズいだろう?」

自分とて、ゼフィユに恨みがないわけではない。
苦痛に身をよじりながら死んでいった仲間の顔を覚えている、
苦痛を感じる間もなく殺された友の名前も決して消えない。
だからこそ、自分がここで彼らと同じ様に死ぬわけには行かなかった。

(狼の巣の中でいがみ合ってちゃ、生き残れるワケないんだからな…)

【RP−03:補給ポイント】 No.283(No.177への返信記事)

DATE : 2006年04月12日(19:10)
NAME : ブリギット
『……あの、物資を…確認しに行きませんか?』

己に向けられる視線と共にかけられる言葉、それに気がつかないほど鈍感でもなければ気がそぞろでもあるはずも無い。
そして・・・その言葉を向けてきた少女の顔色の悪さに気がつかないほどにも。

「ん、そうね・・・自分達で持ってきている分にプラスアルファがあれば儲けもんだし。」

努めて気楽な調子でそう言葉にすれば、軽くリゼの髪の毛をかき回すように頭を撫でてから

「武器と怪我と、どっちも物資確認してから診るから心当たりのある人は準備しといてね!?」

大きな声で周囲に伝わるように言葉をかける。
戦闘後では・・・特に、血の気の強い戦闘後では気がつくかどうかにかかわらず多少は鬱屈するものだ。それを吹き払うのはたとえ空であったとしても元気。

そして、物資倉庫に向かう途中に穴掘り組の傍を通れば言葉をかける。

「余計なおせっかいかもしれないけど、雨が降ってたし水場が分かりにくいから埋める場所には気をつけて。悪い水場ならなお更、その近くに埋めたりしたら余計衛生状態悪くなっちゃうしね。」

お節介だったとしても、衛生にかかわることは一手に引き受ける職業なのだ、これ位は言っても構わないだろう。
そして、リゼと連れ立って物資庫へと向かおうか・・・・できるだけ彼女の近くに寄って血のにおいを軽減させる為に。

・・・・こういう時は多少の悪癖でも、シナモンスティックを持ち歩いていて良かったと思うものだった。

【RP−03:補給ポイント】 No.284(No.177への返信記事)

DATE : 2006年04月14日(00:11)
NAME : バード
アイザーマンの言葉を、横で聞いていた。
打算がある。そういった。
苛烈な持論をエンガに―そして、戦い慣れない人間たちに聞かせることすらも、その打算のうちなのだろう。
彼の言葉も、この状況におかれてなお、全てが本心とは思えない。
人間とは実に不可解で、複雑で、愚かで、いとおしい獣である。―獣と表現するならば、彼らは断固否定するのだろうが。

『自分も同感です。物資集積所に一通りの道具があります。それを使って下さい。
欲を言わせて貰えば、埋め戻す前に遺体を焼かせて頂きたい。
どれ程の人数が必要か、または解縛の程度などは、そちらの判断で、如何様にも。』

「…ゼフィユでは、火葬の習慣が…?しかし…それほどの燃料を消費するのは、補給の目処が立つまで賛成できません。
汚れた衣服、寝具、テントと…それから…包帯。儀式としての炎が必要ならば、それを燃やしてください。
――送りの歌が必要なら、わたくしが」

補給の物資を確認しに行くというリゼたちを見送り、死者のテントへと入る。そして、骸をシーツで一体ずつ包み始めた。
識別票があるものはそれを遺骸の上に乗せ、鎮魂の詩を添えながら。

ゼフィユの兵士で動けるものがいるなら、手伝って欲しいと声をかけるだろう。

【RP−03:補給ポイント】 No.285(No.177への返信記事)

DATE : 2006年04月18日(01:11)
NAME : ヴィッツ
『アニタと面会を希望する方は1号テントへ入って下さい。…』

ソルとレギから叱咤を食らって、べろりと舌を出して軽くごめんと笑って見せた。笑ってみたのはいいものの、引き攣った笑顔でなければいいが…。
そして、アイザーマンから案内を受け、その一号テントとやらを見た。ふー、と遣る瀬無いようなため息をついて――すぐに失敗だったと思った。あまり、吸いたくない空気だ、ここは。

「うし、じゃーご面会といきますか…シグさん、ニーア兄さん。とりあえず挨拶しにいこうさ。」

そう、まず二人に話しかける。逆にニーアからも首につけられた何かに着いて説明を受けたのだが、自分にはいまいち仕組みもリスクもよく分からない。一瞬考え込んだようで、

「…ええと。俺は今までどおり皆に叫んで回って指示しようと思うさ…魔法、使えないし。判断の方はニーア兄さんに任せるさ。ニーア兄さんが考え事すんのに、位置知ってる必要があるような人につけといて、な?」

言った。それから、とりあえず率先して一号テントに近づいていく。あまり警戒を払っていないような歩き方で、テントの入口に手をかけてようやく気を張って振り返った。ぐるりと――何人かすでに死角に入ってしまって見えなかったが、大声で指示というか、一方的に話しかけた。

「ソル!あんたここに残って、みんなの面倒見てやって!敵さん燃してやるんならさ、ほら、出番じゃん?
 アル兄、ディア兄レックス兄、ソル含めて若い子頼んだ。面食らってるだろうから、色んな意味で任すよ――。
 センセやリゼっちゃん、気をつけて歩き回れよーっ!それからティアとゾンちゃん、ちょっとこのテントの入口んとこで待っててくれっかな?忙しかったら別にいいんだけどさ。
 皆からなんかあるかー?」

あまり戦闘時と変わらない調子で大勢に声をかけ、何も返事がなかったらそのままシグルドとニーアに目配せしてテントの中に入っていってしまうだろう。捕虜たちや、死人の事は傭兵やベテランに任せるつもりだ。下手に口を出すより――もはや感覚にでもなっているだろう作業をし慣れている彼らに任せたほうが無難だ。

アイザーマンはこのテントを手術棟といっていた。少しは、衛生のまともな空間を期待する――。

【RP−03:補給ポイント】 No.286(No.177への返信記事)

DATE : 2006年04月19日(21:07)
NAME : ソル
アイザーマンの語る言葉の節々に、同じ人間として、違和感のようなものを感じた。しかし、それと同じだけ、部隊の責任者としての同意もあった。
彼らが集めたという品の揃わぬ備品の数々も、よくもこれだけ集められたものだと、思う。確かに、犠牲は多かっただろう。部隊長が負傷しているという点で、すでに精神的な被害も大きかったはずだ。
澱んだ空気と雰囲気の中、ヴィッツが指示を残してゼフィユの隊長がいるというテントへ向かっていくのが見えた。彼女の言う、面食らっている、の中に自分が入っていることには異論があったが、今は言うまい。

「――アル、ディアヴォル、イグナツィオ…さん。手伝うよ」

先ほどの戦闘は、消耗こそあったが、被害は少なかった。子供たちも、自分で補給や手当てに行けるだろう。特別な指示は、しなかった。
そうして、捕虜の少年たちを連れ墓穴を作り、死者を送る準備をしている彼らの側へ行く。作業の邪魔にはなれないと、詩を贈るバードの隣で立ち止まった。火葬と言われ、炎を呼ぶなら、と自分の手を見つめて――ふ、と思ったことを彼らに捕虜の少年たちや、その側にいるだろう仲間たちに、

「…俺の、故郷には…火葬の習慣がなくて、よく分らないんだが…。遺体を、そのままここで焼くのか?
 とてもじゃないが…きっと、酷い臭いだぞ?」

敵とはいえ、死ねば骸だとよく自分の隊長は言っていた。情けをかけてやらない訳ではなく、彼らの希望通りにはしたかったが、果たして、傷ついたこの場所に、さらに追い討ちをかけていいものか。火葬の仕方も知らない身ではあったが、聞いた。

【RP−03:野戦病棟】 No.287(No.177への返信記事)

DATE : 2006年04月20日(00:03)
NAME : ゾンド
手術棟内部は、きっちりと整理の行き届いた空間だった。
何故か軍医は居なかったが、清潔な寝台が何床か置かれている。
奥の、異臭のするコンテナには、切除した人間の手足がしまい込まれていた。

ヴィッツが入って行ったテントの入り口すぐ傍の寝台に、
RP−03防衛隊隊長――アニタ・エスペーダが、ベッドの上で半身を起こし座っていた。
右足太腿から先と、右腕の肘から先が無い。
ただ点々と赤い染みの付着した包帯がきつく巻かれているだけだった。
包帯の巻かれた部位はそれだけで、
首筋などにある軽い切り傷には辛うじて消毒だけが施されている。
肩まで伸ばされたブロンドの髪には、所々血染めの跡があった。
悠然とベッドの上で座っているだけのアニタは
テントに入って来た見かけない顔立ちの若い女へ気付くと、
ゆっくりした動きで首だけを振り向き、

「あの…どなたでしょうか?」
柔和な微笑みをヴィッツへと送った。

【RP−03:補給ポイント】 No.288(No.177への返信記事)

DATE : 2006年04月20日(00:04)
NAME : ゾンド
『…俺の、故郷には…火葬の習慣がなくて、よく分らないんだが…。遺体を、そのままここで焼くのか?
 とてもじゃないが…きっと、酷い臭いだぞ?』

アイザーマンは苦渋の表情を浮かべつつ、ソルにはこう言葉を返した。
「はい…これが本国で、きちんとした施設があれば…もう少しまともなやり方もありましたが…」

更にバードの言に、
『…それほどの燃料を消費するのは、補給の目処が立つまで賛成できません。
汚れた衣服、寝具、テントと…それから…包帯。儀式としての炎が必要ならば、それを燃やしてください。』

「わかりました。残しておくと衛生上問題のあるものだけを燃やしましょう。」
この場に残っていた、数名の衛生兵に指示を出す。

【RP−03:補給ポイント】 No.289(No.177への返信記事)

DATE : 2006年04月21日(04:35)
NAME : ゾンド
『それからティアとゾンちゃん、
ちょっとこのテントの入口んとこで待っててくれっかな?』

ヴィッツからの指示に、
隊に随行しているゾンドはテント出入り口へ向かった。
彼女の意図は読めないが、
例え命令でなくともヴィッツの指示には従うだろう。
ソンドはテントの入り口側に背を向けて立ち、
皆それぞれの動きを観察していた。
彼等は十人十色・適材適所の、手慣れた行動をしている。
ゼフィユ軍兵士の遺体を処理する者、
物資の確認へ向かう者。

テント内から続々と運び出される血塗れの死体を見ても、
ゾンドは顔色一つ変えず、その無表情と無感動の瞳は、
目の前の現実を映して離さなかった。

【RP−03:補給ポイント】 No.290(No.177への返信記事)

DATE : 2006年04月23日(23:11)
NAME : ディー
『せめて捕虜の連中には十字くらいはきらせてやんな、ディーの旦那よ
 …あんまりここで確執生むのもマズいだろう?』

そう、声をかけられ、更にヴィッツからの指示。少し考え、ゆっくりと首を横に振る。
近くにいたアルベルトに向かい、

「………そう、いうのは、俺にはわからん。…任せる」

そうして、黙々と大きな穴を掘る。運ばれてきた遺骸の数を数え、頃合のところで手を止め、今度は遺骸を投げ入れる作業に移った。
初めて墓穴に遺体を入れたのは、母親だった。それから戦場に立つようになり、幾人をこうして墓穴に投げ入れてきたか、覚えていない。

遺体に火をかけるらしいと聞けば、少し面食らった。
自分の知るところでは火葬の習慣はなく――火葬は罪人への罰だった――見せしめに焼く、とか、そういった知識しか持ち合わせていなかったためで。

祈りも、儀式も、自分の持ち場ではない。少し離れて、それを見守ろう。

【RP−03:野戦病棟】 No.291(No.177への返信記事)

DATE : 2006年04月24日(10:35)
NAME : ヴィッツ
その中は、臭いの他は全然外よりキレイに保たれていた。一瞬異臭のする箱が何なのか分からなかったが、ベッドの上の人の姿を見てなんとなく理解した。ああ、ナニが入ってんだな、何で捨てずにとっといてんだろう、と。

「…喰われましたな、その姿だと。このあたりに巣食ってる化け物さんやらに」

右半身の四肢のないアニタを見て、その笑顔に返すべき柔らかい笑顔など返せなかった。向こうの性別がよく分からなかったが、およそ少女のする笑いでないような苦笑や疲れた皮肉った笑みしか出ない。言葉も要塞会議の時のような、おっさんのようなものになっていた。

「ゼフィユの隊長さんの、アニタ隊長でよろしいですか?俺はヴィッツ・ランカスターと申します」

なるべくいつも通りのへらへらとした笑顔であるよう意識しながら、曲刀を腰から外して提げアニタのベッドの端に腰掛けた。あまりいい顔をしていないのを自覚しているので、あまりアニタの方を見ないよう刀をいじり、

「ハイランドの要塞待機部隊の隊長をしています――ここを制圧しに来ました。もうすでに副隊長さん方を捕獲させてもらったんですが――いくつかお話願うことが、あなたに。いいすか?」

シグルドたちを待ちながら、とつとつと話しかけ始めた。

【RP−03:補給ポイント】 No.292(No.177への返信記事)

DATE : 2006年04月25日(00:39)
NAME : アル
ザクッ、ザクッ…

ディーや、捕虜達と協力し、墓穴を掘り進める。
所々欠損した死体は矢張り見ていて気分のいいものではないが、
それでもツイこの前まで生きていた人間だ。
未だ、理に徹して死体を粗末に扱う事が出来ないでいた。
一体一体をゆっくりと、なるべく丁寧に竪穴に投げ込んでいく。
隣の男は相変わらず淡々とそれらを処理している。
そんな彼が頼もしくもあり、また同時に複雑でもあった。

「…俺の生まれた所はハイランドでも特に精霊信仰が強い土地で、な。
 全ての物質、生命には精霊が宿る、そう信じられてた
 肉体が死んでも精霊は死なず、再び新しい命に定着する。
 だから、厳しい冬の後にも命の芽が出る…ってな」

独り言の様につぶやきながら、最後の一人を投げ入れると、
革の水筒を逆さかざした。

小麦色の液体がきらきら輝きながら、特有の臭いを放ちながら亡骸に降りかかる。

そして、少し残ったそれを布キレにしみ込ませ、火をつければ、
屑布の中に投げ込んだ。
大きな炎が上がり始める。

「だから遺体を葬るときは、信じる信じないは別にこうするのさ。
 …敵国の英霊に、わが祖国の精霊の祝福があらん事を」

そう言って、男は胸元で十字を切った。

【RP−03:野戦病棟】 No.293(No.177への返信記事)

DATE : 2006年04月25日(05:52)
NAME : ゾンド
『…喰われましたな、その姿だと。このあたりに巣食ってる化け物さんやらに』

ヴィッツの何処かぎこちない表情、そして放った言葉に、アイザーマンの言っていた話では「RP−03防衛隊隊長」との肩書きを持つ人間……既に子供の一人でも産み、自分の家庭を築いていそうな、どこにでも居る「母親」然とした、たおやかな雰囲気の女性は、残った左手で口を覆い、くすくすと笑ってヴィッツの言葉に同意した。

「そうなのよ。私って、よく鈍臭い女って言われるから…。
ふふ、情けないでしょう?
どこをどう間違えて今まで責任あるポストをやってられたのか、自分でも謎に思うわ。
でも、それももう終わり。」

そして、入って来た少女が何者か、
そこを聞き質す事を、何時の間にか忘れていたらしく、
『ゼフィユの隊長さんの、アニタ隊長でよろしいですか?俺はヴィッツ・ランカスターと申します』
向こうからの自己紹介には開口一番「そうだったわね」と独りのたまい、自分で自分の頭を平手で軽く叩いた。

「お嬢さん、ごめんね。言うべき事は色々あったけど、ちょっと忘れちゃってたみたい。
そう、私が今のRP−03の隊長。アニタと申します。」

それは作為的か、それとも天然か、どうにもすっとぼけた調子で喋るアニタは、ベッドに指を付いて深々と頭を下げた。

『ハイランドの要塞待機部隊の隊長をしています――ここを制圧しに来ました。もうすでに副隊長さん方を捕獲させてもらったんですが―』

続くヴィッツの発言にも、アニタはどこかユルい感じの反応を返す。
「まあ…ハイランドね。こんな所までよく来てくれたわ。ここまで歩くの、結構大変だったんじゃない?できればお茶の一つでも用意したい所だけど、今はちょっとゴメンなさいね。」

こちらと目を合わせようとせず、
ヴィッツが刀を弄り続けている理由にも気付いていない様子だった。
『―いくつかお話願うことが、あなたに。いいすか?』
「あら、「いいすか」なんて確認しなくてもいいのに。当たり前だけど、私の知っている事だけでいいなら、いくらでもお尋ねなさいな。心配しないで。貴方可愛いから、出し惜しみはしないわよ。」

【RP−03:野戦病棟】 No.295(No.177への返信記事)

DATE : 2006年04月27日(00:50)
NAME : シグルド
しばらく、ヴィッツの後について黙って展開を見ていた。

『―いくつかお話願うことが、あなたに。いいすか?』
『あら、「いいすか」なんて確認しなくてもいいのに。当たり前だけど、私の知っている事だけでいいなら、いくらでもお尋ねなさいな。心配しないで。貴方可愛いから、出し惜しみはしないわよ。』

無惨な姿・・・だと思う。

戦場では爆発系統の魔法や火薬に半身吹き飛ばされるのも至極当然な話だが、「喰われた」・・・その描写は、戦場からも離れたものであるような気がした。
同時に、根拠はないが直感がこの女性以下このポイントの兵士たちも「被害者」であると告げている。このテント内及び周囲の武装状況・・・それを感覚的に無害と感じ取っての判断だったのだろう。

気付けば、一歩前に出てヴィッツより先に尋ねてしまっていた。

「あの化け物のことを―――・・・少々嫌な思いをするかも知れませんが、教えてくれませんか?」

そこではっ、と我に帰る。

「す、すまない、ヴィッツ殿・・・。アニタさん、私はシグルド・ハイメタル竜騎士部隊第6小隊隊長です。少しでもいい・・・奴らの情報を、ください・・・」

鉄の兜の頭を下げた。

少しだけ、ほんの少しだけ、あの滅びた街の亡霊たちに憎しみの心を刺激され、今突き動かされているように感じながら・・・。

【RP−03:補給ポイント】 No.296(No.177への返信記事)

DATE : 2006年04月27日(01:35)
NAME : エンガ
「なるほど、な。」
ふむ。と副隊長の言葉を聞き、一考して見た。
相手の言う事にも一理ある。無駄な玉砕は愚の骨頂。むしろこのような利口な行為こそが後の大勝に繋がっていくのかもしれぬ。・・・むしろ我のほうがそのようなものを侮蔑していた点で相手よりもまだまだ下なのだ。ということを思い知らされた気がした。
「・・・ならば何も言わぬよ。これ以上、他部隊のことに口を出すべきではないし、そもそも我には全く関係のないことであるが故にな。・・・侮蔑するようなことを申して申し訳なかった。」
同じような口調で言うが謝罪の念がそこには篭っていた。その後、倉庫内を見て何か皆の作業にに役立てられるものはないかを探していることにした。

【RP−03:野戦病棟】 No.297(No.177への返信記事)

DATE : 2006年04月28日(06:00)
NAME : ゾンド
『あの化け物のことを―――
・・・少々嫌な思いをするかも知れませんが、教えてくれませんか?』
『アニタさん、私はシグルド・ハイメタル竜騎士部隊第6小隊隊長です。少しでもいい・・・奴らの情報を、ください・・・』

捕虜相手だというのに、どこか嘆願めいたシグルドの沈んだ口調。
決して良くはない顔色のアニタだったが、それでも変わらない微笑で言葉を返した。

「ふふ。教えられるのは私の知る限りの事までだけど、何でも聞いてね。」

そしてアニタは顔を伏せ、下を向き、翳りの増えた表情でぽつぽつと語り始めた。

「そうね、シグルドさん。あの怪物の事から話しましょうか。
…………あれは『バージェス』の創り出した、『生態系破壊兵器』って言うらしいの。
生まれて食って増えては死に、生まれて食って増えては死に、
共食いを延々と続けて、散々繁殖した後は自死を起こして自ら滅び、腐り、
土壌を富栄養化させて次の世代の滋養となる。
捕食の対象が敵兵だろうと味方だろうとお構い無し。
敵どころか、守るべき仲間も自分すら殺し尽くしてもまだ足りない……。」

「私も最初からRP−03に居た訳じゃないの。ゼフィユからの第2次増援隊。
最近の襲撃はチマチマしたものでしょう?音で分かるわ。
私が最初に派遣された時は、あんなのが地平線を埋め尽くす程居たのよ。
ただの地方駐留隊でしかないこちらのRP−03防衛隊なんて、
数時間と持たずに全戦力が「喰われた」筈だわ。」

「バージェスの方々も、もう自暴自棄だったんでしょうね。
故郷を滅ぼした敵を憎み、負けた自国の不甲斐無さを憎み……
憎悪と絶望と諦観の中、それならば、と。
ハイランドにもゼフィユにも、『相討ち』になってでも一矢を報いたかったのでしょう。」

アニタは一頻り語り終えると、見えない掌にでも押し当てられた様に、
ゆっくり寝台へ倒れ込んだ。

「ごめんなさいね。座ってるだけでも結構辛いの。
でも、質問に答えるくらいなら幾らでもできるから、
何か訊きたい事があったらいつでも言ってね。」

【RP−03:補給ポイント】 No.298(No.177への返信記事)

DATE : 2006年04月28日(23:18)
NAME : レイ

『アル兄、ディア兄レックス兄、ソル含めて若い子頼んだ。面食らってるだろうから、色んな意味で任すよ――。』

 補給ポイント到着から火葬までずっと黙りっぱなしだった男がヴィッツの言葉にのそのそと動き出した。怪我の治療もそこら辺にあった包帯を適当に腕に巻いただけの簡素な治療だがしてある。なのでまずは倉庫内へ・・・・目的は先ほど気落ちしているように見えたエンガだ。
 倉庫内へいくとエンガが何か使える物資がないか探している最中だった。獅子髪の男は気さくに後ろから近寄り、肩を抱くようにして叩く。

「よ、なんだかさっきから随分暗いじゃねえか。なにか気になる事でもあったのか?」

 そう言った後、任されたとはいえどうすれば言いかわからないままエンガのもとへやってきたこの男は、叩く力を強めて再度肩を叩き──

「悩め青年。悩んだ先にお前の求める強さがある・・・なーんてな?」

──とりあえずクサイ台詞を言ってみた。

【RP−03:補給ポイント】 No.299(No.177への返信記事)

DATE : 2006年04月29日(16:09)
NAME : ソル
『はい…これが本国で、きちんとした施設があれば…もう少しまともなやり方もありましたが…』

問いに対するアイザーマンの答えを、アルが火をかけるのを見つつ、聞いた。施設、と小さく呟いて、ゼフィユの人間は死んだ体は取っておかないものなのか、と思う。土葬や風葬などは何度か目にした事はあったが、戦場ではないところで、人に火をかけるところはこれが初めてだった。
異臭を嗅ぐが、顔の色は変えまいと、無表情を装い、

「…少し、辺りを見てくる……」

小さく言い残し、テントの方へと歩き出した。
葬儀の炎は、役目を終えるまで尽きる事はないだろう。使役するものから距離を置くのは力を食うが、今は、あそこにいるのも同じほど辛かった。

【RP−03:野戦病棟】 No.300(No.177への返信記事)

DATE : 2006年04月29日(16:26)
NAME : ヴィッツ
下を向いて余計な動きを止めなかったヴィッツだったが、シグルドが口を開けば顔を上げた。お、と意外そうに発言した彼を見、何故か謝っているのを見れば何故か仲間だけには出来る割と自然な笑みで、

「なーに謝ってるさ、シグさん。別に誰か喋っても良かんべや?」

言った。そして一通りアニタの"あの化け物"についての返答を得てから、

「何か難しい事は分りませんけども。色々省いて――それで、奴らの数は減ってきたってことですか?」

地平線いっぱいにいただのなんだのと聞いて、それほどはいなかったと外の様子を思い出して聞いた。そして、寝台へ倒れた彼女を目の端で追いながら、

「では、俺から。
 見たところもう、ここにはろくな戦力も残ってなさそうですけども――今現在ここにはどれくらいの戦力がいますか?付近にゼフィユの応援がある場合、可能性も含めてそれも教えてください。
 それから、こっちには俺らの他にも……俺らより先にハイランドの軍の部隊が着ているはずなんですが、知りませんか?」

指示書が来ている事を思い出してそう聞いた。あらゆる意味でどちらの質問も絶望的な答えが返ってきそうだったが――

「…うちの者の心配は無用っすよ。信頼できる、身内だけで来ましたから」

最後、部隊を案じてくれたアニタにぽつりと呟いた。

【RP03:補給ポイント】 No.301(No.177への返信記事)

DATE : 2006年04月29日(20:27)
NAME : ジュート
皆それぞれ考えた行動をする中、一人テント群からはずれたところで俯いていた。
戦場に赴いたことは無くはない…が、これほどの酷い有り様を見るのは初めてであった。
たちこめる血の臭い、人が焼ける異臭から逃げるように離れたのだが、それで解決できるわけでもなく。
拳をぎゅっと握り頭を軽く、数回叩いて。
自分と同じ戦闘員たちはめいめい行動を始めている。リゼら非戦闘員も自分の役目を果たそうとしている。
それなのに、と自分を叱咤する。しかし体は動かない。

「僕は…戦闘員なんだから……僕は…」

まるで暗示するかのごとく。握った手を額に当てて、それでも汗をかき、微かに震える。

……そんな自分が情けなかった。

【RP03:補給ポイント】 No.302(No.177への返信記事)

DATE : 2006年04月30日(01:30)
NAME : セレス

命令もなく、他の隊員が仕事をしに行ってしまったのでやることも無い。
手持ち無沙汰で、戦場には慣れざるをえなかった一人は辺りを確認するようにふらついていた。

『…少し、辺りを見てくる……』

言い残した男を見送り、死者を弔う熱を眺める。
時々爆ぜる音の混じる炎は、まだ消えず。臭いもより濃くたちこめて――慣れている身でも眉を顰めた。
やっぱり離れよう、そう思って・・・一人、少し離れた所にいる、震える青年に目がとまる。

「戦闘員でも、つらくなるときはある・・慣れてもだ。だからそう・・無理することはないと思うぞ。人手は足りてるようだから休むといい。・・・少しは楽になる。」

近寄って一言だけかけることにした。それで相手がどうにかなるとは、思ってもいないが。
暗示をかけるかのような相手の台詞に、本気でかけたいのならかけてやる。それで楽になるなら。等とあながち冗談でも無い事を交えながら。

【RP−03:野戦病棟】 No.303(No.177への返信記事)

DATE : 2006年05月03日(09:36)
NAME : ゾンド
アニタは寝台に横たわりつつ、声だけでヴィッツへと応答を始めた。

『――それで、奴らの数は減ってきたってことですか?』

「確かに減ってはいるでしょうね。ただし、見かけ上は。
あの連中は、個体は滅んでも養分はそのまま残るの。
雨とか、人間が踏み入ったりとか、
連中に何らかの刺激を与えてしまえば、すぐにでも孵化を始める。
こちらが大規模な戦力を投入すればするだけ、連中は相応の数で迎える筈。
…あの兵器の目的は、どうやら「勝つ」事ではないのでしょうね。」

質問は続く。

『――今現在ここにはどれくらいの戦力がいますか?付近にゼフィユの応援がある場合、可能

性も含めてそれも教えてください。』

「うーん。アイザーマンの報告だと、未だ無傷で運用できる兵は15人前後かしら?
動けない負傷兵の数はざっとその倍程度。物資はまだ持ちそうだけど。
それと、私達ゼフィユ側の増援部隊は…暫くは来ないでしょうね。
バージェス近郊の戦力はほぼ使い果たしてしまったと思うわ。
最後に残るはゼフィユ本国からの増派ですけれど、
この戦力が動くには相当の準備時間が無いと…。」

『それから、こっちには俺らの他にも……俺らより先にハイランドの軍の部隊が着ているはずなんですが、知りませんか?』

「ええ、知ってる。」
RP−03の駐留隊がほぼ全滅の後、かつ私達第二増援隊が来る前。
ハイランド軍がここを通過してRP−03の最深部へ向かったという報告は聞いているわ。
何故か私達ゼフィユの残存兵を完全に無視していたみたい。
…彼等の部隊は、明らかに何かを把握していた様子ね。」
彼等が向かったのは、ここから北に3km進んだRP−03の地下坑道区画。
私達が“デス・トラップ”(以降DT−04と呼称)と呼んでる、坑道への物資搬入路。」

他にも何か訊きたい事、ある?とヴィッツ・シグルド両隊長に微笑みかける。
会話の終始、アニタは痛みを無理矢理捻じ伏せた様な、
引き攣った笑顔を堅持していた。

【RP03:補給ポイント】 No.304(No.177への返信記事)

DATE : 2006年05月07日(17:37)
NAME : ゾンド
遺体を嘗めた炎は煙となり、やがて霧と混じって消えてゆく。
時が経ち、異臭が薄れ、穴の底には人間の骨格だけが残る。
ゼフィユの捕虜達が、掘り出した土で再度穴を埋め戻していった。

捕虜の一名が懐からくしゃくしゃになった小さな紙片を取り出し、
ペンで埋めた地区を記録していた。
何の装飾も無い、葬る言葉を記した墓碑も無い。
ただ単にそこの地下に骨が眠っているだけの場所だった。

今や小雨はほとんど地上に降りなくなり、
その代わりに濃い靄が先程より酷くなっていた。

暫くの沈黙の後。鬱積に沈んでいた捕虜一団は、
アイザーマンが代表しハイランド軍へ言葉を向けた。

「実は、折り入って申し上げたい事があります。」

【RP−03:野戦病棟】 No.305(No.177への返信記事)

DATE : 2006年05月13日(00:16)
NAME : ヴィッツ
「……。はぁ…」

科学に手を染め、侵略され、全てを放棄することも出来ずに滅びた国。バージェス。――そう聞いていたのは、あながち間違いではなかったらしい。ハイランド人らしく科学の産物はもとより、ハイランド人らしくなく魔法や精霊云々もろくに分っていないので、アニタのあの化け物どもの説明は上っ面をさらって覚える以上に何も出来なかった。主に、増える、消えない、ともかく面倒だ。そんな印象と文字列を覚えた。覚えるだけ覚えろよという話だったが、よく分からないものよりも、確実に自分たちに必要な情報のほうを覚えることに専念してしまう容量のあまり良くない頭は生まれつきだ。
敵の戦力と増援の有無、そして先行隊の行き先。無傷で動ける…そんな兵がまだ15人もいると聞いてあからさまに顔を顰めた。拘束しておくには、やや多い――ぱ、と思いついたのはあまり人道的ではない拘束処置で、自分でげんなりしながらちらりとシグルドを見た。

「…だってさ、シグさん。動ける敵兵の生き残りは15人前後。俺らが会わなきゃなんない先行隊はもっとヤバ気な奥まで行っちゃったって…。
 どうするよ。ここ制圧してほったらかしは出来んし…でも追わないかんし。俺らの人数で、二部隊に分けんのはちときついべや…」

自部隊に深刻な怪我人でもいれば見張り兼待機ということで残していけたが、そうでもないなら無用な戦力分散はごめんだ。そうでないならば、動けないようにして――もうホント『動けない』ようにして全員どこかに集めて、監禁してしまうか。ちらちらとそんな残忍な思考のちらつく赤い眼になりつつ、アニタを見てはす、と片手を挙げてもう喋らなくていいと合図した。
それからややあって、シグルドへ向けて、

「シグさん、俺、ほら、あれだからさ。あんまり――ゼフィユ兵信用してないんだわ。だから、敵兵運用だけはしたくないのだけども…。何かいい案あるさ?
 ぜってぇ、敵兵を拘束させたまま動かなくさせれる方法」

言った。それから、多分また間。シグルドが積極的に話し出せば別だが、そうでないなら4拍ぐらいの間のあとに、

「ゾンちゃん、ティア。――あれ?ティアいない?
 いいや、ゾンちゃんちょっと中来て」

外の気配を探りつつ告げた。一人分、多分ゾンド――間違っていたら部隊長失格か――の気配しかなかったので言い換えながら、中にと指示を出した。もうそろそろ、抑え時だと自分で思う。放っておくとどんどんと深みにはまっていくので、関係ない第三者が必要だった。

【RP03:補給ポイント】 No.306(No.177への返信記事)

DATE : 2006年05月13日(04:34)
NAME : ディー
燃料はなんだろうとやはり、炎は炎なのだなと、どうでも良い事を考えていた。

自分は補給の必要も無い、このあとどうしたものか…
とりあえず、捕虜たちを放っておくわけにもいかないだろう。
集まれ、と短く命じ、人数を数えて逃亡者の無いことを確認する。
「…テントが…ひとつは…空いた筈だ。内部を清掃して、そこで沙汰を待て。食料は配給させる…」

そうして、何か言いかけたアイザーマンへと相変わらずの無表情を向けた。

「――ここに最終決定権のあるものはいない。話すだけ無駄だと思うが。
 ―アルベルト、そいつを…隊長達の所へ…頼む。俺は、こいつらを」

そう、捕虜たちを顎で指し、彼らを追い立てるようにしてテント群へと歩き出す。

【RP−03:野戦病棟】 No.307(No.177への返信記事)

DATE : 2006年05月13日(11:51)
NAME : シグルド
『…だってさ、シグさん。動ける敵兵の生き残りは15人前後。俺らが会わなきゃなんない先行隊はもっとヤバ気な奥まで行っちゃったって…。
 どうするよ。ここ制圧してほったらかしは出来んし…でも追わないかんし。俺らの人数で、二部隊に分けんのはちときついべや…』
『シグさん、俺、ほら、あれだからさ。あんまり――ゼフィユ兵信用してないんだわ。だから、敵兵運用だけはしたくないのだけども…。何かいい案あるさ?
 ぜってぇ、敵兵を拘束させたまま動かなくさせれる方法』

―――皆殺しにしていけばいい。―――

―――誰だ、お前は。私の中で勝手に喋るな。敵は化け物だと聞いたばかりだろう?これ以上、この兵たちに関わるのは無意味だ。―――

―――そうか?私はそうは思わない。彼女らはゼフィユの兵だ。平和を取り戻したいんだろう?ならばここで、皆殺しにしていけ。戦争なのだから。―――

―――黙ってろ。二重人格にでもなったつもりか?お前は私の心の中の残虐性という一部でしかない。支配権は私にある。お前が出て来るのはあの化け物たちとの戦いだけでいい。―――

「いや、全員で先に行こうヴィッツ殿。作戦内容は『先遣偵察隊の消息を掴めない場合』防衛隊としてRP−03を死守だ。先遣隊が奥にいると分かったならばこのポイントに用はない。適度に疲労をとって補給をした後、進もう」

敵兵の言葉を信じれば戦力としての生き残りは15人・・・部隊の背後から奇襲を仕掛けるには少なすぎる人数だ。
伏兵はいないだろう。現在部隊の者があちこちを歩き回っている。それらしい違和感がどこにも見つからないのならば、このポイントのゼフィユ兵たちは全員オスカーを狙える。

「拾えるものは拾って、後は捨てて行こう」

今、このポイントは拾うべきものじゃない。
拾うべきものは消えていないかもしれない先遣隊の命。

「・・・が、これはあくまで私の意見だ。ゾンド・・・だったか?第三者として君の意見を聞きたい」

同じように振り返って、問おう。

【RP−03:野戦病棟】 No.308(No.177への返信記事)

DATE : 2006年05月14日(01:30)
NAME : ゾンド
テント入り口の傍で、ゾンドは外気に表面を撫でられるがまま微動だにしていなかった。
やがて、風が細長い透明な糸の様な物体を運んで来る。
糸の末端には小さな蜘蛛か何かか、昆虫じみた物体が付属していた。
ゾンドの髪に触れると糸はそれと同化してすぐに判別が付かなくなった。
小さな生物も、頬に付着した瞬間に、そこに溶けるように飲み込まれていった。
ほぼ同時に、ヴィッツとシグルドから中に入るように指示が降りる。
テントに入るや否や、初対面であるアニタや上官への挨拶も何もかも省略して発言を始めた。

「裏付けを取った。」
視線は3人の中央中空を向いている。唇が動いていない。

「彼女の『先遣隊は北へ向かった』という発言には正当性がある。
現在地より北方へ2.97km進行したDT−04地点に於いて、
大気温より20℃超蓄熱している地域が集中して観測された。
恐らく生体反応。
RP−03付近の地上付近気温は約17℃程度。
熱の数値を加法すると、人間を始めとする恒温動物の体温と近似した値を得た。
距離による熱量減衰の誤差は判定していない。
その熱源が人間とすれば、先遣隊が数十人規模で生存している可能性が考えられる。」

「もしくは、新たなカテゴリの生物兵器であるという予測も否定できない。
超大型が単体で存在するか、或いは中型が複数か。
しかし、我々が遭遇した生物兵器は例外無く全て、
植物や昆虫などの変温動物に酷似していた。
過去の件例に基づけば、これらであるという状況は排除できる。」

「以上の現状証拠から類推すると、熱源反応は先遣隊と思われる。」

「だが、彼女の発言から鑑みると、
先遣隊がDT−04へ向かってから既に多大な時間が経過している。
包囲されている筈の地上に固執し、未だに地下へ向かわない理由が不明。
濃霧で竜騎士による偵察に制限が掛かっている以上、
危険な行動でもあるが、出来得る限り早期に救援に向かうべき。」

そしてゾンドは無言の行に戻る。
発言は終始緩やかな調子で行われたが、
アニタは既にこの発言を理解する努力を放棄した様子だった。
「凄いわね。今の、腹話術?」などと能天気な独り言を言っている始末である。

【RP−03:補給ポイント】 No.309(No.177への返信記事)

DATE : 2006年05月14日(02:47)
NAME : ゾンド
『――ここに最終決定権のあるものはいない。話すだけ無駄だと思うが。
 ―アルベルト、そいつを…隊長達の所へ…頼む。俺は、こいつらを』

「……そう、ですね。出過ぎた真似でした。」

ディーにやっとの思いで返事を捻り出すと。
仲間と隔てられたアイザーマンは連行される仲間を見遣ったが、
誰一人その視線には気付かなかった。
憮然としたまま、彼等が入って行くテントを棒立ちで見つめている。




捕虜は負傷の差こそあれ、誰も彼もが疲弊していた。
この積怨の敵国に易々と介入を許した事実も響いていたが、
何より、下級兵士どころか、最前線で指揮を獲る士官達にすら、
ろくに状況が掴めていない事への無力感、苛立ちは甚大だった。

初動攻勢の時点で、ただの辺境の一拠点である
RP−03の戦力のみで事態を収拾する事自体が既に不可能に近かったのである。

恐慌に陥ったゼフィユRP−03防衛隊は、
『大規模魔法戦隊による都市区画自体の直接破壊』という、
自殺行為じみた要請を数回に渡って本国に上申したが、
ゼフィユ上層部はこれら前線の報告を全く無視し、
損耗した戦力の中規模逐次投入に固執。
いたずらに時間を浪費し続け、傷口は広げるばかりだった。

【RP−03:補給ポイント】 No.310(No.177への返信記事)

DATE : 2006年05月14日(19:17)
NAME : アル
アイザーマンの、視線。
彼の仲間は気づかなかったかもしれないが、その傍にいた彼の敵は、無表情のままその様子を傍観していた。
右手の紫煙が風に揺れる。

「…何はともあれ行くかね」

タバコを踏み消せばゆっくりと切り出して。
そのままアイザーマンを連行し、本部テントへと向かう。

「ま、あれだ、あんたらは良く……いや、なんでもない」

あんたらは良く頑張ったよ。

それは後からのこのことやって来た敵兵が吐くべきセリフじゃない。
兵隊は兵隊らしく、黙って彼を連れて行けば良い。
それが兵士として戦った彼らに対する激励だ。
そんな風に考えながら、

「隊長、彼が話があるそうで」

ヴィッツ達の元へ彼を連れて行けば、そのまま静かに話し合いの場から退室しようと。

【RP−03:野戦病棟】 No.311(No.177への返信記事)

DATE : 2006年05月19日(10:56)
NAME : ゾンド
アルにテントまで連行されたアイザーマンは、
テント入り口の防護布の前で一度敬礼する。
「アニタ隊長。入ります。」
寸度の間も無く、内部から「入ってー」との女性の声がした。
返事を聞くや否や入り口をくぐり、
居合わせた人間の中でも、寝台に横たわるアニタへのみ視線を向けた。

「あら、アイザーマン。今ね、丁度良くDT−04のお話してたの。
最近のDT−04の様子、どう?」

「状況の遷移はありません。
DT−04防衛隊の定時連絡は初動から途絶えたままです。
まともに動ける兵士から決死隊を募って偵察に向かわせましたが、
彼等からの連絡も全く沈黙しています。
組織的な抵抗ができるのもこれでギリギリです。
もう斥候に回せる人員もありません。」

「だって。どうしましょ?」
ヴィッツ、シグルドの両名へ笑いかけると、
一拍置いて何やらボソボソ呟き始めた。

「ちょっと無理しちゃったわね。お腹の子に申し訳立たないわ…。」

アイザーマンはアニタへ返事をしたっきり、沈黙に沈んでいた。

【RP−03:補給ポイント】 No.312(No.177への返信記事)

DATE : 2006年05月23日(20:32)
NAME : ヴィッツ
『拾えるものは拾って、後は捨てて行こう』
「…奇遇さな、シグさん。俺ももうそろそろ全部拾って歩くわけにゃいかんなぁって、思ってきたとこさ」

いつかの自分に似た言葉。シグルドの葛藤も知らず、にやっと暗く嫌な笑いを返した後、

『ちょっと無理しちゃったわね。お腹の子に申し訳立たないわ…。』

ゾンドの報告と入ってきたアイザーマンの言葉と、アニタのそれを聞いて獣が怪我をしたときのような声で唸った。ちっと激しい舌打ちの後、ついと腰掛けていたアニタのベッドから立ち上がる。そしてゾンドとシグルドに向けて『外へ』という身振りを見せて、

「…お話有難う御座いました、アニタ隊長殿。どうやら諸々の事情で動けないようですね、あなたは。――我らは奥に向かいます」

曲刀を腰に戻しながらアニタに言う。そしてその予備動作をしながらアイザーマンを見ずに、

「副隊長殿。どこかしら一ヶ所に固まって避難隊形をとっていてください。
 うちには遠距離の情報を手に入れる方法があります。…何か余計な行動をなさった場合、またはなさろうとした場合――あなた方を焼き払います。戦闘員も、そうでないものも」

淡々と言って、ゾンドの肩を叩いた。最後、ちょっとだけ振り返りテントを出る瞬間に中の敵二人に言う。

「ハイランドは異種族に寛容な国ですが、それは一度だけです。あなた方の国は幾度となく盟約を破り戦禍を起こした――我が隊の精霊使いと魔のものは、あなた方を恨んでいることを忘れずに」





「――っ!ヤな臭いさな…!」

清潔が保たれていたテントの中とは全く違った外は、何だか鼻をつまみたくなるような臭いが漂っていた。それに思わず感想を漏らし、慌てて口と鼻を手で覆った。その格好のまま周囲を見回し、今までいたテントから離れながら声をかける。

「アル兄ディア兄そっちどうさーッ!?センセとリゼっちゃんは?
 他の皆も!補給済ませたかちゃんと休んだかー!行くべや!」

のこのこと補給ポイントの中央まで歩いていって、何もなかったかのような笑顔でべらべらと喋る。時々目の合う隊員には手まで振って、どこへ行くのかと聞かれれば応えるだろう。自分は特に装備も変えていなければ補充も休憩も――とった事になるのだろうか。隊形を整えるなんて指示は今更出さずに補給ポイントの中央を抜け、

「ソル!…あれ、ソルッ?セレ兄ソル知らん?」

近くにいる人に適当に聞きかながら、DT−04――北の奥へ。

【RP−03:補給ポイント】 No.313(No.177への返信記事)

DATE : 2006年05月24日(00:29)
NAME : シグルド
『ハイランドは異種族に寛容な国ですが、それは一度だけです。あなた方の国は幾度となく盟約を破り戦禍を起こした――我が隊の精霊使いと魔のものは、あなた方を恨んでいることを忘れずに』

―――その通りだ。だからここで・・・

―――止めろ。その先は言うな。私はシグルド・ハイメタルだ。そんな感情は不要だ!

―――認識しろ。己の中の怒りを。感じろ。あの廃墟に渦巻いていた怨念を。

己の中から叫んでくる別の声。
ヴィッツとゾンドが先に出て行った後、残されたシグルドは踵を返し、アニタへと向かって歩き出していた。

―――皆殺しにしていけば・・・


「アニタさん。ヴィッツ殿はああ言いましたがあれはあくまで『国』としての意見です。少なくとも私は、個人的にあなたのことが嫌いではない・・・そういうことです・・・。私は、いつかゼフィユとも手を取りあえる日を信じて戦おうと思います。
それでは、失礼します・・・」

甘いということは分かっていた。

が、それがアースガルム人の、ハイメタルの血だ。仕方ない。



「竜騎士部隊第6小隊、上昇ォ!!」

ラスタードに跨り、号令をかける。
そして他の竜騎士たちが後ろについたのを確認すれば、声を張り上げて命令を飛ばそう。

迷いは、殺していこう。

「これから進撃する地点は今までよりも激戦区だ!今までのように戦って五体無事とは限らない!だから、私は命令する!」

すぅ、と息を吸い込み、力を込めた。

「『絶対に生き延びろ!!』」

ラスタードが呼応するように吼えた。
そして空の騎士・・・シグルド・ハイメタルはDT−04――死地へと赴く。

【RP−03:補給ポイント】 No.314(No.177への返信記事)

DATE : 2006年05月24日(17:44)
NAME : ジュート
『戦闘員でも、つらくなるときはある・・慣れてもだ。だからそう・・無理することはないと思うぞ。人手は足りてるようだから休むといい。・・・少しは楽になる。』

そうセレスに声をかけられ、無言で頷く。軽く壁にもたれかかるようにして眼を瞑って。
見た目でも休んでるようにしておかなかければ、また余計な心配をかけかねない。
そんなことを考えながら、実際少しは身体も休まったのだった。

そこにテントから戻ってきた隊長二人の姿を捉え、ゆっくり身を起こす。
すっ、と息を吸い込み長く吐く。それを数度繰り返したときには、落ち着きを取り戻した顔があった。
そして先程声をかけてもらったセレスのもとにゆっくり近づいて、

「……有り難うございました。」

しっかりした声で礼を言うと、軽く頭を下げた。
そして進軍を待つ――――。

【RP−03:補給ポイント】 No.315(No.177への返信記事)

DATE : 2006年05月24日(22:32)
NAME : セレス

漸く話も終わったらしい。
出てきた隊長二人を視認して、少しだけそっちに寄った。

『……有り難うございました。』

声に気付けばさっきの青年が隣にいて、頭を下げている。
声音が安定しているから、大丈夫だろう。
別に。と短く返しながら響く隊長の声に耳を傾ける。
どういう会話がテントであったかは勿論知らないが、士気に関わる様子は今のところ無い。そのことに安堵しながら。

「・・・・。」

自分は元より支障ない程度。問題は無い。進軍する命令が出ればすぐにでも――。

『ソル!…あれ、ソルッ?セレ兄ソル知らん?』

近づいた声。
最初に自分の名前を、次にソルという名前を認識し、それが部隊の副隊長のことだと思い当たる。
少し首を巡らして探したが、やはり見えるところには居ないのでさっき歩いていった方向をふい、と軽く手で示して応える。

「辺りを見てくると言って、そっちの方に。」


声が聞こえるだろうから、大して間を空けずに彼も戻ってくるだろうな。と考えつつ。
そして周りの動きを確認しながら、自分の就くべき位置に移動、待機するだろう。
竜騎士の隊長の命令を、過去聞いた記憶がある声と重ねながら。

【DT−04:人体焼却場】 No.316(No.177への返信記事)

DATE : 2006年05月25日(00:09)
NAME : ゾンド
RP−03より一路北へ。
全周警戒しつつの神経質な行軍だったが、
幸いにも敵影を確認する事は無かった。
しかし何故か、北上を続けるに従って周囲の気温が異常に上昇してゆく。
明らかにDT−04には太陽以外の熱源が存在した。
視界を遮る濃霧も手伝い、湿度は不快そのものと代わり果てつつあった。

一団は徒歩40分程でDT−04らしき地区の近辺へと到達する。
だが、その場所には天蓋はおろか、
地下坑道への入り口らしき施設は地上からは全く確認できなかった。
周囲には粉砕され、焼け焦げた跡を持つ構造物や建築資材、
崩された残土や、それが高熱で融解したかのような溶岩が至る所に露土している。
ハイランド軍の軍旗が力無く横たわり、可燃物が爆ぜる音が満ちている。

そして、
数cm刻みにまで粉々に粉砕された人間の欠片が、
真夏の砂浜を軽く超える温度の地面に、無数に散乱していた。
どれもこれも炭化するまで焼き尽くされており、
辺りはRP−03の簡易火葬場より酷い異臭に包まれている。

内臓や血糊、筋肉繊維、骨格、
かつて人間が纏っていたであろう鎧や布。
どれもこれもが一緒くたに掻き雑ぜられ、そのまま業火にくべられていた。

【DT−04:人体焼却場】 No.317(No.177への返信記事)

DATE : 2006年05月29日(02:16)
NAME : ディー
出立の声を聞けばすぐ、竜騎士たちが空へと舞い上がったのが見えた。

指示も無いので、勝手に所定の位置と決めた最前列に立ち、誰にも気付かれないように、細く長い息を吐いた。
テントに詰め込んだ敵残存兵の、疲労し絶望し、しかしまだ生き延びられるという幻想を捨てきれない妄執の眼差し、自らの手で投げ捨てた人の焼ける匂い。
息をつめ、そんなものを内に入れまいとしていたのかもしれない。
何と愚かで弱い―…そう、己の行動を嘲笑し、斬り捨てる。触れた刀の柄が、かちりと小さな音を立てた。


そうしてしばらく行くと、また、何かの焼ける匂いと立ち上る煙、そして異様な高温の地熱。
この匂いがなんなのか、ここにいる誰もが知っているだろう。
全身が粟立つのを感じながら、地面に散らばる炭化した「それ」を拾い上げ、眩暈すら覚えた――表には全く平常どおりだったが――どんな理想を掲げようとも、戦うものの行く道は、こうでしかないのだと。

後ろを振り向き、ヴィッツやソルの姿を探しながら、問う。

「…全軍を…通らせるのか…?…ここを…」

先の補給地点でのことで、まいっている歳若い戦闘員や非戦闘員がいるだろう。
熱すぎる地面も、散乱する「それ」も、彼らに追い討ちをかけるのに十分ではなかろうか。

【DT−04:人体焼却場】 No.318(No.177への返信記事)

DATE : 2006年05月29日(20:38)
NAME : ヴィッツ
さぁ行くかと気合を入れたはいいものの、DT−04――…のなんだろうかここは――に着いてみては、密かにおろおろと動揺していた。
臭いは酷いし何だか煙か何かで目も痛いし、嫌な音が聞こえる。俺が好きなのはキレイな暖炉で優しい人が薪をくべる音だ。こんなんじゃない。

副隊長は、後方で殿でもやっているんだろうか。
呼んでも来ない彼をさらに小声で呼びながら、

『…全軍を…通らせるのか…?…ここを…』

前方から声。声の主は、聞こえただけで分かる。彼ですらそう言うか…。口を開くのを躊躇ってから、唸って開いた。

「だってディア兄、特工もいねぇんだもんよ。皆、置いてくのはあかんべや…。非戦闘員いるべ?女の子いんよ…?」

それで、ここの空気を吸ったのか息を止める仕草で口をつぐんだ。ちらりと少し先の地面を見て、そこに見えてしまったものにあからさまに目を背けた。テンション下がってるんですよ、今。
だが、自分はそういうのは言い訳にならず。相変わらず副隊長を探しながら、話しているディアヴォル、ついでにシグルドを始めとした竜騎士へ話しかけるよう視線をやって、

「…ここ歩くの嫌なら竜の上乗っけてもらって突破とか…。またはあれだ、とりあえずここ歩き回れますっつう元気な奴だけで突破できそうな道探すか…。
 つか、先発隊どこ行ったん、これ」

【出撃宣言】 No.319(No.177への返信記事)

DATE : 2006年05月30日(23:50)
NAME : レイジ
PC:レイジ・フォルネスト
要塞待機部隊 傭兵隊(前衛)
パラメーター設定
・体力:6/21
・筋力:10
・精度:8
・魔力:1
使用武器設定
・バスタードソード:14kg
・ライトクロスボウ:4kg
使用防具設定
・ブレストプレート、鋼糸の外套、手甲、具足 16kg
34/69
備考

「……血の匂いと炎の匂い……。
 久方ぶりに吸ったって、胸糞悪ぃ。
 何処のどいつだ、こんな事やらかしたのは」

【DT−04:人体焼却場】 No.320(No.177への返信記事)

DATE : 2006年05月31日(01:35)
NAME : エンガ
「臭い台詞はどうでもよいが、お主の武勇には期待しておるよ。」
に、と笑ってレイに返す。そして移動が始まればすたすたと皆に合わせて歩き出す。

「・・・そういえばお主はこのような前線へ出るのは何度目だ?・・・我はこれまで2,3度ほどだが。」

とライオンのような容貌の男、レイに問う。

【DT−04:人体焼却場】 No.321(No.177への返信記事)

DATE : 2006年05月31日(01:41)
NAME : ニーア
鼻を突く匂い。

正直ここまでなどとは思わなかった。
ここまで生臭いとは思っても見なかった。

・・・兵士が精神的に傷つくのも無理はない。と思案する。
僕を取り巻いているのは生まれて初めて嗅いだ・・・死体の匂い。

「へぇ〜・・・こんな匂いなんだ。「死臭」って・・・。」
やはり前線へきて正解だ。命の危機はあるが、同時に様子を知ることができた。

・・・だけどこの匂いは慣れそうもないな。
ってか慣れちゃだめなんだけど・・・。

そんな事を思案しつつもパイプタバコを吸う。

冷静な思考を失わぬ為に。最善の策を立てるために。
絶対に仲間を失わぬ為に。

そして青年は煙を吐いた。
「さて・・・どうすれば安全に行軍できるんですかね・・・。」
と、頭を回転させ始める。

[レイジ出撃確認] No.322(No.177への返信記事)

DATE : 2006年05月31日(05:37)
NAME : ゾンド
■個人宛エンデュミリオン命令■

ステータスオールグリーン。
貴殿の価値は戦によってのみ償却される。
磨かれし牙を存分に。

(GM注:進軍中の御参加ですが、
「隊には最初から進軍に同行していた」
という設定でロールを回して下さい。
また、他のPC様も同様にレイジC様を扱い下さい。)

【DT−04:人体焼却場】 No.323(No.177への返信記事)

DATE : 2006年05月31日(05:53)
NAME : シィア
暫く大人しかったが、流石に目の前に広がる光景と死臭に腕で鼻と口をふさいだ。
そうしたからといって、匂いを感じなくなるわけでは無いけれど。

「…久しぶりだな、こんなの」

待機部隊に入るまでは、数回大きな戦場に出たこともあった。
それが終わった時の匂いを思い出した。

「…私は、大丈夫だから…。
 その辺探してみるわ…」

大丈夫だからといって決してテンションが通常時なはずも無い。
ヴィッツに小さくそういうと、周囲を捜索し始めた。

PL:
ゾンドPLさま、長期のイベント抜け申し訳ありませんでした。
何とか掲示板の方は安定してきましたので、いつぞやのPLチャットのお言葉に甘えて復帰させていただきます。

【DT−04:人体焼却場】 No.324(No.177への返信記事)

DATE : 2006年05月31日(11:14)
NAME : アル

「・・・趣味悪ぃ、ホントに趣味が悪ぃぜ」

粉々に粉砕され、焼け焦げた「元人間」達。
多くの非戦闘員を抱えながら移動するには、どうも今回の作戦はキツすぎる。
…そもそも、まずこの有様はどういう事だ?
確かに、先ほどから絶えず爆発の音はするが、それにしたってここまで粉々になるものか?
何かがあるのは間違いない。

この肉片達と同様、力を失い朽ち果てた高峰国の軍旗が見えた。

『つか、先発隊どこ行ったん、これ』

「この「連中」の中に、俺達の捜し求める戦友も何人か混じってそうですがね。
 ちょいとかき集めて組み立ててみますか?ゼフィユとハイランドのハーフが作れそうですぜ」

……これは失言だったな。
言ってから気づき、気まずそうに目をそらした。

『…私は、大丈夫だから…。その辺探してみるわ…』

それが大丈夫って声かよ。
俺だってキツい、できれば今すぐ帰りてえ。

「おい小娘、一人で動くとあぶねーぞ。
 隊長、道を探すなら二人一組を推奨します。
 状況がわからねえ、単独でうろつきまわると喰われかねません」

そういい残せば、シィアの後を追い、安全なルートの探索を開始する。

【DT−04:人体焼却場】 No.325(No.177への返信記事)

DATE : 2006年05月31日(14:34)
NAME : リゼ
嗅覚なんてとっくに麻痺したと思ったのに、
じわじわと締め付けるような臭いと熱に、思わず口を手で抑える。

もうイヤだ……。
イヤだ、帰りたい、イヤだイヤだ誰か助けてお師匠様こんなの間違っている――ッ

「……あつい……」

代わりに出せたのは、こんな言葉だけだった。
今、そう叫んでしまったら、もう取り返しがつかなくなってしまう。
――皆に迷惑をかけることだけは、できない。
それだけを念じて、暑さばかりのせいではない、べとつく汗を拭った。

「……暑い…。
 うん、暑すぎる、と思うんです。
 普通の火では、石は、溶けないのではないでしょうか…?
 この熱源は、どこから…?」

熱源は、上からか下からか、人や物の切り口は…?
焼かれた軍旗や…その他のものを見つめる少女の目に、雫はない。

全てが終わったら、思う存分泣いてやる。


足に重りがついたように、動くのにとても力が要るような感じ。
無論のことだが、探索は無理だろう。
時折口に手がいくのは、吐き気を我慢しているか。

【DT−04:人体焼却場】 No.326(No.177への返信記事)

DATE : 2006年05月31日(15:10)
NAME : クライド
『竜騎士部隊第6小隊、上昇ォ!!』

「了解!」

己を鼓舞するために、腹から声を出し。
ミネルヴァの騎上で、上昇の風を感じる。

『これから進撃する地点は今までよりも激戦区だ!今までのように戦って五体無事とは限らない!だから、私は命令する!』

『『絶対に生き延びろ!!』』

ラスタードが唸る。
ミネルヴァそれに合わせ、戦う者の目つきで咆哮する。
若者は、右の拳を、晴れぬ空へと突き上げ、
竜の低い声にかき消されもせず、声の限りに叫んだ。

「「応ッッ!!!」」

そして付け足された不遜な言葉は、霧を含んだ風の中で、聞こえたかどうか。

「……隊長、あんたもなッ」


***


辿り着いた、まさしく死地に、
先ほどの補給地点でも成した、死者への印をこっそり繰り返した。
彼の目には、焼かれたハイランドの軍旗が見え――。

「糞ッ……!」

勝つこと。
出来れば皆で、生き延びること。

戦場でこの二つが、彼にとっては最も重い目標だった。
他、2人と2匹の空の仲間を見やって言う。

「俺らも、空から探索するか?
 ……この濃霧じゃ、地上から探すんと、あんま能率変わらねぇ気もするけど」

【DT−04:人体焼却場】 No.327(No.177への返信記事)

DATE : 2006年05月31日(17:51)
NAME : ポット
「・・・アグニの海だな・・・」

暑さなどは微塵も感じなかったが、溶岩を見て連想したのは故郷である魔界の光景。
確か幼い頃仲の良かった悪魔のグループで火竜の骨を探しにいったことのある海だった・・・が、それとは決定的に違う所がある。

悪臭、人間の欠片、渦巻く負の残留思念。

これらの光景はすべて、人間たちが自分たちの手で作り出したもの同然だった。

「・・・どこまで愚かで醜いのだ、人間は・・・!」

誰にも聞かれないように呟く。
先ほどの補給地点もそうだった。最初は惨状に同情、憐れみに似たものを感じていたが、あれらは全て人間が人間自身を傷つけた結果・・・そう思うと逆に嫌悪感がこみ上げてきて、結局一人で草むらで昼寝をしていた。そしてやっと出発と聞いたのだが・・・この状況。

考えるのはやめることにした。

「くそっ!とにかくここを越えんと話にならん!確か氷の力を持つ竜がいたはずだな?」

腕組みして見上げるのは白銀の飛竜。

・・・しかし、この地帯を全て凍らせるには・・・無理があるか?

【DT−04:人体焼却場】 No.328(No.177への返信記事)

DATE : 2006年05月31日(19:24)
NAME : セレス

進軍して辿り着いた場所は――地獄か。
他の隊員は多分、そのように形容しただろう。心の中で。
その中で顔色も変えず、大きな動作もなく立っていた一人。
炎を映した目は無感情ではなく・・・普通とは違う感情を持っていたかもしれない。

懐かしい。と。

子供の頃からずっと自分がやっていたことだった。
懐かしむような記憶でも無いけれど、確かに昔五感で感じ取った全てが此処にある。
命令を出すための思考もいらず、感情を押しとどめる必要も無い、
いつもと変らず歩けるので、自分も探索側だろう。
そう思って、先に行った数名を追っていく。

『くそっ!とにかくここを越えんと話にならん!確か氷の力を持つ竜がいたはずだな?』

その中で聞えた声。
凍らせる・・のは、その竜と魔法使いを合わせても重労働だろう。が、

「・・・火を止めて探索を楽にするぐらいなら・・まあ如何にかなるかもしれないな。」

物理的に障害である炎を止めるのと、戦力である魔力を温存するのと――どっちを優先するかが問題だが。

【DT−04:人体焼却場】 No.329(No.177への返信記事)

DATE : 2006年05月31日(19:45)
NAME : バード
その場に広がる光景に、眉をひそめて息を詰めた。

土と石に育まれた竜は、地に足がついている限り、いついかなるときにも大地の精霊を感じることができる。
できる、はずだったが。
もう、精霊の悲鳴すら聞こえない――ここは、死んだ場所だ。
空虚を踏むような感覚に襲われつつ、足を止めるリゼの近くへ行って、彼女の頬に掌を当てようか。
人間よりずっと体温が低く、汗もかかない体である。気休め程度でも、涼がとれるだろう。

「大丈夫ですか? 皆さんも―…気分が悪くなったら、仰ってくださいね。わたくしがおぶって差し上げますから〜」

微笑を浮かべ、冗談ともつかない言葉を非戦闘員たちに向けた。流石に戦闘員を背負うのは無理なので、頼まれてもお断りするしかないだろうが。

【DT−04:人体焼却場】 No.330(No.177への返信記事)

DATE : 2006年05月31日(19:48)
NAME : レギ
「・・・ったく、嗅ぎ慣れた匂いがするねぇ・・・」

ようやくたどり着いた目的地らしき場所は、どう贔屓目に見てもあまり長居していたいと思えるような場所ではなかった。
額に汗をにじませて、瞳を細め呟く。
しかし、その表情に浮かんでいるのは、周囲に広がる光景に対する畏怖や、たち込める異臭に対する嫌悪ではなく、純粋に、気温に対する不快感だけだった。

――戦場に赴けば、どこであろうと死体が転がっていた。
  細切れになろうが炭にされていようが、関係なく――

そんな生き方をしてきた男にとっては、特に目の前の光景に対して恐怖を感じることもないらしい。

そう、この匂いは、いつも自分とともにあった物だ。
――死の匂い
――戦の匂い


「隊長殿、探索を行うのでしたら、自分も複数人体勢を推します。
 この状況で、地上のものが単体で動き回るのは危険かと思われますが。」

先に提案した男に続いて隊長に申し入れ、先に探索へと赴いた者数名の後を追った。

第二章終了 No.331(No.177への返信記事)

DATE : 2006年06月01日(22:18)
NAME : ゾンド
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++連幕++

  
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