◆ 【tEO−05:地底湖】 No.457(親記事)
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2006年07月25日(05:59) |
NAME |
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ゾンド |
物資の輸送や防壁の構築等で人々が慌しく動いている内にも、 リフトは時針の歩みの如く、遅々とした速度で離れてゆく。 補給ポイントとリフトとの橋渡しをしている鉄板は両岸の支えを失い、 幾重もの波紋を残し、音も無く湖面に消えていった。
リフト上の空気が加速し、緩やかな風となって皮膚を撫でる。 ぼんやりと発光する湖底、周囲は闇一色。 補給ポイントの姿も既に緞帳に呑まれている。 空気の動きが辛うじて「進んでいる」事を示すだけだ、 足場の上でなければ何も存在しない空間。
時がどれ程経ったのかは知る由も無かった。
いつしか天空には、湖底と同じ淡い色で輝く、 無数の星々のような蒼い煌きが瞬いている。
色以外は地上で観られる星空となんら変わりないそれらは、 進む毎に光度と数が増してゆく。
かつてそこは――― “the
Extreme Oval”と呼ばれる楕円サーキット状の実験区画だった。
◇ 【tEO−05:地底湖】
No.458(No.457への返信記事)
DATE |
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2006年07月26日(13:28) |
NAME |
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アル |
「…一服する時間があるのはありがたいが、よ。 もう煙草が無くなっちまいそうなんだがね」
一体どれ程時間が経過しただろうか? 男の足元にはもう数え切れぬほどの煙草の吸殻が投げ捨てられていた。
気だるそうなぼやき、しかし更なる一本に火をつけようとしたところで…… 頭上に無数の星が現れた時点で、言葉を失った。 一体どれだけの魔法陣を構築すれば、こんな広大な空間に星空を生み出せるのか? これがゼフィユの科学の力とでもいうのだろうか?
「…驚いた」
長い沈黙の後、そう一言だけ洩らした。
◇ 【tEO−05:地底湖】
No.459(No.457への返信記事)
DATE |
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2006年07月26日(15:29) |
NAME |
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ビッツ |
「――――――。」
寝てた。
決して寝心地が良いとはいえないリフトの上で、 何か出てきたときに引っ張り込まれないよう中心のほうで。 男は寝息もろくにたてず、すやすやと眠っていた。 それは天井を埋め尽くす青い星が浮かび上がった後も変わらず… 寝てた。
それでも、何かしらの脅威が迫ればすぐにでも飛び起きるであろうことは… 曝睡してなおその右手から片時も手放さない大剣が証明しているけれど。
◇ 【tEO−05:地底湖】
No.460(No.457への返信記事)
DATE |
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2006年07月26日(22:03) |
NAME |
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ディー |
リフトが移動し始めてからも、気の抜けた穏やかな時間が流れていた。 焦れるのは性分だ。戦場に、穏やかなときなどいらない。喉を潤すには過ぎた酒を捨てようと歩き出した次の瞬間、足元にあった大きななにか――それはもう気持ち良さそうに寝ているビッツを踏みそうになる。
いっそ、踏んづけて起こすべきか。
逡巡していると、にわかに周囲の光量が増していく。今度は視界を奪われないように、徐々に目を光に慣らさなくてはならない。 星空のような上空を見上げ、そのままの体勢で到着を待つだろう。
◇ 【tEO−05:地底湖】
No.461(No.457への返信記事)
DATE |
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2006年07月27日(00:39) |
NAME |
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セレス |
会話・作業を含む仕事をしていなければ五感が狂いそうな移動。 それを終了させる変化が訪れたのは・・・一体何分経ってのことなのだろうか。
「・・・・・・・・・科学、か・・・?」
上の光を見て、思わず呟く。 星の眷属ともいえる月の恩恵を受ける自種族。それが魔法を使い投影した夜空にも似た――用途はきっと、全く別なのだろうが――空。 そんなものが今、上方一面に広がっている。 未知の分野対する感情の所為か、過去見た記憶も薄いそれと重ねた所為か、・・・それとも変わらぬ警戒か。 若干、表情と身体を強張らせて・・その光を見ていた。
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